血肉を貴女に、貴方を私に

血肉を貴女に、貴方を私に

依原燐  2017-12-17 22:10:00 
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あのロリババア吸血鬼と生け贄の俺ちゃんの部屋です。


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  • No.61 by マリア  2017-12-23 23:55:01 




ふ、何赤くなってるのよ、燐。
( 若しかして何か違ってたりしないか、と行動に移した手前不安が靄となって心中を過り僅かばかりの後悔を抱き。恐怖心からか直視出来ない故、様子を窺うように幾度か盗み見る事を繰り返していたが、忽ち彼の面持ちが赤く染まっていくと瞳と口を間抜けにも半開きにしてばっと其方を凝視し。生意気な男だと思っていたが、何だ、可愛い所も有るじゃないか。くすりと一つ笑みを零すと、肩をくつくつと震わせ指摘してみせ。素直に見せず誤魔化そうとしている様も何故か滑稽に見えては、密かな笑い声は留まることを知らず。怒りの要因である彼の悪態も今は可愛いものに思えて仕舞い、体重を掛けるように身体を凭れさせては余裕綽々の上から目線で言葉を紡ぎ。 )
阿呆で結構よ。アンタの真っ赤な顔が見れるならね。


( /はい、一応このまま続けさせて頂きましたが、物語の進展へ誘導してくれて全然構いませんので‥!此方こそ宜しくお願いします。 )


  • No.62 by 依原燐  2017-12-24 00:12:03 


..、腹立つ。
( 此方の赤面に楽しそうに肩を揺らして笑う彼女に悔しさを覚える。どうせこの悪態に対しても可愛らしいなんて考えているのだろう。可愛い訳などあるか、可愛いのは彼女で充分だ。此方に体重を預けてくるような体制になられては抱きしめたさにぐ、と堪える。が、我慢出来るわけもなく何だかんだ結局彼女の肩を抱いてしまう。下から覗くような目線に思わず胸が高鳴ると瞼の辺りにも口づけをする。至福に満ちている時間が流れる中、そんな時間を割くように身体に再び異変が現れる。)
っ..!がっ..、!
( 突然に胸から込み上げるものを我慢出来ずに吐き出してしまう。吐き出したものといえばそう、血だ。ゴプ、と泥のような血を吐くと痛みに胸を押さえる。吐いた血は彼女の綺麗な髪にかかってしまう。そして、まずい事態にもなるかもしれない。血を見た彼女が、我慢出来ずに血を飲む可能性がある。血を吐き出したあと、咳き込んでは再び血が指の間から零れる。まずい、先ずは彼女を落ち着かせなければと思えば途切れ途切れになりながら叫んだ、)
マリ、ア..みる..なっ....、!

  • No.63 by マリア  2017-12-24 00:39:05 




( 照れ故の悪態に最早憤りは消え失せ唯々珍しく優位な位置に立っている現状況に嬉しさは込み上げるばかり。性懲りも無く笑みを零していると瞼に柔らかい感触。気恥ずかしさが生まれる反面、之が俗に言う幸せという感情なんだろうと一人でに納得し、このまま穏やかな刻が永劫に流れていれば良い、と思った矢先の出来事であった。 )
__!?
( 視界を埋め尽くした赤薔薇の花弁の如き鮮血。__発生源は、彼の口元だ。苦痛に歪む彼の面差しを美しく濡らす紅い血液は留まらず自身の金髪を染め上がらせるが、今はそんな小さな問題を気にしている場合ではない。大丈夫かと声を掛け華奢な身体を支えてあげたいと思った刹那、どくりと沸き起こる吸血欲。駄目だ、飲んではいけない。彼が苦しんでいるというのに、己の欲を満たす事を優先するのか。__葛藤が繰り広げられる中、身体は切実に血を欲しているようで自然と呼吸が荒くなり上手く酸素を取り込めずに呻き声を漏らし乍も必死に耐えんとする。ぽたりと彼の掌を伝う赤い液を摂取しようと動き掛けた身体と疼いた刃を力づくでも鎮めるしかないと判断すると、自らの腕を眼前に持って行き強く刃を突き立て。襲う鋭い痛み、それにより何とか理性を保つと急いで彼の身体を支え。 )
ッ、り、燐!しっかりして‥!どうしよう、どうすれば、
( 見るからに錯乱状態ではあるが、吸血欲は寸での所で抑え込んでいる。応急処置として唾液を与えた方が良いのか否か、判別のつかぬ状態で出来る限り思考回路を働かせ。 )


