館の悪魔 2019-07-15 07:23:57 |
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(/ありがとうございます!そしておひとつだけ……!
時代考証しようと今更ながら調べたところ、中世ヨーロッパで朝食をとっていたのは労働階級の人々だけだったようですね、申し訳ない……。このとおり無知ゆえガバガバかなりなので、それとなーく捏造したりしていきます。なりきり故のIFとしてお楽しみいただければ幸いです……!)
>30 アイリーン
(微かに軋みながら開いた扉の向こうには、ほとんどこちらから身を隠している、ベージュのドレス姿の彼女。未だ全てに怯えている様子だが、こちらに警戒心を向けてはいないらしい──彼女が伏し目がちなのを良いことに、そこにほんの微かに不穏な微笑を浮かべながら、招かれるまま部屋に入り。
そう広くはない彼女の一室、しかし彼女の元いた身分を考えて、それなりに豪華な内装だ。魔法であつらえてあるそのぐるりを満足気に一瞥すると、部屋の奥へ悠然と向かい、銀の盆に載せた朝食を象牙のテーブルの上に置き。
焼きたてのふんわりした白パン、薄切りした鹿の燻製肉、山菜を添えた焼きアスパラガス、湯気の立ち上る人参とニシンのスープ……いずれも彼女の食欲を考慮して少量だが、彼女の祖国の料理でよく使われた香辛料を微かに効かせてある。女を喰う自分には本来物理的な食事は不要だが、ふたりぶん用意したのはもちろん、食事のひとときに乗じて彼女の心をゆるめるためだ。
まずは指のひと鳴らしで自分の分の椅子も召喚。しかし座るのはもちろん彼女が先だ。元々あった彼女の席を軽く引き、そばに来て腰かけるよう示しながら、彼女をもう一度優しく招いて。)
おいで……俺と一緒に食べよう。そろそろ、君を知りたいと思っていたところだ。
このあと、君を連れて少し出かけたいと考えている。そのために今朝は、しっかり食べてほしくてね。
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