読・書【Long/Middle/Short All OK】

読・書【Long/Middle/Short All OK】

御鏡  2019-03-23 18:45:40 
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このトピは、小説を載せ合うトピです。
(『絵や小説を載せ合うトピ』の
セイチャ版と思っていただければ…)

タイトルに記載した通り、
長編も中編も短編、全て大歓迎です。
読む専でも大丈夫ですし、
小説でなくても、感想等もOKです。

では、皆様のご参加をお待ちしながら、
一筆して行きたいと思います。

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  • No.4 by 御鏡  2019-03-23 23:00:56 

他の皆々様にも再会できると良いのですが…
取り敢えず、友人の誕生日のために一筆した小説を…
途中の■■の中には、友人の名が入るので、読む時は本名を入れて読んで下さい。

 綺麗だと、美しいと思い、眼前のそれを見る。
色を失った自分のそれと違い、エマのそれは酷く輝いて見えた。

「…シャムカルラさん?どうかしましたか?」
「ん?嗚呼、何でもねぇだよ」
「そう…ですか?なら、良いんですけど…」

 誤魔化しはしたものの、本心は違う。彼女のそれは確かに
美しく、本来ならば自身が所有しているあの文献内にも
含まれる筈だ。にも拘らず、そうではない…やはり、
住む世界が違うと言う事か。

「シャムカルラさん、やっぱり変ですよ。
本当に大丈夫なんですか?」

 気付けば、彼女のそれが眼前に迫っていて。
理性の箍が、弾け飛んだ。

 我に返った時には、そこに彼女の姿はなく、点々と続く
赤い染みと、右の指先に触れるそれとが、己が何をしたのかを
悟らせてくれた。

「おらはまた、無関係の者を…」

 後悔しても、もう遅い。だが、せめて一言、謝罪を
述べねばならない。そうして、暗殺者たる彼は血痕を辿り始めた。


 風邪、水疱瘡、蕁麻疹。様々な病を患った患者が、今日も私の
診療所を訪れる。

「…最近は、オペの予定もありませンし…平和、なのカナ…」

 ボソリと呟いた刹那、私の背後で扉が開く音がした。同時に、
仄かに甘い匂いが鼻腔を擽る。嗚呼、彼女の香りだ。

「おや、エマさん!いらっしゃ…って、その眼…!!
どうしたンですか!?」
「先、生…痛い、痛くて、血が、止まらな…の…助けて…」

 息も絶え絶えになりながら、彼女は必死に私を呼んだ。
嗚呼、違う。今日の彼女は、可憐な少女ではない。
私の、大事な、大事な大事な患者サマ。

「さァ、その左眼を見せてください…誰の仕業か、
なァんとなく想像出来ますがネ」

 眼球のあった筈のそこにペンライトの光を当てれば、そこは
赤黒く染まっていた。しかし、網膜は少しも傷付いていなくて。
嗚呼、やはり彼の仕業なんですね。そうと解れば話は早い。
セルリアンと呼ぶべき色の液体が入った小瓶を懐から取り出して、
惜しく思いながらも、その美しい眼窩に浴びせる。

「…どうです?まだ痛みますか?」
「ん…もう、痛くない…ありがとう、ファウスト先生!」
「いえいえ。ご謙遜を!私は医師として、
当然の事をしたまでデスから!!」

 私はそう言うが、“私”はそう言っていない。
“私”は、もっと血に濡れた彼女を見たいと言っている。
さて、アナタはもう楽しんだのでしょうから。
今度は、ワタシが楽しませて貰いましょうかぁ…


 彼女の細い腕を掴み、ぐい、と自身の方に引き寄せる。
紙袋越しに彼女の顔を覗き込めば、些か驚いたようではあったが、
拒絶の顔は見せていなかった。

「嗚呼…やはり綺麗ですねぇ…君の眼は…シャムカルラさんに、
抉られたんでしょぉ…?狡いなぁ、狡いなぁ…ワタシだって、
本当は欲しくて欲しくて堪らないのにぃ…ねぇ、エマさん…
ワタシ、君の全てが欲しいです…良いですかぁ?」

 カクリ、と首を傾げて彼女を見れば、ワタシの狂気を
感じ取ったのか、彼女は微かに抵抗の色を見せた。
嫌だ、嫌だ嫌だ。ワタシを拒絶しないでくれ。

「ひ、ぁ…先生…」
「嗚呼…甘い、ですねぇ…甘く香る血よりも、官能を刺激する
蜜よりも…君自身が、甘い劇薬…それはさながら麻薬のようで…
ワタシはまた、離れられなくなる…」

 彼女の首筋に顔を埋め、幾度も幾度も口付ける。
一度“ワタシ”が、「ちょっとは自重してください!!」と
書き置きを残していたが、ワタシでは我慢し切れる筈がない。

 嗚呼、もう良いかな。充分愛撫はした筈だ。彼女が纏う
ツーピースの釦に、手を掛ける。
 ドス、と鈍い音がして、目の前に紅が舞った。


「……もう来ちゃったんですかぁ?」
「…その娘っ子から、薄汚ねぇ手を離すだ」

 舞い散る紅は、ワタシの腹から溢れた血だった。そこからは、
刀と言う武器が顔を出していて、次いでワタシの身体に、鎖が
巻き付いた。自由に動かせる首を、180°回転させて
後ろを向けば、そこには思った通り彼がいて。

「…シャムカルラ君……大切に出来ないなら、最初から手にしちゃ
駄目なんですよぉ…?それに、ワタシの手を薄汚いだなんて
言ったら、君も同じじゃありませんかぁ…」
「…黙れ。おらはお前なんぞと一緒にされとうない」
「冗談が通じませんねぇ、君は…うふふ」
「……エマ、今の内に早う逃げんか」
「え、あ…でも、シャムカルラさんが……」
「良いから早う行けぃ!!」

 嗚呼、美しいそれが私に背を向け逃げて行く。またワタシは
失うのか。いや、それが本望だ。シャムカルラ君に
言ったばかりじゃないか。大切に出来ないなら、最初から
手に入れない方が良い。
 それに、恐らく今ここで、ワタシの32年の生は幕を
閉じるのでしょうしねぇ…


 ガン、と鈍い音が響き、痛みに視界が歪む。
私は一体何をしていたんでしょ…?

