黒バスなり茶でー…別部屋だよ！

――っ、せん、ぱい…ッ(予想もしていなかった言葉、それでも嬉しくてどうしようもない言葉。空笑いで必死に隠していたハズなのに、相手のたった一言で一気に涙が溢れそうになる。初めて抱きとめられた腕は自分が予想していたよりずっと逞しく、温かいもので。引き留めたくて伸ばした腕を一度は降ろしかけるも、決意したように優しく、恐る恐る相手の腕を握る。)
…ホント、最後の最後に何て事言うんスか(相手と同じで動揺を隠せず、僅かに声が震えている。迷ったり、困った時に見せる小さな笑顔で「…ずっと片思いのハズ、だったのになぁ」と肩を竦め首を振って、)
>笠松先輩、

黄瀬＞

…ﾝだよ、それ、…。
(何故握られたのか、普段なら察することの出来る頭を持っているはずなのに、今は握られた腕と相手を交互に見遣ることしか出来ず。そしてその相手の口から出る言葉を理解する程の力が今はなくて。ただただ主将として、先輩としてなんて事を言ってしまったんだ自分はという、後悔の念しかない自分に相手の言葉が聞き取れず、「ｯ、分かんねーよ、それ。」と、眉を寄せながら瞳を細める。

っ…、俺が。俺も先輩が好きだった言ったら、困るっしょ？ずっと笑ってて欲しいって言ったら、逆に笑えないでしょ？(俯き、言葉を噛み殺すように小さな声で。しっかりと想いを伝えていく。それでも強い目の前のこの人は涙なんて見せないんだ。泣くな、泣くな、と自分自身へ言い聞かせつつ真っ直ぐ、それでいて柔らかな眼差しを向けたまま。)
今言ったら余計困らせちゃうかもしんないスけど…でも、言わせて下さい(言い終わるなり頬を緩ませ、透明な雫が浮かんだクシャクシャだけど精一杯の笑顔を向け「…俺も先輩が好きです」と、はにかみ呟き。しかし最後の最後でズズッっと鼻をすする音が室内へ響き渡る。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

……、ﾋﾄﾞい顔だな。
(本当は言うつもりもなくて、意地とﾌﾟﾗｲﾄﾞを捨てて言った言葉は相手の理想の先輩像潰してしまう程のものだったはずなのに。それなのにどうして相手はそんな言葉を向けてくるのだろうと、めちゃくちゃな思考回路の中で泣きじゃくった相手の顔に呆れながらそんな事しか言えなくて。
困るわけねーよ、…相手が同じ気持ちで、困る奴なんて居ねーに決まってんだろ、
(相手の頬に手を伸ばせば親指の腹でその涙を拭うも、その涙の多さに拭う事も追いつかない。終いには自分までもがついに一筋の涙を零してしまって、「嬉しい以外にねぇよ馬鹿。」と相手から顔を背けてｿﾌｧの背凭れに体を預ける。

…あはは、こんなんでも一応モデル何スよ(普段であれば先輩酷いっスー！なんて無い尻尾を垂らすものだが、自分の安っぽいモデルとしてのプライドは相手の覚悟に比べたら小さなものである事に変わりは無くて。頬に触れる親指の感触からまた泣きそうになりながらも、自分のために堪えてくれていたのだろう。今まで、初めて見る相手の涙へ眉下げぎこちない笑みを浮かべる。)
もー、そう言ってくれるのは嬉しいけどバカは余計っス！(腕組み解せぬ。なんて表情浮かべつつ相手の様子を眺め「…良かった」と首を凭れ笑いかけて)
>笠松先輩、

