穏やかな同僚の秘密（〆）

酒を抑え気味に飲んだり工夫はしてる。そしてやらかした後のことを考えて自重するんだ。あぁ、それだけでだいぶ変わる
（飲みたいのに飲めない。素が出ないよう注意しないといけない。そういうのに注意するのが大変なんだよなと内心苦笑いして。仲が良い人がいると気分も向上すると相手の言葉に同意して。相手が離れると名残惜しいと思いつつも離し「あぁ、また明日な。楽しみにしてる」と手を上げひらひらとその手を振って相手を見送り、少しして自宅へと向かって歩き出して）

…ふぅ。なんだろう、変な酔い方したな…
(自宅へ帰ってくれば妙にふわふわした感覚は未だに拭えずきっと酔っているせいだろうと思うも、飲んでいた時間を思い返しては相手の手を顔に当てた自分の行動に驚きと照れが湧き上がり首をブンブン横に振ると「気持ち悪がられてませんように…」ブツブツぼやきながら着替え始め、それでも頭を撫でられたこともあり向こうもやたら距離が近かったし親しくなったらみんなこんなもんか？と何故か頭の中で悶々と思考が止まず、風呂に入って雑念を払うとさっさと寝ようと布団に入り直ぐ様就寝し)

翌日

(休日はいつもより起きるのが遅くカーテンからは外の明かりが漏れて部屋を照らし漸く起きればだらだらと昼まで過ごすと、昼食を取るなりノートパソコンで調べ物をすると夕刻までまだ時間があるが出掛ける支度をして家を出て。繁華街までくれば酒屋さんに寄っていろいろ物色し、結局何がいいのか分からず店員さんに助言を貰っては一本選んで購入し、時計を確認して「そろそろ向かうか。」スマホを手にすると相手に到着時刻を連絡して、喜んでくれると良いなぁと表情を弛ませながら軽快に歩いて行き。
予定通り夕刻を回っては冬の陽も沈み辺りが暗くなる頃に相手の家の玄関前に立てばインターホンを押して）

楽しかったなぁ
（帰宅すれば相手の頭を撫でたり肩に手を回したことなどを思い浮かべ、合わせて相手の反応も思い出すと小さく笑って。コップに水を入れそれを飲みながら相手ともっと触れあえたらと思って。くぁと欠伸をすれば風呂に入ってさっさと就寝して）

翌日

（いつも通りに目を覚ませば昼前に買い出しを行い、外で昼食も取って自宅へ戻って。しばらくのんびりしてからは早めに夕食と摘まみの準備をして。夕食は唐揚げは確定で多めに作っておいて、味噌汁にコロッケ、ツマミにチーズ春巻き、鶏もも肉の塩焼き、一応味付けしたキャベツも用意しておくか、とメニューを決めると作り始めて。残れば持って帰ってもらえばいいしな。と気楽に考えていて。
夕方頃、部屋での準備も終え待っていれば鳴ったインターホンに近づけば映し出された画面を確認し、「今開ける」と答えれば玄関を開け「いらっしゃい」と微笑み）

ういーす。お邪魔します。
(玄関が開いて相手の姿が見えれば自然と笑みを浮かべて手を掲げ、既に慣れたもので相手の家に脚を踏み入れれば玄関まで漂う何かいい香りに鼻をスンスンとさせ期待に満ちた表情でお腹をさすれば、「あっそうだ、これ。赤ワインなんだけど良かったら飲んで。」先に渡しておこうと手に持っていた細長い手提げ袋を相手の前に差し出せば先程購入してきたワインを渡して「一応いいやつ選んで買ってきたから、それなりには美味い筈。」店員さんの助言ではあるがそこまでお酒に詳しくはないもののいろいろ説明をしてもらって選んだものだしきっと相手の口にも合う筈と内心で自分に言い聞かせながら反応を伺い)

いらっしゃい。待ってたぞ
（相手を見れば微笑み挨拶を返して迎え入れて。手提げ袋を差し出され、それが赤ワインだと言われると微笑み「ありがとう。楽しみに飲ませてもらう」と答えて。いいやつだと聞くとワインにはあまり詳しくはないが「それは楽しみ」だと言って。作った料理をテーブルに並べ、準備は万端だと相手をリビングに招き「適当に寛いでくれ」と相手に伝えて。相手が前回来た時にはなかったような大きなクッションもあって）

