白む空に燻る紫煙 ---〆

白む空に燻る紫煙 ---〆

刑事A  2022-01-18 14:27:13 
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  • No.4083 by ベル・ミラー  2024-02-16 13:56:04 





( 此方の昂る感情とは真逆の、余りに冷静で抑揚の無い声。絶対的に真実では無い記事や周りの態度に異を唱える事もせずただ“疎まれる事が当たり前”だと諦めの傍にある受け入れ。違うと__何もかもが違うし知った様な事を言うなと声を荒げれば良いのに。何故そんな事を言ったのかわからない遺族にも、それを信じ大々的に取り上げた記者にも、相手と同じ場所で働き少なからず相手を見て来た筈の署員達のあの目も__全てを諦めているような相手にも、怒りの様な、悔しさの様な、兎に角胸の奥の奥にある言い表す事の出来ない複雑な気持ちの塊が暴れ煮立っている感覚に細く吐き出した息が震える。「……此方見て、」と、一向に視線が交わらない相手の顔を上げさせるべく呟く様に落とした言葉の後。「私も、クレアさんも、ダンフォードさんも、あの記事の内容が事実だとは思わない。見た人全員が信じる筈無い。絶対に。」と言い切り。されど相手の気持ちがこんな言葉で浮上しないであろう事もわかっていれば、一ヶ月後に来る12年目、そしてセシリアの命日を思い、身体の横で握り締めた手に力が入り )




  • No.4084 by アルバート・エバンズ  2024-02-16 15:31:34 

 






( あの事件に関して、自分が憎まれる事にも蔑まれる事にもある意味慣れてしまっていた。自分が全ての責任を背負うべきだとは思わないが、一切の責任がないとも思わない。犯人も、共に事件を担当した捜査官も居なくなった今、自分にその矛先が向くのは当然の事のように思うのだ。其の感覚は何年経っても、全ての責任を背負う必要は無いと幾度言われてもなかなか変わらないもの。_____誰かに矛先を向けて憎しみを燃やさなければ、自分が駄目になってしまうような恐怖心も理解出来ない訳ではないからか。「……そう思ってくれる人間が数人でも居れば、それで良い。」とひと言答える。---相手が部屋を出る頃には集まっていた署員たちもそれぞれの席に戻り、共用のデスクに新聞に混ざって週刊誌が閉じて置かれているだけだった。一瞬相手に視線を向けた者も居たが、相手の前でエバンズの事を噂するのは良く無いと思ったのだろう。噂は数日で落ち着く事が多いが、あの事件に関しての報道は“嫌悪感”を心に植え付けるもので、数日が経っても空気はなかなか戻らず、エバンズが部屋を出入りする度に視線が注がれる事となった。 )







 

  • No.4085 by ベル・ミラー  2024-02-16 21:06:57 





( 一度週刊誌に出た内容は消える事は疎か、時間を重ねるに連れてその量を増し内容もより鮮明になった。そのどれもが相手の心を抉るには十分過ぎるもので日を増してフロア内の空気も悪くなる。__そんなある日。1人の署員が『最近記者増えたよな、』とブラインドの隙間から外を覗いてウンザリした口調で呟いた。それに対して『そりゃあ…まぁ、そうなるでしょ。』と、声を潜めチラ、チラ、と相手の仕事部屋を見ながら言葉を返す署員は続けて『問題が大きくならないといいけど、』と。幾ら気づかない振りをしてもこの手の話は矢張り耳に届き、その度に心に氷を張り、気持ちに蓋をし、瞳に宿る光が消えていく様な相手を思い唇を噛み締め。また、そんなミラーを心配そうに見詰めるサラとアシュリーはどうにも出来ない歯がゆさを感じ。__『…お仕事お疲れ様です、エバンズさん。この記事についてお気持ちを聞かせて欲しいんですけど、ねぇ、少しだけでいいんでちょっとお時間下さいよ。』時刻は19時を過ぎた頃。仕事を終え帰路につく筈の相手を署の外で待ち構えていた記者の1人が録音機を手に近付いて来て )




