建石 春亮 2013-08-22 01:06:35 |
通報 |
(気分ではなかったため飲みの誘いを断り、一人で飲もうかと考えつつ帰る支度をして帰ろうと立ち上がれば誰かがオフィスに向かってくるのが見え、確認しようとしばらく見ていれば建石だと気づきどこへ行ってたんだ?と問おうとすれば溜息をついていて声が掛けづらくなるも、別れの挨拶ぐらいしておいたほうがいいだろうと考え「じゃあな、建石」と挨拶して
(/お帰りなさいです!)
っえ、早瀬さん…?(己1人だと思っていたオフィス。まさか人がいるなんて、しかも其れは己の上司で。慌ててボタンを閉め、ネクタイをつければ鞄を持って。相手の格好からしてもう帰るのだろう。己ももう帰るため、相手の横に並べば「一緒に、いいすか?」と相手の様子を伺い乍ら問い掛けて。この人は苦手だが、上司として露骨に嫌な顔は出来ない。其れに、何だか相手に興味が湧いてきたのだ。先程の告白の事を頭の隅に追いやれば相手の返答を待って
(/ただいまですっ
(気づかなかったのか、なんて聞くことはしない。普段なら聞いたかもしれないがあの様子から見て相手がかなり悩んでいることは手に取るように分かり。「嗚呼……別に構わんが」頷いてみせる、自分が上司だから部下として気を使っているのかもしれない、そんなことを考えていて。相手が来ればもう自分たち以外にはこの部屋に誰もいないため電気を消して歩き出し
ありがとうございます、(ふわり、と笑みを見せれば相手の横に並んでオフィスを出る。一緒に帰るのは初めてだな、なんて思い乍らも頭はあの女性社員からの告白の事でいっぱいで。どうしたものか、と頭を悩ませる。別に相手が嫌いな訳ではないが、まともに話したこともないのだ。まだ付き合うのは早いかな、と思えば大体返事の内容は決まっていて。其れに今は出来るだけ仕事に集中したい。女性関係がなかった訳ではないが、己はどうもそういう事に関して無頓着なようである
(/遅くなって申し訳ございませんっ
……おう(笑ってみせる相手に頷いて。やはり自分は明るい表情を出すことが苦手だ、と思い。相手と帰るのは初めてで普段は一人が多いためどことなくぎこちない動きになっていて。特に会話がないのは普段の事、なのにすこし不安を感じてしまうのは自分の心境に変化があったからだろう。それにしても何かしらアクションを起こさない限り相手から何かするということはないだろうと考えれば重苦しく感じ。「…最近どうだ?」ととりあえず話題作ろうと問いかけてみて
(/大丈夫ですよー
最近、ですか?…中々楽しいですよ(いきなり相手から話しかけられた事に少し驚くも、動揺を隠しては笑顔で答える。この相手とだから、会話もなく帰るだろうと思っていたのに。しかし会社に入ってから笑顔は大事だと実感した。上司に笑顔を振りまき、取引先に笑顔を振りまき、元からへらへらしているため、あまり苦痛ではないのだが。相手の横顔をちら、と見る。やはりかっこよく、彼女などはいないのか、と疑問に思う。其れよりも新しい疑問が頭に浮かべば「飲みに、行かなかったんですか?」と首を傾げ
なら、良いが…(仕事に関してはある程度厳しく教えるというのがモットーのため過去に辞めた人もいて相手の言葉聞けば安堵した様子で胸抑え。次の話題を考えながら適当に周りを見渡せば、真っ暗闇にビルやら明かりが眩しいほど辺りを照らしていて。「皆で飲む気分じゃなかった」話しかけられれば相手の方向に顔を向け話し、先程誘われた様子を思い出せば相手のことを考えていたことを思い出せば気恥ずかしくなり髪を掻き上げて
早瀬さんのおかげですね(口を開いてはそんな事が出てきた。確かに己が言ったことは本心では有るが、言うつもりなどなかったのに。目が眩むような街の明かりに思わず手で目を覆う。あまりこういうのは好きではない。落ち着いた、静かな雰囲気が好きなのだ。だからこの上司といたら何と無く落ち着くのかもしれない。「あ-、彼奴らテンション高いですもんね」苦笑してはネクタイを緩める。誘いを断る相手の姿が想像出来ては何だか笑えてきた。相手の仕草を目で追えばなんだかどき、としてしまい、そんな感情に少し戸惑って
…俺は、上司として教えること教えただけだ(褒め言葉に慣れておらず、ぶっきらぼうな返しになってしまっていて、言ってすぐ少しの後悔が自分の中で起こり。「嗚呼……俺もあんな風になれたらいいのかもしれんな」同意して最後の方は独り言のような呟くような喋りで言えばあそこまで明るくなくてもいいが明るい性格は素直に羨ましいと思っていて。ここまで話したことはないなと思いながらなんとなく相手を見て。
