【 指名制 】香撫町の住人。【 日常 / シリアス / NBL 】

【 指名制 】香撫町の住人。【 日常 / シリアス / NBL 】

主  2020-09-28 23:06:45 
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 香撫町。『第二の人生を送る場所』と銘打たれたその場所は、外からの情報の一切が遮断され、地図にも記載されない秘匿された町。

「 記憶喪失、か。……羨ましいな。 」

 この町の住人は、皆捨て去りたい過去や秘密を抱えている。

「 ───思い出してはいけないよ。 」

 少年は囁いた。
 その時の彼の表情が、ずっと頭に残って離れない。


>1 規則
>2 世界観
>3 住人達
>4 移住届

 ( / しばらくレス禁止。 )




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  • No.1 by 主  2020-09-28 23:10:05 





〈 参加要件について 〉

・セイチャットのルールを厳守できる方。
・中~長文のロルが回せる方。ロルの形式は問いません。
・世界観を理解した上でのご参加をお願いします。


〈 なりきりの形式について 〉

・置きレス形式。キャラクターリセットは致しませんので、いつでもお好きな時にご返信ください。
・返信の際は、指名キャラクターの名前と、レス番号を添えていただけると助かります。
・指名制です。初回PF提出時と、〆レスの際に次の指名キャラクターを選んでください。ずっと同じキャラクターを選ぶも良し、毎回違うキャラクターを選ぶも良しです。前回と違うキャラクターを選んでも、前回キャラクターとの絡みは無かったことにはなりません。時間は進み続けます。あくまでも前回キャラクターと絡んだ後に、次のキャラクターと絡みに行っているという解釈です。


〈 ストーリー進行について 〉

・最初に断っておきますが、このトピックは恋愛メインではありません。相性によってはもちろん恋愛に発展することもありますが、基本的には『絆』を主題としております。
・ゆっくりとですが、参加者様の行動によってストーリーは進行します。エンドは複数あるので、必ずご期待に添えるかどうかは分かりませんが、初回PF提出時にお好きな結末をお選びください。展開によっては途中での変更も可能です。1参加者様につき、1エンド。

□記憶を取り戻し、移住が認められる
□記憶を取り戻さないまま期限切れになり、香撫町に永住を決める
 →永住エンド

□記憶取り戻し、移住が認められない
□記憶を取り戻さないまま期限切れになり、香撫町を出ることに決める
 →追放エンド

□何らかの理由で住民に記憶を消されており、記憶を取り戻したところでまた消される
 →ループエンド

□あなたが縋の想い人であり、縋が記憶を取り戻す
 →監禁エンド

□特定のキャラクターと恋愛関係になるも、移住が認められず、二人で町の外へ
 →駆け落ちエンド


その他、こんなエンドはどうでしょう!というご提案や、ご質問がありましたら主まで。


  • No.2 by 主  2020-09-28 23:11:29 





 目を覚ますと、記憶喪失になっていたあなた。
 傍に居た少年が言うには、白紙のままの移住届を持って町の前に倒れていたらしく、一年期限の『住民証(仮)』を手渡される。

 この少し変わった町と、住人達の話す事はどこまでが本当なのか嘘なのか。
 そして、あなたが記憶を失っているというのも、本当なのか嘘なのか──。


〈 香撫町 - カナデマチ - 〉
山奥にひっそりと造られた計画都市。一通りの施設は整っており、自然も豊か。謳い文句は『第二の人生を送る場所』。
携帯もテレビも新聞すら無く、町の外の情報は何一つ手に入らない。地図にも載らない。そして、この町に一度移住してしまえば、もう二度と他の土地に移住はできない。誰が何のために作ったのかは不明。

〈 住人について 〉
この町に移住できるのは、町役場で移住が認められた人達だけ。消し去りたい過去や、人には言えないような秘密を抱えた人がほとんど。警戒心が強く、一筋縄ではいかない人が多いけれど、頑張って信用を得て。