黄瀬＞

手間の掛るｴｰｽで、ﾓﾃﾞﾙで、ﾊﾞｶで。それに惚れた俺もﾊﾞｶ、だったりしてな、ありえねーけど。
(ﾊﾞｶは余計だと言ってくる相手の様子に背凭れに預けていた上半身を起こせば、やっと気持ちが落ち着いてきたのか上記のような冗談を言って眉を寄せて笑う。
…実際のところ、まじで3月の間しか居れねぇ。だから最後の我儘、また色々話して、良い思い出作らせろよ。
(此処まで来て甘えてしまっている自分に対してか、それとも残りの日の少なさに対してかなのか。苦笑混じりにそう言えば、「――ｯ、よし、寝るか。明日に響くぞ。」とｿﾌｧから腰を上げて、ﾃｰﾌﾞﾙに置いた月ﾊﾞｽを手にとって部屋の扉の前まで足を進めるが、立ち止まって、
有難うな、黄瀬。
(照れ臭いのか、まるで扉に向って言っているような感じになってしまったが小さく礼の言葉を言えば、その部屋を後にする。

…ホント、最後まで抜け目ないっスね(帰り際にポツリとかけられた感謝の言葉へ、側にもなく髪の毛をワシャクシャ掻き混ぜながら自分の膝へ顔を埋め。心底嬉しそうに頬を緩ませフフっと笑みを零す。何だかんだで自分も先輩が大好きなんだなぁ、と再確認すると共に。他愛もない話をしたり、バスケをしたりシバかれりする事がなくなるんだなぁと思うと悲しくなってしまうけれど、相手の将来を応援したいと思う自分も居て。瞳を細め先程まで相手の腰掛けていた席を眺めつつ「忘れらんねー思い出たくさん作ってやる」と口角持ち上げ１人意気込んでみようか。)
俺も寝るかなー…(暫く余韻に浸っていたいという気持ちもあるが、ここは先輩の言葉を優先させよう。スポーツバッグを肩にかけゆっくり立ち上がれば扉へと向かっていき、ドアノブへ手を掛ける。)
―――先輩、最後だなんて言わないで。…俺はまた会えるって信じてるから(誰に言うでもなく細々と口に出した言葉へポリポリ頬を掻く。和やかに微笑めば「さて、帰りますか」と室内を消灯、ドアノブ回し退室すれば自室へ足を進めていき、)
>笠松先輩、

まじ、知恵熱出そうだなこれ。
(珍しく制服姿のまま部屋に入ってくれば、適当な所に鞄を置きﾌﾞﾚｻﾞｰをｿﾌｧの背凭れに掛け自分も腰をおろす。ﾈｸﾀｲを解くだけ解けば眉を寄せながらﾊｧｰと長い息をついて、上半身を前屈みに。眉を寄せたまま瞳を細めてはｼﾞｰとそのまま床だけを見て、「どこぞの女子かよ俺は。」と呟けば自分への怒りと共に顔を両手で覆って小さく唸る。

はあっ…、ッ、せんぱーい！ばんはっス！！(廊下からドタドタ騒がしい足音が聞こえたのも束の間。勢いよく扉を開け尻尾ブンブン千切れんばかりに振る犬の如く、満面の笑みで挨拶を述べれば。スポーツバッグが肩からずり落ちるのも気にせず相手の元へ歩み寄る。よほど急いで来たのだろう。息を整え、ジャージを持ち上げ額へ浮かぶ大粒の汗を拭いつつ身を屈ませチラっと様子を眺めては「具合でも悪いんスか？」と緩ーく首凭れ尋ねてみようか)
>笠松先輩、

黄瀬＞

うぉｯ、うるっせーよ!!!
(足音がするので顔を覆っていた手を退けると勢いよく入ってきた相手に思わず驚きの声を上げる。ﾊｧｰと盛大な溜息をつけば、取り敢えず屈んでいる相手の頭に拳骨を一つ送って。
慣れねーことに悩んでただけだ、大丈夫。
(慣れない恋愛的感情のようなものに振り回されているだなんて口が裂けても言えないが、それでも眼の前の人物はまさかそんな事で悩んでいるのも知らないだろうなと思えば何故か呆れ笑いで(←)。ふと相手の汗に気付けば「ﾝだよ、練習してのか?」と流れる汗に視線を向けて。

