真夜中の車掌さん 2019-06-29 06:07:22 |
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>青年
へ?!(予想外の言葉にビックリし)…あ、良いですよ。(と言うとお手玉や、玉乗り用の玉など準備し始め、準備を終えると深呼吸をし)レディースアンドジェントルマン!!夢見のハナエの道化劇へようこそ!(とさっきまでは悲しそうな顔をしていた事はなかったかのように楽しそうな笑顔を向けると玉乗りをしながら器用にお手玉をしたり、玉の上でバク宙をしたりと高レベルな技をドンドンとしていって)
>車掌さん
は、はいっ!
(更にやって来た黒い列車に頭の中に“?”マークが浮かぶもそこから顔を覗かせた妖しくも美しい男に目を奪われ、しかし言葉少なな男の様子に恐怖も浮かび反射的に返事をして列車に乗り込み)
>根来様
「……お前は、何故現実に絶望する?」
貴女が乗るなり美しい車掌は問い掛ける。
歯に衣着せぬ、はっきりとした物言いだった。
>夢見川様
「おー、凄い」
車掌はいつの間にか車掌室から出てきており、
瞳は先程まで青だったはずなのに、黄色に
光輝いていた。
>青年
えっと…これで、終わりです。(ピタリと玉乗りを止めて深々とお辞儀し)えっと…一応名乗っておきます。夢見のハナエこと、夢見川華笑です。(微笑みかけ)
>車掌さん
は?絶望?
(日常会話でまず使わないような、聞かないような言葉に目をぱちぱちさせた後、頭を掻いて自分なりに考えてみようと目を細めて)
>根来様
「…この列車に乗るのは、現実に絶望した
奴だけだ」
車掌は困惑する貴女に構わず、尚も続ける。
「…もう一度聞く。お前は何故、
現実に絶望する?」
>夢見川様
「ハナエか。なら俺も見せるよ」
青年はひょいっと吊革に片手でぶら下がり、
軽々と片手一本で移動してみせる。
そして彼は最後の吊革から飛び降りるなり
ジャグリング道具を取り出し、ぽんぽんと
投げ始める。
彼はお手玉やジャグリング、玉乗りまで
軽々とこなした後お辞儀をする。
「《ガブリエル・アイザック》の曲芸は、
これにて終幕とさせて頂きましょう…」
>車掌さん
えっと……大体自分が今まで経験したことって何かしら自分の中で活かされるじゃないですか?私もね、勉強したり友達と遊んだり、恋をしたり、バイトとかボランティアまで手を伸ばして……
(男に気圧されるようにぽつぽつと話し出して)
ここまでのことしてきたのに、何一つ自分の中で活きてなかったんですよね。やってきた事実は勿論覚えているんですけど……だから何?って聞かれたら何も答えられなくて……自分が今までやってきた事って何だったんだろうって……すみません!
(溢れ出る涙を拭い)
>根来様
「………俺は人間ではないから、
人間の気持ちは分からん。だが…お前が本当に
絶望しているのは分かった」
美しい車掌はすっきりした眉を歪め、
これまた美しい眉間に皺を寄せる。
>夢見川さん
「?ハナエは自分に自信がないのかい?
ハナエも充分凄いさ」
ガブリエル、と名乗った青年は首を傾げる。
>ガブリエルさん
どう、して…?……私は、要らない子だったんです。親や親戚からマジシャンの素質が無いと言われ、家を追い出されました。それから、道化師として生活費や学費をやりくりしてましたが、徐々に売れなくなっちゃって…嫌な噂流されたり……脅迫文送られたり……正直に言って、現実は見れないです……ア、ハハ…可笑しいですね。どうして、涙が出てくるんですかね…?(下を向いたまま話し、話し終えると溢れ落ちる涙を拭い)
>夢見川様
「…?俺にはよく分からないけど…要するに、
ハナエは何も悪くないんだろう?
ならば気に病むことはないじゃないか」
ガブリエルはハンカチを差し出す。
>夢見川様
「それに、ハナエには曲芸の才能が
あるじゃないか。ならばそれを生かせばいい」
ガブリエルはにこりと屈託なく笑う。
>車掌さん
すみません、上手く説明できなくて……でもそれ以来何もやるにも意欲が持てなくなって、ただただ毎日生きてるだけに……って人間じゃない?
(嗚咽混じりではあったが何とか言い切った後に頭に引っ掛かる言葉を聞いてピタッと動きを止めて)
>根来様
「…ああ。俺は、車掌だ。老いることは無いが、
永遠にこの列車に囚われている」
美しい車掌は呟く。
>夢見川様
「俺の連れて行く世界は逆転世界。
全てが逆転した世界さ。貧乏人は大富豪に、
人気のないやつは人気者になるんだ」
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