乙種七類型調査隔離　──番、〆

お前に好きだって言われたい。( 唇が触れ合えば目を細め / 幾度か唇を食むと口元に笑みを浮かべて至極素直に強請り )

……、( 思いも寄らない相手の言葉に束の間言葉を詰まらせ / 直ぐに愛しげに眉を下げると鼻先を摺り合わせ蕩けたような声で囁き )好きだよ、可愛い俺の紹。

( 鼻先が擦り寄せられれば擽ったげな笑を零し / 鼓膜を震わす甘ったるい声と言葉に息が詰まる程の愛おしさと充足感を覚え / その想いが滲むように柔く唇を啄み )

お前は？言ってくれねえの。( 幾度か此方からも啄むと唇を離し / 人差し指で相手の唇に触れて / 強請るような声音で相手の瞳を見据え )

( 唇に触れた指を絡め取ると掌を開かせ指先を絡め / うっとりと目を細め瞳を見詰めて告げ )…好きだよ、…ジャック、

……、( 相手の表情を目にすれば胸中が満たされると共に自身の性質でもある欲が刺激されゆっくりと息を吐き / 腰に回した腕に力を入れると唇を重ねて幾度か食み )

( 唇が重なれば心地良さに目を伏せ / 此方からも唇を啄むと舌先を這わせ )

…寝るぞ。( 舌先の感触に片眉を上げると一度食み返して唇を離し / このままでは再び抱いてしまうと言う予感から相手の肩に手を遣り軽く押して制止の声を掛け )

…ん、( 唇が離れて行けば大人しく離れ小さく頷き / 相手の肩口に顔を埋めると眠気を感じ始めたのか欠伸混じりに告げ )…起きる時俺も起こせよ、…先に布団出るな。

…仕方ねえやつだな。( 肩に埋められた顔に小さく笑みを零して同様に頷き / 瞼を下ろし体を寄せて眠りへと就き )

──

( 朝陽の光が差し込んでくる中目を覚まして / 昨夜の相手の言葉を思い出したのか、無言で寝転んだまま傍に寝ているであろう体を揺すり )

──…ん゛ん、( 体を揺さぶられる感覚に意識が浮上すると顔を顰め / 朝陽の眩しさから逃れるように相手の首元へ顔を埋め )

……、( 相手の髪をクルクルと人差し指で弄りながら短い間何事か考え / 少し身体を離れさせると先程の相手と同じように相手の肩に顔を埋めて少し力を入れて歯を突き立て )

い゛ッ、てぇ…、( 僅かに浮上した意識もそのまま眠りに落ちて行きそうになっていた最中、不意に鋭い痛みを感じればビクッと肩を震わせ / 流石に目を覚ませば不機嫌そうに顔を顰めて苦言を呈し )…もっと他に起こし方あンだろ、

眠り姫式じゃ起きねえだろ、お前。( クスクスと笑みを零しながら牙を離し / 相手を起こす目的が達成されたはいいものの次のアクションを考えてはいなかったのか布団で寝転びながら首を傾げて )…まあでも、今日の予定は特に考えてねえんだよな。お前なんかしたいことある？

( 相手の言い分も尤もな気がし何も言い返せずに憮然とした表情を浮かべ / 未だ微かな眠気が残る中ゆっくりと瞬きを繰り返しつつ問い掛けへ端的に答え )……薬と茶葉。

……ふむ。( 相手の返答を聞けばベッドからゆっくりと立ち上がり / 備え付けられている電話の受話器を手に取るとなにやら電話を掛け尋ね始め / やがて話を終え受話器を下ろすと相手の方を振り返り )本格的なやつとお手軽なやつ。どっちがいいよ。

( 立ち上がる相手の様子を目で追うと僅かな間を置いてゆっくりと体を起こし / 未だに体に残る倦怠感と違和感に内心驚きつつ床に足を下ろして / 微かな歩きにくさを感じながらも相手の背へ歩み寄ると背後から腰に腕を回し / 問い掛けが何を示す物なのかは分からないまま適当に答えると肩口へ顔を埋め )…本格的なやつ。

ならここを出る。次の場所まで歩……いや、車で行くか。( 相手の挙動を見ては途中で言葉を変え / 肩口の感触に僅かに笑みを漏らしながら片手で相手の頭を撫で / 相手の体の動きを見れば本調子で無いことは分かり独り言を零して首を傾げ )…内部の修復は時間掛かんのかな。

何するんだ。( 移動すると聞くと今更その目的を尋ね / 頭を撫でられれば目を伏せて肩へ頬を載せ / 直接的で無いものの妙に生々しいように思える物言いに眉を寄せつつ弁明を述べ )昨日動いてねぇから鈍ってるだけだ。そのうち治る。…まあでも、俺も驚いてるよ。

珍しい植生ってやつを再現してる庭園があるらしくてな。国境を跨ぐが薬の取り扱いも豊富って話だ。( 自身の顎に手を当て考えながら話して / 甘えてくる姿に笑い声を上げて / 相手の身体の仕組みは未だに良くわからないことが多いながらも頷くと身体を反転させてぽんと背を軽く叩き )…キツかったら言えよ。仕度してこい。