しっとxx

寂しいんだ。
（確かに高校の時は学校でいつも会えていたが今は別々なため家でしか会うことがない。どちらの方が良かったのだろうかと考えてみるも寂しいと素直に言う彼に少し驚きそっと抱き寄せる。「…愛してる。」小さく呟けばすぐに彼を開放して。お腹がすいたと彼より先に台所へと向かって）

とｰぜん､一日中一緒に居ても居足りない｡
( 寂しい､と言われれば当たり前｡ 素直に言葉を肯定すれば､ふわり抱き寄せられて温かい体温が巡る｡ 「…俺も、」小さく呟かれた言葉に頬が緩んで笑んで見せれば嬉々を感じさせる声のトーンで返し｡ 自分より先に台所へ向かう彼を追い掛けて進めば､あと僅かで完成しそうな出来かけのオムライスが二つ置かれており｡ )

そうだな。
（居足りないのは間違いない。誰よりも彼と過ごす時間が一番楽しくて。彼が微かに答えてくれてそれだけでも嬉しくなる。「お、うまそ。」目の前に置かれたオムライス。今でも食べれるがきっとまだ完成ではないのだろう。彼が仕上げをするのを待ってはポケットに入れていた携帯が鳴る。面倒くさそうにポケットの中を探り携帯を取り出しては「ちょっとごめん。」と彼に謝ってリビングへと出る。）

─、どうぞ俺のことはお気になさらずに｡
( 己の言葉に彼が同意すれば､内心の気持ち彼で満たされているようで幸せを噛み締める｡ まだ作りかけだったオムライスも最終作業に入り､良い匂いが漂うと共に空腹を誘う｡ あともう少し､何て考えつつ居ると突然彼の携帯が鳴り驚きで僅か肩震わせ｡ はは､と乾いた笑み零せば謝意を示しながらリビングへと向かう彼に上記告げて｡ )

―…だから、今日ので終わり。
（携帯の向こう側から聞こえる甲高い声。それだけでも嫌気が差す。なんで出てしまったのだろうかと今更後悔。ちら、と台所にいる彼に視線を向ければ悪い事したなと罪悪感が。彼女の言葉なんて耳に入らず適当に相槌を打ちながら気は彼へ。「―もう会わないから。」なんて冷たい言葉を告げては一方的に電話を切る。「ごめん。」台所へ戻って彼の隣へと立ち再び謝罪。）

……できた。
( ふう､と一息ついては自分にしては割りと上出来であっただろう完成したオムライスを見詰め｡ 先ほどから聞こえる彼の電話の話し声に耳を傾ければ､─話の内容からするに今日一緒に居た女の子であろうか｡ 電話越しに話している時でさえも妬いてしまうなんて､流石に強欲すぎか｡ どうやら電話を終えた様子で此方に戻って来た彼から出たのは謝罪で､「んーん、気にしてない｡」と首振りながらも笑って見せたけれど､内心思っている嫉妬心が出てしまってるだろう何だか引きつった笑みが零れて｡ )

顔、引きつってるのに？
（気にしてないと言うけれど明らかに笑顔が不自然。まぁそうさせたのは自分であるが気を遣って嘘なんてついてほしくない。「もう会わないってはっきり言ってきたから。」電話の内容を伝え彼を後ろから抱き締める。髪に触れるだけの口付けを落とし目の前に置かれたオムライスに視線を向ける。「ん、美味しそう。」そう言いながらも己の唇は彼の首筋へと這わせていて。）

─もう会わない､って言ってくれたから気にしてない｡
( 嗚呼､やっぱり表情に出てたか｡ 作り笑顔等すぐ見抜いてしまう彼に､きちんと素直な言葉を返して｡ 相変わらず表情に出やすい自分に心中ため息を零す､ポーカーフェイスが出来る男になってみたいものだ｡ 背後から抱き締められると彼の手をきゅ､と握り不意に首筋から伝わる感触に僅か震えれば「れ、ッ…ん…！」と息漏れながらも彼の名前呼んで見せて｡ )

可愛い。
（彼の言葉に思わず頬緩め、有難うと付け足して。嫉妬深い割には優しくて物分かりがいい。彼を好きになって良かったと熟思い。息を漏らし乍己の名前を呼ぶ彼。ぷらす、手を握ってくる様子にもっと意地悪したくなる。ちゅ、と音立て強く吸い付いては紅い痕を残し彼を解放する。「食べようか。」目の前のオムライスを見遣り彼の頭をぽん、と撫でて）

