──ラヴ・イズ・ビューティフル。| BL

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〜〜  2015-10-03 01:51:43 
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〝 愛は美しいわ。例えどんな形だとしても、愛することをやめてはいけない。〟


いつだか出逢った老婆の言葉。
あの女性は美しかった。愛に生きる故に己というものを愛し、愛に生きる故に誰よりも自由だ。

俺は今、美しく立っていらているだろうか。
俺は今、己を心から愛せているだろうか。
俺は今、お前を無償の愛で包んでやれているだろうか。




──愛は美しい。



( 暫くレス禁止 )

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  • No.1 by 〜〜  2015-10-03 02:41:35 




 < Story so far >


「 人間じゃない、それがどうした?此処は心を癒す場所だ。種族は関係無いさ。 」

静かな草原の片隅にひっそりと建つこじんまりした家。そう、他でもない俺の家だ。鋭い目を細め、先程から此方を睨みつけて来る悪魔は、どこか怯えている様に思えてならない。
だが、此処に辿り着いたということは人間だろうとそうでなかろうと、運命に引き寄せられ出逢うべくして出逢ったに違いない。そんなロマンチスト気取りな思考をかき消したのは目の前の悪魔を名乗る彼だった。

『 うるせえ…いつだってそうだ、人間ってのは。気持ちわりい仮面つけやがって、本当は俺を殺してぇんだろ?殺せよ…早く…。 』

そう言って大きな黒々とした羽で全身を護る様に覆うと、震えていた左腕の生々しい傷は視界から遮断された。
ひんやりとした羽に指先だけ触れてみるものの反応は無く、ゆっくりと漆黒に額を擦り当てては瞼を閉じると、ぴくりと羽が動いたのが伝わって来たので、昔旅先で出逢った老婆の言葉を思い出した。そう、愛についてだ。

「 おいで。 」

愛を持って接することを誓ったばかりだからか、自分でも驚くほど優しい声が出た。
硬く防衛していた黒いそれから力が抜けて柔らかくなったかと思えば、隙間から目を見開き酷く驚いた様子の彼の顔が見えたのだ。
──再度、人間の愚かさを痛感して暫く経った後、その悪魔を名乗る男を家に招き入れた。


( ※続けてレス禁止 )

  • No.2 by 〜〜  2015-10-03 02:57:15 



 < この空間を楽しむ為の規定 >


:サイトルール、マナー厳守
:荒らし、成りすまし、横槍禁止
:上級者〜のみ参加可能
:世界観を理解して頂ける背後様のみ
:長期間の参加が可能な方優先
:相性重視の為選定式も可
:ロル60~上限無し
:置きレス、遅レス寛大(3日以上空ける場合はご報告お願いします)
:なりきりに疲れてしまった場合やお休みを頂きたい場合は充分可能ですのでご報告お願いします。
:キャラリセットはその時々に応じて
:登録逃げ禁止(ご都合が有ればご報告お願いします)
:鸚鵡、終始、受け身会話禁止
:裏行為不可


( ※続けてレス禁止 )

  • No.3 by ~~  2015-10-04 00:14:17 



 < 募集 >

『悪魔』。訳あって人間に身も心も傷付けられた為、仕方なく人気の無さそうな草原に降り立つが「魔導士」と出逢ってしまう。人間不信且つ反抗的。悪魔の雰囲気を纏った容姿、性格を考えた上でのpf作成を宜しくお願い致します。細かい設定等はお任せさせて頂きます。容姿、性格、設定共に現実的な観念に囚われず自由に作成して頂けると幸いです。


 < 提供 >

「魔導士」。訳あって現在は人目につかない街外れの草原に家を建て、一人静かに暮らしていたが怪我をした悪魔と出逢う。魔女と契約し、魔力を手に入れたが後々「時間を奪われる」事を知らぬ間に契約させられていた事に気が付き今に至るものの、「時間を奪われる」=「永遠の時間を与えられる」事に気が付いていない。(詳しくは>4のpfにて)


