罰ゲーム 2018-06-14 00:25:53 |
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おお、いいじゃん!あ、でもあいつらこれで満足してくれるかな…。
(移動している間相手が何か言ったような気がしたが人混みのショッピングモールではハッキリと分からず、気のせいかと聞き流す。連れて来られた雑貨屋にあった2つのネックレスは先程のペアスウェットよりかは遥かに身につけやすいであろうもので感嘆の声を上げる。ひとつ心配なのはインパクトに欠ける、ということだ。奴らを納得させるにはかなりのインパクトが必要だと思うが一見このネックレスは何の変哲もないように見える。ふと心配の声を漏らしては相手とネックレスを交互に見て)
一見ただのシルバーだが…この2つを合わせると桔梗の花になる。花言葉は永遠の愛だ。……大切な人と一緒につけたかった
(2つのネックレスにつけられたシルバーはいびつな形をしていたが、2つは互いにぴったりとはまり桔梗の花が浮かび上がった。花言葉なんてくさいものだが、持っている当人同士でなければ意味は分からない。2つあわさったシルバーに目線を落としながら最後の言葉はぶっきらぼうに呟いて)
マジだ、花になってる…。つか、そんな大事なモンなら恋人ごっこしてる今じゃなくて、本当の彼女ができる時までとっとかなくていいのかよ?
(永遠の愛を意味するという桔梗の形にピタリとはまったネックレスを見て感心する。大切な人と一緒に、その彼の言葉がまるで自分に向いているかのように思えて一瞬ドキリとしてしまうが、まさかそんなことはと内心首を振る。おそらく律儀に恋人のふりをしているのだろう、全く彼のキャラではないが。いくら逃れられない罰ゲームでも本当に大切なものまで踏み入れてはいけない気がするし、提案した自分に責任を感じてそこまでする必要は無いのではないかと告げて)
…うるせーな、あのバカ共が納得してかつバカみてぇに目立たないものっつったらこれが一番だろうが。それに…これで良いんだよ
(ついついいつもの癖で悪態をつきつつうっとおしそうに2つのネックレスを引っ込める。もっともらしい言葉を並べて自分の気持ちが揺らぐ前にレジへと持っていこうとする。よく考えれば今こそ告白のチャンスだったのにとも思うが罰ゲーム初日で振られてしまってはあとの4日間を乗り越えられない。一応振り返り目線で『買うぞ』と念を送り相手の反応を待って)
謙弥がそれでいいなら俺はいいけど…。あとで後悔しても知らねぇからな!
(いまいちモヤっとはしているが相手がいいなら構わないのだろう。レジに持って行きこちらを確認する相手にこくり頷き返し、追いかけるように隣でレジに並ぶ。軽い悪ふざけで提案した罰ゲームにまさかこんなに悩まされるとは。こんな状況でも1日目の罰ゲームが終わりつつあることに安心感を覚えている自分もいるのが申し訳なく思えてくる。最後にもう一度念を押すようにぴし、と相手を指差して告げて)
はっ、するわけねぇだろ。……ん
(こちらを指差し警告のようなことを言う輝、どうしようもなく子供っぽいその仕草に気の抜けた笑みを浮かべそうになって、なんとか苦笑いで噛み殺した。大切な人のためにとっておいたネックレスを輝とつけて後悔などするわけない。鼻で笑って返事をするも、こんなことを言えばいい加減何が言いたいのか相手も分かるかもしれない。ただこいつは絶対に確信することはないという自信もどこかにあって、それ以上は深く突っ込まず、支払いを終えたネックレスの包装を断るとそのまま受け取りそのまま相手に差し出して)
さんきゅー。よし、あとは写真撮ったら1日目は終わりだな!
(ネックレスを受け取ると早速身につける。後悔するわけがないという強い自信はどこから来るのか、今の自分にはまるで分からないし腑に落ちないこともあるが、何はともあれこれで今日の目的は達成した。首元のネックレスを左手でチャラっと揺らせばスマートフォンを取り出してカメラを起動しようとする。あれだけ早く終わらせようとしていた罰ゲームでも、いざ終わってしまうと何だか物足りない気もするのが不思議だ)
だな……せっかくここまで来たんだしカフェでも行くか。ここの屋上にフルーツスムージー売ってるところがある。写真もそこで撮ればいいだろ
(購入したばかりのネックレスを身につけ自分と相手のを見比べると満足げに口角をあげるが、相手から初日終了宣言をされるともう終わりなのかと胸がしめつけられる思いになって、思わずムスリとした返事をしてしまった。まだもう少しだけでもいいからと悪あがきをするように屋上で売っているスムージーを持ち出す。自分のキャラではないことは分かっているが少しでも長く一緒にいるためには少しでも相手の気をひくものを提案しなければならなかった)
いいじゃん、行こうぜ!俺も今このまま帰るのは勿体無いなーって思ってたとこ!