「…闇医者よ、元に戻っただか」
「その声は、シャムカルラさん?…何時からココに?」
「ついさっきじゃ。それより闇医者、一つ忠告をやろう」

 忠告と言う言葉に反応し、彼を振り向けば、はらりと紙袋の
切れ端が宙を舞った。何時ものドジで、揶揄い甲斐のある彼は
そこに居なくて。代わりに、滲み出る殺気がその場を包み込んだ。

「…闇医者よ。アレはお前ではない事は解っとうが…
例えお前でなくとも、今再びエマに降れてみぃ……その生命、
このシャムカルラ・アルマニーナが貰い受けるだ」

 ぞわりとした、寒気とも快感とも言えない何かが背筋を
駆け抜けた。黒いサングラスの奥で、私を蔑むように見る目。
嗚呼、それが彼女のそれだったら良いのに…

「…ええ。解りました…解りましたヨ…
早く追い掛けたらどうですか?」
「…無論そのつもりじゃ」

 シャムカルラさんが踵を返し、扉から出て行く。同時に緊張の
糸が切れて、私は床に座り込んだ。

「嗚呼…今日はもう、駄目かも知れませンネェ…」

 玄関から外に出て、「臨時休診」の札を扉に掛ける。嗚呼、
また思い出すだけでそこが熱くなる…いけないいけない。
早く部屋に行こう……

 嗚呼、遠くの地よりコチラを観察しているアナタ……
えぇと…名は…嗚呼、■■さん、デスか…お誕生日、
おめでとうございますネ♪


「…あの闇医者に、何されただか」

 己よりは小さい、華奢な身体を抱き締めて尋ねれば、エマは一瞬
肩をビクつかせ、

「な、何もされてない…ですよ?」

と言う。あれだけ目に涙を浮かべておきながら、
何を言っているのか。細い肩を掴んで、真摯な眼差しを向ければ、
すぐに折れるだろう。

「…何回も、首にキスされました…
他には、何にもありませんけど……」
「そうか……さっきは、済まなかっただ」
「…え?」
「…左眼じゃ。痛かったろう」
「あ…大丈夫、ですよ。でも、どうして左眼を…?」

 遂に聞かれた。己の秘密。己の眼。五体不満足なこの身体。
だが…別れの前に、教えよう。


「鼻は利かんし、味も感じぬ。右手で何に触れようとも、右側から
話し掛けられようとも解らんが、左側に立たれると認識出来ぬ。
見えぬ、聞こえぬ、味わえぬ。故におらは、左眼が欲しいんじゃ…
左眼さえあらば、左半身だけど言えど五感が全てあるのだから…」
「シャムカルラ、さん……じゃ、じゃあ!
私がシャムカルラさんの左眼になります!!」
「…何?」

 今のは聞き間違いだろうか。確かに、自身の眼になると
聞こえた気がしたのだが。

「私がシャムカルラさんの眼になるんです!!
それなら、シャムカルラさんは左眼を手に入れられるし、
私も眼を抉られないで済みます!!だから…だからどうか、
傍に居させてください」

 小さな手が、服の袖を掴む。見上げて来る瞳は潤み、涙に
濡れていた。嗚呼、やはり彼女のそれは美しい。

「…宜しゅう頼んだ」

 ふわりと微笑んだ彼女の瞼に、そっと口付けを落とせば、
何処かから

「…おめでとうございますネ」

と、あの闇医者の声が聞こえた気がした。


…ハイ。中韓系と見せて母国語は独な暗殺者、シャムカルラ・アルマニーナと、
エマちゃんことエミリー・ホプキンスのお話です。
シャムエマ+ファウでしたね…あ、ファウって言うのは、
ファウスト・カレスことファウストの事ですよ。

  • No.5 by セシル  2019-03-24 06:02:52 ID:6b716f026

やはり御鏡さんの小説は素晴らしいですね!
自分なんてまだまだです…。

では、お恥ずかしながら新しい小説を一つ…。

大好きな獄都事変にオリキャラを投入した
オリジナルのほのぼの日常小説を…。

〈参蔵さん〉
うつらうつらしていた僕は、その呼び掛けに
しばし目を開けずに考える。
この呼び方は…伍浄くんでもないし、
砕藤さんでもない。
だとしたら…斬島くんか?
「…斬島くんかい?」
〈はい〉
どうやら、当たっていたらしい。
「何かあったのかい?」
〈いえ、捌彌副隊長の回収を…〉
捌彌、というのはうちの脳筋金棒野郎である。
すぐ谷裂くんと手合わせしたがるんだから…。
「…ああ、捌彌ね。分かった、すぐ行くよ」
僕は座っていた椅子を立ち上がり、
いつもの場所へと向かった。