(選んで買ってきたものを喜んで貰えるのはとても嬉しくホッと安堵したように息をつけばにこっと笑みを返して、共にリビングまで足を進めればテーブルに広げ並べられる料理に一気に目を輝かせては今までなんの音沙汰もなかった胃が空腹を知らせる音を鳴らし「やーっば！え、すごくね？とにかく美味そう…！」唐揚げは事前に聞いていたものの他にも並ぶおかずには驚きを隠せず主夫なのか？と思う程で嬉しそうに声を上げ、ふとクッションを見つけてはそれ目掛けてダイブし「こんなん前あった？」心地よさそうに身体を預けるとまるで自分の部屋で過ごすようにのんびりと寛いで)

そうだろそうだろ。弁当での反応とかで結城の好みはバッチリ把握してるからな
（リビングへやってきた相手がテーブルの料理を見て目を輝かせてはしゃいでいる様子を見れば満足そうに微笑み拳を握り親指を立てgoodマークを見せ。クッションについて尋ねられれば「今週買った新品だ。通販サイトを見てたら欲しくなってな」と答えて。もらった手提げ袋を隅に置くと「もうお腹ペコペコって感じだな。ご飯も炊けてるから手を洗ってから食べるか？」先ほど聞こえた相手の腹の音を思い出し小さく笑うとそう尋ねて）

さーっすがー、人付き合いがいいのもそういうとこだよなぁ！
(クッションに身を預けては相手の自信満々な言葉と決めポーズに大袈裟に褒め言葉を口にしてはにししと笑いを漏らして。新品のクッションと聞けば雑に扱ったことに少し申し訳なく感じてそろそろと体を起こすとご飯を食べようと促されては再び笑顔で「おう！食おう！マジで腹減った…お前の作る飯が空腹を誘う。」笑う様子に先程の自分の空腹の音を思い出して笑ってるな？と思うと少し気恥ずかしくなりそれはお前の飯のせいだと責任転嫁した言い方で呟き立ち上がると手を洗いに洗面所まで行って)

だろ？　やっぱり喜んでもらいたいからな
（得意げに言って。作った料理が空腹を誘うと言われれば微笑み「多めに作ったからな。目移りするだろ～？　残ったら持って帰っていいぞ。明日の一食にでもしてくれ」とアフターケアも行って。作った料理を喜んでもらえることが嬉しく、今度はカレーや肉じゃがを作っておすそ分けするかなどと考えつつ、相手が戻ってくるのを待っていて）

わっ、やったー！戦利品ゲットー。
(早々に手を洗って戻ってくればまたしてもおかずをお裾分けしてもらえることに嬉しそうに両腕を掲げて声を上げ、お腹を空かせて席に着くなりどれから手を着けようか考えつつ「なんかいつも俺の分まで悪いな、こんなにいっぱい大変じゃね？なんなら俺も何か手伝う…片付けくらいは。」量があっては作る手間も半端ないだろうと思い眉を下げて言うも自分に料理など出来る筈もなくかろうじて出来そうな片付けを申し出て)

だろ？　やっぱり喜んでもらいたいからな
（得意げに言って。作った料理が空腹を誘うと言われれば微笑み「多めに作ったからな。目移りするだろ～？　残ったら持って帰っていいぞ。明日の一食にでもしてくれ」とアフターケアも行って。作った料理を喜んでもらえることが嬉しく、今度はカレーや肉じゃがを作っておすそ分けするかなどと考えつつ、相手が戻ってくるのを待っていて）

…水沢？なんか内容が一個前のと同じなんだけど…

あぁ、だから無理に食べなくても大丈夫だぞ
（残すことに罪悪感など持たなくて済むように最初に持ち帰りＯＫだと言って正解だったなと感じつつ。相手が席に着くと両手を合わせて「頂きます」と言って。作るのが大変ではないかと尋ねられれば「料理は好きだしそこまで大変だとは思ってないけど……そうだな、片付けしてもらえると助かるな」と答えて。料理は好きで相手に喜んでもらえるのであればそこまで苦ではないが、相手が気を遣っているのだろうと思えば片付けは任せようとして）

（/ひえ、コピペミスです。失礼しました！）

ん、じゃあ片付けは俺がやるな！
(いつもしてもらってばかりで何か出来ないかと思っていた為片付けを頼まれればパッと笑顔で答えると手を合わせて「いただきまーす！」待ちに待った食事に胸躍らせながら箸を手に持つと唐揚げを摘んで大きく開けた口に放るなり目を見開いて感嘆の声を上げて「んーっ！うんま…！すげー好き、この唐揚げ！」自分好みだった味や衣に興奮しては取り皿にあれやこれやと欲張って取り分け、ガツガツと口いっぱいに詰め込んでは喉に詰まらせてしまいコップを手に取り飲み物を煽って「ゲホッ、っ…。あーっぶな、美味すぎて詰め込みすぎた…。」空腹を満たす為に焦りすぎたと一瞬冷やっとしたが落ち着きを取り戻し再び食べ始め)