  • No.64 by 依原燐  2017-12-24 00:59:13 


い、から....、見るなっ!
( ダメだ、完全に吸血衝動が出ている。息は荒くなり、此方の血に敏感になっている。まずい、何とか視界に入らないようにと対策を考える矢先に彼女自身が取った行動に目を見開く。刃を彼女が自分自身に向けている。どうやらそうする事で吸血衝動を抑えているようだ。そんなにも危険な事をしないと抑えられない様子に罪悪感が込み上げるが、今はそれどころではない。変に暴走されるとマズイ、と考えては自分の中で一番最善の策を実行する。彼女の腕を引いて自らキスをすると口内に残る血を無理矢理に飲ませる。)
ん、ぐ..っん。
( 暫く血を飲ませては唇を離す。そして口元の血を袖で拭うと辛そうに肩で息をする。身体の腐った場所が痛む。多分これは症状が進行している可能性がある。見なくとも自分自身の身体ならすぐに分かる。腐っている場合の痛みを堪えるように触れては再び大量の血を吐き出してしまう。)
マ、リア、飲め..血、飲め..!
( 服を掴む。必死に、懇願するように彼女に言うと再び吐き出しそうになるのを堪えて。

  • No.65 by マリア  2017-12-24 12:50:24 



燐、__
( 刃を突き立てた部位がじり、と焦げるような継続的な痛みを放つ。見るな、と警告されても既に手遅れ。視界を染めた真紅は消える事なく瞼の裏に焼き付いている。彼を支えんと添えられた掌から伝わる体温はひどく冷たく感じ、己の心中が焦燥に塗り潰されていくのを切に感知し乍、呼び掛けようとするが、声を発そうとした唇を彼の唇に塞がれ。 )
ん、‥!
( 何故、と驚きの半分、口内を満たしていく血液の芳醇な味わいに僅かな脱力感が生まれた身体を叱咤し、軈て完璧に嚥下し終えた頃に唇が離れ。駄目だ、一度口に含んでしまっては堰を切ったように次から次へと欲が湧き出てくる。もっと頂戴、と身体が訴えている。然し此処で我を失っては何もかも終わりだ、いざと為ったら舌を噛み切るしかない。疼く犬歯を治めようと歯軋りをしつつ彼の方へと向くと腹部を抑えているのが分かり。再び吐血を起こした彼から懇願されるが、思い切り首を横に振ると唐突に彼の腹部に手を遣り。案の定、異変が起きている。明らかに皮膚ではない感触が掌を伝う。一思いに彼の衣服を捲ると、腐敗したように黒く変色した部分が点在していた。 )
__燐ッ、何よ、これ‥!


  • No.66 by 依原燐  2017-12-24 13:16:40 


イタイ....イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ..!
( 叫ぶ。耐え切れずに、堪え切れずに悲痛な叫びが室内に響く。最早ここまで来ると強がりさえも通用しない。身体を蝕む激痛にただ、此方は苦しむばかりだ。獣のような荒げた声で痛みを訴えながら激しく悶える。理性は何とか保っており、暴れる事はないが自身の大腿部を痛み紛らわしに殴ったり、唇を噛み締めたりする。只でさえ溢れる血が噛みしめる唇が切れそこから出血を起こしてしまう。彼女にとっては見るも耐えない様子だろう。何とか落ち着かせようと一生懸命に深呼吸を繰り返す。_____イタイ、苦しい。腐敗した部分は更に侵食が進むように広がっていく。症状が悪化してから数分、唯一自身をまだ人間として思えていた黒い瞳はほんの少しではあるが右目が赤みがかっている。嘘だ、自身が吸血鬼になろうとしているのか。嫌だ、半端者でいい。それで良いからヤメテクレ。侵食に恐怖のあまり右目に勢いよく指を突っ込めば其れを引き抜いた、)
アアアアアアアアアアア!!
( 血が飛び散る。痛みに目を押さえながら苦痛を叫ぶ。助けてくれ。嫌だ、死にたくない。何でこんな目に..と狂いそうな意識の中、プツリと糸が切れた操り人形の様に突然に彼は眠りについた。死んだ、様に見えるが一時的に意識を失っているだけの様子で。

