空(〆)

え…なっ、伊織、酔っ払ってんのか?どうしたんだよそんな…ってちょっ…(相手の本気トーンにほろ酔い気分も冷め、慌てるも鎖骨を撫でられるとくすぐったいのかビクッと身体を震わせ)
いっ伊織…

(身体を震わせ慌てる様子が面白くてさっきのお返しとばかりに肩を抱き寄せ)
蒼空が俺を癒しと思うように、俺も蒼空が癒しだよ…笑顔が好き、怒った顔も可愛い、俺に翻弄される顔が見てみたい…
(両腕を相手の身体に優しく絡め顔を首筋に埋めて吐息混じりに告げ、先ほどは心地よかった体温も今はお酒のせいか熱いくらいに感じ、それでも丁度良い身体のフィット感に離すことはせず)

は、恥ずかしい奴…(右手で顔を覆うも顔と耳は恥ずかしさで真っ赤になり)
…ん、俺も伊織が好きだよ。翻弄…はほどほどにしてもらいたいが(ここまで想ってくれていたことに嬉しそうな顔をして顔を覆っていた手を離しそのまま相手の首に絡めて)

(ちょっと煽り過ぎたかな…と顔を上げ相手の様子を窺おうにも抱き寄せてしまっている為確認することが出来ずにいれば、肯定の言葉と首に回された手に杞憂で済んだようでホッと安堵して)
…よかった。でも蒼空は拾ってくれる相手を待ってるんでしょ？その好きって言葉は俺が立候補したから言ってくれたの？
(そっと両肩に手を置いて身体を離すと相手の顔を正面からじっと見つめて意地悪な笑みを浮かべて小首を傾げて問いかけ)

なっ…ちっ、違う!!誰でも良かったんじゃない。…伊織が良いんだ(ほっと安心した表情を浮かべていたが相手の問いに慌てて顔を上げ必死に誤解を解こうとするも少し傷付いたような顔でぽつりと呟き)

試すようなことを言ってごめんね…ありがとう。
(表情が沈むのが分かると両頬を掌で覆って顔を覗き込み謝罪して、相手の気持ちが解って嬉しく礼の言葉を付け足して)
じゃあこれで晴れて両想いだね。……もう一度好きって言ってほしいな…
(にこっと嬉しそうに笑顔を浮かべて今度はちゃんと顔を見ていたいと視線を合わせながら懇願するように言い)

ん…。もっ、もう一回…えっ…と、好きだよ(分かってもらえた、と安心するも頬を挟まれ覗き込まれると恥ずかしさに目線を合わせられず。少し落ち着いて改めて気持ちを伝えると嬉しそうに微笑み)

……はぁ、急に好きが溢れてきた…
(素直に言ってくれるだろうかと半信半疑だったが好きという言葉に加えて微笑まれれば想像以上のものが返ってきて胸がいっぱいになり、心を落ち着かせようと小さく息を吐きポツリと呟けばぎゅうっと抱き締めて)
ごめん、ちょっとこのまま…
(こんなに余裕がなくなるなんて思いもよらず目を閉じて無を試み)

なっ…そんな小っ恥ずかしいことよくスラスラと言えるよな…(本当に同じ気持ちなのだと改めて感じ照れ臭そうにするも、抱き締められると相手の温もりとふわっと鼻をかすめる匂いに自分も気持ちが一杯になり)
ん、好きなだけどーぞ(余裕の無いことなど全く気付かずに自分も相手の首に抱き着けば首筋に顔を埋め)

いやぁ、無意識な言動の方がよっぽどだと思うけどね…
(無の境地を目指すも、再び自分に密着されれば先程とは場合が違く現実に引き戻され、好きなだけなどと言われてしまえば冷静さも理性も細い一本の糸でギリギリ繋ぎ止めるのが精一杯で)
……蒼空、あまり煽らないで…
(今までの自分の言動は棚に上げて呟けばゆっくりと腕をほどき頭を撫で)

？煽る…って？もう少しこのままって伊織が言ったんだろ？だから俺…(好きなだけどーぞって言ったのに、と意味が分からず首を傾げ)
もう終わりか？(頭を撫でられると微笑むも、身体が離れ少し寂しそうな表情をして)伊織、どうした？(先程とは雰囲気の違う相手に心配そうに問い)

