〜〜 2015-10-03 01:51:43 |
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信じろとは言わないさ。ただ、人間かどうかなんて大した問題じゃない。
(人間不信と言えば可愛げのある程深く暗い心的外傷を唯漠然と察すると、正義感とも違う不覚な同情心がこのまま放っておくことは出来ないと言っているようで、脳に焼き付いてしまいそうな荒い息遣いと生温い血の匂いに眩暈を覚えつつも己の予定では今頃手当てを行っていたであろう左腕の傷がチラつき。何らかの理由があるとはいえ、今迄手を差し伸べれば大抵の人間はそれを拒むことはなかった。他人のペースでこうも事態が左右するのは初めてで、事情云々よりも人間性やその心理に好奇心が芽生え始めると皮肉にも内側からじわりと浸透するように頰が緩むも、それを阻止したのは他でもなく黒い嘲笑。気を取られている隙と呼ぶには愚直過ぎる程すんなり相手に吸い込まれるようにして乱暴に身を乗り出し、瞳の紅い奥行から目を逸らすことがどうにも出来ずにいると、次第にそれをも自身の体の一部のような気がしてならず、今なら闇に葬ってしまうことも出来る、目と鼻の先にある彼の拳の感触が未だ手首をぎりぎりと握り潰してしまいそうに残っており。その何処に喜ぶ要素があったのか、再度口許を上方へと含みを持たせては刺激を与えないようにと気を張っていた先程までの言動は何処へやら、力に任せ腕を腰へ回し羽ごと抱き寄せると刹那掴まれて解けてしまった片方の手首を満足気にひらひらと宙に舞わせ。)
…悪いがそういう趣味は無いんだ。それに、今のは手を取ったと言っても過言じゃないだろ?
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