( ※続けてレス禁止 )

  • No.4 by ~~  2015-10-04 17:49:55 



「愛、かな。今まで恐怖で放り捨て来た愛を拾いながら生きようと思った…なんてな。」
「そんな顔してると俺の胸の中に閉じ込めるぞ?何、俺からすれば簡単なことさ。」

名前/Nordenskiold Gilles(ノルデンジョルド・ジル)

年齢/20y

容姿/女性の真っ赤な口紅のような特徴的な赤髪は癖毛のせいか所々外撥ねているのにも関わらず、毛質は艶やか。無頓着さを表すように首の二分の一辺りまで伸びきってしまっているが量が多い方ではない為、それなりにまとまって見える。前髪は目に掛かる程長く無造作に横へ流しているせいか強気な切れ長の目の視界を邪魔をしているが、宝石を連想させる琥珀色の瞳が存在を主張している。睫毛が長い故に目立ちがちだが、通った高い鼻と薄い唇でカバーされ男性らしく凛々しい顔立ちに。生まれつき筋肉質なのにも関わらず188cmもの身長と長い脚のせいでひょろりとした印象を持たれがちだが本人は気にも留めず、日に寄って細身のパンツや体のラインが出るシャツを着る場合も。基本的な服装は紺色に染められた柔らかい生地のワイシャツに少し色褪せたボルドーのパンツ、焦げ茶色の革靴、首には魔力の宿った黄金色の石のペンダントとシックでヴィンテージ感溢れるものを好む傾向がある。首筋の刺青のような黒い蛇の紋章は魔女の象徴で、魔法の副作用。

性格/今でこそ筋の通った凛々しい青年だが、その昔は欲深く美しさや力にしか価値を見出すことが出来ない傲慢とも呼べる少年だった。現在は感性豊か且つ凛とした雰囲気を纏い、温厚な性格だが一歩踏み外すと悲観的になってしまうという人間臭い弱点も。しかし基本的態度は強気で確信のあることや自信のあるものに対してはポジティブな自信家、言い方を変えるとナルシスト。本質は愛情深く、常識に囚われない〝愛は美しい〟と非理論的な理屈の持ち主。かと思えば、八方美人というには程遠く「嫌いなものは嫌い、好きなものは好き」とどんな立場の者へもハッキリとした意見を述べることが出来る、良く言えば勇敢。その点悪戯好きで、魔力を手に入れるキッカケも好奇心や悪戯心が手伝ってそうなったという。少年時代のなごりか意外にも独占欲と自己中心的思考が強く、思い通りに事が運ばないと苛立ちを覚えると共に、サバサバとしている為尾を引くことはない。

備考/日本人とフランス人のハーフ。父親は幼い頃に他界し、母親は魔導師。「espace sorcellerie(エスパースソルセルリー)」という空間を操る魔法と、「lumtere sorcellerie(ルミエールソルセルリー)」という光を個体として生み出す魔法を使う。幼い頃、欲に任せて契約してしまった邪悪な魔女の目から逃れるようにして、己の小さな家を〝心を癒す場〟と称し生活している。〝契約者に時間を奪われる〟という契約を「寿命を奪われる」と捕えているが、本来は「永遠の時間を与えられる」という人間としてあってはならない不老不死を意味する。正当な方法ではなく魔女との契約で魔力を手に入れた罰とも言え、丁度二十歳に値する区切りで今後歳を取ることは出来ない契約だが、本人は未だ気がついていない。


(/包容力のある子にと思ったのにとんでもない愚息に…。不備やご要望であればいくらでもお聞き致しますので是非とも宜しくお願い致します!参加希望者様はpfとロルテストを提出して下さると有り難いです。
こんな愚息でもお相手して下さる方がいらっしゃる事を唯々願って、募集開始させて頂きますね!)


