穏やかな同僚の秘密（〆）

だったら口止め料だ
（今回のおかずでお詫びに足りていると言われればじゃあ、と別の理由を上げ。少しでも相手が気にしないような理由を作ると微笑んで）
分かった。作れそうにない時は連絡するが、それ以外の時は弁当を作ろう。職場で昼時にこっそり渡せばいいか？
（見られた時は、どうするかと思いつつまぁ後で考えればいいかと思って）

(特に誰かに秘密を漏らすような事をするつもりはないが、「あ、それなら…」と口止め料というならそれもいい口実かと思い相手の笑みを見るとすんなり納得してこくっと頷き)
こっそり…そっか、誰かに見られたらちょっと面倒だしな。タイミングがいい時渡してくれればいいよ。
(今まで仕事以外で関わりを持とうとしなかった自分が突然水沢から弁当を貰っていたら絶対怪しむ奴がいるだろうと思い、相手にも迷惑を掛けてしまいかねないと顎に手を当てて暫し考えを巡らし)
…食費とかもあるし、弁当面倒な時はたまには昼飯外で食うのもよくない？
(ふといい案が思い浮かびその時は俺奢るから一緒にさ、と付け加え)

あぁ、何で弁当を渡すのか聞かれた時に答えにくい。分かった、タイミングを見計らって渡す。食べ終わった弁当は帰りにでも渡してくれたらいい
（一応は言い訳を考えておくつもりではあるが、受け渡しを見られないということがベストであり）
そうだな、外で食べるのもありだ。その時は奢ってもらうよ。ちょっと高めの頼むかな
（気にしなくていいのに。とは思ったものの、自分がその立場なら気にするので落としどころはそこかと思えば納得し。小さく笑うと冗談めかして言って）

りょうかーい。
(ぱっと掌を掲げて楽しげに笑顔で返事をし)
うん……ん？え、高…っ。さ、財布事情もあるのでそこら辺は要相談で…
(すんなり了承した相手にちょっと意外といった表情で見やるも、想定外の言葉を聞けばギクッと顔を引き攣らせ、それが冗談と分かっていても断れる立場ではないので必死に笑顔で繕い)

（職場では見ない相手の楽しげな笑顔に、レアなものを見たと微笑んで）
ふ……あっはっは！　冗談だよ、冗談。そんな厚かましくねぇよ。あーおかしい。要相談だな
（顔を引きつらせた相手にこらえきれず笑い声をあげると楽しそうにそう言って）

えっ……、あ、おう。
(突然大笑いする相手にぎょっとして目を見開き、こんなに笑うんだと職場での雰囲気からは感じられない楽しげな様子に呆気にとられ)
お前って結構面白いのな。
(業務上のやりとりしかしたことがない上に敬語を使われていた為内面など知るよしもなく、素の方が面白いとにっ口角を上げて言い。皿に乗るおかずと白米をかきこみ全てたいらげると箸を置いて手を合わせ「ごっそさん」と頭を下げ)

何だよ、その不審者でも見るような視線は
（ぎょっとした様子の相手に首を傾げ）
そうか？　演技力ばえぐいって言われたことはあるが、面白いって言われたことはないな
（懐かしいなぁとこぼしつつ、面白いと言われたことに微笑みながら）
ん、ご馳走様
（白米とおかずを食べ終えると相手と同じように箸をおいて両手を合わせて）

なんかめっちゃ笑うし冗談も言うし…普通に面白い。
(職場でもそれでいいんじゃないかと思うほど、ふははっと笑いを零して言って。懐かしいという言葉にふと何のことかと首を傾げて)
お前の演技知ってるやつ他にもいんの？
(誰にも明かしていないような言い様だった為ちょっと意外そうに問い掛け。「ちょっと片付けてくるな」と食器を集めて側のキッチンへ運びながら)

そうか？　嬉しいな
（素の自分を気に入ってくれている相手に嬉しそうに微笑んで）
あぁ、高校の時の話だ。2年の時、文化祭の出し物が演劇だったんだ。役決めの時に風邪で休んでたんだが、友人が面白半分に俺を演者に推薦してな
（何だかんだ楽しかったなぁと懐かしそうに呟いて。相手が食器を集めている時に自分も食器を重ね、「ありがとう」と礼を言って）

(嬉しそうな笑みにこちらもつられて笑み)
へぇ、そうだったんだ…その頃から演技に定評があったんだな。それならサラリーマンじゃなくて俳優にでもなればよかったんじゃね？お前結構顔もいいし。
(思い出を振り返る様子に当時の彼を知らないながらも情景が浮かぶようでクスクス笑い、シンクで食器を洗いながら冗談めかして言いつつも意外にイケたんじゃと素直に思ったことを口にして)

