恐竜博士 2018-08-22 19:01:10 |
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(向けられた視線に心臓が跳び跳ねそうになったのはつい先程キスをしたせいだろうか、深く考え言葉にした事はなくとも好きに違いない性のゴツゴツした手にそっと触れ)あの小屋に?まぁ悪くもないかも、どうしようか考えておくわね
まぁ、旅は長いし考える時間はありそうだ。お互いに…(直接的な告白はやはり出来なく、相手の返事も酷く曖昧なものに感じるが自分にとっては殆どイエスと同じ意味合いを含んでいて、触れた華奢な手の平を見ると指を絡ませるように握り)その時のことは、また…その時に考えればいいさ。
(長旅になりそうな事が確かでも少しも嫌な気はせず言葉にしない代わりに指に力を込め応え、しかし暗くなる前に移動すべきで甘い気分になった頭を切り替え自由な方の腕を伸ばして深呼吸し)今はもっと目先の事を考えなきゃ。私はもう十分に休めたわ
(暫し手を繋いだまま黙っていたが、手が離されると相手の顔をまじまじと見てから肩を竦めて、ゆっくりと立ち上がると丸まっていた恐竜も起き上がって再び前を歩き出し)あぁ、そうだな。アンタが休めたならいつでも動ける。
明るい内に今夜のホテルも確保しなきゃ(暫しの甘い時間に心まで復活した気がして憎めないから今日も野宿と理解した上での嫌味を。ふと辺りを見渡せば先に広がる木々の間から恐竜の顔を発見し指差し)見て、ブラキオサウルスがいる
あぁ、それはそうだ(クレアの後を歩きながらも進んだ先に見えた恐竜の中でも一番大きいと言われるブラキオサウルスの顔に目を向け、ライフルを肩に掛けては辺りを見回し)こんな林の中に?……何故、一頭だけか?他に仲間が近くにいるだろうか。
(食事中の恐竜は此方の存在に気付かず草を食べるのに夢中で、まだ遠くに見えているだけだが無駄な警戒心を与えない為に足音が鳴らないよう落ち葉を避けて歩き)彼らは群れで生息するの?だとしたら近くに居ないと困っちゃうわね
あぁ、一応群れで行動する習性があったハズだが…これだけ環境が変わってしまうと、単独行動をする個体が居ても不思議はないけどな(前を歩いている恐竜も然り、確かある程度集団行動を好んだはずだと思い出しつつ静かに近づいて)とりあえず、近づいて様子をみよう。クレア、踏まれないように気をつけろよ。
環境の変化が…とりあえず近付いてみるしかないわね、気を付ける(草食で攻撃性はなくとも彼の忠告には注意しないと、歩む速度を緩めて隣に並び背の高い木々の間から顔だけ覗かせる恐竜へと少しずつ距離を詰めていき)
(比較的人里に出てきているのは草食恐竜が多く、クレアと旅をする中でTレックスのような肉食恐竜にはまだ会ったコトがないと思いながら歩みを進めると木々を抜けた先に大きな身体が見え、広い草原に出ると遠くには何頭かのブラキオサウルスが居て)良かった、一応群れで行動はしているんだな。ここら辺は、彼女らの縄張りかもしれない……。
ここは平和で良いわね、誰も傷つく事なく人と共存できますように(広大な草原の景色は感動する程にのどかで、リュックから小型のカメラを取り出しブラキオサウルスの食事風景を写真に収め)
…本当だな(平和な食事風景を夢中で写真に撮るクレアの横顔を見て、まるで子どもが初めて恐竜を見た時のような輝いた瞳をしているように感じては胸の中がじんわりと温かくなって自然と彼女の肩に手を添え、軽く此方に引き寄せ)
ここでのんびり暮らせば、あの子の傷もきっと直ぐに治る(人も肉食も気配のない平和な空間に食糧も十分にありそうで良かった。肩に感じる温もりにそっと触れ寄り添った状態でカメラのレンズを此方に向けてパシャリ)…たまには私達の写真も欲しいかなって
(比較的温厚な性格の草食恐竜達を見ては上手く共生してくれるだろうと心の中でクレアと同じように願い、ふとシャッター音に気付くと視線を間近にある悪戯な笑みを浮かべる相手に向け、元々口下手な上に上手く言葉に現せない感情が込み上げるのか何も言わずに更に肩を引き寄せると唇を黙って重ね合わせ)
…オーウェン?突然、そのビックリしちゃって(力強くも優しく引き寄せられ気付けば唇が重なり、呆然と立ち尽くすのは味気なく直ぐに離れるのも勿体ないから背中と腰に腕を回し胸元に顔を擦り寄せ)
……俺も、驚いた(自分からキスしておきながら思わず本音を漏らし、遠くには草食恐竜達が居るか自分達のコトなど鼻にも掛けずにいて、肩から背に腕を移動させると互いに抱き締め合う形を取り、彼女の顔を見つめて)アンタが珍しく可愛い真似をするから…。
珍しくは余計な言葉だけど、こうしてると落ち着くから不思議(大自然を前にピッタリと抱き付きお互いにハッキリと言葉にはしない間柄はより親密になったような、すぐ近くにある彼の顔を見つめ返しもう一度唇を重ね腕からすり抜け)…たまには悪くないわね
…落ち着くか、それは生きているからだ(暫くは腕から出てしまわないようにと背中を抱き締めていたが、唇を受けると自然と力を抜いて彼女が離れたのを見て、少しだけ気恥ずかしげに後頭部を掻くとライフルとカバンを持ち直し)とりあえず、もう少し進んでみよう。ブルーの足跡をまた探すぞ。
この平和な草原にもヒントがあるかも(ロマンチックな空気を一掃して本来の目的を口に、照れ臭い気持ちがあるのは此方も同様で視線を外したまま袖を捲り上げて体温を下げて準備を整え)
それもそうだな……(広がる草原を眺めながらブルーの足跡を探しては暫く歩き回ったが、結局足跡は見つからずに遠くの空が夕暮れに染まっていくのに気付くと深追いは危険だと分かっている為に溜息を吐き、少し離れた場所にいる相手に声を掛け)…今日はもう止めて車に戻った方がいい、クレア。
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