( レス禁解除 )

  • No.5 by 匿名さん  2015-10-04 18:48:56 

解禁お待ちしておりました!
参加希望のお声を掛けさせて頂く事は可能でしょうか?

  • No.6 by ~~  2015-10-04 19:34:18 



>5:匿名さん様


(/有難う御座います!大変お待たせしてしまい申し訳ございません。勿論ですよ、参加希望大変感謝致します!ではpfとロルテストの提出お願いしても宜しいでしょうか?)

  • No.7 by 匿名さん  2015-10-04 20:31:47 

名前:vice(ヴァイス)

年齢:外見年齢-20代前半 実年齢-1000年前後

容姿:漆黒に増して暗い色味のある髪は光を反射すると仄かに照り返し、指通りは思いの外滑らか。重力に逆らわず真っ直ぐに肩口まで伸びており、箇所による長さの違いが見受けられる。襟足は横髪よりも長めであり、前髪は覆い隠しこそしないが目元よりも長く伸びている。その前髪の隙間から覗く瞳は暗く、倦怠を漂わせる伏し目。目の下には色濃く隈が残されている。毒々しい程に赤い虹彩に縦長の瞳孔。薄い唇の隙間からは鋭い犬歯が覗く。身長181cm。病的に白い肌。殆ど露出の無い肌は黒の衣服に包まれており、中指に通したリングから縫い止められた布が上半身を包み込み、その上から膝辺りまでの長さのあるジャケット肩に掛ける形で羽織っている。下半身はフィットタイプの黒のパンツに包まれ、膝から下は側面に黒釦の並んだヒールの高いブーツを着用。肩甲骨辺りからは黒く自らの体をも包み込む程の大きな蝙蝠のそれによく似た翼を持つ。両の手の鋭く尖った爪は黒塗りを施してある。左腕の二の腕から肘に掛けて大きく抉られた様な生々しい傷跡がる。首元には白い包帯が巻かれ、黒の中に際立つ色合いとなっている。

性格:人に憎まれ忌み嫌われ、それに呼応するかの如く人々を不幸の深淵へ突き落す事を生業とし生き甲斐とする。深い腹の底など幾ら覗こうが見えはせず、嘘に嘘を重ね自らの核をも嘘に塗り固められた様な腐っていると形容するのさえ可愛らしい程の性根の持ち主である。正に他人の不幸は蜜の味。他人の言う事等に一切耳を貸そうとはせず、常に己の思うまま好き勝手な振る舞いを見せる。その一方で固執してしまった物への執着心は強く、止まる事無く深みへ嵌ってしまう致命的な一面もある。高く聳え立つ虚栄心が崩壊してしまえば此方が深い闇へ落ちるのは一瞬であり、一度負った傷は中々に消えようとしない。根付いた警戒心は日を追う毎に深まり今となっては人間への恐怖心すら芽生え始めてしまった。嘗ての傲岸不遜な態度は成りを潜め、弱々しく人間への嫌悪と怯えばかりが膨れ上がっている。

備考:嘗ては自らの大きすぎた能力を駆使し思うままの虐殺を繰り返していた。一方で若気の至りに気紛れに芽生えた孤独へ付け込んで来たのは一人の魔導師、愚かにもその魔導師に心を許した結果、契約を交わし首筋へ刻印を成される事となる。それからは魔導師に付き従い穏やかな短い一時を送り、ある日の事。嘗て己が犯した罪の贖いとしてその魔導師が処刑されるとの知らせを受け、国から派遣された兵により攻撃を受けそうになった魔導師を庇って左腕に傷を負う。だがその切っ先には魔導師による呪術が施されており、突然に襲う苦しみと痛みに耐え兼ね倒れ込んだ所を魔導師に襲われる。元よりその魔導師は国と手を組んで己を貶める為に動いていたに過ぎず、それによって騙されていた事を知る。咄嗟にその魔導師を手に掛け残された力を振り絞り何とか逃げ伸びた先が一軒の家屋の傍。魔導師が命を落としても尚呪いは消えず、生々しい傷は致命傷にこそならないものの時折酷く痛み、同時に心の奥底へ飲み込まれそうなまでの闇と深い恐怖心を与える。
単なる聖水や光ではなんのダメージも受けないが、大きな力を持った物であった場合傷の効力も相俟って大きなダメージとなる。