……痕、残りそう。
( 解放されれば僅かながらも乱れた息を整え､ 先ほどまで彼の唇が触れていた首筋を指でなぞり呟いては｡「あとで、俺も痕付ける。」じ､と彼の首筋見詰めれば緩やかに口角上げて微笑みながらもそう告げて｡ 彼の言葉にこくり､頷けば丁度頃合いの良いほどに冷めたであろうオムライスが乗せられた皿を彼の分と二つ手に取り､リビングのテーブルへと運んでいき｡ )

残るように付けたからな。
（先程まで己が唇を這わせていたところに指を滑らせ残りそうと言う彼。態と残る様に強く吸い付いたのだから残るに決まっている。それとも残られたら嫌なのかと心配してしまう。彼の言葉に此方も頷いて。オムライスを持った彼の後ろをついていき。）

─じゃあ､俺も遠慮しないで付けるね｡
( ほんのりと紅く残る痕は態と付けたもの､そう言われればけろりと笑み零し楽しみを待つ子供のような口ぶりで告げて｡首筋なんかじゃなくて､人目に付くような､もっと目立つ所に残しても良いのだけれど｡ 何て思いつつもリビングのテーブルに皿を置けば､先ほど座っていたソファに腰掛ければ隣ぽんぽんと叩いて彼に座るよう促せて｡ )

どうぞ。好きなところに付けていいよ。
（遠慮なく付けるなんてどう付けるのだろうと可笑しくて笑ってしまい。正直、彼に付けられるならどこでもいい。一層目立ってしまうところでも構わない。ソファに座る彼が叩く隣に腰掛けては「オムライス食べる？」と目の前に置かれた美味しそうなオムライスに話を逸して。）

俺のだって､ちゃんと分かるように｡
( 好きな所に､なんて言われたらどこにでも付けてしまいそうで｡ 彼のことになると歯止めが効かなくなってしまうから､少しは抑制しなくてはと思ってる筈なのに､どうしても独占欲が先行してしまう言葉ばかり｡ 内心子供だな､と自分に呆れつつも彼の言葉に「食べる、」と頷きながら一言返せば視線をテーブル上に置かれた本日の夕飯に移して｡ )

そうだな。
（彼の言葉を聞けば小さく微笑み彼の頭を撫でて遣る。こんな彼の独占欲が愛されてるって改めて実感出来るものでもあり嬉しい。テーブルに置いたオムライスが冷めてしまわない内にとスプーンを持ち彼の前に置かれたオムライスを一口取りそのまま彼の口の前へ持っていく。「ほら、あーん、」と口を開けることを促すようにして。）

ん、──…うまい。
( 頭上に伸びる彼の手が髪を撫でると､心が落ち着く｡ よく撫でてくれる彼の手のひらは安心感がある､“撫でられる事”が好きなんだな､なんて実感しつつ｡ 目前には彼がスプーンで掬ったオムライスを口前に持ってきており､一口で口に含めば口内で広がる旨味に自分で作ったながらも一言感想を零して｡ )

味見、
（彼がオムライスを食べ美味いと言うので自分で作りそんな事が言えるなら余程美味いんだろうと思っては彼の唇に触れるだけの口付けをして。「うん…、あんまりわかんね。」触れるだけでは味なんて分からず再び口付けをしては今度は舌を偲ばせ絡ませて）


（遅くなってしまい申し訳ありません、）

ッ、蓮、めし…。
( 味を噛み締めている最中､味見と称して口付けを落とす彼にどきりと心臓が跳ねては口に含んでいた物を飲み込み｡飯を食べないと､と言い掛ける手前に再び唇を奪われれば言葉を妨げられながらも受け入れ､口内に偲んできた舌を追い掛けるように此方も絡ませて｡ )


(　いえいえ!､お気になさらずに..!　)

ん…、美味い。
（飯を食べようとでも言いたいのか彼の言葉も遮るように口付けをして彼を求めていて。暫しその状態を続ければ名残惜しく銀糸を引きながら唇を離す。ちゃんと味見をしたかのように上記を述べては今度はちゃんと食べようと目の前に置かれたオムライスにスプーンで食べて）

─そう？良かった｡
( 名残惜しそうに唇離せば､先程の口付けで味が分かったのか“美味い”と言葉を零す彼にへにゃりと笑って安堵してみせて｡ 今度はちゃんと目の前に置かれたオムライスを食し始める彼を見遣れば､自分も早く食べなければと己の分の御飯を黙々と食べ始めて｡ )