まだ、夜は明けない(〆)

まだ、夜は明けない(〆)

通りすがりさん  2023-07-31 16:16:22 
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─夜の闇は、どこまでも深い。

お相手様決定済─?

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  • No.21 by 陣  2023-08-02 12:58:13 


─どうにも寝付けなくてね、私の話に付き合っておくれ。
(少し肘掛けから身を起こすだけでも長い髪が床に擦れ、さらさらと小川の流れるような音が鳴る。仕切り越しに従者の跪いた姿を見つめ、ゆったりとそう口に出して微笑んだ。従者の返答は求めないまま、書物の内容や今日の天気、果ては寝所から見える風景の変化まで─何の取り留めもない話を自身の忠実な、新しい従者に聞かせては時折反応を求めるように肘掛けを指先でなぞり)

  • No.22 by 月  2023-08-02 13:19:22 



…遵旨。
(予想はしていたが、前回と同じ様に会話の相手役をご所望のようで。拱手した体勢のまま御意、という意味の言葉を短く告げると、直ぐ様彼の取り留めのない話たちが流れる。どうして外出せぬのか、全貌の分からぬ目の前の相手は謎が多すぎる。何か病気を患っているとか、恥ずかしがり屋だとか、そういった予想は屋敷内で囁かれているが誰も真実を知らないのだ。然し従者という立場である以上主の命は絶対、性格上和気藹々と口を挟むタイプでもないゆえ、無闇に言葉を発することなく主の穏やかな口振りに耳を傾け、されど無反応は話している相手も寂しいだろうかと節目で感想を投げかける。)
…主様は感性が豊かであられます。風景や気候など、私たち従者が普段気にしないような事柄に心を動かされておられるのですね。


  • No.23 by 陣  2023-08-02 13:51:10 


─此処から見える景色は美しい。君達にも見て欲しい程だよ。
(従者の言葉に長い睫毛をふわりと伏せ、薄い仕切り越しに寝所を照らす冬の月を伏し目がちに眺めて呟く。瞳の周辺に刻まれた文様にそれとなく触れ、額に生えた角に触れながらごくごく小さな溜息を漏らした。無口な従者に甘えるかのように口を噤むと先程閉ざした書物に手を伸ばし、紙が微かに擦れる音のみが寝所を包む。暫くそうしていたが、やがて気付いたかのように微笑みながら従者に命令を)
─ありがとう、私の可愛い子。君も眠いだろう、部屋に戻ってお眠り。

  • No.24 by 月  2023-08-02 14:16:41 



(呟きの後の微かな溜息を耳聡く感知すると、それが何かしらの意味を持つような気がしてならない。姿を見せない事も恐らく従者たちには言えない、彼にしか分かりえない懊悩があるのだろう、紙を捲る音よりもそんな思案に意識を傾けていて。やがて踵を返すよう促され、何時もなら命通り退室するものの先刻の溜息が脳裏を過り、苦衷を抱える夜の痛みを想像する。護衛を担っていた時は丸一日眠らないことも多く、それに適応した体は未だに睡魔を訴えない。未だ見ぬ主の心中を慮り、はっきりと、玲瓏な声音を響かせて。)
眠くはありません。主様が心ゆくまで私めはお傍におります。


  • No.25 by 陣  2023-08-02 15:32:49 


─私の可愛い子、君は優しいね。
(一瞬だけ驚いたかのように目を細めたものの、書物を閉ざしては少しばかり肘掛けから身を乗り出す。髪が床に擦れ、板作りの寝所の床が軋んだ。瞳を包む赫い文様が微かに熱を持って疼き、目元に走る鋭い痛みに小さく呻き声を漏らしながらも従者を招くように手を伸ばした。伸ばした手は仕切りに当たり、僅かにではあるが仕切りの隙間から長く伸びた黒髪が覗く。すぐに仕切りを降ろし直しながら従者を招き寄せ)
─おいで、私の可愛い子。

  • No.26 by 月  2023-08-02 16:26:14 



──それは、床帳の中に入って良い、ということでしょうか。
(夜が明けるまで主の聞き役を務めよう、そう決めたところに賛辞をもらい心中で胸を撫で下ろし。然し架子床が軋む音に混じる呻きにぴくりと眉を顰め、微かな様子の変化に神経を研ぎ澄ませる。すると人影が動く気配と、床帳が僅かに揺れてそこから黒い何かが覗いた。隙間からは髪とまでは断定できず、怪訝に動向を見守っていると予想外の言葉が耳に入り。幾ら従者と言え、床帳の中に入れる人物など居るのだろうか、動揺から拱手の姿勢を崩しつつ確かめるように言葉を投げ掛け。)


  • No.27 by 陣  2023-08-02 17:24:49 


─君のような優しい子なら、問題ないだろう。…さ、おいで。私の可愛い子─
(掛ける声は柔らかな声色を保ったまま、熱を持って肌に広がっていく文様の痛みを堪える。手近に有る方の手で仕切りを僅かに引き開けると、その隙間から青白い皮膚をした華奢な手と、その肌に広がる赤色の文様が覗いた。寝所の中で焚かれている香の匂いが一層濃く香り、どこからか流れてきた薄雲が月を覆い隠すと、仕切りはゆっくりと引き開けられる。其処には額から捻じれた一対の角を生やし、鮮血を固めたような瞳の周辺には赫の呪術的な文様が浮かび上がっている『鬼』が穏やかに微笑んでいて)
─これが私の姿だよ。驚いたかい。

  • No.28 by 月  2023-08-05 12:04:14 



お返事が遅くなりまして申し訳ございません。遣り取りをして行く内に、相性に不安を覚えてしまいまして、誠に勝手ながらお相手を解消させて頂きたく思います。少しの間ですが有難う御座いました。

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