っ、ぅ…、くそ…っ人間風情が…!
(草むらへ身を潜め蹲る影は時折苦しげに肩を震わせ、荒い呼吸に上がったままの心拍数は中々に治まらない。左腕の深い傷からは血の筋が伝い薄気味悪く肌の上を這って行くが、このような状態に貶められても尚殺めた直後目にした魔導師の表情が頭に焼き付いて離れない。今は傷よりも包帯の下に隠された契約印が疼くような感覚が煩わしく、自らの首筋に深く爪を食い込ませ。それだけの僅かな力を込めただけで一層噴き出す嫌な汗に眉を顰めた刹那、鋭い痛みが左腕から全身に広がり苦しげに漏れる呻きが耐えきれず、絞り出したような声はどす黒い憎しみを惜しみなく滲ませており。何故、と己に問うたところで意味は無い。それ以前に全ては己が愚か過ぎただけの事。やり場の無い怒りと恐怖と孤独と、こんなにも何かに押し潰されそうになるのは産まれて初めてで)

(/>5にて参加を希望させて頂いた匿名さんです!あまりに気持ちが逸ってしまい、急ぎで仕上げてしまった為に何かしら不備が御座いましたらお手数をお掛けしますがご指摘くださいませ;;)

  • No.8 by Nordenskiold Gilles  2015-10-05 02:08:00 



>7:Vice背後様


(/素敵なpfとロルテストの提出有難う御座います…!不備どころかとても魅力的且つ想像を遥かに超えた息子様に震えが止まりません!← 背後様の素晴らしいロルに当方の粗末な文章をお返しするのは恐れ多いのですが、恥ずかしながら投下させて頂きますね。至らない点が多々あると思いますが不備やご指摘等ございましたら遠慮なく仰って下さいませ!)


──おい、大丈夫…じゃなさそうだな。
(閉ざされた瞼を照らす窓から射し込んだ日光に耐え切れず不意に意識を取り戻すと、いつの間にか眠ってしまっていた事に気が付き、最前までじわじわと己の首を絞めていた魔女の拳の感覚がやけにリアルに残っているのは悪い夢のせいだという事実に安堵したのか、首筋を指の腹で撫でつつ深い溜息を洩らし。カチカチと音を立てて時を刻む鳩時計に視線を遣れば、もう既に正午を廻っていて。寝起きの眼には少しばかり眩しい太陽の光を遮断すべくカーテンを閉めようとすれば眉間に縦皺を寄せ、怪訝そうに細めた瞳にどこまでも広がる緑の中に不自然に孤立する黒が映れば最悪の状況が脳裏に過ぎり、そんな筈はないと額から流れる冷や汗を甲で拭っては得体の知れない恐怖からか正体を確認せずにはいられず。平然を装いつつも内心気が気ではなく足早に家を後にし、恐る恐る草原を歩み進むと其処には予想していた魔女の姿は無く、変わりに童話の絵本や教科書で描かれているような悪魔に似た男の姿が。拍子抜けしている間もなく、何処か様子がおかしい相手の元へと膝を付き目線を合わせてやっては伺うように声を掛け。)

  • No.9 by Vice  2015-10-05 09:06:13 

(/わわ、そんな、愚息には勿体無いお言葉です…!息子様には遠く及びませんが、しっかりとお相手として楽しんで頂けるよう精進致します!ロルについても謙遜が過ぎる程ですよ…!;;とっても情景の浮かびやすく、言葉の言い回しと比喩表現に恋してしまいそうです…!!(←)では此方も失礼させて頂きますので、何か御座いましたらお声掛けくださいませ!)