〈 住人の生活について 〉
住む場所や物資は何でも町が用意してくれるため、生きていくのには困らない。さらに、一人につき毎月五万円ずつの支給があり、働いても働かなくてもいい、という至れり尽くせり。移住の際に渡される『住民証』というカードよってこれらのサービスが受けられ、これを持たない者は見つかり次第町から追放される。移動は徒歩か循環バスが基本。



  • No.3 by 主  2020-09-29 19:47:07 






「 僕の意見に価値なんてない。僕の言葉に意味なんてない。君の好きにするといいよ。 」

 透 / トオル : 自分を見失った少年 : 16歳

 サラサラとした淡いグレーの髪と、同じ色の瞳。いつの間にか消えてしまいそうな儚さを纏う。168cm。
 この町の管理人を名乗る少年。他者肯定・自己否定の姿勢で、あなたの決定を是も非も言わずに受け入れて、手助けしてくれる。自己主張をせず、規則通り、教えられた通りに行動し、悲しいくらいに正しい。一日中町を巡り、監視するかのようにあなたを見ている。一人称は『僕』。
 ──一人では生きていけない子どもの僕に、諦めて受け入れること以外、何が出来ただろう。

   /

「 この格好なら彼女の趣味だよ。……ああ、こっち? こっちは……ボクの趣味。 」
「 あなたはこれから朔良の一部になって、ずっと一緒なの。……ふふ。あはははははは! 」

 朔良 / サクラ : 自分自身に怯える少年 : 15歳

 肩につきそうなほど長い、少しくすんだ桜色の髪に、栗色の瞳。可愛いらしいワンピースを着ている。中性的な顔立ちのおかげで違和感はあまり無いが、声とはどうしてもミスマッチ。156cm。
 何処か冷めている大人びた少年と、無邪気で自由奔放な少女の二重人格。主人格である少年は、凶悪な少女の人格を恐れて、手錠三つと足枷を常につけることと、心を揺らさないことを徹底している。一人称は『ボク』、少女の時は『朔良』。
 ──気がついた時には、母親の腕を食べていた。嘔吐するボクに、彼女は『もったいない』と、そう言った。

   /

「 眠たい。眠りたい。眠っている間だけは、何も考えなくていいから。 」

 睡 / スイ : 夢に逃げ込む少年 : 19歳

 蜂蜜色の柔らかな髪に、チョコレート色の眠たげな瞳。線が細い。174cm。
 眠り続ける少年。來の双子の兄。建物の中にいるのは嫌いだからと、いつも外で眠っている。起きている時も眠たげで、ゆったりと喋るのが特徴的。たまにおかしな事を口走るのは、夢と現実の区別がつかなくなってしまっているから。一人称は『おれ』。
 ──もうおれを、來を殴るあの人はいないのに、ずっと眠気がとれないんだ。まもれなくてごめんね、來。

   /

「 嘘でいい。嘘だけでいいんだ。……愛しているよ、この世の全て。 」

 來 / ライ : 嘘で自分を守る少年 : 19歳

 青紫の直毛。青色の瞳はやや吊り目気味。細身で身軽。二卵性のために睡とはそこまで似ていないが、血縁関係にあることが分かる程度には面影がある。174cm。
 嘘つきの狼少年。睡の双子の弟。いつも薄ら笑いを浮かべて、虎視眈々と騙せる相手を探している。気さくで人懐っこいだけに注意が必要。たまに、何が本当で何が嘘なのか、自分でも分からなくなる。他人にも自分にも嘘をつき続けている。一人称は『おれ』。
 ──嫌いだ、この世の全て。

   /

「 苦しい方が安心するんだ。……だから、優しくなんてしないでよ。 」

 幸 / コウ : 幸せ恐怖症の青年 : 20歳

 わしゃわしゃと乱されたような無造作な黒髪に、夜を映すような群青色の瞳。猫のようにしなやかな身体つき。170cm。
 人間不信の青年。愛情も、優しさも、全て裏があると疑って素直に受け取ることができない。愛情を注げば注ぐほど、優しくすればするほど、離れていってしまうような人。愛されたい。愛したい。でもまた裏切られるのが怖い。そんなジレンマに苛まれている。一人称は『俺』。
 ──俺が居なくなったって誰も気付かないよ。両親は、俺を押し付け合うのに忙しいみたいだから。