『おりゃぁぁ!』
するとやはり、異常に大きな声が聞こえてきた。
捌彌だ。
「捌彌!」
僕は捌彌を呼びつけた。
後ろには血みどろで、金棒を支えにして
かろうじて立てているような谷裂くんがいた。
…相当やったな、捌彌。
『んお?あ、隊長ー!』
捌彌は動きを止めるなり、こちらに
飛び付いてきた。
「暑苦しいよ、離れてくれ…」
僕はやんわりと捌彌を引き剥がす。
捌彌はされるがままになってくれた。
〔あらあら、元気ねぇ〕
後ろから穏やかな声が聞こえてくる。
獄都の大黒柱、食堂のキリカさんだ。
「ああ、キリカさん…。はい、元気すぎて
困ってますよ」
僕は後ろを振り向いて返事をする。
そこにはにこやかな笑みを浮かべている
キリカさんの他に、家政婦のあやこさんも居た。
「おや、あやこさん。こんにちは」
僕は一番穏和だと思う笑顔で頭を下げる。
【………こんにちは】
あやこさんもお辞儀を返してくれた。
〔もうそろそろお昼時よ。遅れたら…
ご飯抜きだからね♪〕
キリカさんは悪戯っぽく言って、去っていった。
僕らは顔を見合わせると、谷裂くんもそこそこに
食堂まで走っていったのだった。

  • No.6 by 雨露  2019-03-24 06:14:23 

失礼します、短編投下させて頂きます。




 沙希香姉さんが急に消えて数日経った。


 僕の周りの空気は今日も暗い。あの人が消えてから、今までのことが嘘のように重くなった。
 話しかけたって気がつかない人が多い。顔色が悪い人や寝込んだ人がいて、僕が多分一番まし。

 一番悪いのはマヤさん。特にあの人と一緒に居たせいかショックが大きく見えた。
 あの強気はどこにいったんだ、と噂を耳にしたときは言いたかった。が、マヤさんの様子を見ると言葉がつまってしまった。

 何故だろう。僕だって悲しいのに、悲しさが溢れるだけで、体には影響がない。
 涙だって沢山流したのに、ケロリと立ち直ってしまった。
 あの人が失ったら凄く嫌だ。あの祭りで強く思った、の、に。

 ……まるで、何か操られているような。

 考えすぎか。
 一旦冷静になろうと、水を飲みにいこうとしたとき、玄関の扉から音が聞こえた。
 みんなは出られそうにないし、玄関に今近いのは僕。
 開けない理由も特にないから、遠慮をせずに扉を開ける。
 すると、深く帽子を被り、何やら大きな荷物を抱えていた子どもが。

「お届け物に来ましたあ、どうぞ」

 声からして少女だろうか。
 そんなことを思いつつ荷物を受け取る。見た目に対して少し重みを感じた。
 僕に荷物を渡した少女らしき人は、直ぐにそこから立ち去ってしまった。
 荷物を床に置き、扉を閉じる。

 こんな荷物頼んだっけ? 誰かがあの子にお願いしたのか?
 箱開けて、リビングに置いてたら持ち主が適当に取るだろ。
 中身が気になった僕はその選択を取った。荷物届いたときそうする人多いし。

 箱をさっさと開ける。


 見覚えのあるものが、視界に入ってきた。

 サラサラで艶のあった黒髪は、ボサボサになり輝きを失っている。大事にしてたであろう衣服は、赤いシミを作っており汚れているところが多々あって。
 愛しいその赤の瞳は閉ざされている。
 血色のよかった肌や唇はあの頃とは正反対。


「……沙希香、姉さん……?」


 その人物の名前を呼ぶ。
 震えてしまって上手く声が出てこなかった。
 認めたくなかった。認めたくなかったのに。

 全然動かずに冷たくなっている相手を見れば、認めるしかないじゃないか。

「馬鹿、馬鹿……うわあぁぁああぁあ!」

 誰に馬鹿と言ってるなんて分からない。何故叫んだのかも分からない。
 けれど、スイッチの切れたように悲しみと涙が溢れてきたのが分かった。

 僕はマリーゴールドを抱き締める。


 そのまま抱え、声を押し殺して気づかれないよう泣いた。

  • No.7 by 御鏡  2019-03-24 09:23:09 

ヘアァァアアアア…ッ!!
好き。良き。雨露さんどうもです(文の流れ((
獄都事変好きです…良きです…(語彙力)
沙希香姉さん!?ね、姉さん殺った奴出て来いやぁ!!(喧しい)

  • No.8 by 雨露  2019-03-24 09:30:54 

ありがとうございます!学んで書き方変えました……()
私的にはファウエマ推しなんですけども。シャウエマもいいな……( 優柔不断 )

「わあ!やッほ!!彼奴殺ッたよ!!( 馬鹿 )」
まあ大丈夫です何とかなりまs【 強制終了 】

  • No.9 by セシル  2019-03-24 09:43:29 ID:6b716f026

いやあ、やはり皆様の小説はいいですね…。
自分がまだまだ未熟なのを痛感させられます。

皆様からのリクエストで小説を書こうと
思います!

どんどんリクエストしてください!
(クオリティは…あまり期待しないで
頂きたいです…(´・ω・`)

  • No.10 by 御鏡  2019-03-24 09:43:42 

ふむ、やはりファウエマ推しは多いと…
次回はね、医者?…な彼を前面に出して
一筆してみたいと思ってまぁす。

  • No.11 by 雨露  2019-03-24 09:55:47 

>>9
皆様の読むのも書くのも楽しいです~
セシル様の小説はとても好きです!
一人一人多分欠点はあります。私なんか沢山ありますし。
書いていくうちに色々気がつかされるものですよね。……私だけですかね。

お、考えておきます!

>>10
王道です……( ? )
楽しみに待ッてます!

  • No.12 by セシル  2019-03-24 17:18:18 ID:6b716f026

新しい小説を思い付いたので、設定を載せます!