(フルーツスムージーというなんとも美味しそうな単語にピクリ反応しぱあぁっと目を輝かせては提案に乗る。普段はカフェとは無縁そうな相手だからか、その提案のギャップに親近感すら覚えた。丁度自分もせっかくだから罰ゲーム関係なしに今日一日二人でウロウロするのも悪くないと思っていたところだし、なんだか相手と波長が合ったようで嬉しい。そうと決まれば早速屋上へ向かうべく足を進めて)
そうか…それなら良かった。そんなにテンション上げるなよ、子供か
(自分の提案に顔をみるみる明るくさせる相手を見ると呆れたような、しかし嬉しさも混じった笑みがこぼれる。しかも輝はまだ自分といる時間を望んでくれているらしい。どうしようもなか幸福だ。それをはぐらかすように相手を子供扱いしながらあとに続くようにして屋上に移動し)
子供じゃねぇわ!俺ここの屋上来るの初めてだし、そりゃテンションも上がるって
(口では否定しつつもヘラリと笑うその表情はさながら子供のようである。ショッピングセンターには何度か来ているが、屋上があるのは知らなかったから今日知れて良かった、教えてくれた相手に感謝しなければ。どんな場所でも屋上というのは学生の憧れの場であり未知の場であるものだ。屋上へ着くと一気に視界が開けた気がして落ち着き無くキョロキョロと辺りを見渡し)
高いとこきて喜んでるんならやっぱ子供じゃねぇか。ここがスムージーの店、何にする?
(やはり無邪気に笑うその姿は子供にしかみえなくてからかいながらも楽しそうにそう返す。屋上には小さなゲームコーナーの他にいくつか飲食店が並んでおりそのなかのひとつの店の前にくると看板を指差す。バナナやリンゴ、イチゴにメロンと様々な種類のスムージーが並んでおりどれも彩りあふれていて)
うお、美味そう!俺こういうの悩んじゃうんだよなー。謙弥は?
(色とりどりの美味しそうなメニューが並ぶ看板を食いつくようにじっと見れば首をひねり悩む。種類が多ければ多いほどどれも飲みたくなってしまい一つに絞れない優柔不断さは自覚しているが、こればかりは直せないしどうしても決めあぐねてしまう。相手はもう何を飲むのか決めているのだろうか、看板とにらめっこしていた目を相手に向ければ首を傾げて)
俺はそうだな、ブルーベリーカシスにするか。…輝、お前そのペースだとトッピングまで選んでたら日がくれるぞ
(相手が喜んでくれることはある程度想定ないだったがこんな風に目を輝かせているのをみると余計に嬉しい気持ちになる。そこから輝がどれにするか迷いに迷うのも想定内ではあり、腕を組むと相手を急かすようなことを言う。しかし、悩めば悩むほど一緒にいる時間は増えるわけで、いつも仲間うちでせっかちなわりにはあまりイラつかずに輝の様子を見守っていて)
謙弥決めるのはえーな!んー……じゃあ俺これ、ミックスのやつ!
(これだけ沢山ある種類の中からスパッと決められるのは優柔不断な自分からすれば尊敬にあたる。感嘆の声をあげればもう一度メニューと向き合い悩む。たしかにこのペースだと相手の言うとおり日が暮れてしまいそうだ。定番メニューもいいし変わり種も捨てがたいが、迷ったときは豪華そうなものを選べばだいたいハズレは無いだろう。何種かのフルーツがミックスされたスムージーを指差し)
こういうのは直感で決めるんだよ…っ、くくっ…とりあえずたくさん入っときゃいいだろってやつか。ほんと、アホだな
(何よりも待つことが嫌いなためか決断も早いのが自分の長所でもある。散々悩んだ結果相手が選んだのは一番果物の種類が多く入ったフルーツミックスで、決められないのなら全部、というその発想に耐えきれなくなり思わず吹き出してしまった。クツクツと笑いながら店員に注文をつげ相手を見ればまだバカにしたように笑っていて)
あ、こら、何笑ってんだよ!アホじゃねぇし、ミックスだとお得感あっていいだろ!
(自分の選択は大真面目に悩んだ結果であり、普段はぶっきらぼうな相手が思わず吹き出してしまうほど変なことを言った自覚は無いが笑われたポイントはなんとなく分かる。こうも笑われると流石に安直すぎたかと少しは恥ずかしくなるもので、半分やけになりつつまくしたてるように理由をつけて)
その発想がアホだっての。ほら、お待ちかねのミックスフルーツだぞ?
(ムキになって反論しようとする姿にまだ笑いは収まらずクツクツと笑い声を漏らす。店員からスムージーを2つ受けとるとフルーツミックスを差し出しながらまた意地の悪い笑顔を浮かべつつ煽るようなことを言う。その後に屋上柵側に設けられたテーブルで飲もうと目で合図を送り)
いつまで笑ってんだよ!くそー…こいつがどうなってもいいのか?!
(収まる様子のない笑いになんとか反論してやろうと思考を巡らすも返す言葉が思い浮かばない。ただ悔しそうに唇を噛みつつ差し出されたフルーツミックスを受け取る。それと同時に何を思ったのか相手のブルーベリーカシスも半ば強引に奪い取り、相手が指示したテーブルへと足早に向かえばニタリと口角を上げ脅しをかける悪役のような台詞をはいて。どうやら相手の分も飲んでしまおうという思惑らしい。)
あ、おい!くっそ、待てっての
(さすがに相手の行動は予想できず自分のスムージーを取られてとっさに取り替えそうとするがその手は空をきってしまう。若干の悔しさが胸をよぎるが、こうやって翻弄されるのも嫌だと思わない。とっと奪い返そうと近づくが、ふとあることに気がつく。もし輝がブルーベリースムージーを飲めば必然的に間接キスをすることになる。それは悪くないがそのためには自分のスムージーを全て飲ませてはいけない。束の間考え事をしたあと、輝のいるテーブルにつけばスムージーに手を伸ばした。自分の分ではなくフルーツミックスの方に、だ。輝がもったままのスムージーのストローを口にくわえて中身を少し飲んだあと、ニヤリとまた意地悪な笑みを浮かべ)
フルーツミックスでも物足りなくて俺のも取ったのか?欲張りだな。ほら、一口飲んで早く返せよ
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