Destiny ─ 始まりの冒険の書 ─ / 非募

( ヴァンと貴方とのやり取りを見れば目を細め微笑み、問われると自身も記憶を巡らせ思い出し )──･･･確かに此処へ来る途中にありました！私は大丈夫です、遠くても安全な場所があれば歩きますし。朝食とかは買って行きますか？あっ、少しお腹が空いたので夜食も買っていいですか？( 夜になり魔物も多くなると言うのに何故か不安などなくヴァンを撫でながら寧ろ生き生きとした表情で訊ねて )

おいおい、俺の話聞いてたか？夜は魔物が増えて危険なんだぜ？(　外の状況を理解しているのかいないのか、まるでピクニックにでも行くかのように生き生きと楽しそうに話す彼女。いきなりどうした、と目を丸くするも、彼女に元気が戻ったのは嬉しく、可笑しそうに笑ってしまい　)　…まあいいや、せっかくだし何か買っていくか。こんな時間に食べて太っても知らないぜ。(　そんな冗談でからかいながら馬小屋からヴァンを出すと、店の方に向かおうとして　)

聞いてましたよ。でも、今の私は前より違うんです･･･不安が無いと言いますか、きっとカミュさんのおかげです。それに目的も明確になりましたし──･･･って今、笑いましたね？( 勿論と言った表情で頷けば晴れやかな顔で理由を述べると可笑しそうに笑う貴方に釣られて笑ってしまい。次いで聞こえてた"太る"と言う言葉に反応し立ち止まれば自身のお腹に掌を置き、先程と変わって神妙な面持ちで )カミュさんは･･･太っている女性は嫌ですか？

ん？(　不意に彼女の足が止まれば振り返り。からかいのつもりが真に受けてしまったらしい彼女と目が合えば、思わずふっと笑みが溢れ　)　痩せていようが太っていようがマユはマユだろ。…それに、食ってる時のお前の幸せそうな顔、オレは好きだぜ。(　この世界の食べ物を美味しそうに頬張る彼女の素直な表情を思い出せば、温かくなる気持ちについ本音を零して微笑み　)　ほら、行くぞ。何食うんだ？スイーツか？それとも肉か？(　まだ少しからかいモードで笑いながら彼女が歩き出すのを待って　)

私は私…。ありがとうございます。す、好きだなんて…たーくさん食べて帰る頃には別人になっていたりして…なんて。カミュさん、私にお肉って言わせようとしてません？…でも、お肉がたべたいです。（　　"好き"と言う言葉に過剰に反応しスタスタと隣に並び悟られないように冗談の一つを言っては、また揶揄われていると思いつつも食べたい方を言って　　）

まぁどれだけ食っても、旅をしてりゃ相当体力使うから嫌でも痩せるだろうけどな。──お、いい匂いだな。ほらマユ、こんなのどうだ？うまそうだぜ。(　冗談を交わし合いながら歩いていると、食べ物の良い香りがして来て。そこには焼き立てのフランクフルトや串焼きなど様々なものが並んでおり、比較的食べやすいのではないかと首を傾げ　)

そうですね、元の世界にいた頃より体力がついた気がします。──良い匂いします！どれも美味しそうですね。私は串焼きにしようと思いますがカミュさんはどれにしますか？（　香りがすれば直ぐに近寄り食べ物を見ては瞳を輝かせ、悩んだ末に肉厚な食べ物を選び貴方に問い掛けて　）

串焼き美味そうだよな、肉厚だし野菜も一緒に食えるしさ。──じゃあ、串焼きふたつと、このフランクひとつ。(　肉と野菜が交互にさされた串焼きを見て美味そうだと頷くと、早速注文しそれらを受け取って　)　冷めないうちに食おうぜ。そこのベンチに座るか。(　店から少し離れたベンチに誘導すると、隣に座る相手に串焼きをひとつ渡し　)　ほら、マユ。

ふふ、美味しそうです。──買って頂いてありがとうございます。はい、カミュさんと一緒に食べたら美味しさも倍増しそうです。（　注文してくれた食べ物を見つめ笑顔で応えては後をついて行き。ベンチに座れば串焼きを貰い、一口食べると美味しさのあまり目を見開き　）んん！美味しいです！カミュさんも早く食べて下さい！

ははっ、マジで美味そうだな。マユ、こっちも食ってみろよ。(　相手の素直な反応を見て思わず笑顔が零れ。一つ買っておいたフランクフルトを相手の口の前に差し出して　)