双子の裁判官・兄 ジャッジ
・黒の軍服軍帽、黒のマントを纏っている
・望遠鏡を持っている
・青髪青目、儚げな美貌の男の子

双子の裁判官・弟 カイン
・青の軍服軍帽、青のマントを纏っている
・鞭を持っている
・赤髪赤目、整った美丈夫な男の子

主人公 ???(皆様の本名などを)
・自分が何なのか分からない。
・「何か」を探していることだけ覚えている。

(【監獄のアリス】という別のカテゴリに
開いているトピックの登場人物たちです)
ヤバいイケメン囚人 アリス・ベルベッティ
・気まぐれ、感情のままに動く
・監獄から出してもらう代わりに
主人公の手助けを約束する。
・誰にも心を開かない

謎の看守 【チェシャ猫】
・助言をくれたり、馬鹿にしたりと謎の人物。
・ピンクの髪にピンクの瞳
・?5の腕章を着けている

  • No.13 by 御鏡  2019-03-26 18:01:02 

途中までながら出来たので投稿~!

「…?」

 不意に視線を感じ、ファウストは聴診器を動かす手を止める。
彼の前に座る患者が怪訝そうな顔をして、スケッチブックを
差し出した。

【どうした?】
「あ、いえ。お気になさらず…筆談をする辺り、声が出ない程、
咽喉が痛いンですネ?しかし、まだ風邪とは断定出来ませンから…
聴診は終えたので、次は視診と行きまショ!ささ、お口を
開けてくださいネ♪」

 彼の言葉に従って、患者は捲り上げていた服を下ろし、マスクを
外して口を開ける。ペンライトの光を当てれば、そこは赤く
腫れていた。

「うわ、すっごい…扁桃腺が滅茶苦茶腫れてますヨ…
一体何したらこうなるンですか?嗚呼、多分コレ
ただの風邪なンで、安心してくださいネ」
【仕事 忙しい 診療所 来る暇 ない。先生 言う 安心】

 接続詞のない文章。多少読み辛くはあるが、書く時間の
省略のためだろう。この患者に如何様な薬を出そうかと
ファウストが考えていると、また視線を感じた。

「……取り敢えず、お薬出しときますネ。普段なら一日分で
良いと思うンですけど、アナタの場合結構重症っぽいので三日分
出しときます。元気になったら、また来てくださいネ♪
じゃ、お大事に~!!」
【あざした】

 薬とスケッチブックとを持ち、怠そうにしながら診察室を
後にする男の背に向けて手を振る。男の姿が見えなくなった刹那、
ファウストは窓に小振りなメスを投げた。

「……ホント、誰なンでショ…ネ。私を見てるのは……」

 この数日、何度も視線を感じた。買い物をしている時、料理を
作っている時、診察をしている時…ふとした瞬間に感じた視線。

「ああああああもう駄目。癒しが欲しい…!!えぇと、
今日は患者サマも…もう居ませンネェ。良かった良かった…」

 自室の部屋の扉を開き、ベッドに倒れ込む。柔らかな羽毛が、
彼の身体を受け止めた…筈だった。

「んむ…先生、重いですぅ…」
「あいや、エマさん!?来てたンですか!」

 そこには、付近に住む大学生のエマが居た。彼女は良く
診療所に来ては、医学に精通するファウストの話を
聞きたがるのだ。何でも、将来は医者になりたいらしい。

「えへへ…だって、先生の話が聞きたくなっちゃったんですもの」
「全く…まあ良いですけどネ。で、今日は何の話を
聞きたいンですか?」
「先生の日常生活でのお話を聞きたいんです!」
「……ハイ?えぇと…正気ですか?」
「私は何時だって正気です!
それに…先生の事、もっと知りたいんです」

 その瞬間、あの視線と良く似た何かをファウストは感じ取った。
愛用する巨大なメスを咄嗟に掴み、目の前に立つ誰かに
突き立てる。すると、それはぐにゃと歪み、姿を変え始めた。
エマの代わりに、全身に包帯を巻いた女が、そこに現れる。

「痛ぁい……先生ったら酷いじゃない……アタシだって事、
解ってるでしょ…?手加減くらいしてよぉ……」
「…これはこれは、アリスさんでしたか。失礼しましたネ」
「…相変わらず、いけずなヒト…」

 金属の軋むような音と共に、アリスの首が時計回りに
360°回転する。それを見てファウストは、紙袋の下で
溜息を吐いた。

「…で、何の用ですか?」
「あのね…アタシ、素敵な物見つけたの…だから、キミの力で
何とかして欲しいな……って思って……」
「失礼ながら、全く話の筋が読めないのですが…」
「アタシ、とっても素敵な魔剣を見つけたの…でも、
強~い呪術式が掛かってて……キミなら、解けるでしょ…?」

 一瞬の間の後、盛大な音と共に窓が割れ、硝子片が辺りに
飛び散る。静かに殺気を放つ異形がそこに居た。

「あのね…それならそうと、ハッキリ言いなさい。アナタは些か、
物事を遠回しに言う事が多すぎる。もっと簡潔な言い回しを
見付けなさい。生憎、私だって毎日暇な訳ではないのだから…」
「ごめんなさい……で、先生…呪術式、解いてくれるの?」
「……嗚呼、一つの質問に答えて戴ければ、今すぐにでも
その魔剣の所に行って、呪術式を解いて差し上げますよ」

 殺気を収め、紙袋をそっと被り直して、彼は何時もの
"善良な医師"に戻る。彼はきっと紙袋の下で、怒りと憂いと
哀愁を混ぜたような表情をしている事だろう。

「……質問、どうぞ……」
「ええ、では問います。アナタの得意とする術式と、その性質を
理解した上で、問わせて貰います……何故あの子を選んだ?」
「…先生の、大切なヒトだって知った、から……じゃ駄目…?」

 その言葉に、思わずアリスが女である事を忘れて、ファウストは
彼女の胸倉を掴んだ。あまりの身長差に、アリスの身体が
宙に浮く。

「…そんな理由で、あの子を傷付けたんですか」
「……違う。アタシはただ、その子の……エマ、だっけ…?
頼みを聞いただけ……"もし自分が先生のために血を流したら、
どんな反応をするのか知りたい"……と、ここに来る道中に
出会って、話し込んで、頼まれた…おしまい」
「………信用出来るとでも?」