  • No.4086 by アルバート・エバンズ  2024-02-17 01:50:08 

 






( 連日の報道と至る所で目に入る週刊誌の表紙、そして署員からの冷めたような視線と署の前に張り込む記者たちの存在。その全てが、幾ら見ないフリをしても心を抉り生気を奪うようだった。遺族を蔑むつもりなど、週刊誌に語られたような事実など一切無いのに、強いストレスの所為か遺族の証言通りに、自分が其の言葉を吐き捨てる夢を見るようになったのは報道から数日後の事。夜眠れなくなるのに時間は掛からなかった。---仕事を終えて署を出た時、闇に身を潜めていた記者が突然現れて録音機を突き付けられると視線を彼へと向け「______お話する事はありません。あの証言は事実じゃない、」とひと言告げる。そのまま足を止める事なく記者を振り切り、駐車場へと向かい。 )







 

  • No.4087 by ベル・ミラー  2024-02-17 14:05:30 





( 足を止める事を勿論しない相手だが記者とて、はいそうですか。と引き下がる筈も無く、駐車場に向かう相手と同じ歩幅で横を歩き尚も小型録音機を突き付けながら『次は遺族の言葉を“事実では無い”と言いますか。__打ちひしがれて、一向にあの事件の痛みを癒す事が出来ないで苦しみ続けて居るのに…。冷酷な言葉を吐き捨て、更には証言すらも嘘だと…同じ人の血が流れているとは到底思えませんね。』信じられないとばかりに大きな溜め息を吐き出し、『こんな人が今も刑事として居座り続けているなんて、警察も大した事無い。』畳み掛ける様に、警察そのものに問題があるとさえ )




  • No.4088 by アルバート・エバンズ  2024-02-17 15:03:34 

 






( あの事件の痛みを未だに癒す事が出来ないのは自分も同じだと叫びたくなる衝動を必死に抑え、記者の前で感情を乱すなと手を握り締める。何一つ過去の事を知りもしないで、自分が刑事として働いている事さえ責められ組織自体を悪く言われるのなら一体どうすれば良いと言うのか。「_____今回の件は個人的な問題です。署に押し掛けたり、他の署員を巻き込むのはやめていただきたい。」と、冷静に言葉を紡ぐ。自分を名指ししての問題の所為で警察の業務自体を滞らせる訳にはいかないと。其れでも尚録音機を突き付け、此方の感情を乱そうと紡がれる挑発にも似た言葉の数々に思わず「っ、良い加減に_____」と声を荒げ手を振り払えば、録音機が音を立てて地面へと落ち。 )







 

  • No.4089 by ベル・ミラー  2024-02-17 17:45:05 





( 相手が冷静を装えば装う程、詰めて来るのがこの記者の性格の悪い所。『個人的な問題とは言いますけどね、今回の様々な発言は人間性も勿論疑う所ですが、明らかに“指導不足”でしょう。貴方を指導した上司も疑うし、そんな貴方に指導される部下のこの先も疑わざるを得ない。』あの事件に関わったのは相手かもしれないが、今回の記事の件はそれだけでは無いと__ふいに相手が振りかぶる様にして動かした手が記者の手に当たり、録音機を地面へ落下させる最悪の事態を招いた。一瞬驚いた表情を見せたが、態とらしく『痛、』と声を漏らし、やけに大きな音で落ちたそれを拾い上げた時、記者の顔はもう嫌な笑みに変わっていて、傷こそ付いたが録音や再生に問題は無く壊れていない事を確認するや否や『…次は暴行と器物破損ですか。まさか現役の警察官からこんな酷い事をされるとは思ってませんでしたよ。…今の遣り取りも確り録音してますし証拠としては十分な筈、数日後に出る記事を楽しみにしてて下さい。』ニヤニヤと嫌な笑みはそのままに、録音終了のボタンを押し録音機を鞄にしまうと、後は何も聞かないとばかりにさっさとその場を離れ。__記者の言う通り、数日後には新しい記事が出て、そこには“現役警察官による暴行と器物破損”の文字が。勿論“警察官E”と書かれていてそこに行くまでの流れや再び過去の話も出。それを見た署員達の噂は更に大きくなり、警視正も勿論信じてはいないが頭を抱える事となり )