肉厚でジューシーで本当に美味しいですよ！（　美味しさを熱弁すれば目の前にフランクフルトを差し出され驚き、良い匂いがするも食い意地を張っていると思われたくなく首を振り　）それはカミュさんの物なので食べれません…！私は串焼きだけで大丈夫ですから。

いいから先に味見してみろよ。…あー、そっか。わ、悪い。…ほら。(　どれにしようか悩んでいた彼女にこっちも食べてみてほしいとばかりに促すも、彼女の様子にはっとして。口元に差し出したのがまずかったか、と解釈し、少し照れたように視線を逸らすと、今度は彼女の手に持たせようとして　)

カミュさんも食べないとお腹空きますよって意味で言いました…ありがとうございます、私は串焼きがあるので食べて下さい。──はい、どうぞ…。（　再び首を振れば、思い付きでフランクフルトの棒を持つと貴方の口元へ持っていき微笑んで　）

そ…そっか。サンキュ、(　一緒に食べたいと思っていたが思うようにいかず、気恥ずかしくなってしまい頭を掻いて。気を取り直せばフランクフルトを持つ彼女の手に己の手を添え、差し出されたそれにかぶり付き　)　…──ン、美味い。やっぱり熱いうちが一番だよな。(　美味しさに顔を綻ばせ満足そうに頷いて　)

（　自身から差し出した事なのに手を添えられると心臓がドキドキしてしまい美味しそうに食べている顔を見れば頬を紅く染め。至近距離に緊張してしまい、ぐいっと押しては　）は、早く食べないと冷めちゃいますよ…！

ン、……本当はさ、お前と一緒に食べたかったんだ。(　押された事は深く考えずそのまま食べ進め。やがて本音をぽつりと零すも、ハッとして顔を赤らめながら慌てた様子で弁解し　)　あっ…いや、別にその…恋人同士みたいな事をしたいとか、そういうんじゃないぜ？お前、どれにしようか迷ってたからさ！お前が幸せそうに食ってる顔…嫌いじゃないんだ。見ててこっちまで嬉しくなるっつーか……って、なに言ってんだろうな。(　必死に弁解しているうちに照れくさくなりそっぽを向くも、顔の赤みは中々引かず。誤魔化すようにあとひとつの串焼きにかぶりついて　)

あっ、いえ…そうだったんですね…カミュさんはいつも私の事を思って考えてくれてますよね。（　弁解する貴方を見ては自身も慌てて身振り手振りをし。視線を顔へと向ければ珍しく赤らめている貴方に釘付けになりお互いの座っている間の隙間を埋めるようにくっつき至近距離で見つめれば上を向き　）空…星が綺麗ですね。恋人じゃなくても、こうしてカミュさんと一緒にいられて私は幸せですよ？何をしても嬉しいんです。あっ…でも今のはそれっぽい台詞ですかね。

…っ(　縮まる距離や柔らかな声色で告げられた言葉にドキリとし彼女の横顔を見つめるものの、同じように空を見上げ　)　…ああ、この世界は星がいつもこんな風に綺麗に見えるんだ。この空はマユの世界と繋がってたりするのかな。(　ぽつりと呟くと、彼女の言葉の意味を考え。彼女との関係性が何なのか意識したことはなかったが、ただ確実に言える事だけ伝えて　)　…オレもマユと同じ気持ちだよ。お前と居ると毎日楽しくて…幸せってこういう事なのか、って思うんだ。

カミュさんってロマンチストですね。この世界の空と私の世界の空は似てます、本当に繋がってるかもしれませんね…。（　輝く星を見つめながら想像すると複雑な感情が生まれるも寂しさに近い微笑みをし　）良かったです、同じ気持ちで。あの…カミュさん！──やっぱり何でもありません。そろそろ行かないとですね。（　気持ちが一緒と思った途端に何か言い掛けるも再び串焼きを頬張り　）

──そうだな、夜遅くに町の外をうろうろするのは危険だし、さっさと女神像まで行くか。（　穏やかなのに何処か切ないような雰囲気の中、彼女の言葉の続きが気になり。しかし今はのんびりしてはいられないと、自分も平らげて立ち上がり　）食った直後に戦闘になるのは流石に避けたいな。（　冗談交じりに言葉を交わしながら、ヴァンを連れ町の外へと向かって　）