 まさに一触即発の空気が流れたその時、部屋の扉が開いた。

ここまでで~す…新キャラちゃんのpf↓
アリス
【本名】アリス・ヴェネッサ・カッセル
【性別】女
【種族】吸血鬼
【年齢】27歳(人間換算)
【身長】159cm
【体重】45.9kg
【誕生日】10月6日
【趣味】アンティーク品の収集
【好きな物】血 呪術式の掛かっていたもの 
      魔○と呼ばれる武器(魔剣・魔槍・魔斧etc…)
【嫌いな物】銀製品 呪術式 呪術式の使用者
【異性のタイプ】「…ファウスト先生みたいに、優しいヒト…
         …でも、先生は恋愛対象として見れない……」
【詳細】全身に包帯を巻いている陰気な女で、小さな箱を常時持っている。
    その箱は何とも奇妙な紋様が描かれており、彼女曰く
    「大事なヒトに貰った……パンドラの箱…」らしい。
    彼女は陰気な性格のため、良く「呪術式を好んでいる」と
    誤解されがちであるが、それは的外れだ。
    寧ろ彼女は呪術式を毛嫌いしている。
【口調】一人称はアタシ。二人称はキミ。何か一言でも喋ろうとする度に、
    良く間を置くのが特徴。誰に対しても上から目線で話すが、
    良く世話になっているためかファウストとメフィストに
    接する時のみ、敬意を感じ取る事が出来る。
    そんな彼女の口からは、時折何処か怯えたような言葉が
    紡がれる事がある。その際は、ただ黙って抱き締めるのが
    最善の選択だろう。

アリスの得意な術式(ファウストで言う転移術式)については続きで…
スケッチブックの人は本当にモブです。

  • No.14 by セシル  2019-03-26 22:35:13 ID:6b716f026

ジャッジくんたちの小説、出来ました!

「今から…被告人×××(皆様の本名などを)の
判決を開始します」
青髪を靡かせた、軍服の裁判官はそう言った。

【ま、待ってください!裁判が先でしょう!】
「僕(私)」は裁判官に訴えた。

「判決が先、裁判での善悪の判断は後です」
しかし、その裁判官は当たり前のように返した。

【それって…それって…おかしくないですか!?】

「この世界はこれが【普通】です。貴方が
狂っているんですよ?」
裁判官から放たれた「狂っている」という
言葉に、「僕(私)」は、頭が真っ白になった。

『被告人に、懲役1000年を処す』
もう一人の赤髪の裁判官がそう言ったのも、
ろくに聞こえなかった。

【……う】
「僕(私)」が目を覚ますと、そこは先程までの
絨毯が敷かれたふかふかの床ではなく、冷たく
硬い鉄の床の上だった。

《よぉ、新入り。お前、何しでかした?》
隣から、青年のものと思われる声が聞こえる。

「僕(私)」はズキズキと痛む頭を押さえつつ、
状況を把握しようとした。

まず、一つ。
ここは牢獄らしい。足が何やら重い。
重りの類いでも付けられているのだろうか。

そして、二つ。
ここから出る手段は、今のところ無いらしい。

最後に、三つ。
「僕(私)」はどうやら、自分が何なのか
思い出せないようだ。

【…何も…してません】
「僕(私)」は戸惑いつつも、隣の声に答える。

《へぇ?そりゃ重罪だ》
彼はこう返してきた。
そして、こう続けた。
《この世界じゃあ、【何かした】ことよりも、
【何もしなかった】ことこそ最大の罪なのさ。
あんた、投獄くらいで済んで良かったな》

【…貴方は】

《うん?》

【貴方は、何をしたんですか。それとも、
「僕(私)」と一緒で、何もしなかったんですか】

《俺か?俺は…【何かをして】ここにいるのさ。
その何かってのは…ま、【人殺し】さね》
彼が肩を竦めたのが見えた。

その時、カツカツと足音が近付いてきて…
それは、「僕(私)」の牢獄の前でぴたりと
停止した。
〔やあ、新入り君〕
そんな、妙にチャーミングな声を伴って。

【…貴方は】

〔僕かい?僕は【チェシャ猫】さ〕
彼はずいっと「僕(私)」に顔を近付けてくる。
紫髪を目元まで垂らし、口元は妙に
にやついている。
腕には?5の腕章がついている。

【……【チェシャ猫】さん。「僕(私)」は
これから、どうなるんですか?】
「僕(私)」が聞くと、【チェシャ猫】は
困ったように返した。

〔さあ…裁判待ちさね。だが、先に【アリス】が
来るだろうから…もう少し待つかね〕

【…【アリス】?】

〔君の隣の監獄に居るじゃないか〕

「僕(私)」は、改めて隣を見やる。
金髪を束ね、整った顔立ちの青年だ。
彼が…【アリス】?

《そ。俺はアリス・ベルベッティっての。
よろしくな》

どうやら「僕(私)」は、この奇妙な世界を
抜け出さなくてはいけないらしい。

  • No.15 by 雨露  2019-03-29 18:26:28 

>>12・14
不思議な感じがたまらん!!好きです!!ありがとうございまーす!!((

>>13
あッ好き。好きです目と心が潤いました。
アリス系好きですす~!!

  • No.16 by セシル  2019-04-11 19:51:06 

お久しぶりです。

短編小説
ホルマリン漬けの「カミサマ」
第一章 「カミサマ」って…信じる?

