【1879→】(ひぼ)

謝ることが増える一方だな
（いつかは想いの通じた口づけを交わしたいものだと指で唇を障り、それよりも先に謝罪しないと目を合わせても貰えなさそうで。ふと緊急事態と言えど死体を置き去りにした事を思いだし、家を出て常連の店で馬を借りて農場へ向かい

（店には数人の客入るが一旦落ち着きを見せ、足りない食材があるから買ってきてくれと父に頼まれ馴染みの店に行く途中ジョシュのことが気になり家に戻り部屋を開けるとベッドには姿がなく「ジョシュ・・？」家の周りや周辺を探しに行き

…煙が恋しい
（普段なら肌身離さず持ち歩く煙草がなく口寂しさに襲われながらも片手で馬を操り農場へ到着し、乗ってきた馬を柵に繋いでおき。現場にはあの日のままのオーナーの姿があり、手を合わせどこか埋める場所を探し

・・・全く、傷口が開いても知らないから
（彼が行きそうな場所をあっても姿が見当たらず、買い物をして帰ろうと家を出た時銃声が鳴り響きそちらの方に顔を向ければまた誰かが暴れてると顔を顰めながら馴染みの商店に行き

（農場の一角にある家庭菜園のようなスペースに穴を掘りオーナーを横たわらせ枝で十字を作り、簡単にだが墓を作り後は帰るだけだが動き回りすぎて傷が痛みだし前のめりに馬にもたれ掛かって帰路を走り

行かないとな・・
（農場に行く踏ん切りがつかず、中々行けないなと思いながら買い物を済ませ帰ると店の前の道路に人だかりが出来、何があるんだろうと前にいけば酔っ払いとガンマンが張り合い喧嘩になろうとし

早く帰らないと…
（馬に体重を全て預け辛うじて股がっているくらいの乗り方で早さも人が歩く速度とほぼ変わらず、ぼうっとしていると喧嘩の声が耳に入り意識が覚醒して二人の男の間に止めに入ろうと馬から降り

ちょっと、人の店の前で何やってるの！？
（銃を手に掛けようとする２人をやめさせようと声を張り上げると周りはざわつき、男たちはこちらをみるなり酔っ払いは近づき黙れと声をあげながら銃を突きつけ

あれはリシュリーか…？
（威勢の良い女性の声に聞き覚えがあり目を細めて注視すると自分のよく知る女性で「おい、何してる！」酔っ払いに叫ぶが野次馬の声にかき消されて届かず、銃を抜き空中を撃ってこちらに注目させ

・・喧嘩するなら・・ほかのところでやってよ！
（銃を突き付けられここから早く逃げたいという気持ちをぐっと堪え震える声で見上げ、酔っ払いが引き金に指をかけた瞬間背後から銃声が鳴り「きゃっ」小さく悲鳴をあげ両耳を塞ぎながらその場でうずくまり

男なら人様に迷惑かけるな。今日はもう帰れ
（男二人がこちらに気付き殴りかかろうと襲ってくるが、痛む肩を動かし素早く両手に銃を握り一人ずつの額に銃口を当て黙らせ

ジョシュ・・
（聞き覚えのある声に振り向くと男たちは自分の横を勢い良く通り過ぎるが、彼の前で立ち止まるも観念したかのようにその場から去り、立ち上がろうとするもうまく立ち上がることが出来ず

（血の気の多い男達が散って行き銃をホルスターに戻しリシュリーの元へと駆け寄り「…リシュリー、立てるか？」銃の音に怯えているであろう相手に手を差し出し

たぶん・・平気
（上を見上げコクリと頷き、差し出された手を握り頑張って立ち上がろうとするがそれでも立つことが出来ずに何度も繰り返し

一人にさせて悪かった
（立てそうで立てない様子に先に落ち着かせる必要があると察し、地面に屈んでリシュリーと同じ高さになり右手を伸ばし片手でそっと抱き締め

いいの、貴方は何も悪くないから
（謝罪の言葉に首を横に振り否定し、抱きしめられた体に手を置き。外の騒ぎと発砲音に店からは客と父が何事だと出てき

ほら俺に体重乗せて、立てるな？
（顔馴染みの客に町中でイチャつくなと茶化されるが無視して流しておき、自分の方に寄り掛からせリシュリーを支えたまま立ち上がり体を離して

・・ありがと
（周りにみられてるのに恥ずかしくなり、体重を乗せ支えがありなんとか立ち上がることが出来ると両手で小さくもう大丈夫と止めるように一歩下がってそのまま父の待つ方へ向かい、肩をだからながら店に戻り

俺って天才かも
（店に戻る背中を見送る中で名案が浮かび手を打ちニヤリと笑い、親子に「いい事思い付いたんだけど聞いてもらえる？」後ろから話し掛け引き留めて

何？
（引き止められ玄関手前で立ちどまり振り返って、不敵な笑いに父は少し警戒をしなにか企んでいるようにしか見えない相手に首をかしげ