――ってぇ！Σ…すんませぇん(毎度毎度懲りないのがこの男で。拳を受けズーンと肩を竦ませ落ち込みかけるも、一瞬の内に表情を明らめる。普段は練習だと流す所だが、昨日の一件から「んー…それもそうっスけど、先輩に早く会いたくなって。そんで駅から全力疾走！ってワケっスわ」なんて真っ直ぐに自分の考えを口に出し得意気に笑ってみせる。ふーっと一息吐き汗を手の甲で拭いながら相手と向かい合う位置へ移動し床へ腰を降ろす。)
…あれ、そういや先輩が制服のままなんて珍しいっスねー(今更ながら相手の姿を見て瞳パチクリ瞬かせれば両手を床に置き軽く首を凭れる。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

なｯ、つか、てめ、その顔すげー腹立つぞｵｲ…!!!!!
(まさかの直球ｽﾄﾚｰﾄな言葉に一気に顔を赤らめては、その変化に自分でも気付き咄嗟に腕で口元を覆う。しかし相手の得意気な笑みを見ては、なんだか自分だけ妙にｳﾌﾞに感じられて腹立たしさが込み上げ、思わず腰をあげて相手の前に屈みこみその頬を抓ってやる。
は?あ、そうか。忘れてたわ。
(ｷﾞﾘｷﾞﾘと抓る中で服の事を言われれば、そういえば着替えずに此処に来てしまったんだと自分でも気付く。抓っていた手を離してｿﾌｧに腰掛ければ「俺はお前みたいに恋愛上手じゃねーんだよ。変に落ち着つかねーし、余裕ねぇし、色々考えちまって調子が出ねーんだよ悪ｨか。」と、ﾌﾝと顔を背けながら悪態つくも、全てｽﾗｽﾗと吐き出してしまった後は案外気持ちもｽｯｷﾘした様子。

んぎゃああ！Σいひゃいっふ！！っちょ、…！(ぁ、可愛い。なんて思ったのは相手の表情動作を見てから。嬉しそうに頬を緩めるも腹立つなんて言われガンっと大袈裟すぎる程負のオーラを漂わせる。しかし続いて緩んでいた頬を抓られるなりキュっと両目瞑り相手の手首を掴もうと手を伸ばす。)
いきなり抓る事無いじゃないスかもー…、(もう少しで手首を捉えるという所で自分が掴むより早く相手の手が離れていきホっと胸を撫で下ろせば。僅か不貞腐れ頬を掻く。)
…俺だって恋愛経験豊富じゃねーし。ヘタすりゃ先輩より余裕ないかもしれないっス(相手の清々しい表情へ肩竦ませ苦笑うも「誰も悪いなんて言ってないっスよー」と口角弛め指立てシャランラなあの笑顔で。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

ｺｯﾁの身にもなってみろ…!!!
(不貞腐れる相手に眉を寄せながらｶﾞﾐｶﾞﾐと怒鳴る。一頻り怒鳴り散らせば相手とは全くの別方向に顔を向けて「…ﾊｽﾞいんだよ!!」と舌打混じりに蚊のなくような声で。どうしてこんな事を言わなくちゃいけないんだ、相手の表情や動作、態度に乗せられて本音がﾎﾟﾛﾎﾟﾛと出て行く状況に些か納得がいかなくて、赤みの引かない顔で不満そうな顔をする。
余裕ないよーに見えねぇから余計腹立つんだろーが。
(豊富じゃないという言葉に些か目を丸くして顔を向けるも、その相手の表情を見れば余裕の無さがやはり感じとれないため再度顔を背けて「お前ばっか余裕あって、なんか、ｽﾞﾙいんだよ。」と理不尽な言葉をﾎﾟﾂﾘ。

えへ、へ(普段であればとっくに落ち込んでしまっているハズだが、相手の声色や赤みがかった頬を見て何処か嬉しそうに肩を縮める。俯き一寸黙り込むも、暫くして顔を上げれば目の前の綺麗な黒髪へそっと指を伸ばそうか。撫でるというより軽く触れるような、壊れ物でも扱うような手つきで指を動かしながら「こういう時しか、カッコつけらんねーんスよ」と、小さく笑いかけ満足したのか手を離し再び床へ降ろす。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