  • No.4090 by アルバート・エバンズ  2024-02-17 18:29:04 

 






( 記者の前で少しでも動揺した素振りを見せれば、挑発に乗って感情を乱せば、それが不利に働く事くらい知っていた。だからこそ何を言われても冷静を保っているべきだったのに、其れはもう後の祭り。録音機が地面に落ちる音も、痛いという記者の声も、その前に荒げた自分の声も全て録音されており、“証拠として十分”という彼の言葉は正しかった。数日後に出た記事は直前までの記者の言葉を全て省かれ、取材を試みるも殺気だった様子で記者に暴行を加え録音機を破壊しようとした、と描写されるのみ。酷い悪夢に魘される日が続けば体に不調を来たすのも当然で、薬を飲み繋いでなんとか仕事をこなしているような状態だったがあくまで署では気丈な振る舞いを続けた。一方でそれが“心がない”と囁かれる事にも繋がったのだが。やがて記者が接触を諦める時間まで署に残るようになり、フロアから署員がいなくなると誰も残っていないと思わせる為に部屋の明かりを落とした。テーブルに付いた電気の灯りとパソコンのモニターの光の中、目元を覆うようにして深く溜め息を吐いて。 )








 

  • No.4091 by ベル・ミラー  2024-02-17 20:19:01 





( 相手が記者に心無い事を言われ、新しい記事が出た日から更に数日後。険しい表情の警視正から呼ばれ何事かと思えばまさかこのタイミングでの出張の指示。「待って下さい!指示に背く訳じゃありませんが、今は…っ、せめて12年目を迎える日は此処に居させて下さい!」この署に警察官は己1人しか居ない訳では無い、何故今なのだと到底理解出来ないとばかりに拒否の姿勢を見せるのだが、今回の出張の適任者である事を告げられ、説得されれば拒否など出来る筈が無いではないか。最後まで渋るが決定は覆る事無くあからさまに不満だと言わんばかりの表情で警視正の部屋を出て、向かうは相手が仕事をしている専用部屋。「__エバンズさん、」と、呼び掛け相手の顔を見る。明らかに眠れていない事がわかる濃い隈と、何処か暗い瞳。胸が締め付けられる痛みに思わず下がった眉のまま、一歩、歩み距離を詰め。「…あれは違う、全部全部作り話、」気休めの言葉にしかならなくとも記事を信じていない人がちゃんと居る事を今一度伝えたかった。こんな状況で何が出張だと警視正に吐き捨てたかったのに出来ない、相手を1人置いて行ける筈が無いと出張の事を口に出せずただ静かに視線を下げて )




  • No.4092 by アルバート・エバンズ  2024-02-17 21:03:05 

 






( 扉をノックする音に思わず身構えてしまったのは此処暫くの心労によるものか。相手だと認識すると一瞬力の入った身体は直ぐに緩み「……お前か、」とひと言。週刊誌の記事を見て、周囲の反応を見る毎にまるで本当に自分が報じられた通りの言動をしたかの様な気分になるのは一種の洗脳にも近い状態なのだろう。「_____あの事件の起きた日が過ぎれば、騒ぎは収まるのか?…いつまで耐えれば良い、」紡いだ言葉はこの状況にかなり参っている事を示していて、同時に相手にだけは弱音とも取れる思いを吐露する事が出来た。自分はただ、あの事件の起きた日を静かに迎えて妹を、犠牲者を弔いたいだけなのに。一瞬吐き出す息が震えて、感情を昂らせるなと自分に言い聞かせるとゆっくりと息を吸い込む。「…何か用があったんだろう、」と自分自身を奮い立たせるようにして顔を上げると、用事があったから此処に来たのだろうと尋ねて。 )