っ、来んな…!
(全身を巡る痛みや不快感に気が逸れていたからか、いつしか周囲へ向けていたはずの警戒は薄れ愚かにも人間が立ち入る事を容易に許してしまっていた様で。精神的にも肉体的にも余裕は無い。そんな中突然目の前に忌むべき人間の姿が現れれば驚きと恐怖が一気に押し寄せ、声すらも発する事は叶わず苦しい程に息を飲み込み。再び嫌な汗が吹き出し鬱蒼とした恐怖と底の見えない怒りが感情を支配する。最早自らではそれを処理できていないままに体が反応してしまったのは一瞬の事で。防衛本能か殺戮衝動か、鋭い爪を伴って片手を思い切り相手へ向けて横に凪ぐと、それと供に口から零れた言葉ははっきりと意思を持ちながらも力無く、恐れがより鮮やかに滲んだ声色となってしまっている事に気付く余裕すら皆無であり。人間に見付かってしまった。闇雲に仕掛けた攻撃が果たして相手の肌を掠めたかさえ分からないが、恐らくこの人間は直ぐに仲間を呼びつけ今度こそ殺される。何処までも死を意識せざるを得ない状況下に置かれている所為でそんな焦りと危機感ばかりが脳裏を占め、逃げなければならないと分かっているのに憔悴した体は殆ど言う事を聞かず項垂れては諦めたように目を伏せて)

  • No.10 by Nordenskiold Gilles  2015-10-05 17:36:40 



(/いえいえ、恐れ多いお言葉ですが有難く受け取らせて頂きます!← 美しい文章に着いて行くのがやっとなのですが、そう言って頂けるよう当方も精進致しますね…!了解致しました、では背後も失礼させて頂きます。何卒宜しくお願い致しますね!)


…この手を取りさえすれば、お前を傷付けたりしない。
(怯えているかのような殻に籠った波動とは一変、唐突に尖った刃にも似た不信感を含む鋭い攻撃心を獣を感じさせる瞳孔から本能に任せ読み取っては、空間魔法など繰り出す暇もなく反射的に背後へ仰け反るも、アクション映画のように避けられる訳もなく身体を支えきれず後ろに拳を付いた頃には、布地を突き破り露になった胸板を横断する浅い傷からは赤いそれが惜しみなく流れていて。乾いた空気をごくりと呑むと派手に脈打つ鼓動を唯ひたすら頭に響かせながら、やはり相手は魔族なのだという確証を持ちつつ、視線を下せば己の切れ目など比べ物にならない程の生傷が左腕の存在を主張しており。目にするだけでこめかみの辺りがズキズキと痛んでくるような生々しさと、絶望を見たかの如く覇気のない表情をこのまま無かった事にすることがどうしても出来ず、悩ましげに睫毛を伏せ。暫くして何かを決心したのか警戒心を刺激しないよう、ゆっくりと手を差し出し余計な説明は必要ないと判断したのか目前の姿を捕えたまま先程まで強張っていた唇で自信満々な弧を描き。)

  • No.11 by Vice  2015-10-05 19:14:44 

…っは、人間なんざを、信じろ、ってのか…?…とっくに気付いてんだろ、俺は人間じゃない。
(動揺の所為で益々荒くなった呼吸が周囲に響くばかりの沈黙の後、鼓膜を震わし意識の内に届いたのは予想だにしない言葉で。思わず視線を向けた先には差し伸べられた手とその奥の微笑。ただならぬ不信感が胸中を侵して行き、二重写しとは言わないまでも遠く昔のように思える魔導師の姿を思い起こさせ。恐らくただの人間ではないからこんなにも余裕を醸していられるのだろう。己の姿を見てさえ臆しない様子からはあわよくば相手も同じ魔導師であろう事が予想でき。甘言を吐いて懐柔し、また裏切りと呪縛を痛い程に刻み込むつもりなのだと確信して疑う術は無く。刹那憎悪に表情を歪ませたかと思えば再度顔を伏せ、口許にのみ軽薄な嘲笑を貼り付け。吐き捨てるような笑い声と荒い呼吸の合間から漏らす言葉はまるで相手の思惑など見透かしているとでも言わんばかりの響きを伴い、差し伸べられたまま見向きもしなかった手首を唐突に強く握り込み力任せに引き寄せる様はまるでその手を振り払うような素振りすら見え。鼻先が付いてしまうような距離は一瞬たりとも瞳を逸らす隙を与えず、浮かぶ笑みを一層濃く暗い物にすると恰も悪魔の囁き、上がった呼吸は何処へかまるで誘い込むような蠱惑さえ孕んだ色を浮かべて呟き)
…殺してぇんだろ?回りくどい事してねぇでさっさとやれよ。それとも人間様は悪魔が苦しむ様でもご所望か?

