湊さん募集（シンみな）

…行か、ないで（目を閉ざしながら、そばにあった相手の手に切ない声とともに触れて、もう片方の手でまるで恋しいものをとるようにブランケットを手繰り寄せ）

ん？行かないで？(どうやら、いかがわしい夢ではないようだが、なんだか寂しそうに見えてシンの手を握り締め)
どこにも行かねーよ。

ふふっ…（手が温かくて眠る表情が柔らかくなり、微笑んで相手の手に触れたまま）
…好き。（自分で言った寝言に反応したように目が覚めそうになり、まぶたを揺らして）

え？もしかして、起きてる？(あまりにもハッキリした寝言に、もしや起きているのではないかと思い)
シン、こんなところで寝てると風邪ひくぞ(軽く肩を揺さ振り)

あ、みなとさん…さっきのつづき、（薄っらと目を開けながら上体を起こすと、夢と現実を混同させ相手からの行動を待つように、相手の顔の前で目を閉じ）

さっきの、続き？(何の話しだと思うも、そう言えば自分が寝落ちする前に、なにか約束してをしたような気がする事を思い出し、目を閉じた相手を見れば、生唾を飲みシンの頬に触れるだけのキスをして)
こ、これは、その、看病してくれお礼だからな！か、か、勘違いするなよ！

あれ…口じゃない…ふ、でもうれしい（まだ夢の中にいる感覚のまま相手に抱きついたところで完全に目が覚めて相手を凝視し）
えっ、湊さん？なにしてるんですか？てか、さっき俺に…（柔らかな感触を得た自分の頬に指を当てて）

よ、よう。おはようシン。この際、ちゃっかり抱き付いてんのは目を瞑ってやるよ(もう、体が痛くないので熱はないだろうと思いつつ、平常心を保ち)
え？俺何かしたっけ？夢でも見てたんじゃねーの？寝言言ってたぞ

これは、その…失礼しました（自分が何をしているのかに気づいて相手から離れ）
夢…そうですよね。湊さんにしては大胆なことされた気がするので。
あ、俺ちょっと帰ります。湊さん少し顔色よくなったみたいで安心しました。また何かあれば連絡ください（何となく頭痛と喉に違和感を覚えて立ち上がり、ささっと荷物をまとめ「よかったら食べてください」と相手にゼリーを差し出して玄関へ向かい）

あっ、、(シンの態度に罪悪感を覚えるが、なんと言って引き止めればいいのか分からず言葉が見つからず)
その、シン。来てくれてありがとな。正直、嬉しかった(どうせシンは背中を向いているので表情は見えないだろうが、赤くなりながら言い)

…！そんなふうに思ってくれて俺も嬉しいです。では、また（靴を履き始めて相手の声だけ聞き取り、口元を緩ませドアを静かに閉めるとそのまま自宅へ戻り自分の部屋で反省会を始め）

何もできなかった…（ただ相手のそばで寝てただけな気がして、悔やむ思いとまだ残る偏頭痛のような痛みに眉を顰めてベッドに入り、消せと言われていた相手の写真をスマホで眺めながら寝落ちて）みなとさん…

あ、その、気をつけて帰れよ(いつもなら、こちらをみてもおかしくないのに、そのまま帰ってしまった為、ますます自分が悪いような気がしてきて)
あーもー、なにしてんだよ俺、シンの事傷付けたかもしれない。あんな嘘つかなきゃ良かった。今そら遅いけど、、
俺、サイテーじゃん。(シンが買ってくれたゼリーを食べて市販の薬を飲み、何かシンにメッセージを送ろうと携帯と睨めっこしていたが、何を書いていいのか分からず、そのまま寝てしまい)

（朝起きて頭痛は消えていたが声の調子から普通に風邪をひいたらしく、家族にうつさないようにマスクのまま部屋から出て学校へ向かう途中で相手の様子が気になり、スマホでトーク画面を開いて）
「おはようございます。昨日は色々すみません。体調どうですか？」（メッセージを入力すると送信し）

(朝、起きて熱を計ると、平熱に戻っていて、今日は店を開けれそうだと思い、携帯を見て)
"おはよう、熱も引いたし今日から、みなと商事コインランドリー再開だ。また、ご贔屓に。てか、シンは昨日何も悪い事してないんだから謝るな！それより俺の風邪移ってない？"
(LINEだったら、素直に言えるかなと思い、続きのメッセージを送ろうとするが、とりあえずこれで送信して店を開ける準備をし)

『よかったです…！俺がいたことで湊さんに無理させたかもと。今日はたぶんコインランドリーには行けませんが俺は平気です。湊さんこそ病み上がりなんですから油断しないようにしてくださいね』
（届いた相手からのメール文に心底安心して返信するが、相手に余計な気を使わせないよう今の自分のことはあまり語らず画面を閉じ、時折吹く風にまだ冷えるなと腕をさすりながら校内へ入り）

なんだ、シン今日は来ないのか、、って、なんで寂しがってんだ俺！仕事仕事(気を紛らわせるように店を開けると張り切って仕事をし、昼になると休憩を挟み)
シン、ほんとに大丈夫なのかな、なんか昨日様子おかしかったし、桜子ちゃんに様子聞いてみようかな。(気付けばシンのことばかり考えていて)

（うつるにしては早い気もするが、風邪だろうと相手から貰えるものなら何だって嬉しいし風邪をうつしてもらえるなんて興奮材料でしかないので本当に相手からの風邪だったら良いのにと思い過ごしていたが、今日の感想といえば覇気のない自分にうざ絡みしてくる英が鬱陶しかったことくらいで圧倒的に湊晃成分が足りておらずトーク画面を開き他愛もない内容を送信して）
『湊さん。お仕事お疲れさまです。今日はどんな1日でしたか？』

いつも、ありがとう。気をつけて帰ってね(常連客に、愛想良く挨拶を振りまき、軽く掃除をしていると携帯が鳴り画面を確認してシンからのメールだと返事を送ろうと椅子に座り)
"どんなって、普通だったぞ。あ、でもシンの事考えてた。俺さぁ、シンに謝らないといけないことがあって、でも直接言いたいから来れる時にでも寄ってくれ"
(何回か自分の文面を確認してから、今日は無理だと言ってたから明日以降かぁと思いつつ送信し)

（謝られることなんて何もないのに、でも会いたいと翌日スマホと睨めっこしてどう返信していいか迷い、とりあえず自分の体調が万全になってからにしようと『すみません。今日も行けません』と途中まで打ったが明日まで相手に会わずに耐えられるのだろうか、少しだけなら、距離をとって話すくらいならとメール文を改め）
『俺も湊さんのことしか考えてません。湊さんの顔が見たいから少しだけ、今日コインランドリーに寄ります』

おっ！返事きた(返信が来るのを待っていたらしく携帯を触っていたので、すぐに気付きシンが来ると分かると、ある物を用意して)
"おう！分かった。雪降ってるから気をつけてな"
(送信すれば、外を見て雪が積もっていたので、店の前だけでもも、雪かきを始め)