  • No.67 by マリア  2017-12-24 13:53:31 




( さながら獣のような豹変ぶりだった。余りの凄絶さに、声を掛けてやる事も侭ならない。恐怖から喉は干枯らび、少しの音も発せず唯々空を切るばかりで。__そうして、気付く。苦しみ悶えている彼の美しい黒い瞳が、自身と同じ煌々と光る紅を帯びている。視界に紅が飛び込んだ瞬間まずいと身体が警鐘を鳴らし始め何とか彼を落ち着かせようと思い手を伸ばして、そして。 )
___、
( 狂気じみた行動を目の当たりにし一瞬眼前が真っ暗になったように感じた。何をしている、目が。血が。不規則な単語の羅列が脳を一杯に埋め尽くしていき、呆然とその場に佇む。然し彼が気を失った様に倒れ込むと途端に意識を鮮明にさせ、よたよたと覚束無い足取りで彼の元に座り込み。出血が酷い、幾ら純粋な人間体でなくとも命が危ない。喉が如何しても渇いた時自身のを飲むようにと常に部屋に置いてあったナイフを手に取ると、手首に当て横に薙ぎ。急いで彼の身体を抱き起こすと滴る血液を口元向けて零れさせ。 )
__ごめ、燐、ごめん、
( 吸血鬼の唾液に治癒効果があるならば、当然血液にも同じ効果があるだろう。こんな時に、彼が事故に遭い自身が助けた日のことを思い出す。あの時も出血量がひどく、こうやって血液を与えた。あの時それで一命を取り留めたのだから、今だって例外ではない筈だ。意識が無く眠る彼に小さな謝罪を告げ。 )


  • No.68 by 依原燐  2017-12-24 14:33:46 


....、
( 暗い、暗い、深い、深い暗闇の底。何かに溺れている様な感覚に陥る。周りを見渡す。何もない様だ。光も、音も。ただ、何かに掴まれている様な感覚がある。ああ、そうか。今自身は意識を失い、自身の世界の様な場所にいるのだろう。死んだ..訳ではないのだろうが、死ぬとこんな世界に来るのではないかと考えてしまう。だが、寒い訳ではなく、暖かい感覚がある。さて、どうしようか。此処から抜け出す方法を探さなくてはいけないが探しようがない。取り敢えずその場に座り込むと頬杖をついて思考を巡らせる。暫く脱出方法を考えているとぽたり、と頰に何かが滴る。何だ、とそれを拭いとり見ると凝視する。血だ。そう認識した瞬間、コップから水が零れるように大量の血が自身に降り注いで来る。この血、知っている。一度舐めたことのある味。彼女の血だ。そうか、そうゆう事か。ふ、と可笑しそうに笑うと立ち上がる、)
今、行くよ。
( 掌を上に伸ばすとその手を引くように血が自身を持ち上げる。そして次の瞬間、眼を覚ます。最初に視界に映るのは悲しそうに此方を見つめる彼女。何て酷い顔をしているんだ、と言わんばかりに頰を撫でる。そして、瞬きをしようとした瞬間、右目に激痛が走る。そうだった、右目を抉ったのだった。何て馬鹿な事をしたんだ。右側の視界が全く見えない。まぁ仕方ないだろうに。そうしなきゃいけなかったのだから。身体を起こそうと歯を食いしばり力むと口内に鉄の味が響く。そうか、こうゆう事か。あの大量の血は彼女が飲ませていたものだったのか。手首から口内へ流れる血をちぅ、と吸えば唇を離して。手首の傷を舐めとり、傷を塞げばこう言った、)
ただいま、マリア。

  • No.69 by マリア  2017-12-24 15:19:03 




( 永遠のようにも一瞬のようにも感じる時が悠々と流れていた。命の鼓動は感じ取れる、然し若し万が一にこの侭目を覚まさなかったら如何する。押し潰されそうな不安を抱えて乍も、無心に掌から滴る紅い血液を眺め。__どれくらいの時が過ぎたのだろう。一分にも一時間にも半日にも思える不確かな精神状態で彼の顔を見詰めていると、不意に視線が交わり。安堵と心配と罪悪感、複雑に絡み合う感情がどっと波の如く押し寄せてくるが、先行して遣って来たのは矢張り安堵感。微かに頬に触れる体温に、じわりと視界が霞んだ気がした。切り傷に唇が添えられると忽ち消えていった傷、最早言葉など聴こえず中途半端に起き上がった彼の身体に力加減して抱き着くと、 )
ごめん、私が、私がこんな身体にしちゃったの、私の所為よ
( 随所で言葉を詰まらせ乍ももう一度謝罪する。今の今まで彼の身体の異変に気が付けなかったなんて、情けない話だ。主人だというのに。加えて彼の身体を吸血鬼に変化させてしまった。事故に遭い助けた日には既にそれを行っていたのだから、疑う余地もなく己の所為だろう。紅い瞳を透明な雫によってルビーのように光らせ。 )


