異能世界で僕らは生きるｰ沖縄篇ｰ

そ、そこで私達は・・・・AIに対抗出来る武器を造る計画を始めた。完全剣刃転生計画。通称:サイクル・ブレイド。
そもそも武器型の神話礼装器はね、あるひとつの概念を武器にしたものなの。
例えば希美ちゃんの神話礼装器はね・・・七色の薔薇が咲いている薔薇園・・・もう潰れちゃった薔薇園の薔薇の記憶を元に作ったの。by美麗

うん。
そもそも武器型の神話礼装器はね、あるひとつの概念を武器にしたものなの。
例えば希美さんの神話礼装器は、七色の薔薇が咲いている薔薇園・・・もう潰れちゃったけどね。その薔薇園の薔薇の記憶を元に作ったの。
んで完全剣刃転生計画はね、それの人間版だと考えればいいよ。
人間の記憶を元にして、武器を造る────。


“頭のいいフレンちゃんなら、もうなんの事か分かったかな？”by杏理咲

フレン「記憶を元に作られる神器、それが神話礼装器…」

剣来「薔薇園の記憶…。」

フレン「！それってもしかして…ブレイダーの神器の事…！？」

完全剣刃転生計画はね、それの人間版だと考えればいいよ。
人間の記憶を元にして、武器を造る────by美麗

記憶を武器に変換された物はね、実体を失うの。
現に潰れちゃった薔薇園も跡形もなく綺麗に消えたのby杏理咲

つまりby美麗
つまりは・・・・by杏理咲


“武器に変換された人間は、跡形もなく綺麗に消えるの。
この完全剣刃転生計画は、犯罪者や犯罪者予備軍だけじゃなく、社会不適合者もこの計画に使われた人も居たの”by美麗・杏理咲

ブレイダーの武器も、その完全剣刃転生計画によって人間の記憶を元にして造られた人工神話礼装器なの。
・・・・まぁ、非人道的ちゃあ非人道的よねぇ。
社会不適合者とかの人間をとっ捕まえて、武器にして、綺麗サッパリ消えるってby杏理咲

フレン「でも待ってよ！そうだとしても矛盾がある！確かに、アルティネイターの人口神話礼装器の開発に十三階段が関わってるのは知ってる。でも、その人口神話礼装器を開発したのはアルティネイターの初代総司令のはずだよ！！元々、怪物や魔獣の脅威から人々を守る為にブレイダーは生み出された。サイクル・ブレイドがそれに影響してるんだったら、政府だってそれを知ってるはずじゃ…！」

あ、十三階段の神話礼装器はヒト以外のモノを元にして作ってるからね！現に物語とか、伝承、植物や動物からとかだから！by杏理咲

剣来「…犯罪者や予備軍はまだ分かるが、社会不適合者までそれに使うのかよ…？！まだ社会に戻れる可能性だってあったかもしれないのによ…！！」

・・・・・・・フレンちゃん。冷静に考えて。
“理由も無しに社会不適合者を捕まえる方法なんてあると思う？そもそも、何も犯罪を起こしてない社会不適合者を捕まえるのには、理由とか何かしらの言い訳を付けないといけないでしょ？”（声色が真剣になる）by杏理咲

・・・・・・・私達は、その道具。
その社会不適合者を捕まえる為の・・・・道具だったの。
“在宅管理保護法”・・・・・それが、完全剣刃転生計画で使う社会不適合者を捕まえる為の・・・・政府が発布した法律。私達十三階段は、それを捕まえるための・・・いわば理不尽な警察みたいな存在よ。by美麗

フレン「で、でも、今もそれが行われてるとは言い切れないでしょ？そんなのやってたら今の総司令やアルティネイターの科学班が黙ってないし、技術も発展した。今じゃ人口神話礼装器は自分の魔力から形作られ、その所有者によって姿形も変わるように───(そこでハッと、何かに気づく)…違う、今のアルティネイターの人達が全員知らずに無意識にやってるだけなんだ。それが元々、他の人間から作られた魔力だってことを…！」

そういう事。
人工神話礼装器はね・・・・・“人の身体を削除して、記憶だけを取り除いて造られた武器”。
そして、その素材を捕まえるために産まれたのが・・・十三階段。
政府は在宅管理保護法っていうへんちくりんな法律をでっち上げて、社会不適合者をとっ捕まえたんだよ。
十三階段は元々は、政府の駒だったんだよ。by杏理咲

剣来「お前は、そいつらが消される事を知ってて政府に手を貸したのか…？」

・・・・・・知らずに手を貸してた、とでも言うべきかしらね・・・・・by美麗

何も知らされずに、私はその人達を記憶を抜き取って武器にした。知らされたのはその完全剣刃転生計画が終わった翌年よby美麗

剣来「…知らなかったんなら、仕方…ねぇよな…。(怒りを抑えるようにそう言い)」

・・・・・・失望した？私がこんな偽善者だって。
（俯いて喋る）by美麗

フレン「…つまりあの子はそれを知ったから…十三階段を、潰そうとしてるってこと…？」

詩穂「(廃れた教会の中へと入ると、色んな人々がそこに集まっていた)みんな、ただいま」
男「おぉ、詩穂ちゃん花緒ちゃん、お帰り！！」
女「お帰り2人とも、みんな貴方達の帰りを待ってたのよ」
男の子「ねぇねぇ、また一緒に遊ぼうよー」
花緒「ごめんね、詩穂姉は今日は直ぐに帰んなくちゃいけないんだ」
男の子「えー」
女「ねぇ詩穂ちゃん…私達の為にここまでしてくれるのはありがたいけど…貴方が自ら危険に飛び込む必要は無いんじゃないの？貴方は私達被害者遺族の恩人なんだから」
詩穂「いいの、私がしたくてやってる事だから。もうこれ以上、誰かが苦しんで悲しむ姿は見たくない。その為に私は、絶対にあいつらを潰す。十三階段からみんなを守る為にもね」