   /

「 お金が無くちゃ何も出来ないでしょ? ……ただの優しさだけじゃ、誰も守れないよ。 」

 守 / マモル : 大切なものを見失った青年 : 25歳

 艶やかなブロンドの髪に、翡翠色の瞳。海外モデルさながらの風貌。182cm。
 親切な優しいお兄さん、だと思ったら大間違い。事あるごとに金銭を要求してくるとんでもない守銭奴。基本的にドライ。けれど、根がお人好しのためにちょっと甘くなることも。個人で喫茶店を経営しつつ、何でも屋のような事もしている働き者。一人称は『僕』。
 ──あの子の声が耳から離れない。今も、たすけて、たすけて、って。

   /

「 ねえ、知らない? ここに居るはずなんだ、オレの愛しい──誰、だったかな。 」

 縋 / スガル : 愛故に盲目の青年 : 22歳

 少し長めの紅葉色の髪に、澄んだシアンブルーの瞳。細身だけれども筋肉はしっかりと鍛えられている。179cm。
 誰にでも気さくで親切。しかし、それは無関心から来るその場限りの優しさで、次の日になれば話した内容も名前すらも忘れてしまう。基本的に “あの子” 以外に興味がない。なのに、”あの子” が誰なのか思い出せない。愛のためなら罪を犯すことも厭わない、いわゆるヤンデレ。一人称は『オレ』。
 ──やっと見つけた愛だ。もう二度とオレから離れないよう、繋いでおかないとね。




  • No.4 by 主  2020-09-29 20:02:48 






 「 キャラクターの性格が分かる台詞を1、2個 」

名前: ここでは本名を名乗る必要はありません。偽名でも、住人達からつけてもらった名前でも。もちろん、覚えているなら本名でも。
性別: 不明はなし。
年齢: 実年齢と見た目年齢両方。

容姿: できるだけ詳しく。

性格: できるだけ詳しく。記憶喪失前と後で性格の異なる場合は、それについても記述してください。

この町に来た理由: 移住希望でも、ただの家出少女でも、命からがら逃げ出してきたマフィアでも、人探しでも、町を探りに来た記者でも。町に潜り込むために自ら記憶喪失になる薬を飲んだ研究者、なんていうちょっとファンタジーな設定も歓迎です。記憶喪失になった経緯まで書いてください。記憶喪失の振りをしている人は、その旨を。

初回指名キャラクター: >3 より選択。
希望エンド: >1 より選択。または、主への提案。




  • No.5 by 主  2020-09-29 20:04:21 




 ( / レス解禁です。たくさんの個性的なお子様たちと出会えますように! )



  • No.6 by 主  2020-09-30 20:33:35 




 ( / 部屋上げです。移住希望者さまお待ちしております。 )


 

  • No.7 by 匿名さん  2020-09-30 20:33:46 



( / 気になっているのですが、主様の萌え萎えなどありましたら教えて頂きたいです。)


  • No.8 by 主  2020-09-30 20:52:58 




  >7

 ( / わ、ありがとうございます。そうですね……あまりに受け身過ぎる子や、出歩けないほど病弱な子はストーリー進行上大変かな、とは思います。本体の個人的な趣味としては、過度なメンヘラ以外ならわりと何でもありです。
 地雷という地雷はないので、お好きにつくってください。背景がちゃんと練られていれば、全く喋らない子とかでも全然大丈夫です。個性的な子も、逆に普通すぎるくらい普通な子も大歓迎です。一緒に闇ぶちまけましょう()  )


 

  • No.9 by 匿名さん  2020-09-30 21:28:15 



「 何でそんなこと言うの?ほら、笑ってなきゃ楽しくないって!……だからさ、そんな顔しないで。私まで辛くなるじゃん 」
「 あー、此処に住みついちゃおっかな。その方が楽そうじゃない?戻るの大変だし……ええ、だめ? 」

名前: 月 / つき 
本名に月が入ることから月ちゃん呼びされていたことだけは覚えている。本名は忘れたまま。
性別: 女
年齢: 21歳の大学4年。見た目は高校生に見られるやや童顔( 見た目年齢17~18程度 )