僕らの町に【ソレ】がやって来たのは、
本当に突然だった。

「私、神様なの」
そう嘯く彼女は、神を名乗るには随分と幼く、
かと言って神の使いと名乗るには、
幾分大人びていた。

『本当に?』
僕が問うと、彼女はにっこり笑ってこう言った。
「ううん、私は神様じゃない。
私は使いに過ぎないの」
そして、こうも言った。
「ねぇ、キミ。連れてってあげよっか。
私の「カミサマ」の所」

僕はその誘いに乗り、手を引かれるまま
奥へ奥へと導かれた。

研究所のような、全体的に青白い施設。
その最深部で僕が見たものは…。

ホルマリン漬けにされた、ワンピースを
まとった真っ白い少女の姿であった。

「これが、私の「カミサマ」」

僕は、その容器に手を伸ばす。
強化ガラスに指が触れる。
「彼女」は、僅かに瞳を開いた。

〔……あ…なた…誰?〕

「「カミサマ」、この子は私が連れてきたの」

僕と「彼女達」の奇妙な夏は、始まりを告げた。

  • No.17 by トリル  2019-04-11 20:41:42 

>16
はじめまして。ホルマリン漬けの少女って魅力的すぎる…!ちょっと怖いけど続きが読みたくなります。

  • No.18 by セシル  2019-04-11 22:15:41 

トリルさん
ありがとうございます!

  • No.19 by 匿名  2019-04-11 23:07:56 

中1が書いたので、変だったらすみません。

ーその日、俺は変なやつに会った。ー
いつもどうりに”仕事”を終え、いつもどうりに帰った。
「ねぇ、そこの君」
後ろをばっ、と振り向く……誰もいない
「…は?」
そんな声を上げ前を見た………………………いた。確信はない、だが…目の前にいるのが声の主だと、断言できた。カラン、と下駄をならし此方に近づく、近づく、近づく……【あれっ?体が………勝手に…】逃げた。体にある野性の本能?が今、全力で警報をならした。カラン、カラン、カラン…
「どこに行くの?」
下駄の音は変わらない、何故?普通なら小さくなる音が”変わらない”走りには自信がある、だが"変わらない"
カラン、カラン、カラン、カラン
一定のリズム、一定の音、何故?
「捕まえた」
頭が真っ白になった。耳元で声がしたら、自分の体はその場に崩れ落ちた。

[一応続く]

  • No.20 by 御鏡  2019-04-11 23:09:25 

お久し振りです~…
最近小説を投稿しようにも、マトモなのは書けないし~…
マトモでも書きかけだしで散々なんですよねぇ~…
マトモなの書けたら投稿しますね~…

  • No.21 by セシル  2019-04-13 07:03:58 

第二章
「カミサマ」は憂鬱。

「カミサマ」は、相変わらず容器の中に居た。

使いの彼女は、僕によく話をしてくれた。
「カミサマ」との出会い、
「カミサマ」を奪おうとする人間のこと。

「…その人たちは、私の「カミサマ」を
奪おうとしたの。
【研究対象だ】【研究しなきゃ】って」

彼女は、顔を苦々しく歪めて言い放つ。

僕は彼女の話に頷き、聞き流していた。
しかし、彼女は聞き捨てならない
言葉を発した。

「私たちね、夏でここを出ていくの。
もっとちゃんと、「カミサマ」を
受け入れてくれる街を探すの」

『…そうなんだ』

〔……ね…ぇ〕

「カミサマ」が、僕に手を伸ばす。
僕は、容器越しに彼女に触れた。

〔……あ…なたは………………なの…?〕

途中が、酷く掠れていて聞き取れなかった。

『ごめん…何て?』

〔…………………なの…?〕

やはり、その部分だけ
ノイズが掛かったように聞き取れない。
いや…まるで、脳がその部分だけ聞くのを
拒絶しているようだ。

〔………わ…たしは……憂鬱、なの…〕

彼女がそう呟いたのも、
ろくに聞こえなかった。

【私達、夏で出ていくの】そんな言葉が、
酷く耳に引っ掛かって。

  • No.22 by セシル  2019-04-13 07:10:50 

御鏡さんはご覧になったことがあるかと
思います。

絵や小説を載せ合うトピに
上げていたものです。
(データが飛んだので、途中からです…
申し訳ありません。
キャラクターのプロフィールを
載せておきます。

主人公 彼方

〔狭間堂〕
店主兼総元締め 出雲
従業員 猫目ジロー
従業員 ハナ

〔???〕
新聞記者 百代円(ひゃくだいまどか)


