主 2020-11-09 23:11:14 |
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>フレスベルグ
【 ??? / 針葉樹林 / >>72 】
――まあ。今日はよく人に会う日ねえ。
(蜘蛛の子を散らすように逃げる山賊はともかく、突如として背後から響いた怒号にも特別怯えた様子はないように見える女は、ゆったりとした所作でフレスベルグの方を振り向いた。右目はオニキスのような黒い瞳孔だが、左目は深いローズピンク。いずれも垂れ目がちで長い睫毛が母性と哀愁を両立させる顔立ちは、貞淑且つ危うげな未亡人を彷彿とさせるだろうか。魔導師のようなローブに隠れてはいるものの、観察眼が優れていれば、女性らしいふくよかさに恵まれた身体のラインを見破る事は出来る筈。一歩、二歩と臆することなく距離を詰め「 助けてくれたのね?ありがとう、冒険者の方。 」彼の磨き抜かれた武骨な片手を、柔く暖かい両手で包み込んで顔を見上げて謝意を告げる。ふわりと微笑む顔には怯えも恐怖も認められないが、触れ合っている華奢な両手は微かに震えていて)
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