容姿: 高校を卒業するなり染めたオリーブベージュの髪を背中辺りまで伸ばし、普段はひとつにくくっている。ぱっちり二重瞼で瞳はチョコレート色に近い焦げ茶色。それなりに睫毛は長め。リップとファンデーション程度のナチュラルメイク。服装はド地雷と思われそうな濃い紫で、かつうさぎ耳のついたパーカー。選択が子どもっぽいことには気付いていない。身長は156cmと低めの為、厚底のスニーカーで数センチ分盛っている様子。持っているバッグには複数のマスコットやバッジがついてがちゃがちゃしている。メイク道具は入っていたが、持っていたはずのスマートフォンは見付からず。スマートフォンの行方も、使っていたことも既に忘れたらしい。

性格: 元々は明るく優しい普通の学生。どこにでもいるフレンドリーな子。人付き合いが好きで、人との距離感はやや近め。ノリが軽く、中身のない雑談が好き。重い話もまったく耐性がないわけではないが、感受性の強さから相手よりも重く受け止めてしまう。貰い泣きはよくあること。いつでもにこにこ笑顔でいることからまったく裏の無い純粋な者だと思われるも、記憶を失ってからは表情に翳りが見え、上手く笑えない。「何か大切なことを忘れている」認識があるだけに、思い出せない辛さと思い出したくない気持ちとの相反する感情に苛まれ、辛さがキャパをオーバーすると気付かれないように涙を流す。

この町に来た理由: 町のことを知っていたというわけではないが、ただ生きることに疲れてしまった。代わり映えのないつまらない、多忙な日々を送ることに嫌悪感をおぼえてしまった。親友が自分の彼氏と浮気したこと、就活が上手くいかないこと。様々なことが重なり、気付いたときには記憶を失っていた。覚えていない大切なことは、楽しかった生活の記憶と自分がなりたかった職業への希望と憧れ。思い出したくない気持ちの強さもあり、やりたかったことである「 保育士 」に関連するもの( 子どもや遊具など )は、見たり聞いたりする度に頭痛がする。

初回指名キャラクター: 睡さん
希望エンド: 永住エンド


( / ぱっと見普通そうな子が出来上がりましたが、いかがでしょうか?個性的な子も悩んだのですが、記憶喪失後も明るく叫んだり走り回ったりする奇人は扱いにくそうだなと思いまして……一先ずキャラクターの確認をお願い致します! )


  • No.10 by 睡 / スイ  2020-09-30 23:26:21 





                 > 月( >9


 【 町役場の仮眠室 / 睡 】

 ( こくり、こくりと船を漕ぐ。ふわふわとした浮遊感。微睡んでいる、この時間が一番好きだ。起きている時間は現実があって、眠っている時間は夢がある。でも、この時間は何もない。何も考えられない。ただ、現実と夢の間を揺蕩う、記憶喪失にでもなったようなこの時間が──、って、ああ、駄目だ。今おれは、目の前で眠っている子の面倒を任されているんだった。自分の責務を思い出して、眠気を払うように軽く首を振ってみる。……あまり効果はない、みたい。残念。寝惚け眼のまま、ベッドの上で規則正しい寝息を立てている女の子を見遣る。透が言うには、町の前で倒れていた子、らしい。白紙の移住届を持って。きみにも何かつらいことがあったのかな、と、きめ細やかな頬の表面に指を滑らせる。本当は、こういう子は透が面倒を見るのだけれど、ひどく顔色が悪かったからおれが無理やり寝かせてきた。あの子は平気で無理をするから危なっかしい。來を見ているようで、痛々しくて、放ってはおけない。……でも、やっぱり、おれが面倒を見るのは無理があったかな。ぷつりと何かが切れるように、身体が傾く。顔からダイブした布団の下に、誰かのお腹があった気がしたけれど、それを確かめる間も無く、ひとときの眠りに誘われていった。 )