 

  • No.4093 by ベル・ミラー  2024-02-17 22:06:40 





( “大丈夫”と普段の様に強がる嘘の言葉を吐く事も出来ない程に精神的にも肉体的にも相当なダメージがある事が見てとれる。何時まで、も、耐える、も相手の口からは聞きたくない言葉だからこそか鼻の奥がツンと痛む感覚に開き掛けた唇が一瞬震え。「何時までもこのままなんて事は絶対に無い。でも、もし__もし、この状況が長引くなら私が絶対何とかする。記者にも遺族にも会いに行って全部訂正してもらうし、署員や皆の誤解もなるべく多く解く。だから、」だから__の後には耐えてくれも、我慢してくれも、続けられる筈が無い。結果的に懸命に訴えるだけで言葉尻は萎み代わりに此処に来た理由を問う言葉に息を飲む。だって、こんな、弱音を口にした相手を1人置き去りにして出張なんて。「……」僅かに開いた唇は閉じられ、また開き、を数回繰り返した後漸く意を決するのだがその瞳は相手とはまた違う不安定さに揺れ。「…出張が、…今回は別の人にって頼んだんだけど、どうしてもそれは難しいって…。」普段よりも何倍も小さな声でまるで白状でもするかのように紡いだ用事に相手は果たしてどんな気持ちになるだろうか )




  • No.4094 by アルバート・エバンズ  2024-02-17 22:48:39 

 






( 相手が遺族や記者に訂正を乞うたり署員の誤解を解いたりする義務など一切ないのに、相手の言葉と其の真剣な表情は、何らかの形で自分を支えようとしてくれている事が伝わるものだった。しかし此処に来た理由を問うと不自然な間が空き、視線を持ち上げれば何かを言おうとしては躊躇する様子を見せる相手に静かに視線を向けて。---暫しの後に相手の口から出たのは“出張”という言葉。急な仕事が入る事などよくある、相手が自分に対して申し訳なさを感じる必要など全く無いというのに____それでも、今のこの状況で相手がレイクウッドを離れると言うのは絶望的な事のように感じてしまった。署内に味方が一人も居なくなってしまうような孤独感とでも言うべきか。瞳に浮かぶ暗い色が僅かばかり濃くなるも「……そうか、」と静かに返事をする。「お前を見込んでの仕事だ、行って来い。それに、今此処に居るよりずっと良い。」相手の背中を押す言葉を掛けつつ、記者たちに張り込まれ嫌でも不穏な空気の漂う場所に居るよりも気分が晴れるだろうと。_____其れはあくまで上司としての言葉だ。本当は不安で離れないでくれと子どものように相手に縋りたくて堪らない、光を見失った自分をいざという時に引き上げて欲しい。しかし其れを言葉にする事はなく「…仕事に戻れ、」とだけ告げて。 )








 

  • No.4095 by ベル・ミラー  2024-02-17 23:33:43 





( “出張”その言葉を聞いた途端に相手の瞳の暗さがより色濃くなった事が目に見えてわかるものだから、こうなるとわかって居たのに相手とはまた違う絶望に支配される。例え上司の命令無視で謹慎処分を受ける事になったって断固として行かないと言う姿勢を貫き、誰に何を言われても全ての言葉を無視して相手の一番近くで寄り添い続けるべきなのに。「ッ、」“行って来い”と、どんな気持ちでその言葉を絞り出した。どれだけの痛みと孤独に蓋をした。まるで死刑宣告をしてしまったかのような気がして、やっぱり、と薄く開いた唇の隙間から此処に残ると言い直そうとしたのだが。それよりも先に相手は仕事に戻る様にと告げたものだから言葉が止まる。行かない選択など出来ない事は最初からわかっているのだ。ならば、自分に出来る最優先事項は。「__1日でも早く事件を解決して此処に戻って来ます。毎日連絡するし、どの時間でも連絡がつく様に常に携帯も傍に置いておくから。苦しくなったり、辛くなったり、少しでも私に電話を掛けたいと思った時は、例え夜中だろうが早朝だろうが躊躇わないで…っ、」相手が決して仲間の1人も居ない孤独な訳ではないのだと、絶対に戻って来ると、今出来る懸命さで以て訴えて )