…、な、なるほど。
(髪に触れられれば、その優しい手つきに思わず体が硬直して相手の方へ顔を向けることすら出来ず、ただただ顔だけを赤らめていれば、ｶﾞﾁｶﾞﾁに力の入った声で絞り出した言葉が上記という有様。
なぁ、一つ聞きてーんだけどよ、
(相手が床へ腰を降ろした事が分かれば、触られた箇所を自分でﾜｼｬﾜｼｬと髪を触りながら何処か落ち着かない様子で。聞きたい事があると切り出したものの、なんと言おうかと暫く眉を寄せて悩めば相手に視線を向けて「その、なんだ、…その、俺等は、付き合ってる、のか??」と。昨夜気持ちを伝えられたものの、これはどういう関係になったんだと今日一日かけて悩んでみたものの答えが見つからなかったようで。聞くのも変な話じゃないかと自分で分かりつつも、もはや相手に聞く以外に術が見つからない。

っぷ、せ、先輩、それ…ッ(物珍しげに相手の様子を眺つつ、耳にしたあまりに素っ頓狂な返答へ思わず笑いが込み上げて。小さく吹き出せば肩揺らし口元を腕で押さえつける。堪えきれずふはっと声を上げながらも相手の言葉へ視線を重ねポリポリ頬を掻き。照れ臭そうに視線を外し床をジっと眺めては「…俺はそのつもりだったんス、けど。ぁ、ええと…」ウーン、やら。その、やら細々と呟きながら言葉を濁すも最後には相手へ視線を向けて「こんな俺でよければ、付き合って下さい」と、今まで自分から口にする事などなかったためか不安気に上記を述べる。苦笑交じりに首を凭れ問い掛ければ静かに手を差し出して。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

ﾝだよｵｲ!!笑ってんな、よ…、
(笑われれば恥しさと悔しさで、またその頭をｼﾊﾞいてやろうかと体を相手に向けるも、大切なことを言おうとしてくれる相手の様子を見れば振り上げそうになった手を抑える。余裕に見えていたはずなのに、今だけは余裕のない相手の姿に新鮮さを感じながら見ていれば、質問の答えとともに出て来た言葉に思わず口を半開きにしてしまう。本当に現実なんだろうか、夢なんじゃないだろうかと、数秒の間に何度も自分に問いかける中、差し出された手にﾊｯとなれば、おずおずとその手を握って、「お、おぅ。」と眉を寄せつつも表情を弛める。しかし本当に現実味がなさ過ぎて、片手で握った手を見つめればもう片方の手を重ねて両手で相手の手を握って、その温もりを確かめようと心掛け、
…夢じゃねー、のか。すげーな、…。
(やはり夢じゃないのかと、ﾌﾊｯと小さく笑えば相手に顔を向けて「ありがとな。」という言葉を送る。

(もし断られたら、冗談だったとしたらと何処か心細気になり自然と表情が曇ってしまっていたが、自分の手を包み込んでくれる相手の暖かな手のひらへ安堵の息を吐く。夢じゃないのかと言う相手にフフっと柔らかな笑みを浮かべ自分ももう片手を優しく重ねる。嬉しそうに、心底幸せそうに瞳を細めながら。)
如何致しまして。…って、俺にありがとうなんてらしくないっスよ！！調子狂うっていうか…んー(人懐こい笑みを返しながらも、少しだけ照れ臭そうに肩を竦めれば手をギュウと握り直し。)
>笠松先輩、

黄瀬＞

それ以外に言葉見つかんねーんだよ。つか、この絵面が少女漫画みたいで恥しくなってきたぞｵｲ。
(らしくないと言われれば眉を寄せて、じゃあどんな言葉が欲しかったんだと内心思いながら相手の整った顔をｼﾞﾛﾘと見遣る。しかし、一日悩んでいた事が解消された事、相手の言葉が現実である事、今までﾌﾜﾌﾜとしていた頭がﾊｯｷﾘしてきた感じがする。そのせいか、今度はまたｽﾞｹｽﾞｹと言葉を返して、男同士が手を握りあった状況はどうなんだ恥しいぞと言いたい放題で。