出会いは突然に…？【ｂｌ】

は？なんでアンタの家なんかっ
（警察に行くわけではないと分かると安堵の表情浮かべるも相手の家に向かっていると分かれば再び困惑の表情示し意味がわからないと首をかしげ）
アンタが買ってくれるわけ？俺高いよ？

買わねぇよ
（相手の問いにそっけなく答えると、ピタリと立ち止まり相手の方へ振り向いて。「ついでに言えば、乱暴もしないし、脅したりもしない。…とにかく、安心してくれ」それだけ言うとまた強引に腕を引き、家へ連れて行こうとして）

だったら、なんで連れていくんだよっ
（今まであの路地で出会った客は皆一様に自分の身体目当てであり、中には一見優しそうに見えてもひどい奴も居たためそう質問するも、相手の態度の真摯さにうそをついているようには思えない自分もおり混乱しながら腕を引かれ）

着いたら分かる
（相手を混乱させてしまっていることは分かってはいるが、今ここで腕を離したら相手が何処かへ行ってしまいそうな気がして。なんとしてでも家へ行かせようと一層相手の腕を握りしめ。自分の住むアパートに辿り着き、二階にある部屋へ向かおうと階段を上がって行き）

一体なんだってんだよ……
（相手が何を考えているのか必死に脳をフル回転させたものの結局分からずにそう呟き相手の言う通り到着したのが警察ではないことに少し安堵しながら腕を引かれ）

…
（ズボンのポケットから鍵を取り出し、無言で扉の鍵を開け。家に入り外側から鍵をかけるとようやく相手の腕から手を離し。「…すまねぇ。いきなりこんなとこ連れてきちまって」と相手を混乱させたまま連れてこさせてしまったことに対して謝り）

あ、いや、別に……
（相手の素直な謝罪に思わずそう答えてしまうも自分の置かれている状況思い出しハッと我に変えると再び視線は厳しくなり）
いや、てかなんなんだよ。俺になんか用？早く今日の客捕まえなきゃなんないんだけど？

今日は客を捕まえなくていい
（上記を述べると安心させるためなのか相手の両肩をポンポンと叩き。そうすると相手の目線に合わせるようにし、相手の顔をじっくり見詰め「今日はうちに泊まれ」と微かに微笑みながらそう口にして）

………は？
え、なんでそんな……
（相手の提案に驚き一瞬耳を疑い言葉を失い、ポカンと相手の表情見つめ。客じゃない人に泊まって行けなんて言われたことがなくそんなムシの良い話があるわけがない、そんな優しい人がいるわけがないと拒否をし）
いいよ！なんか、そういうの逆に怖い。

いいから来い
（相手の言葉には従わず、先程のようにまた腕を掴み無理矢理家へ上がらせ腕を引いて家のリビングへと相手を通し。「ほら、ここに座れ」近くから座布団を引っ張り出し、座るように相手に促して）

いいって！
（腕を引かれてもなお何かに怯えているように拒否の意を示すも座布団まで用意されれば渋々座り相手に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟き）
どうせアンタも裏切るんだろ？だったら最初から優しくしないでくれよ……

…え？
（小さく、弱々しい声が耳に伝わりどうしたのかと気になり相手の方へ振り返り体をグイッと近づかせ「すまん、うまく聞き取れなかった。なんて言った？ 」と尋ねて）

な、なんでもねぇよ！
（ヤバイ、声に出ていたのかと内心焦りながら再び強気な声で良い放つと座ったまま後ろに下がり相手と距離をとり）

そうか…
（まだ気になる気持ちもあるが、取り敢えずは気にしないことにして。「さて、と…」かけてあったエプロンを手に取り、身につけ始め。）

あのさ、なんで泊めてくれるわけ？
（男がエプロンを着けることに少し驚きながらも誠実さは伝わりそれでも拭いきれない不安取り除くためにエプロンつけている相手を眺めながら尋ね）

え？
（エプロンを装いつける手を止め、相手の方へ顧みればきょとんとした顔で相手を見て。「そりゃあ…放っておけない…から？ 」自分が勝手に泊めさせると言ったにも関わらず、うやむやな理由を話し終いには疑問形で答え）

ははっ、なんだそりゃ
（相手の疑問系に思わず吹き出すと疑心暗鬼になっていたことなどどうでもよくなり後ろに両手出し足を投げ出して寛ぐように座り）
なんか、あんた変なやつだな。

変？ 俺がか？
（相手の言葉を不思議がり首を傾げて。「別に普通だと思うが…」変と言われたのが気に入らず、不貞腐れたような顔をして。「さて、と…」背後にあるエプロンの紐を結い、台所へと向かって行き）

あ、俺魚と野菜食べれないから宜しく。
（台所へと向かう相手の背中にわがままともとれる発言投げ掛けては自分は手伝う素振りを一切見せず）

えっ…マジかよ
（発言を受け取れば、相手の方へ顔を顰めた不服な顔を向け。「つってもなあ…」そう苦し気に言いながら顎に手をやり、相手が食べられるような献立考え。「…本当に、魚と野菜食べられないのか？ 」なかなか良い考えが出ず、仕方なく相手に尋ね）