匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(少しの見返りのために頑張ってしまうもの。聞き覚えのある言葉に眉をぴくりと動かす。確かイナリを崇拝していたとある武士が同じようなことを言っていた。その時は度重なる戦を経験して感覚が麻痺したのかと思ったが、平和な世で同じようなことを聞くと、その言葉は人間特有のものなのかと推察する。弱者は常に非合理だ。だから小さい、それも得られるかどうか分からない見返りを求める。かと言ってイナリが常に合理的な生き方をしているかと問われれば否なのだが。布団に潜り込む彼女を目で追うと、念の為に薬など作らねばと思い小さくため息を吐く。緊張の糸が解けたからか風邪など引きおって。確か社務所に薬研があったな、と立ち上がった時だった。彼女から今日一番の爆弾発言を受け取る)
……な、何を馬鹿なことを申しておるかっ! さ、さっさと眠らんか! そういうのをな「せくしゃるはらすめんと」と言うのじゃぞ!
(やや顔を赤くしながら即座に反応すると、逃げるように本殿から出て行く。九尾の狐にとって恥辱以外の何者でもない。最近の人間は風紀が乱れているのだろうか。どたどたと足音を立てながら社務所に向かう。外の雨は小雨になっていたがイナリの心は大雨のように荒れていた)
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