 ( / PFの提出ありがとうございます! たしかに、記憶喪失なのに明るいのは住人たちもびっくりしちゃいますね…… 不備等ありませんので始めさせていただきました、よろしくお願いします! )




  • No.11 by 月  2020-10-01 13:43:59 



( 日々に疲れて、全部が嫌になった。もうこんなところにいたくない。その思いの強さからか、辛い記憶はふわりと消え去った。誰かの重さがのしかかったことにより、半ば強制的に意識が浮上する。まだ少々微睡みの中にいるからか、そこが見慣れない場所であることも、重さの正体であるどこか儚げで甘そうな青年を自分は知らないという事実も、変だとは思わない。やがて意識がはっきりしていき、自分の置かれている状況の不自然さに気付いた。記憶がどこかへいったことから、自分の正式な名前も、どうして此処にいるのかもすべてがわからない。それでも、ベッド近くの椅子に置かれたバッグについているマスコットやらバッジやらを見ると、そのキャラクターが好きであるのはわかる。つまり、こんな場所で普段生活してはいなかった。本来はクッションやマスコットに囲まれた部屋で癒されながら、日々頑張っていたのだから。取り敢えずはどうしてこうなっているのか把握するのが先決。すやすやと眠る彼の肩を揺すり、起こそうと試みて )
ねえ、起きて……!


( / 他のキャラクターを動かして絡ませて頂くのも面白そうだなあと思いつつ、一先ずはお返しさせて頂きました。相性面で不安があるようでしたらお断りくださっても構いませんので……! )


  • No.12 by 睡 / スイ  2020-10-01 20:46:03 





             > 月( >11


 ( ぐらりぐらりと世界が揺れる。いつもの浮遊感とはまた少し違う、世界の終わりみたいな、危機感。『んん』と、小さな呻き声をあげながら、むくりと身体を起こす。自然に目覚めるより、外的な力によって目覚めさせられる方が気分的に不快だと思うのは仕方のないことだと思う。けれど、そんな不快感も、ぼんやりとした脳では形になる前に消えてゆく。そういえば、誰かの声が聞こえた、ような。ふと思い出して、宙を見上げる。何もいない。さっきまではあそこにもう一人のおれが居たのだけれど……いや、おれがあそこに居てもう一人のおれを見ていたんだっけ? 曖昧な記憶を手繰り寄せながら、視線を目の前に戻すと、一人の女の子がこちらを見ている。ゆるりと小さく首を傾げる。 )
 ……あれ? きみは居るんだ。


 ( / それは月ちゃんを他のキャラクターに交代ということ、かな……? その辺りの判断はお任せしますが、今のところ月ちゃんとの相性の不安等はありませんのでご安心ください! )



 

  • No.13 by 月  2020-10-01 21:05:27 



居るんだ、って……ええ?というか、此処は……?( 目の前の彼が目を覚ましたことによって、お腹の上にのっかっていた重しはなくなった。思わずはあ、と息をつく。そんなに重たいものではなかったが、それでも落ち着くことには変わりない。彼は誰なのか、そもそも此処はどこなのか。聞きたいことは幾つもあるのに、彼の言葉はそのどれとも異なる。緩い調子で発せられたのは、まるで自分が存在していないかのようにも取れるような、そんな言葉であった。ふわりふわりと揺れる蜂蜜色も相まって、夢なのかもしれないという錯覚さえ起こる。困惑の色を隠せないまま、ゆるりと首を傾げる。欲しい答えが得られるかどうかなんてわからないけれど。取り敢えず彼の名前を知りたい。それには自分の名前を名乗るのが先決だ。いつも通り名乗ろうとするも、なぜだか思い出せなかった。んん、と言葉に詰まるも、思い出せる限りの情報を口にした )
私は……月。月っていうの。あなたは?