  • No.4096 by アルバート・エバンズ  2024-02-18 00:27:07 

 






( 相手の必死の訴えに、今回の件でかなり心配を掛けている事を改めて実感させられる。しかし部下が正当な理由で抜擢された仕事に行く事を自分が躊躇させるようではいけない。あの事件に関して冷ややかな目で見られるのも、子供たちを見捨てたと罵られるのも、ずっと一人で耐えて来た事だ。相手の言葉に小さく頷けば「_____分かってる、大丈夫だ。」と言葉を紡いで。---いつものようにフロアから大方人が居なくなった頃に部屋の電気を消し、ブラインドの隙間から外を見る。未だ数人の記者が残っていたがあと数時間もすれば居なくなるだろう。薄暗い部屋で報告書に目を通しながらも、何故こんな事になったのかとぼんやり考えて。子どもを失った遺族が身に覚えのない証言をしたのは何故か、何処かに責任を押し付けなければ自分が壊れてしまうと思ったのだろうか。相手の言うように自分を信じてくれる人が一体どれだけいるのだろうか。_____セシリアは、どう思うだろうか。ズキリと胸の奥が痛むような感覚と共に呼吸がしづらくなる感覚に眉を顰めて。 )







 

  • No.4097 by ベル・ミラー  2024-02-18 01:15:01 





( 相手は今度弱音を吐く事無く“大丈夫”と口にした。それは此方に少しでも心配を掛けない様に、仕事に集中出来る様に、まるで自分自身にも言い聞かせる様な嘘。それが嘘なのだと簡単にわかるのに、抱き締め一緒に眠る事の出来ない数日を迎える事が酷く恐ろしかった。__時間が進むに連れて1人、また1人、とやるべき仕事を終えてフロアを出て行くのだが、その多くは扉を開ける直前に相手の居る暗くなった部屋を控え目に見る。決して部屋に入ったり相手を呼ぶ事はせずに、それでも色々な理由で気にはなるのだろう。サラやアシュリー、スミスなんかは、只でさえフロアの空気は悪く戸惑う中、ミラーが出張に行けば更に困惑する状況になるのが目に見えてわかる為に今から頭を抱えたい気持ちだ。__今日の仕事を終え、出張は急だが明日そのまま現地へ行ってくれと言われた為に、準備をしなければいけないミラーは後ろ髪引かれる気持ちで昼過ぎに帰宅していた。やがてフロアに残る最後の1人が帰り、その数時間後に署の周りをウロウロとしていた記者も諦め、中も外と相手を残し静まり返った頃。カツ、カツ、と相手にとっては聞き覚えのある革靴の底を打ち鳴らす様な音が廊下に響き、フロアの扉が静かに開けられる。その音は次にフロア内に響き、相手の居る部屋の扉が開いた時、そこにはアーロン・クラークの姿があり )



  • No.4098 by アルバート・エバンズ  2024-02-18 02:13:49 

 






( ゆっくりと深く息を吸って、呼吸のペースが乱れないように意識する。此の状況でフラッシュバックを起こせばあっという間に現実との区別が付かなくなるほど深く引き摺り込まれてしまうのは目に見えていた。じっとりと背中に汗が滲むのを感じながらも呼吸の正常なペースを掴み始めた頃、聞き覚えのある足音に思わず身体が強張った。この時間ならば警備員が巡回していても可笑しくはないと思いながら、以前“彼”が此処に姿を現した時の事を思い出す。そのまま廊下を通り過ぎてくれと願ったその足音は、ゆったりと此方に近づいて来る。靴底を床に叩き付け、響かせるような其の足音は間違いなく彼のものだと理解するのと、扉が開くのは同時だった。警戒と竦然の入り混じった視線が相手と重なり、ギュッと心臓を掴まれるような感覚に直ぐに言葉を紡ぐ事は出来ずに。 )









