教えるついでに甘やかして

(まぁ、分かります笑笑)

奏歌　翔音:ううん、僕の方が侑李に感謝しないと。だって、僕の世界を広げてくれた。きっと、侑李が迎えに来てくれなかったら…ううん、そもそも侑李と会わなかったら…きっと、僕は今でも、もしかしたら両親が帰ってくるかもなんて思って翼とあの家にいたと思う。
えへへ…まるで夢を見てるみたい。でも…夢じゃない…えへへ(侑李の繋いだ手を握り返して)

（分かってくれますか笑）

岸谷 侑李:俺も翔音がいなかったら、今頃きっとつまらない人生を送ってたと思う（こうやって誰かのために故郷に帰ってくることすら無かったかもなと）
うん、現実だよ（幸せでだなと心から思える）（一階にはリビングと風呂場、キッチンなど、二階にはそれぞれの部屋がある）

(はい笑笑)

奏歌　翔音:あ！侑李！お父さんとお母さんは？一緒に来たの？良いよって言った？(侑李の身の回りの状況を心配する)

（理解者がいると安心します笑）

岸谷 侑李:ううん、一緒に来てないよ、独り立ちしたから、何処へ行くにも俺の自由なんだ（もう家を出て独り立ちをしている、一応両親にはここに帰るということは伝えてある）

奏歌　翔音:(少し残念そうに、ふぅん。と言って)侑李のお父さん、お母さんにもちょっと会って見たかったなぁ。
何処にいても自由…か……

岸谷 侑李:今度会ってみる？きっと二人なら歓迎してくれるよ（残念そうにした翔音の頭を撫でて、そう伝える）
うん、翔音も何処に行こうが自由だよ（もし、この二人の暮らしが嫌になったら出て行っても構わないけど心の中で付け足して、本当に出ていくことになったら寂しいなとか先のことを考えていて）

奏歌　翔音:えへへ…そうかなぁ？(侑李に撫でてもらうのは昔と変わらず好きなのだ)
僕も自由か…うーん…実感ないなぁ。

岸谷 侑李:そうだよ、ずっと想い続けた友達だもん（ニッコリと笑って当たり前だというように）
まあ、初めの頃はね、後々気づくと思うよ…部屋にはもう俺の荷物は入れてるけど、翔音、荷物持ってくる？（翔音に合う前に荷造りはもう終えていて）

奏歌　翔音:そうかなぁ？でも…僕は自由じゃなくてもいいかな。自由じゃなかったから、翼や奏多との楽しい思い出が沢山あるから。
あ、でも侑李と会ったのは勝手にこっそり家を出た時…侑李とは自由の幸せ…
うん！あっ…翼に話さなきゃいけない…。(忘れていた)

岸谷 侑李:そっか、そうだよね（自分よりも兄弟のほうがいる時間が当たり前のように多いのだから仕方がないと思っているが、少し心がモヤモヤとしていて）
奇跡だね…家まで車で送ろうか？（車の免許は持っているため、荷物を持ってくるのも大変だろうし、送ろうかと）

奏歌　翔音:やっぱ、僕が変…かな？自由の幸せじゃ無くって、自由じゃない幸せも好き…なんて(あははと困ったような笑いをする)きっと僕はね、侑李が離してくれなくて、自由じゃなくても、凄く幸せになれる。そんな気がするんだぁ。
じゃあ…あ、でも、お家の前で待っててくれる？あまり僕のお部屋綺麗じゃないし…

岸谷 侑李:変じゃないよ、人それぞれだから（首を横に振って）
いいの？外に一歩も出さないようにしちゃうよ（笑いながら冗談半分で伝える）
うん、わかった、じゃ、車乗ろう（手を引いて、車の方まで案内する）

奏歌　翔音:あはは…翼と同じこと言うね。でも…いいよ？だって、侑李が側にいてくれるんでしょ？侑李が出かけちゃっても、絶対帰ってきてくれるんでしょ？だったら…僕は幸せだよ。(にっこり笑って、まるで冗談だとは思っていない)
うん！あ、ちょっと待って。(ごめんね？と言って着信の電話に出る)

ーーー
もしもしー？なにー？あぁ…えーと…今日はいいや。他の人とご飯食べるから。え？侑李。え？あ、うん。今から帰るよ？うん、分かった。
ーーー
お待たせ！ごめんね！行こ！

岸谷 侑李:似てるのかもね…そう言って貰えるのは嬉しいけど、冗談だよ（微笑んでは、冗談だと伝えるが、外に出させないのもいいかもしれないとか思っていて）
うん、分かった、先乗っとくからね（車に乗ってエンジンをかけておく）

いいよ、大丈夫（戻ってくれば、車を発進させる）

奏歌　翔音:なーんだ。じゃあ、翼とは少し違うかな。
あっ、こっちは右ね。それでまっすぐで…ここ！すぐ荷物纏めるから待ってて！(そう言って、早足で家に入っていく)

(15分程たっただろう。後ろから、男が走ってきて、翔音が入って行った家へ入っていく。男は走って侑李の隣を追い越す時、チラリと侑李を見ていた。男は黒髪に青い瞳だ。)
(補足で翔音は茶色の瞳で栗色の髪)

岸谷 侑李:お兄さんは独占欲が強いみたいだね、ん、分かった、ゆっくりで大丈夫だからね（車を止めては車内で帰ってくるのを待つ）（数分すると誰かが焦ったように家の中に入っていくのを見つめる、目が合ったが気にする様子もなく）あれがお兄さんかな…（独り言を呟いていて、だとしたら容姿が違うなんて思い浮かべて）

奏歌　翔音:(詳しい内容は聞こえないが、家の外まで翔音の声ともう一つの男の声が口論しているような音が聞こえ、バタバタと言う音がしてから、ドアが再び開き)
侑李！お待たせ！(にこっと笑っているが、さっきより髪が乱れている)

岸谷 侑李:すごい揉めてる…（やはりいきなりは駄目だったかと思っていて）あ、うん…大丈夫？（戻ってきた翔音の髪の毛を見て、一度手ぐしで解かしてやる）
声、ここまで聞こえてきたけど、お兄さん？

奏歌　翔音:うん！いっぱいお約束が出来ちゃったけど…いいよって！
えっ…そうなの？それは…ちょっと恥ずかしい事しちゃった…(苦笑して)
うん、翼だよ。一番上のお兄ちゃん。寂しい時はいつも翼の部屋に行って、翼のお布団で一緒寝てる。…あっ！こ、子供の時の話ねっ！？(本当はつい最近もしていたが、恥ずかしい為、顔を真っ赤にして、慌てて子供の頃だと付け足した)

岸谷 侑李:そうか、じゃあその約束は絶対に守らないとね（大丈夫だと聞けば安堵して、車を発進させる）
ふふ、そうなんだね（顔を真っ赤にする様子から最近も同じようなことをしていたことが察せられるが言わず、仲が良いんだなと羨ましく思う）寂しくなったら俺の部屋来ていいからね