うーん、考えなかったわけでもねぇけど、仕事にするのは違うかなって思ってな。あー、ありがとう
（横顔がいいと言われれば喜んでいいのか悪いのか少し戸惑いつつ、お礼を言って）
劇の役は主人公、ヒロインの次に台詞の多い悪役だったんだ。色々アニメとか見ながら悪役の勉強もこっそりやってた
（今でもいくつかの台詞は記憶に残ってんなぁと過去の記憶に思いをはせながら。その演劇も実は自宅にDVDがあり、見に来るかどうか誘ってみるのも面白いなと思いつつ）

確かに仕事はまた別か…。……え、悪役？ぷっ、くく…！っぽいな！
(意外にも役を聞けば悪役という事実に一瞬驚いて振り返るも顔と素面を考えればぴったりかもなと思わず吹き出して肩を震わせ顔を伏せ、誤魔化すのに食器をガチャガチャさせ洗い終わると先程座っていた場所まで戻って)
ホント勉強熱心だよなー。たかが高校の演劇だろ？適当に楽しくやってりゃいいのに。
(腰を落ち着け後ろに手をつき相手に視線を投げると小首を傾げて言い)

ぽいとは失礼な。友人だって冗談半分で推薦したって言ってたんだからな
（笑う相手にむっとしながら反論して）
せっかくならがっつり練習して度肝を抜いてやろうと思ってな。真剣でも楽しかったぞ。うちのクラスはガキっぽいというか純粋な奴が多かったからな～。皆真剣だったんだ
（まぁやる気ない奴もいたっちゃいたけど。と小さく笑って）

(むすっとした言動に「ごめんごめん」と笑いながら謝り)
それで演技がエグいって言われた訳ね。そりゃちょっと興味あるわ。
(高校時代を楽しげに語る相手にははっと笑って返し、こうやって友人以外と雑談して楽しいと思える時間を過ごすのもいつぶりかなと頭によぎらせながら)
…水沢、この後どうすんの？
(お腹いっぱいご飯を食べてふと時計に目やり、思わず話し込んじゃったけどと相手の時間を気にして問い)

そ。でもって同じクラスだった演劇部に勧誘されて2年から演劇部に入った。んー、実は文化祭の劇の様子を録画したDVDが家にある。今度見に来るか？
（相手から興味があるという言葉を聞けば、家も近いしと誘ってみて）
そうだな、特に予定はないし、家でのんびりネットサーフィンしたり映画見たりだな
（思っているより長居していたなと腕時計を見て、もし帰ったら何をするかと思い浮かべながら答えて）

え、DVDあんの！？…み、見るっ…！
(演劇部！？と驚いたのも束の間当時の映像が残っていると聞けば更に声を上げて、本人からのお誘いに乗らない選択肢はないと目を見開いて頷き)
…そか。明日からまた仕事だもんなぁ…だるー。
(予定がない日なんてそんなもんだよなと同感の意を表し、明日を思えば目を据わらせて溜息をつき天井を仰いで)

お、じゃあまた来週にでもうちに来るか？
（思っていたよりも食いついた相手に小さく笑うとスマートフォンで一応予定を確認してから提案して）
だるいなぁ。そういう結城はこの後はどうするんだ？
（明日からまた仕事が始まると思うと相手同様にため息をついて）
仕事といえば、職場ではいつも通りにするから俺を見て吹き出したりするなよ？
（ふと思い出したように相手をじっと見て）

おう。いいね、予定ないしお前の演技を拝ませてもらおうか。
(端から予定がないのは確認するまでもなく、相手が自信満々の演技が見られるとあらば早急に決まる予定に口角をあげてにやりと笑み上から目線で述べ)
俺もこの後予定ないし今から出かけるのも面倒だから家でぐーたらする。
…ああ、そうか。普段は完全に猫被ってるんだったな…なんとか頑張るわ。
(相手に予定を訊かれれば何もやることがないのも勿体ない休日だなと内心でぼやきながら、次いでこちらを凝視して釘を刺されそんな社内での様子を想像するとやっぱり笑ってしまいそうで説得力のない曖昧な言い方で頷き)

こっちもお前がどんな反応をするか楽しみにしておこう
（にやりと笑う相手に余裕な様子でにやりと笑って）
ぐーたら出来るのも休日の特権だわな
そうそう。おとなしーい水沢さんをしてるから。……不安しかねぇよ
（肩を竦めて茶化したように言った後、相手からの説得力のない言葉に思わずジト目になって）

大丈夫大丈夫！絶対バレるようなことはしないから。
(ジト目で見られると背筋を伸ばして手を掲げ至って真面目に答え、会社では優しい穏やかな性格でも何かしでかしでもしたら本性出された時に何を言われるか分かったもんじゃない…と内心でぼやき)

(/背後です。この後特に話したいことややりたいことがなければこの回はこれで閉めて翌日の展開にしてもいいかなと思うのですが、いかがでしょうか？今後の展開のしやすさを考え結城に何か訊いてほしい話とかあります？)