milk tea(BL/非募)

……。( まだ寝ている相手の背をじぃ…と枕に顔を半分埋め見据えては後頭部に片手を徐に伸ばし指先で髪を弄り )

ん……(自然と目を覚ましては大きな欠伸をひとつし、回らぬ頭で壁を見つめては眼を擦り)

……。(静かに体を起こしベッド端に腰を掛けては相手の髪へ片手を伸ばし撫で、立ち上がり軽く身支度をしては普段より少し正装に近い服で身を纏い髪ゴムで襟足をひとつに結い)

……。(紙とペンを手に取り一行だけ文字に起こしては眠る相手の枕元へ置き、顔を近付け柔らかな頬へ唇を寄せると部屋を後にし)

墓参りに行ってきます。

ん…( ゆっくり瞼を数回瞬きしては眼を覚まし視界と頭がボヤける中上半身起こし眼を閉じ片手で頭を押さえ緩く指先で掻き定まり始め、枕元にある紙を手に持てば文を読み )……墓参り？今日は仕事は休みか？…ん、くぁ……( 紙を持ったまま欠伸をすれば涙が溢れ指先で拭えばベッド上から降りリビングへと向かい )

──…いや、これはかなり( ペット用のカメラは壁の方へと向けており愛猫はリビング内で解放し自由に歩き回っており己はソファに腰掛けて漫画の頁を捲り口元を抑え顔を顰めて見ては )

……ん？(時間を掛け着いた先で小腹を満たすべ立ち寄った喫茶店で昨日届いたカメラの機能性を確認しようと携帯でアクセスするも画面に映し出されたものは静止画で)……これって(イヤホンを携帯に接続しては片耳で室内の物音に耳を傾け)

……。( TVを付けたまま漫画に集中して読んでおり題名の分からないドラマの音量が流れ )

──…やだ、もう。そこは止めて、うふふ。( と女性の色っぽい笑い声をカメラ越しにお届け←)

……。(昼にイヤホン越しに聴いた声が耳にこびり着いたまま、車を走らせ)

眠……。昼寝するか。……リン寝るぞ( 漫画を本棚の奥に仕舞えばTVを消し舌で音を出しリンを呼べば抱き抱えカメラの位置を直し寝室へと向かい )

……。(極力、物音を立てぬよう鍵を解錠しキーケースを握り締め静かに靴を脱ぎリビングへ向かい)

ん………あ、スマホ( 浅い眠りから覚め額を軽く擦り上半身起こし手探りでスマホを探すも無くリビングのテーブル上に置いていたのを思い出し徐にベッドから立ち上がればうなじを擦りつつ扉を開けリビングに居る相手を見れば )…帰ってたのか、おかえり。( 特に表情変えず挨拶し身を屈めテーブル上のスマホを手に取り )

っ…ただいま(警戒心の強さから真後ろから聴こえた声に全身を揺らし振り返り普段と変わらぬ態度の相手に自分の幼さに気付いては頭を左右に振り、ジャケットを着たままペット用のカメラの傍へ寄り手に取り)

……ん？カメラがどうかしたのか？( スマホ画面上に指先を滑らしては相手を一瞥し挙動不審にも見える態度に少し顔を傾け不思議そうに問いかけ )

……リンの留守中の様子が見れるって思ったのは事実。同時に…俺が居ない間の翔吏が何をしているか知れるんだなって悪戯心があったのも事実(相手の問いに答えるまでに少し間が開くも落ち着いた声量で淡々と自分の思惑を暴露し)…でも、下手に誤解を招く可能性もあるんだって気付いた(機械の電源を落としてレンズを後ろ向きに立て置き)

……あ、壁に向けてたの怒ってるのか、それ。別に、深い意味があって向けた訳じゃない、ただ見られてると思ったら落ち着かんから向けただけだ( バツ悪そうに語る相手を見ては肩を竦め鼻からため息を吐けばスマホをポケットに入れ近寄り表情緩め頭をぽんと優しく撫でて )

壁に向けたの？(静止画の真相を知れば勢いよく振り返るも溜息が出るも怒りは無く、相手と目線を交わすも直ぐに伏せ両腕を相手の腰へ回し胸元へ額を寄せ)何なら女性の声も耳にしたけど。

嗚呼…て、女？女…女…TVのか、もしかして。( 直ぐに表情を隠す様にもとれる相手の行動に困惑した様なため息を吐き背に片手を回して上下に優しく撫でながら視線を斜め上に向け思案して )

……そのテレビの声に嫉妬した(素直に自分の気持ちを吐き出せば自業自得と理解しながらも八つ当たるように相手の胸元へ当てた額を頭を左右に振ることで押し付け)

は、お前…大体今日墓参りに行くって聞いて何時帰ってくるか分からんし、連れ込むなら仕事中だろ…て、お前以外興味無いし連れ込まねぇよ。( 鼻でほくそ笑んでは眼を細め見下ろし腰に回した手に少し力を込めゴムで括った襟足を指先で弄り )…てか、今日何時もと違うな、雰囲気が。