( / そうですね、それこそ奇人変人な研究者の男性を動かすのも楽しそうだなと思いまして。さすがに複数扱うのはお互い負担になるかと思いますので、キリの良いところで交代など出来たら良いかなあと考えております! )


  • No.14 by 睡 / スイ  2020-10-02 23:21:23 





             > 月( >13


 ……ここは、香撫町。きみは、町の前で倒れてた、らしい。( さっきまで居たはずのもう一人のおれが居なくて、それより前に居たこの子が居る。──ああ、さっきまでおれが見ていたのは、夢か。起きていてもなお、ふわふわとしている頭にじんわりと血が巡り始めるような感覚。よく考えれば、おれが二人もいるわけない。夢の中ならどんな突飛なことも信じ込んでしまうから不思議だ。……あの時も、こんな風に信じ込んでしまえれば良かった。何も詰まっていないみたいな頭の浮遊感に反して、体はいつも通り怠い。寝過ぎは体に悪いからだめだって何かで聞いた。でも、起きていたっておれはだめになってた。おれは、どうすれば良かったんだろう。まだ起きたばかりで混乱している様子のオリーブベージュの髪の子が、置いてけぼりという顔でこちらを見ている。おれは、ぽつりぽつりと透から聞いた話を伝える。何があったのか、なんて不躾なことは聞かない。聞かれたくないことなんて、人には沢山ある。この町にいると、それが余計に分かる。……それにしても、月って、苗字だろうか。名前だろうか。 )
 この町の住人以外には何も教えられない。きみのことは特別に保護しただけだから、意識が戻ったなら帰って。……あ、移住希望なら、ここ出て右の、受付ね。


 ( / りょうかいです。では、ひとまずはこのまま続行ということで! )




  • No.15 by 月  2020-10-03 11:28:58 



香撫町……そう、なんだ。( 町の名前にはまったくといって良い程に覚えがない。聞き馴染みのない町の名前。窓の外へと視線を向けると、そこは都会とは違う長閑な風景が広がっている。何も気にしなくて良いような、忙しさとは無縁の場所。きっと此処にいられたら楽しいことだろう。とはいえ、どうして良いかなどわかるはずもない。気付いたら此処にいたのだ。戻れる場所など存在せず、何なら今まで、この町へ来る前の生活の大半の記憶は綺麗さっぱり消えてなくなった。突き放すように言われようとも、今この状態では放浪者になるのみである。自身が出来るのは言葉に従うことくらい。頭に疑問符を浮かべたまま、その行動で正しいのだろうかと確認の意味を兼ねて首を傾げて )
帰ってって言われても、帰るところなんてわからないし……取り敢えず受付にいけば良いの?


  • No.16 by 睡 / スイ  2020-10-04 03:56:30 





             > 月( >15


 ( 彼女の反応に、僅かな違和感。白紙とはいえ移住届を持って倒れていたのだから、何かしらこの町に用事があるのだろうと思っていたが、町の名前を呟く彼女にそんな様子は見受けられない。まるで、今初めて町の名前を聞くような──。募る警戒心と不信感。この子が嘘をついているのか、……それとも透が? 頭を使うことなんかしたくないのに、と、心の中だけで溜息をつく。けれど、ここはやっと見つけたおれと來の安全地帯だ。それを脅かす存在は無視できない。あの日、次こそは必ず弟を守ると決めた。──たとえ、どんな事をしても。皮肉なことに、ずっと眠っていたいと願った記憶が、おれの目を覚まさせる。ひとまずは、刺激しないよう慎重にこの子を観察しよう。親に捨てられでもしたのか、帰るところが分からないという彼女にその理由を尋ねる。あまり気は進まないけれど、仕方ない。……ああ、後で透のことも見に行かないと。 )
 ……帰るところがわからないって、なにか事情でもあるの。