  • No.12 by Nordenskiold Gilles  2015-10-06 04:04:07 



信じろとは言わないさ。ただ、人間かどうかなんて大した問題じゃない。
(人間不信と言えば可愛げのある程深く暗い心的外傷を唯漠然と察すると、正義感とも違う不覚な同情心がこのまま放っておくことは出来ないと言っているようで、脳に焼き付いてしまいそうな荒い息遣いと生温い血の匂いに眩暈を覚えつつも己の予定では今頃手当てを行っていたであろう左腕の傷がチラつき。何らかの理由があるとはいえ、今迄手を差し伸べれば大抵の人間はそれを拒むことはなかった。他人のペースでこうも事態が左右するのは初めてで、事情云々よりも人間性やその心理に好奇心が芽生え始めると皮肉にも内側からじわりと浸透するように頰が緩むも、それを阻止したのは他でもなく黒い嘲笑。気を取られている隙と呼ぶには愚直過ぎる程すんなり相手に吸い込まれるようにして乱暴に身を乗り出し、瞳の紅い奥行から目を逸らすことがどうにも出来ずにいると、次第にそれをも自身の体の一部のような気がしてならず、今なら闇に葬ってしまうことも出来る、目と鼻の先にある彼の拳の感触が未だ手首をぎりぎりと握り潰してしまいそうに残っており。その何処に喜ぶ要素があったのか、再度口許を上方へと含みを持たせては刺激を与えないようにと気を張っていた先程までの言動は何処へやら、力に任せ腕を腰へ回し羽ごと抱き寄せると刹那掴まれて解けてしまった片方の手首を満足気にひらひらと宙に舞わせ。)
…悪いがそういう趣味は無いんだ。それに、今のは手を取ったと言っても過言じゃないだろ?

  • No.13 by Vice  2015-10-06 17:25:35 

ッ、触んな…!
(相手の吐く言葉全てが傷を抉るように胸元に突き刺さり、愚かにも手を取ってしまった過去の消し去りたい記憶がフラッシュバックする。耳を塞ぎたくなる衝動を紛らすように掴んだ手を強く引き寄せるまでは良かったのだが、その表情に笑みを読み取った瞬間背筋を走る恐怖が体内をじわりと侵し鋭い視線が揺らぐなり怯んだように目を伏せようとして。だがそれすらも叶う暇無く体に回る腕を咄嗟に振り払う事が出来なかったのは、恐らく恐怖心が先立って体が動かなかった所為なのだろう。気付けば人間特有の柔らかい体温に包まれ、それが今の己には底知れない恐怖と擦り変わり。張り上げた声は情けなく震え、惜しみ無く動揺を露にしている。生きる事なんてとっくに諦めたはずが滲む怯えは死への拒絶をはっきりと示しており、そんな自らが心底臆病者に思え自己嫌悪に吐き気すら感じる。咄嗟に両手を相手の肩に掛け引き剥がそうと力を込めるが、その刹那巡った血液がまるで傷口を脈動させるようにドクンと疼き焼け付くような熱を生じさせ。あまりの激痛に表情を歪め奥歯を噛み締めると、指先に力を込める事さえできず最早その手は意味無く相手の肩に置いただけで。人間相手に何と情けない姿を晒しているのか己の有り様を思い浮かべると屈辱と絶望ばかりが沸き上がり、やはりその感情は思い知る程に憎悪に変わって行き。それらしい抵抗こそできないが肩に置いたままの手はせめてもの抵抗の意思を示しており、再度伏せた瞼を荒い呼吸の度に微かに震わせ。何を言われた所で人間の言葉など一寸たりとも信じる気はない。憎しみと殺意に渦巻くどす黒い物を含んだ視線を遣れば尚も疑いの言葉を口にし)
…何が目的だ。