はは、そうすか(ぶっきらぼうな返答に少し困ったように頬を掻けばへら、とした笑みを浮かべる。こんな調子でへらへらしていたら、其れが基本となってしまい今ではいつもへらへらしている。相手の呟きが耳に入れば驚いて目を見開く。明るい彼も是非見たいものだが、今のままでもいいと思う。ただし俺に突っかかってくるところを直したらの話なんだが。ふと此方をみた相手と視線がぶつかっては息をのむ。こんなまじまじと相手を見るのは初めててあり、吸い込まれそうな瞳で見られてはどうすればいいのか分からなくなる
(また話が途切れてしまう、言葉を繋ごうと考えるが言葉が出てこない、普段雑談をそれほどしないせいなのか仕事に関する注意ならたくさん言える気がするのにどうしてなのだろうと右手に持っている鞄を握りしめて。視線が合えば此方をみるとは思っておらず「……っ…」声にならない何かを漏らし。整った顔してるなあとあまり意識していなかった面に気がつけば真剣に見てしまっていて。十秒ほど経てばまじまじ見てしまっているのに気がつき視線をさりげなく正面に逸らして
……(会話が続かずに無言になれば嫌な沈黙が流れて。上司と部下という関係上、中々談笑したりする機会がないのでどう接すればいいのか分からない。気まずくなってふと辺りを見渡せば落ち着いた雰囲気のバーが目に留まり。暫し考えた後に意を決して「あの、この後予定とかあります…か?」と問いかけて。相手に見つめられては何故か此方も目を逸らせなくなり、暫く見つめ合う形になるも相手から視線を逸らしたのを確認すればほっと息をついて。少し鼓動が大きくなっている心臓がうるさいな、と思えば落ち着こうと深呼吸して
(無言状態がしばし続けば、仕事中苦痛でないはずの沈黙がやけに辛く感じ、問われれば「ないが……」今日は特別予定が入っているわけではないと思い述べれば、頷いては首を傾げ。相手の言葉の意図を解釈しようと考えれば食事か何かの誘いかと思い心臓が跳ね。そういえばと思いつき「…予定あるんじゃなかったのか?」部下が言っていたことが引っ掛かり問いかければ。
え?ああ、もう終わりましたよ(何故相手が其れを知っているのか、と疑問に思うもくすりと笑えばそう答えて。相手は用事が無いと言っている、己もこの後は特に用事もなく、かといって仕事をする気にもなれない。どうせ暇を持て余すのだろう。それならば、と思い付きだが「あの、ちょっとどうですか?」と見つけたバーを指差しては相手を誘ってみて。何時もならこんな事しないが、女性社員の事も相談したいな、と思えば少し飲むのも悪くないと考え。相手の答えを待つように顔を覗き込んで
そうか(答えられれば納得したように述べて。相手が指をさした方角を見つめればバーがありこんなところにあったのかと普段素通りしていたために知らなかった、と思って。て「あぁ、行こうか」考えるも相手も用事が終わったと言っているし、特に断る理由はないので相手の誘いに応え
じゃ、行きましょう(相手の手を引いてはバーへと歩いていく。店内に入れば少し暗めの証明にジャズのような音楽。とても落ち着いたところで第一印象は気に入った。席を見つけは腰掛けて適当に注文する。相手が隣に座ったのを確認すればカウンターに肘をついて頬杖をつけば相手に向き直る。「あの、早瀬さん…」と口を開き
(相手に手を引かれるがまま店内に入って行けば、先ほどの明るい道とは違い暗めのライトが優しく辺りを照らしていて何だか落ち着くような眠いような感じになり。相手が腰掛けた隣に腰かければ鞄を邪魔にならぬよう下に置いて、こちらも適当に注文し。話しかけられればに「…なんだ」と問い
えと、…どうすれば相手を傷つけずに告白を断れますかね?(こんな事を相談するのもおかしな話だがこの相手にぐらいしか相談出来ない。友人に言ったらからかわれそうだし、かといってそんな事を相談出来る女友達もいない。其れで行き着いたのがこの相手だ。己の予想だが、女性関係は少なくはないだろう。注文したモノが出て来てはマスターに頭を下げてグラスに口をつける
……誰かに告白されたのか?(何を言われるのかと思っていたが相手には相談されて目を見張る、しかも恋愛相談。部下にこんな相談をされるのは初めてで少々動揺してしまうも間をおいて問い返せば、想像でしかないが先ほどの用事というのはそれではないかと考え。問われていることに関してしばし考えれば「完全に傷つけずには無理だ、優しく断っても相手の心は傷つくからな」と答えて。
え?ああ、まぁ…(やはり上司にこんなことを相談するなんておかしかったな、と反省すればグラスの酒を飲み干して。しかしやはり相手だけあってしっかりと答えてくれた。やはり相手を傷付けないなど無理なことか、と考えれば少し頭を悩ませて。取り敢えず明日、しっかり言おう、と心に決め。己は酒に強い方ではないのだが、何だかやけくそになり、次々と注文しては酒を飲み干していって。大して強いアルコールではないのだが、ずっと飲んでいたら流石に酔ってくる
トピック検索 |