  • No.70 by 依原燐  2017-12-24 15:29:18 


そうだな、アンタの所為だ。アンタが悪いから..その罪、俺も一緒に背負ってやるよ。
( あの事故の日から、全ては変わっていたのだ。何もかも。自身の身体も。吸血鬼になっていたのに特別大した症状が出なかったのは自覚がなかったからだろう。身体の腐敗か始まったあの時に、漸く吸血鬼としての自覚が目覚めた瞬間に全ては本当の時間が進み始めた。本来ならこれはもっと早い段階で表れたのだろうに。可笑しな話だ。なぁ、そうだろう?ご主人。/ 抱き着いてくる華奢な身体を片腕で受け止めよしよし、と宥めるように後頭部を撫でる。涙を浮かべる瞳に口付けをすると悪戯に笑いながら言った。彼女となら、罪を背負える。彼女となら、一緒にいれる。自身の居場所、家だ。未だ泣き出しそうな彼女の背中を一定のリズムで叩いてやり。

  • No.71 by マリア  2017-12-24 15:55:42 




( 宥めるように後頭部を撫ぜる掌と、瞳に感じた一瞬の温もり。暗い方向に持っていかず、敢えて笑顔を見せ乍フォローにも近い返答を貰うとその優しさに甘えては駄目だと咎める傍ら、じわりと眦に涙を浮かべて。子供をあやす時のように背中を規則的なリズムで叩く其れに平静を取り戻し、落ち着こうと息を吐き出すと彼の顔を見上げ。 )
__ 義眼、召使たちに頼んでおくわ。あと、歯とかに異変はない?喉、渇いたりしない?
( 目を逸らしたくなるような、ぽっかりと空虚に空いた眼窩下を硝子物を扱うかのように優しく触れ今後の対処法を告げ。それを始めとして、彼の身が気になって仕方がない故に次々と質問を繰り返し。人間としての要素が完璧に消え失せた訳ではないだろうが、吸血鬼に限りなく近い存在だろう。早速異変が生じ始めているのなら、その都度対処して行かなければならない。眉を下げ、何時になく萎らしい表情を浮かべ。 )


  • No.72 by 依原燐  2017-12-24 16:44:37 


ん、そりゃ助かる。そうだな..寒い訳じゃないが、身体が冷たい。
( 此方のぽっかりと空いた瞳に触れてくる擽ったい手に此方の手を重ねて。今後の対処を告げられては素直に礼を述べて。幾つかの質問にふむ、と顎に手を添えて考える。特別な変化と言えば体温程度の事しかない。歯や喉の渇きに関しては自分自身で触れてみるが特別変化など感じられない。いや、そう言えば少し変化がある。五感が鋭くなった。空気や光、音が人間に近かった時よりも敏感だ。)
つーか、何つー顔してんだよ。
( いつも強気な態度が一転して少女らしい顔になっている。その表情を崩すように頰を抓るとぱ、と離す。先程まで鉛を体に巻きつけられたように重かった身体が急に軽くなったのを感じる。す、と立ち上がるとほんの少し、足が絡まったように蹌踉めくもしっかりと踏ん張れる。何とも心地が良い。此方の方が人間に近かった時よりも動き易い。手を握り開いたり、軽く身体の一部を動かしたりしては異常がないかを確認して。

  • No.73 by マリア  2017-12-24 17:44:15 




( 体温の変化のみで今のところ治まっているのなら、其れに越した事はない。意図せず安心の吐息を漏らし。快調ではないだろうが、元の調子に戻りつつある彼が己の頬を抓ると眉を釣り上げる所だが逆に顔を綻ばせ。良かった、死に至らなくて心底良かった。__と、彼が身体の機能を確認せんと不意に立ち上がり部分的に動かしているではないか。病み上がりだというのに何をしているのかと此方も立ち上がれば、 )
ちょっと、未だ万全じゃないんだから安静にしてなきゃ駄目よ!
( そう言うが早いが僅かに力を込めて彼の身体をぐ、と下に押し圧力を掛けては無理矢理ソファに座らせる。自分で過保護に心配しといて何だが、先程から気になる事がある。血の味だ。人間の血液の味は非常に美味であると同時に矢張り稀少。然し人間と吸血鬼両方が混じった者の血液は一体どんな味なのか。一舐めすれば彼の身体内の異変状態を確認する事も容易だろう、けれど病み上がりに血を吸わせてと要望を告げる訳にもいかず、ちらりと一瞥をくれると黙り込み不自然な沈黙が辺りを覆い。 )
‥、