 

  • No.4099 by ベル・ミラー  2024-02-18 09:55:01 





アーロン・クラーク



__なるほど、余り上手な“隠れんぼ”とは言えませんが、“これ”が限界ですね。
( 扉の先の部屋は薄暗く、デスクに備え付けられている電気の小さな明かりだけが相手の顔を照らしている。相手の気持ちとは裏腹に部屋に入り扉を閉め、そこに2人きりの空間を作り上げると、部屋の中をぐるりと見回し。この暗さとピッタリと閉じられているブラインドに直ぐ記者と接触したくないが為の抵抗なのだとわかれば、傷付きたくないと考えるその健気さにクツクツと喉を震わせ低い笑い声を溢して。『大丈夫ですよ、俺が来た時にはもう誰も居ませんでした。…それより警部補、随分と機嫌が悪かったんですね。ミラーと喧嘩でもしてたんですか?』相手が何も言わない──言えないのを良い事に勝手にソファへと腰を下ろせば、相変わらずの態とらしい声色で僅かもそんな筈が無いとわかっていながら、手にしていた週刊誌二冊を態々相手の発言のあったページを開き見せ付けるように突き出して )




  • No.4100 by アルバート・エバンズ  2024-02-18 11:27:11 

 






( さも当然かのように部屋に入って来てソファに腰を下ろす相手に「_____何をしに来た、」と問い掛ける。相手はいつも、一番悪いタイミングで自分の元にやって来るのだ。外に記者が居なかったと言うなら、この場所で相手と2人きりになるよりも署を出た方が現時点では得策だと思うのだが、続いた言葉と共に週刊誌のページを見せ付けられる。相手がこの手の情報を入手していない筈がないと分かってはいたのだが。「……その記事は誇張されているだけだ。記者に暴行なんて働いてない。」記事の内容を否定する言葉を返しつつ、直ぐに帰れるように荷物を纏め始めて。 )








 

  • No.4101 by ベル・ミラー  2024-02-18 11:46:06 





アーロン・クラーク



( “何をしに来た”との問には『特に何も。久々に顔を見たいなって思っただけですよ。』と、何て事のない口振りで答えるのだが態々週刊誌を用意して来た辺り“何も”では無い事は相手が一番良くわかるだろう。記者が居ないとわかるや否や、此処で2人きりで居るのは御免だとばかりに帰る支度を始めた相手の様子をソファの背凭れに体重を掛け、すっかり寛ぎモードで足を組み替えつつ見詰める。相手に見せ付けていた週刊誌を器用に反転させ内側のページに視線を落とし『…そうですか、』と、内容の否定に簡単に返事をしパタンと閉じては『暴行の件はまぁ、どうでもいいです。俺には関係無い。…じゃあ此方は?この遺族の証言も嘘だと、“俺に”言いますか?』もう一冊を軽く揺らし、暗に“遺族である”を含ませた言い方で緩く首を擡げて見せて )




  • No.4102 by アルバート・エバンズ  2024-02-18 12:30:36 

 






( わざわざ週刊誌を2冊も持参しておきながらどの口がと思いはするのだが、突っかかった所で何も変わらない。相手の返答を無視してパソコンを閉じようとしたものの、続いたのは初めに出た方の週刊誌の内容を追及する言葉。同じ立場の自分に、遺族の証言が嘘だと言えるのかとばかりに尋ねる相手に視線を向けると暫しの間相手を見据えた後に「______全くの事実無根な内容だ。俺はそんな風に遺族を冒涜したりしない。大切な人を失う痛みは分かっているし、警察に一切の責任がないとも思っていない。」と告げて。自分があの事件の遺族でもある事を知らないからこそ書ける記事だとずっと思っていた。勿論それを公表するつもりはないが、週刊誌に書かれたような事は決して言うはずがないと。 )







 

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