  • No.17 by 月  2020-10-04 18:37:40 



いやあ……それが、何にも覚えてないんだ。なんか大事なことが抜けてる!ってことだけは、わかるんだけど……迷惑ならさまよってみるから……ね、うん。
( 不意の問い掛けに心の柔いところを突かれたような気分になり、誤魔化すように笑う。否、ちゃんと笑えているかすらわからない。移住届にも、この町にも、そして元いた都会にも。まるで覚えがないのだからどうしようもなかった。きっと彼からしたら放浪者ですら邪魔となってしまう。とはいえ、帰る方法もわからなければ、どこへ帰るべきかさえ思い出せないのだ。空白のページがまっさらで何も書かれていないように、さっぱり。それでいて、そこに何かがあったことだけは覚えている。頭は辛い記憶を思い出そうとするのを拒む。強制的なまでに消えた思い出は、簡単には復元しない。説明しようと口を開くも、ずきずきと痛む頭がそれを許さない。頭痛を抑えるべくそっと抱え込むと、悲しげな雰囲気を払拭すべくあっけらかんと笑ってみせた。それから徐にさらさらとペンを走らせめ。ぴらりと彼の目の前に掲げた移住届は、ただ名前の欄と性別、年齢の欄が埋められていた )
だから……暫くはこの町にいさせて貰えたら嬉しいな!


  • No.18 by 睡 / スイ  2020-10-04 23:40:19 





             > 月( >17


 ……え。( 唐突なカミングアウトに、小さく声を漏らすと、それきり何も言えなくなる。最初に思った事は、不謹慎にも “羨ましい” だった。寝て起きたら辛い記憶が全部失くなっていればいいのに、と、何度思ったことだろう。彼女が記憶を失くして不安なのも、途方に暮れているのも分かっているけれど、おれがあれほど焦がれたものを体現する彼女に、どうしても妬みに似た感情が湧き起こってしまう。しかし、幸いにもその感情は、ざらりと胸の辺りを一撫でして、そのまま過ぎ去って行った。それは、彼女が頭を押さえて痛みに耐えるような表情をしたからではなく、その後に、明るく笑って見せたからだ。──瞬間、來の顔が頭を過ぎる。気が付けば、彼女の肩を掴んでいた。彼女の言葉の真偽だとか、正体だとか、彼女をこれからどう扱うべきなのかとか、考えなければいけないことは沢山ある。けれど、今は、そんなこと全て吹き飛んでしまっていて。自分の微かに震える声を、もう一人のおれがやけに冷静に聞いていた。 )
 笑わないで。……楽しくもないのに笑わないで。




  • No.19 by 月  2020-10-05 22:41:14 



あ……えっと、ごめん。
( 表情の変化、震える声。掴まれた肩が少しだけ痛んで、地雷を踏んでしまったことに気付いた。彼のことはまだ名前すら知らなくて、それでも同じ町に住むことになるとしたら今険悪な雰囲気になるべきではない。嫌われることは何より怖い。勿論無関心の方がずっと辛いのだろうけれど、悪意を向けられたら耐えることなどできるはずがない。眉を下げ、ぽつりと謝罪の意を示す。悲しい空気は嫌で、でも笑うことを封じられてしまったら、他には何もしようがないのだ。苦しい、何も覚えていないはずなのに。はあと零れた息が、そのまま熱い涙を引き起こす。心配させまいと笑おうとすることができず、静かに一粒流れ落ちた。初対面の人間が目の前で泣き出したらどうするか。迷惑だと思えば思う程、自分で制御できやしないものだ。涙が少量で止まったことは、不幸中の幸い。 )
……なんで、だろうね。


  • No.20 by 睡 / スイ  2020-10-08 21:17:53 





             > 月( >19


 ……悲しい時は泣いて。そうしないと、壊れちゃうよ。( 彼女の瞳から零れ落ちた一雫で、はっと我にかえる。気付かないうちに強い力で掴んでしまっていた肩を放し、呟くように『ごめん』と零した。数秒の時間を要して、やっと粟立っていた心が落ち着くと、『でも』という接続詞の後に諭すように続ける。あの子は泣けなかった。おれが逃げたから。ぐ、と奥歯を噛み締める。目の前の彼女は弟じゃない。こんなのは自己満足でしかない。分かってる。分かっていても、彼女の頭を撫でずにはいられなかった。どうかこの子の抱えているものが少しでも軽くなりますように。そう祈らずにはいられなかった。贖罪のように、取りこぼした過去を憶うように、彼女の頭を撫でるおれは、どんな顔をしていただろうか。 )


 ( / お返事が遅くなり申し訳ございません……! 次辺りで一旦〆ようと思いますので、キャラクター変更と指名変更について、考えておいていただけると助かります! )



 

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