半獣と人間の禁断の恋

怜）ほら、素直にならなきゃ。じゃないと、スコーンはお預けだよ。いいのかな～？

……………………スコーン…欲しい……(俯いて)

怜）じゃあ、素直になろうね。特別って言ったでしょ。
怜はにっこり微笑んだ。

………………素直になんて…なれない。(ふいっ)

怜）じゃあ、当分スコーンはお預けだね。
怜がそう言うと、ゆうきに押し倒された。

……………………いい加減にしろ。(唸って)

怜は、さすがに意地悪が過ぎたと思って
怜）ごめんね。ちょっと意地悪が過ぎたね。お詫びに、ほらスコーンあげるよ。
怜は、ゆうきにスコーンを食べさせた。

………………………………っ……！(いきなり相手を殴り)

怜）痛っ！
怜は頬を抑えた。口から血も出る。
怜）ゆうき...どうしたの？

………っ…！(部屋に入って鍵をかけてしまい)

怜）ゆうき！ゆうき、ゆうき！開けてよ！僕怒ってないよ。ゆうきってば！
怜は、ゆうきを呼んだが、ゆうきは開けてくれなかった。
怜）落ち着いたら、戻ってきてね。
怜は、自分の部屋に戻った。殴られた場所は、軽く腫れていたのでかぶれないシップを貼った。そして、寂しさを紛らわすために、ゲームをした。

…………………………(部屋に閉じ籠って)



(確定とか終始ばかりだな……俺もだけど。行動が制限されてる……)

怜は、ゲームをしていたが、気持ちを紛らわせずにいた。
怜）(もっとゆうきに触ってほしいのに...)

……………………もういい。俺は此処を出る。(荷物を纏めて出て行った)

怜）まだ、落ち着かないのかな？
怜はゆうきの部屋まで行った。
怜）ゆうきー？(ドアを開ける)あれ、開いて...いない！
怜は青ざめて、急いで、外に出て探し始めた。
怜）ゆうき！ゆうきー！いたら返事して！ゆうきー！

…………あれ？そこのお兄さん。何をしてるの？(茶色の犬が近づいて来て)

怜）君は、誰？
怜は、息を切らして聞いた。いつの間にか、雨も降っていて、怜は、傘を持たずに外に出たので、全身びしょ濡れだった。毛先や、服の裾から、雨の滴がぼたぼた落ちている。

……僕はいろは！よろしく。お兄さん、何でびしょ濡れなの？

怜）いろはだね。僕は茨木 怜。え？あ、雨降ってたんだ。気づかなかった。実は、大好きな子がいなくなっちゃって。名前はゆうき。青っぽい銀髪で、もしかしたら濡れて困ってるかも。彼狼だから、濡れたくないだろうし。
怜は、きょろきょろ当たり見渡す。そのとき、たくさんの荷物を持った青い銀髪の男を見つけた。姿から見て、怜にはすぐにゆうきと分かった。
怜）ゆうきー！
怜は、急いでゆうきに走り出した。

…………………………ちっ…何で来たんだよ……