〈少年〉
この街にも少しずつ慣れ始めた頃、
偶然円さんと出会ってしまった。
「…あ…円さん」
僕がそう言うと、円さんは相変わらず
お手本のような笑顔で笑ってみせる。
〈覚えていてくれたとは嬉しいね〉
円さんは僕にずいっと顔を近付ける。
整った顔立ちと大勢に見られているような
ゾクリとした寒気が僕を包む。
僕が何も言えないでいると、円さんは急に
顔を遠ざけて笑い始めた。
〈ははは!君の視線嫌いも筋金入りって事か〉
「…は…視線…?ま、まあ…人は苦手ですけど…」
円さんは僕の背中を遠慮なくバシバシと
叩いて笑い続ける。
痛いを通り越して何が何だか分からない。
しばらくすると、ベストのポケットから普段
付けている物より濃い色付き眼鏡を
取り出して掛けてみせる。
〈どうだい?これなら怖くないだろ〉
円さんは笑みを浮かべてみせる。本当は
爽やかな笑みを浮かべたのかもしれないが、
今掛けた色付き眼鏡のせいで胡散臭さ爆発だ。
「あ、ありがとうございます…僕は」
〈彼方くんだろう?知ってるさ。
君が出雲の飼い猫と喧嘩して此処に来たと
いう事もね〉
「えっ」
僕はおもわず後ずさった。
「何で、知ってるんですか…?」
〈それは単純だ。見たからさ、この目で〉
円さんは自らの掛けている眼鏡の蔓に触れた。
「…ずっと、後をつけて来たとか」
〈そうとも云えるし、そうでないとも云える〉
円さんはそう嘯いた。本心の読めない人だ…。
「もしかして、ストーカー…」
〈お望みとあらば、おはようから
おやすみまで観察させて貰うけど〉
「完全にストーカーだ…!」
あっけらかんと言う円さんに僕は戦慄した。
〈まあ、家の中にまで入るのはポリシーに
反するし、トイレやお風呂の時までは
観察しないけどね〉
「…紳士的なストーカーだ…!」
意外と僕のプライバシーを尊重してくれていた。
いや、しかし…家の近くにまで来られても困る。
円さんは見た目上レトロな男性だが、
その正体はアヤカシかもしれないのに。
じりじりと後退する僕に、円さんは肩を竦めた。
〈そう警戒しないでくれ給えよ。別に
取って食おうという訳じゃないんだから〉
円さんは僕の肩をしっかりと抱く。
これでは、逃げられない…。
「もしかして…彼方くん。君は自分に自信が
ないから、視線が嫌いなんじゃないかい?」
「…うっ…」
図星を突かれ、僕は呻く。
〈図星かぁ。では、そのルーツを
聞かせてくれないかな。何が切っ掛けで、
自分に自信を持てなくなったか…〉
「そ、それは…貴方に、話すこと
じゃないですから」
迫る円さんの整った顔立ちを押し返す。
すると、円さんは思ったよりも
あっさり引き下がった。
〈そうか、残念だ…また、機会を見つけたら
会いに来るよ〉
円さんはひらひらと手を振って帰っていく。
〈ああ、そうそう〉
円さんはふと足を止める。
〈彼方くん。『うつし世はゆめ、
よるの夢こそまこと』…だからね〉
円さんは意味深な台詞を吐いて、立ち去った。
【…あれ?彼方さんじゃないですかィ】
《あら、彼方さんではないですか!》
後ろから出雲さんのお店で働く従業員、
ハナさんとジローさんの声がする。
「…あ、ハナさんとジローさん」
【…あいつ…円。彼方さん、あいつと
関わってるんですかィ?】
ジローさんは去っていく円さんの背中を
睨みながら僕に言う。
「…え、あ…向こうの方から…」
【…そうですかィ。あんま、あいつと
関わらない方が良いですぜィ?
決して、悪い奴じゃないんだろうがねィ】
《円さん…あの方も色々なお悩みを抱えて
いらっしゃいますからね》
ハナさんは悲しそうに、ジローさんは悪態を
吐くように吐き捨てた。
『おや、彼方くんじゃないか』
ジローさんとハナさんが帰った後、後ろから
凛々しくも澄んだ少年…否、出雲さんの
声がする。
「あ…出雲さん」
『円と何か話していたのかい?』
「…え、ま、まあ…。…あの、円さんって
妖怪なんですか…?」
『…見たいならこの手鏡を使うと良いが…
決して【アレ】と目を合わせないでくれ給えよ』
僕は出雲さんの【アレ】と言う発言に首を
傾げながらも、帰っていく円さんの後ろ姿に
手鏡を翳す。
「……ひっ!」
そこに映っていたのは男性の背中…ではなく
闇で繋がれた無数の髑髏だった。
僕の悲鳴が聞こえたらしく、円さんであろう
【ソレ】が振り向く。
…目が、合ってしまった。
頂点の髑髏の空洞から覗く赤い光が、
僕を見つめる。
すぐに出雲さんが僕の手から鏡を叩き落とす。
手鏡が地面に落ち、粉々に割れた。
『…円は、目競なのさ』
「…目競…?」
『平清盛と睨めっこをした話が有名だね。
残留思念の集合体のアヤカシさ。その視線には強い力があるから、跳ね返すのはよっほどの
霊力の持ち主でないと無理さね』
出雲さんはそう言い、『帰ろうか』と言った。

- 出雲の店「雑貨屋狭間堂」-
「…帰りました」
《あら、彼方さん!今お茶が入りましたよ、
どうぞ!》
ハナさんが笑う。
うら若き大正乙女ハナさんの本当の姿は、
電車だ。廃線になった都電6500番。
電車であるからか、見た目にそぐわず怪力の
持ち主である。
そして、奥で寝ているジローさんの本当の姿は、
今は猫背のイケメンさんになっているが猫だ。
《元気がありませんね?何かあったんですか》
ハナさんが心配そうに声を掛けてくれる。
「……今日、泊まっていっても良いですか。
何だか、怖いんです」
『ああ、構わないさ』

  • No.23 by 御鏡  2019-04-21 21:49:27 

新キャラ君…否、新キャラさんが出来ました。お久し振りです。
人気、出るかな…くらいの気持ちで作った新キャラさんです。

「…所長殿、些か…暇ではありませぬか」
「うん?君もそう思うかい…?嗚呼、僕もそう思うよ…」

 ここは黒屋敷の二階右端に位置する、他の部屋より微弱ながら
広い部屋。三の人格を有する、人格者アラクネアの部屋。
探偵が事務所として使う部屋。付いた渾名は、"蜘蛛之巣"。
一度承諾した依頼は、例えどんな依頼であっても、完遂する。
 従業員は、所長とその助手と、たったの二人だが。もっとも、
所長は三重の人格、エン・ダル・スピルを有し、それぞれの職業は
小説家・探偵・探究者。小説家は時にミステリー小説を書く。
探偵は頭脳明晰。探究者は一度獲物の尾を掴めば、その正体を
見抜くまで離さない。助手は、博識洽聞な黒屋敷の執事。まさに
完璧と言う言葉が似合う、非の打ち所がない男……多少、正確に
難があるようだが。