う、ん…まぁそうなんだけど、サービスが過ぎるんだよ、もう…
(想像以上の事を返してくれるから気持ちの余裕が持てない、と相手の純粋無垢な言動に勝てる気がせず下を向いて手で顔を覆い軽く溜め息をついて気持ちをリセットしようと)
ごめんごめん、何でもないよ。
(心配そうな声音で問われればパッと顔を上げて普段の笑みを心掛けて言い)
だって今日は両想いになった記念じゃない？パーッと盛り上がらないとね～
(お酒を手に取り掲げると「ほら、記念の乾杯しよ」と笑顔で誘い)

伊織…だっ大丈夫か？なんか、ごめん…。(顔を覆い下を向いてしまった相手に、自分が何かしてしまったのだろうかと不安になりとにかく謝ろうと謝罪の言葉を口にして、そっと相手の肩に手を置き顔を覗き込み)
え、ああ…そうだな記念日だ(パッと笑顔になった相手に混乱するも、缶を持つとこつん、と当てて乾杯、と言い)

(乾杯！と楽しげに声を上げてぐっぐっと缶を煽るとぷはーっと息を吐いて)
ん、大丈夫。…ふふっ、我ながら好きには貪欲でさ？蒼空があんまり可愛いからついつい押し倒したくなっちゃって。
(お酒を入れて一息つくと、不安を払拭させてやろうといつも通りの余裕を取り戻し困ったように笑みを作りながら素直に自分の心境を伝え。相手の頭をよしよしと撫でて)
あのままの流れだったら蒼空、俺に襲われてたよ。順番は守らないとねぇ。
(理性を完全に取り戻した今だからこそ言える、客観視してさらっと笑って言うも本心であり嘘ではないので忠告の意味も込めて述べ)

ん、乾杯(3本目の残りを一気に流し込むと此方もぷはーっと息を吐いてつまみに手を伸ばし)
押しっ…ああ！(押し倒す、という言葉に驚き手にとっていたつまみをこぼしてしまい慌てて拾い始め、そして襲われる、と次々出てくる驚きの言葉に絶句して何も言えずにただ頭を撫でられ)

あれ？蒼空、俺が何もしないと思ってるの？
(なんの返答もなく沈黙する相手に首を傾げて顔を覗き込みこちらも驚いたように目を瞬かせながら問い)
されるかもしれない前提で甘えてくれないとなぁ…
(再びテーブルに頬杖をつくとにこやかに笑みを浮かべながら自分本意な発言をし「勿論空気は読むし嫌なら手を出さないけど」とそれだけは真面目なトーンで答え)

いや、あの…(さらりと言う相手に何と言っていいのか言葉が出ず、ただぽかんと口を開けて)
されるかもしれない前提で…って、それじゃ甘えにくいんだが…いっ嫌なわけねーよ(今までのように気軽にスキンシップは出来ないのか、と寂しいような困った表情をして。嫌なら…という相手に慌てて「嫌なわけねーよ！」と言い)

そうだね、こういう言い方したらズルいか。でも嫌じゃないって言ってくれただけ良かったかな。
(自分とは違う素直で純粋な相手に無理を強いたかなと、寂しそうな表情を見るなりちょっと反省の色を見せ、否定されなかったことには安堵して薄く微笑み。可愛さのあまり気持ちが突っ走りそうになるのだけは以後気をつけようとお酒を口にしつつ内心で呟き)

何言ってんだ、好きなんだから嫌なはずないだろ？(安心したような微笑みに首を傾げて、当たり前のように言うと「逆に俺から触りに行ったりしたら、伊織は嫌なのか？と問い)
はあ…今日は仕事でしんどかったから、伊織に会えて一緒に飲めてホント良かった(ふと職場であった嫌な出来事を思い出し溜息を吐くと、4本目を開けて勢いよく流し込めば相手の顔を見て嬉しそうに微笑み)

何言ってんだ、好きなんだから嫌なはずないだろ？(安心したような微笑みに首を傾げて、当たり前のように言うと「逆に俺から触りに行ったりしたら、伊織は嫌なのか？と問い)
はあ…今日は仕事でしんどかったから、伊織に会えて一緒に飲めてホント良かった(ふと職場であった嫌な出来事を思い出し溜息を吐くと、4本目を開けて勢いよく流し込めば相手の顔を見て嬉しそうに微笑み)