  • No.74 by 依原燐  2017-12-24 18:18:50 


うわっ、ちょっ..!
( 身体の機能回復を確認している最中、突如として身体を下に押し付けられてはすんなり、とソファに再び座る。まだ回復したばかりからか上手く抵抗する力も無いようだ。全く、変に過保護な面があるのは相変わらずのようだ。然し、確かに今は彼女の言うとうりかも知れない。変に動いて再び症状が悪化してしまうと今度こそ死ぬやも知れない。今のところは大人しく彼女の言う事に従うとしよう。)
..、ホラ。
( これは何とも不可解で説明のしづらい事なのだが、あの時自身の身体の中では実は一番訳の分からない変化が生じていたのだ。人間と、吸血鬼の血を分ける事が可能なのだ。どうやって、と尋ねられては説明のしようがないから何ともだんまりになってしまうが、何となく、意図的に身体に残る血を操る事が可能なのは確かなのだ。して、血を欲しそうに此方を一瞥する彼女に呆れ尽くし溜息を吐くと体内で血を混ぜる。どうせ混ざった血を飲んでみたいのであろう。先程暴れた所為でボロボロになった衣服を脱ぎ捨てては首筋を見せ付けて。

  • No.75 by マリア  2017-12-24 19:14:41 




( 如何したものか、先程中途半端に血液を摂取した所為で尚更喉が渇いている。鎮まった筈の欲求が又顔を覗かせ始め、自身の身体ではあるがほとほと呆れが込み上げる。悲しくはあるが之が吸血鬼の性なのだ。大人しく座る彼を幾度か見遣り乍も決断出来ずに数刻の思案。然し分かり易いのだろう、逸早く察知した彼が飲めと言わんばかりに服を投げ捨てるとぎょ、と瞳を丸くし。 )
なにも、洋服は脱がなくても良いのに‥
( 異性の身体を見るのは幾分か抵抗がある故照れ臭そうに視線を泳がせつつも、お言葉に甘えて彼の首筋向けて身を屈め、極力優しくを心掛けて徐に牙を埋め。零れ出た血液を口に含み、少し舌を動かして満遍なく口内に行き渡るようにする。良く味わうようにしてから喉を上下させると暫し考え込んだような様子で身体を静止させ。そして再度首筋に唇を添えもう一度血を吸ってはゆっくりと離れていき。うーん、と一頻り悩んだ後、考察と感想を連々と紡ぎ。 )
あんまり味自体に変化ないけど、なんかこう‥多少は違うわね。具体的に何がって言われても分からないけど‥人間の時の名残も残ってるわ。美味しいことに変わりもないし。
( 味に劇的な変化がなかった事は僥倖であった様で、一人だけ満足し切ったように頬を緩ませ笑顔を零し。 )


  • No.76 by 依原燐  2017-12-24 19:53:08 


あんなボロい服いつまでも着てられるかっての。
( 此方の裸体に照れ臭そうに視線泳がす彼女にじとー、と目線送り。次いで、首筋にプスリ、と刺さる牙。丁寧な前動作に思わず笑みがこぼれる。血を吸われるといつもの如くぶるる、と身体震わせて。飲み終わったのか離れた彼女が何やら思い悩んだ様な仕草を取るために何事かと思えば単なる感想にしか満たない発言。一々その様な結果を論じなくても良いのでは、と考えながらも、)
そりゃどーも。
( と、適当に返事をして。美味しい、彼女のその言葉に引っかかる何かがある。美味しいという感覚が今の自分なら理解し得るのではないのだろうか。いやしかし、吸血衝動がない限り吸血するのは規約違反と言うものだろう。まぁ、今度自身の血でも口にしてみるか。さて、部屋に戻ろうと考えているが多分彼女が許すはずがない。だが一応ダメ元で聞いてみよう、)
なぁ、俺部屋戻って良いか?

