milk tea(BL/非募)

…抓ったら、一万ね(相手の背に寄り添うように横になっては釘を刺す言葉を告げてから片腕を腰へ置き服や髪から優しく漂う自分と同じ匂いに目を細め、先程までの感触が残る手を緩く握り自分の口元へ置いては至福に表情を緩ませたまま目を閉じ)……愛してる…おやすみ。

ただいまー…(郵便物を片手に帰宅すればリビングのテーブルへ郵便物と共に小物を全て置き)……ん？(煙草を一本取り出し立ったまま火を付け、無意識に視線を向けた本棚へと歩み寄り初めて本棚の一冊へ触れ背表紙に指先を掛けて手前へ倒せば、更に奥に置かれた本の存在を知り首を傾げ)

帰って来たのか………おかえ──…待て！其処は触るな( 寝室のベッドで足を組み仰向けに寝転んでおりスマホを操作しておりリビングの方で物音がすれば上体を起こしベッド上降りては寝室の戸を開け帰って来た相手の背を見ては挨拶を交わそうとした瞬間に本棚に手を掛ける動作を見ては焦りを隠せず駆け寄り手首を掴み顔を引き攣らせ )

……え？(家に居た事と急に荒げた声に身体を小さく揺らし驚き奪われた手首と相手を順に見ては、指先に挟んだ煙草を口に咥え片手を暇にさせれば冷静にその手で再度、本の背表紙へ指を掛け)

だから、止めろ( 逆手で相手のもう手首を掴み半ば強引に此方に身体を向かせ )……漫画に興味無いくせに触るな。( 両手首を掴んだまま威圧する様に軽く睨みを利かせては直ぐに視線を反らし )

……漫画の中でも特にお気に入りな漫画ってこと？(強い執着に探るよう問いかけては両手を挙げた不恰好に削ぐわぬ鋭い目で相手を見据え)

っ、……いや、エ……別に何でもない。( 鋭い目付きに目視出来ず白状仕掛けては両手首を解放し片手を腰に添えもう片手を顎に添えやや首を左右に振り )

何でも無い本なら別に見るくらい…(開放されたうちの片手は下ろし、もう一方の火のついた状態の煙草を口にし吸えば煙を吐き後ろ髪引かれ本棚を一瞥しながらもソファ前のテーブル上へ置かれた灰皿へ灰を捨てに近付き)

普段漫画に興味無いくせに、この時だけ興味持つの止めろ。( 腕を組みムッと眉寄せ視線だけで本棚から離れ行く相手を追っては取り敢えず眼を閉じほっと胸を撫で下ろし安堵からのため息を吐けば徐に瞼を開けソファへと歩み始め )

ちょっと気になったから見てみようと思っただけだし。あそこまで頑なに言われたら余計に気になるでしょ(負けじと此方の意見を述べては灰皿へ煙草を押し消し、わざと相手の前を通っては冷たい視線を向け脱衣所へと向かい)

………っ、あの目( 相手の目付きに怯み一歩後退りし視線を背け脱衣所の戸が閉まる音を耳にしては閉まった戸を一瞥し肩を上げ大きなため息を吐き )…さ、別の所に隠そう( 本棚へと向かい前本を退けエロ本持ってはキョロキョロ見渡しそっと何処かへ隠し )

エ、って何だよ…エ…(相手の口走った頭文字を黙々と呟きシャワーを浴びては脱衣所へと上がり鏡越しに映る自分の素肌を見ては、いつの間にか消えていた無数の痕のあった箇所へ指先で触れ)……まさか、いや…それは無い(直感で単語を思い浮かべるも否定に頭を左右に振りリビングへと戻り)

……。( リビングのソファにてTVを点けており愛猫を膝の上に乗っけて指先で毛並みの感触を味わう様に撫でては咥えた煙草を指で挟み煙を吐き出し )

……。(平常心を装い部屋に戻りテーブルに置かれた携帯を手に画面を操作しながら冷蔵庫へと向かい、ペットボトルを取り出し封を開け)……一緒に見て楽し…っ、げほっ(ひと口を喉へ流し込んでは検索画面を見て小声で呟くも、驚愕の結果にお茶を喉に絡ませ咳込み)

あ？何か言った…て、大丈夫か？( 相手が冷蔵庫に向かうも気にもせず愛猫を落ちぬ様にと支え身を屈めてテーブル上にある灰皿に煙草の灰を落としては言い掛けて咳き込む姿を振り向き見ては心配げに見詰めて )

なんでもない…(純粋に此方を見る目に戸惑い慌てて検索画面を閉じれば、お茶を飲み直し)ないない、有り得ない…(向けられた視線が頭から離れず、疑った自分を言い聞かせては相手から少し離れソファへ腰を降ろし)

変な奴……( 挙動不審にも見える相手を顔を向け鼻で一つ息を吐き見ては煙草を再度咥え )……何で、スペース開けて座るんだよ。ﾊ─……さっきのはただのエロ本だ、お前も１つや３つ持ってんだろうに( 顔を向けたまま少々顔を顰めて動揺隠せない相手を見ては小さくため息を吐き前髪を掻き上げては緩く指先で生え際を掻き手を下ろしては白状し )

へ？……嘘(反省に身を引いた行動が裏手に出て相手の口から白状させる形となり、追い討ちを掛けるような言葉が自分の頭に浮かんでいたものと一致しては相手を見て数回、瞬きをし)……一緒に見たかったの？(突拍子もない言葉を口にしては邪念の無い素朴な目で相手を見据え)

……はぁ？何処をどうとって一緒に見たかったに繋がるんだ。……お前が見たいだけだろ、その目( 相手の言葉を耳にし煙草を指先に挟んでは口元から離し口を半開きに呆然とし相手の真っ直ぐな眼差しに息を飲み顔を背けては煙草を咥えて )

だってネットに…っ、見たいのは自分でしょ(話の勢いに流され口が滑っては座って間も無く立ち上がり、襲われる羞恥に勝てず携帯とペットボトルを握り締め寝室へと逃げるようにして入り)