(/いいえ！お気になさらずー！)

おう、任せた
（笑顔を見れば頼んで良かったと思って。自分も唐揚げを食べつつ「やっぱ唐揚げって美味しいよな。そこまで喜んでもらえるなら作った甲斐もあるってもんだ」と微笑み答えて。相手とは違い落ち着いて食事を行っていたが、あれこれ食べて喉に詰まらせてお茶を飲んでいるのを見ると「おいおい大丈夫かよ。飯は逃げねーぞ？」と心配しつつ相手のコップにお茶を継ぎ足して。相手の様子に少し心配になったのか「食いすぎて苦しいとかにならないようにな？」と念のために注意をして）

（/ありがとうございます！）

んぐっ、…大丈夫、サンキュ。
(口に頬張りながら相手に心配をかけてしまったと笑みを向けて注がれるお茶にもお礼を言い、次いで言われる言葉にはギクッと一瞬固まるも食べ過ぎて動けなくなる少し先の自分が見えて眉を下げて笑いながら「この後飲むんだろ？その為に胃袋空けておかねーと。美味いからついがっついちまったけど…。」言われなかったらそうなっていただろうなと思いテンポよく放り混んでいた手を止めればお茶を口にして食べる量を制御し。「こんなに料理が出来てルックスもいいし仕事も真面目にやってるのに、付き合ってる奴いねーの？」人肌恋しいというくらいだから特定の相手がいるわけではなさそうだなとふと気になっては問い掛けて)

フフッ、なに図星だって顔してるんだよ
（念のための注意だったが、一瞬固まる相手に思わず笑ってしまい。料理が美味しくつい食べてしまったと言われればその言葉に柔らかい微笑みを浮かべ「あぁ、俺としては一緒に飲みたいと思ってる」と言って。食事を再開すれば相手から予想外の質問が飛び、その質問内容自体も誉め言葉が多く照れくさく思いつつ「いないいない。そういう結城はどうなんだ？」と尋ねて）

(相手に笑われてしまえば少し俯いて恥ずかしそうに顔を顰めるもこの後の飲みを相手も楽しみにしているのだろうと分かれば嬉しそうにふっと笑って。自分の質問に気恥ずかしげに答える様子にきょとんと見遣るも恋人がいないのはちょっと意外だなと思いつつ質問が自分に返ってくればおかずを一口摘んで「ん、俺もいない。…つか、どーやったら好きになった相手と付き合えんの？」恋愛下手が相成って素朴な疑問をぶつけ、両想いとは？というくらいにまともな恋愛をしておらず好きなった相手が自分を好きになってくれると思うことがない為臆病になっている所もあるのかもしれないと空笑いして言うと「水沢は人並みに経験してそうだもんな。」冗談めかしてにひっと口角を上げて悪戯に笑み)

そりゃあ……好きな相手に色々アプローチして相手にも好きになってもらうんじゃないか？
（相手は居ないという答えを聞き何となく嬉しく感じ、独り者同士だからか？　と思って。人並みに経験してそうだと言われれば苦笑しつつ「さぁどうだろうなぁ」と誤魔化して。実際のところ告白されたことはあったりするが、相手に興味がなく断ってばかりだったなと思いながら。下手に言ってからかわれたくないため「何というか、高校生みたいな話してるよな」と話題を変えようとし）

…アプローチ、ねぇ…。
(付き合う方法として意見をもらえば視線を落とすなりポツリと呟いて、改めて考えても自分には出来そうにないなぁとアプローチってなんだっけ？と言葉の意味が分からなくなるほど考え過ぎて、相手に断られる恐怖かそこまで本気になれていないのか何かしら理由にあるのかなと内心で。それなりの経験をしていそうなそういう意味での先輩だと思ってはいたものの答えをはぐらかされてしまえば目をぱちくりさせて質問を重ねようとしたが、話題をすり替えられた事には気付かずに「はは、確かに。青春ってやつだ……あ、そうだ。お前の演劇観るんだった。」高校生というワードにふと思い出しては今日の目的はそこだったと顔を上げ、取り分けた分のおかずを全てたいらげるとお茶を飲み干して「…ぷは。あー食った。ご馳走様っ！マジで旨かった。」手を合わせて言うと相手に笑みを向けてお礼を言い)