  • No.14 by Nordenskiold Gilles  2015-10-07 02:18:17 



目的ね。…今更何も求めるつもりはないよ。
(触るな、その言葉に応じこそしないが微かに己の胸板との余地を与えてやると、どうやら人間との密着が好ましくない様子が伺え、恐怖や憎しみが込められた濃度の濃い視線の芯にある禍々しい観念をどうしてやることも出来ずに唯々眺めるようにして見詰め。恐らく拒否意識の表れであろう肩に置かれた拳の鋭く光る爪はどうにも自身の罪悪感を見事に掻き立てるものの、側から見れば悪魔を手に掛けるようとしている場面とも捕らえられるもので。思い返してみれば、当時は喉から手が出る程欲していた魔力も手に入れてしまえば何ということはなく、恐ろしい魔女と契約をしてまで欲をかくものではなかった、普段から考えないようにしていた感情が愚かな後悔となり滲み出て来きては、次第と微笑を貼り付けていた面影は消え、代わりにばつが悪そうに赤髪を掻き上げると笑みというには滑稽すぎる乾いた一笑。欲しこそいないが現状はその一歩手前、己へのせめてもの戒めかの如くぽつりと発し。前面の苦痛に歪んだ表情は生傷を露骨に連想させるには十分すぎるもので、喉元から酸っぱいものが込み上げて来るような歯痒い感覚に思わず子供をあやすような手付きで肩に添え、寄せていた身体を離しては再度視界に飛び込んで来る血液に目を細め、決して自身の吐く言霊に靡くことのない反抗的とも言える振る舞いを思い起こせば限りなく駄目元ではあるものの、飽くまで真剣な眼差しで。)
──傷の手当てをさせて欲しいんだ、頼む。

  • No.15 by Vice  2015-10-07 07:48:49 

…人間風情が手当したところで治せるもんじゃねぇよ。
(目的等は無いと、そう答えた相手の声が何処か先程までとは違う色を持って響いた事に気付けばその表情も同様にまるで何を考えているのか分からない極めて人間らしい物で。一方的に向ける殺意がいっそ馬鹿馬鹿しくなるまでに他意の無い己の傷の治療を申し出る眼差しは、やはり胸元にじわりと染み込み微かな痛みを伴う。信じてなんかやらないが、もう身を任せてしまっても良いのかもしれない。現状に流されそう考えてしまっている脳裏は、生への希望等は欠片も生じず寧ろ手放してしまっても良いとさえ思える程の諦観の塊で占拠されており。どちらにせよ今となっては抵抗できる程の体力も無く、煮えるような邪を見せ付けていた視線も弱々しく伏せられて。疼く傷がそう知らせるように、魔導師によって込められた呪いは本人を殺めても尚傷口に絡み付き解ける気配さえ見せない。仮に相手が同じく魔導師であったとしても禍々しく残った怨念は消える事無く報いを植え付けるのだろう。肩に掛けていた手を重力に従ってだらりと下ろすと力無く瞼を下ろし、自ら体を支える事さえ億劫になってしまうと肩に添えられた相手の手に半ば体重を預けるようにして。吐く言葉こそ皮肉めいて嘲るような物ではあるが、相手に身を委ねている仕草からも暗に治療を容認した物であり)

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