主 2017-10-17 12:39:34 |
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>涼
まるで謎かけみたいですねぇ。……貴方なら、欲しいと思ったものは何だって手に入れてしまいそうなのに。珍しいこともあるものです。
(近くにあるのに手に入らず、お金では買えない、かの貴人のような何か。思い当るようなものもなく降参を示すように微苦笑を浮かべつつ首を横に振れば、唯我独尊の相手が難儀している現状にもの珍しさを覚えてぽつりと呟き。嘆くよりも先に軽率な発言を反省してもらいたいところだが、あまりしつこく言うのも不自然かと思えば意識を切り替え「別に、恋人なんて作らなくたって良いじゃないですか。結婚なんてしようものなら、貴方の借金の被害者が増えるだけですよ」ともっともらしい事を述べるが本心はただ単に相手に彼女ができてしまう事が嫌なだけで。しかし他人が口出しできる事でもないと思えば、いつか友人として結婚式に呼ばれてしまうような日が来るのかもしれないと嫌な想像をしてしまって小さく溜息を吐き。やたらと良い発音で述べられた言葉にくすりと微笑めば「One who is not willing to learn is not worth teaching……確かに、仰る通りですね。まぁ、いざやるとなったら生兵法なんかでは済ませませんけれど」完全にやる気を失っている様子に、進んで学ぶ気のない者には教える甲斐がないと英語で返答すれば肩を竦め、しかし実際に自分が教えるのならば付け焼刃など許さないと言わんばかりににこりと微笑み。相手の手が肩に乗せられ、何か言いたげな口元の様子に首を傾げていると着々と周囲に集まって来る陰魂たち。流石に意識をそちらに向けない訳にもいかず、視線を相手から少女へと移せば同時に繋いでいた手も離れてしまい。しかし予想はしていたものの何となく寂しくなって軽く拳を握ったところでまた手が取られ、指を絡めるように繋がれれば驚いたように隣の相手を振り仰いで「ちょっと、涼…あの……」とやや頬を赤くして狼狽えた様子で意味も無く名前を呼び。そのまま言葉に窮して黙り込んで俯いてしまえば、数秒後にキリッと顔を上げて若干自棄になりながらも「――琥珀!」と使い魔の名を呼び。直後、長く伸びた影からその名の通り透明感のある焦茶をした全長2メートルほどの蜘蛛が姿を現し)
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