「……やれ、一つ茶でも淹れて参りましょうぞ」
「…少々待ちたまえ。足音がする……革靴、そして仄かに響く
金属の音……彼が来る。紅茶と檸檬を用意すべきだ」
「嗚呼…彼でございますか。承知仕った」

 助手が給湯室へ向かったその時、部屋の扉が開き、2mを
優に超えるだろう長身の、巨大なメスを背負った男が現れた。

「やあ、ファウスト君…久方振りだね。暫く見ない内に、雰囲気が
変わったかな?」
「ダルさんも元気そうで何よりですヨ!ところで、ユリウスは
いらっしゃいますか?」
「嗚呼、居るよ。しかし珍しいね。君が彼に用事とは…」
「ええ…私だって不服ですけどネ!大切な彼女のためなので、
我慢してるンですヨ!!」

 事務所から聞こえる声に、ユリウスは給湯室から顔のみを覗かせ
ファウストに向けて静かに言い放つ。

「あいや、ファウスト殿。暫くぶりでありますなァ…今飲み物を
お持ちします故、少々お待ち下され」
「っ…本当に、久し振り…ですネ…!」

 ファウストが唯一苦手な男こそ、ユリウス・ロ・ヴェッセント。
長い前髪を全て右に流す事で右眼を隠し、左眼の片眼鏡の奥に潜む
紅い眼は、全てを見透かすように鋭く、そして光が無い。

(やはり彼は…相も変わらず、ですネェ……)
「ファウスト殿、砂糖は二つで宜しかったかな?」
「え、あ…ハイ…」
「所長殿、砂糖多めの珈琲にござい」

 言いながらユリウスは机上に二人分のカップを置き、自分は
ダルの隣に腰掛けると、少量のミルクを加えた紅茶を優雅に啜る。

「うむ、君の働きぶりは実に見事で、流石の僕でも舌を巻く程だ…
で、ファウスト君。彼に何の用なんだい?」
「あのですネ。今朝、ポストにこンな手紙が入ってまして…
ユリウス、どうぞ」

 ファウストから手紙を受け取り、一通り目を通したユリウスは、
次の瞬間ファウストの胸倉に掴み掛っていた。

「キ、貴様…っ…貴様が付いていながら、何たる不始末!俺の……
我のエマ殿に、何かあったらどうしてくれるので!?」
「…もう何かあったからこうなってるのでは?何々…
『ちょっと誘拐されて来ます』…?はあ、何だいこれは。
新手の悪戯かね?」
「グ…ッ、まだソッチの方がマシ、ですヨ…でもですネ、
その手紙を良く見てください…特にユリウス!」

 荒々しくユリウスに背負い投げを掛け、ファウストは
彼から解放される。ゆっくりと立ち上がった彼がもう一度手紙を
見直すと、下の方にもう一つ、「八脚を持つ人物と霧の都に
向かえば、そこに新たなる道が見える」と、意味不明な文章が
添えられていて。

「…まさか、ファウスト殿…これは彼女の自作自演で?」
「さァ?でも…アナタに対する挑戦状なのでは?」
「所長殿へではなく、我に…?」
「ええ、では私の仕事は終わりましたので、これにて失礼…」

 紅茶を咽喉に流し込み、ファウストは事務所を後にする。扉に
巨大メスが引っ掛かったのは見なかった事にしよう。ダルもまた、
「君への謎だ。僕が協力してはならない」と言って、ファウストの
後を追うように出て行った。残されたユリウスは、一人悶々と
考える。

(八脚の人物…我の思いつく限りでは、人格者殿とヴィオラ嬢しか
居りませぬが…否、死神様は如何か、かのローブに遮られ見た事は
ありませぬが、あの中は蛸足とも蜘蛛足とも、はたまた、ヒトの
手足が無数にあるとも聞く。はて…誰から当たって進ぜようか)

 あれこれと思考を巡らせながら、ユリウスはカップの中の
ミルクティーを飲み干し、八脚を持つ人物を探して部屋を出た。

To Be Continue…

新キャラさんpf
【通称】ユーリィ
【本名】ユリウス・ロ・ヴェッセント
【性別】男
【種族】不明(本人曰く人間らしいが、言動を見る限りそうは思えない)
【年齢】34歳(本人談)
【身長】175cm
【体重】55.1kg
【誕生日】9月1日
【趣味】ガーデニング
【好きな物】紅茶 水仙 虎百合 薔薇
【嫌いな物】不明
【異性のタイプ】「な、何をお聞きになられるか!?…あいやしかし…我とて男。
己への問いはしかとお答え致そう……内気な女性が好みですな」
【詳細】育った環境の所為で、愛を知らない男。長い前髪と仮面で右眼を隠し、
左眼に片眼鏡を掛けている。また、着用している燕尾服は
鎖など装飾類が多く付いていて、彼が少しでも動く度に
ジャラジャラと音を立てる。まるで、自分の存在を
周囲に思い知らせるように。
(ファウストの従兄であると言う噂も存在するが、真相は定かではない)
【口調】一人称は我。二人称は貴殿、貴方等相手に敬意を示すもの。
名前や職業名に殿を付ける、諺や故事成語、四字熟語を
多々交えて話す等、やや古風且つ独特な喋りで数多の人々に
歓楽を振り撒く男であるが、常日頃からその笑顔の裏には
翳りが見える。無理をしているような、そんな笑みだ。
しかし、彼を極限まで追い詰めた時、全てが一変する。
一人称は俺へ、二人称は貴様へ。自暴自棄になった
哀れな男が、欺瞞の仮面を脱ぎ棄てた時、彼の素顔が、
素性が暴かれる。

「ある時は天才詐欺師。またある時は名探偵。
またまたある時は有名たる小説家。そんな我が正体は、
とある屋敷の執事、ユリウスにござい!困った時は
何時でも我をお呼びくだされ!!」

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