  • No.77 by マリア  2017-12-24 21:03:08 



え、ダメに決まってるじゃない。
( 之からも吸血する際味については特に問題無さそうだ、矢張り危惧すべきは彼の身体であろう。治癒を施したお陰か今は未だ特別症状は出ておらず、効果として痛覚が麻痺している故に眼窩に痛みもないだろうが遣る事は沢山だ。思考の渦に飲み込まれそうになった所、彼から一つ要望を告げられ。然し認められる筈もなく、きょとんとした表情で即座に一刀両断し。 )
アンタには今日一日極力動かないでいてもらうわ。特別に私のベッドも使わせてあげる。何か行動する時は必ず私を呼ぶように、…あ、お風呂とお手洗だけは一人でも許すわ。
( ぺらぺらとこれからの方針を捲し立てるように一息に告げては、ちらりと窓の外を見遣り。何時の間にやら日が傾き始めている。自身も未だネグリジェを身に纏った侭であり、既にそんなにも時が流れたのかと僅かに驚愕するも顔には出さず、一旦気持ちを切り換えるべく短く息を一つ吐き。視線をそのまま彼の方へと向けると、嫌でも上半身が目につく為直視しないようにと極力彼の瞳を見ながら問い掛けて。 )
中々寒そうな格好ね。洋服要る…わよね?召使のものしかないけど。


  • No.78 by 依原燐  2017-12-24 23:26:51 


は?いやいや、流石に心配し過ぎだろ。
( 即座に一刀両断された台詞。あまりのあっさりさに今度は此方がキョトン、となってしまう。幾ら此方の身を守る為とはいえ、此処から出る事さえ許してくれないのは大袈裟過ぎるのではないだろうか。こんなにも軽快に身体を動かしているのに..まぁ此処は人生の先輩の言う事に素直に従うとしよう。)
....、どんだけ心配なんだよ。逆に気持ち悪いって、
( 止まる事なく溢れる方針には一切の妥協が見当たらない。完璧主義なのがよく分かる。然し、その出来過ぎだ計画にある種の気持ち悪さを覚える。まだ死ぬ前に通っていた学校にこういった教師がいたのを覚えている。今の彼女は其れによく似ている。特別用事もないので素直には従うが。此方の身体を見た後に出た一言に、)
ん?ああ..、じゃあ頼むわ。
( と、答えて。

  • No.79 by マリア  2017-12-25 00:27:27 



そ、じゃあちょっと待ってて。
( 此方は心配していると言うのに気持ち悪い、と細やかな悪口に近い言葉を吐かれるとむ、と眉を顰める。然し彼の主張もあながち間違っていなく、自分自身で己の過保護ぶりに気色悪さを感じ乍も方針を変えるつもりは毛頭無い為軽く睨め付けるだけで良しとして。吸血鬼特有の勘の鋭さから何か失礼な事を思われていそうだ、と感知しつつも取り敢えずは素直には従う彼に満足感を覚え。次いで衣服を取りに行くべく一言告げると足早に部屋を後にし。 )

___ お待たせ、
( 五分も経っていないだろう、部屋の扉を開けた彼女が片手に抱えるのは幾つかの衣服。勿論清潔感のある皺一つない執事専用衣服ではあるが、裸で居るよりはマシだ。彼の座るソファの前に有るアンティーク調のテーブルにばさりと一式を置き。白いワイシャツ、灰色のベストに黒いパンツと如何にも執事が着用していそうな衣服達。彼と衣服とを幾度か交互に見遣ると今一度サイズ感の確認を行い、問題なさそうだと頷くとほぼ命令的な口調で端的に。 )
上だけ執事服っていうのも可笑しいから全部脱いでこっちに着替えてちょうだい。アンタの新しい服はまた調達させておくわ。


  • No.80 by 依原燐  2017-12-25 16:29:34 


....毎回思うけど、アンタじゃなくて召使いさんに持ってこさせりゃ良いじゃんて。
( 部屋を出で数分。幾つかの衣服を片手に戻ってきた彼女に革新づいた発言をして。いやまぁ、確かに召使いさん達を呼ぶのはめんど臭いのだろうが何も一々彼女が物事やる必要もなかろうに。こういう時の為に召使いを雇っているのではないか。そして、彼女が持ってきた衣服と言えば何処ぞの執事が着用していそうな物ばかり。一体何処から持ってきたんだか。正直着たくないのだが、自身の一張羅が無くなった為に仕方なく着るとしよう。命令口調の彼女の言葉を無視してその場で御構い無しに着替え始める。少しして、全身執事の格好になれば動きづらそうに腕を回したりして、関節可動域の確認をする。)
これさ、アンタの趣味なんじゃないよな?
( じと、とした目で彼女見つめては一応確認をして、

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