通りすがりさん 2023-07-31 16:16:22 |
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─君のような優しい子なら、問題ないだろう。…さ、おいで。私の可愛い子─
(掛ける声は柔らかな声色を保ったまま、熱を持って肌に広がっていく文様の痛みを堪える。手近に有る方の手で仕切りを僅かに引き開けると、その隙間から青白い皮膚をした華奢な手と、その肌に広がる赤色の文様が覗いた。寝所の中で焚かれている香の匂いが一層濃く香り、どこからか流れてきた薄雲が月を覆い隠すと、仕切りはゆっくりと引き開けられる。其処には額から捻じれた一対の角を生やし、鮮血を固めたような瞳の周辺には赫の呪術的な文様が浮かび上がっている『鬼』が穏やかに微笑んでいて)
─これが私の姿だよ。驚いたかい。
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