名無しさん 2017-02-11 21:42:25 |
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…ははっ、報われる日なんか無いのかもな
(リシュリーの涙に胸を抉られる思いになり自嘲の乾いた笑い声をあげ砂をかけて火を消し、同じ屋根の下に帰る気にはなれず寂しさを紛れさせる為に最近は足の遠くなっていた娼館を目指しよろめきながら歩き
(布団に潜り込み目を瞑り寝ようとするも、さっきのことが頭から離れず寝れないと体を起こしジョシュのいた部屋のドアを少し開け中を覗くも姿見えず、まだ外にいるのかと裏庭へと行くもその場所にも居なく
よぉソレーヌ、久しぶりだな
(外の静けさとは無縁の雑音の多い店内で馴染みの娘を見つけ手を挙げて呼び。金さえ払えば愛想を振り撒く相手の゛会いたかった゛なんて嘘っぱちの台詞を聞き流して酒と煙草を頼み
どこに行ったのよ・・・
(寒空の中、夜遅くまでやってる顔見知りのバーや自分の店を探し回るもその姿が見つかることはなくそれ以外に行きそうなところが思い当たらず、夜が遅くなるにつれ急激に体温が低下し家につくもう少しのところで力尽き倒れ
やっぱ今日は帰る。またな
(リシュリーの顔が頭から離れないまま酒を飲み気持ちの入らないキスをしても虚しく、ソレーヌの大胆に開いた胸元に札を挟み店を後にして。外気の寒さに自然と早足で家を目指して歩けば誰かが倒れて入るのが見え「おい、大丈夫か」慌てて駆け寄り
ジョ・・シュ?
(頭がボーッと目の前がクラクラと歪み起き上がる力がなくなり、どうしようと考えてた所前から誰かが叫ぶ声が聞こえなんとか頭を上げ、ぼやける視界では分からず
リシュリー、俺だ。しっかりしろ
(冷たくなった体を軽々と抱き抱え家に向かい、以前自分が寝ていた時の事を思い出しあの部屋の隣がリシュリーの部屋かと考えそこへ運び込みベッドに寝かせて
(視界に移る影が相手か分かると口角を緩め、どこに言ってたのと言おうとしても口を開く力もなく安心感からかフッと気を失い次に気がつきた時には自室のベッドに横になっており
(何かあっては大変だから一晩中傍で見守ろうと決めたものの久しぶりの酒に眠気を誘われ、ベットの横に持ってきた椅子に腰掛けたまま上半身をベッドに乗せ眠ってしまい
寝てる・・
(上半身を起こし、ベッドの横を見ると看病をしてくれたのかただ寝てるのか分からない相手に困ったような笑顔を浮かべ寝てるのを邪魔しないようにゆっくり起き上がりジョシュの頬に軽くキスをしては恥ずかしそうに部屋を出て
……ん…リシュリー?
(いつの間にか寝てしまい窓から差し込む朝日に眩しそうに目を細め、何故かは分からないが無意識に頬に手を添え微笑み。変な体勢で寝てしまい固まった体を伸ばして部屋を出て
おはよう
(服を着替え終え店に行く準備が整い家を出ようとしたとき、部屋から出てくる姿を見て微笑み「昨日はごめんなさい、変なところ見られちゃった・・」恥ずかしそうに目線をそらし
いや待て謝るな…俺の方こそすまなかった
(元はと言えば自分が早まって手を出そうとしたのが原因で、謝るリシュリーに掌を向け待ったをかけ視線を足元に落とし小声で謝り
でも、ありがとう・・
(俯くジョシュにゆっくりと近づき、ジョシュの頬に手を当てそっと上を向かせ優しく撫で「貴方が来なかったら、死んでたかもしれない・・」弱々しい顔で笑い
リシュリー、でも俺が…
(触れられるのは初めてで驚いたように目を丸くしピクリと肩を動かし、謝る事で聞きそびれたが「もう起きて大丈夫なのか?」店に出ても平気なのかと心配し
平気、もう大丈夫
(ごめんっと言って手を離し、心配してくれる言葉に小さく頷き「そうだ、お店の鍵・・それとこれ」昨日渡しそびれたお酒とタバコの入ってる棚の鍵を渡しお店の鍵をもらってないと
良かった。でも無理は禁物だからな
(無理をしそうな性格の相手に念を押しておき。鍵と聞き思い出してベストから取りだし「すまん忘れてた。ありがとう」代わりに受け取り後で店に行くと告げ酒と煙草を取りに部屋に行き
うん、わかった
(照れ笑いで少しだけ視線をそらし、鍵を受け取って「じゃぁ、後でね」部屋に戻る背中に手を振りずっと相手のポケットに入れっぱなしで暖かくなった鍵を握りしめ店へと急ぎ
…だめだ、可愛すぎる
(背中に手を振るのを視界の端で捉え、相手には聞こえない大きさで呟き。棚から出した愛用の品をさっそく一口飲み火を付け煙を吸い込み、約束した通り店に行くかと部屋を去り
いらっしゃい、いつものお酒でいい?
(店が開くと次々と顔馴染みが入り、店はいつも通りの賑わいになり普段通り炊事場とカウンターの行き来で忙しくし家を出る前ジョシュに言われた一言が頭をよぎり少しだけ意識しながら働き
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