SS専用

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Sek_Seed  2013-03-14 18:22:22 
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SS専用部屋です。

感想がある人は、どうぞ。

ネタを書いてたりすることもある・・・かも?

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  • No.1 by Sek_Seed  2013-03-14 20:04:21 

【竜の遺伝子】(あれ?合ってたっけ?)
【第7話ぐらい】
 人、其々の思い

 刹那、赤色の球体がレウスの目の前に飛んできた。
「ッ!!」
咄嗟に刀を固く握りしめ、比較的広い右側に身体を放り投げる。
 赤い甲殻で身を固め、まるで、アルマジロを思わせるかのように身を丸め転がるモンスター。
 牙獣種ラングロトラである。
 レウスは素早く立ち上がると、再度、刀に力を籠めた。目の前の敵は、ゆっくりと立ち上がる。そして、前足の役割を果たしている部位を地に着けると、顔を軽く持ち上げた。
「レウス君、下がって!」
左後方からその声が聞こえたのと同時、目の前から薄い桃色の何かが襲ってきた。
 今、レウスとラングロトラとの距離はやく7メートル。その距離を瞬時に突き抜け攻撃する方法をレウスは、先刻までの戦いで一度目にしていた。分かってはいた。どう対処すればいいかは。普通であれば、左右どちらかに前転回避を行えばいいだけだからだ。しかし、今はそんな悠長なことはしてるヒマがなっかた。なぜなら、今回依頼には、一人のあらたな仲間がいる。名は仁。まだハンターになったばかりということで、レウス達が面倒を見ることになったハンターだった。ここで回避をして、立ち上がるまでの間に仮に身を丸め仁の方に転がって行ったら。嫌な考えばかりが頭を過る。もし、自分が仁を守れなかったら・・・・
「レウスさん!危ない!!」
いや、それは違う、俺が守ってやるんだ!!
「うおおぉぉ!」
いつの間にか目の前まで来ていた桃色の舌は見事にレウスの頭を狙ってきたものだった。しかしレウスはそれを回転行動で躱そうとしなかった。代わりにレウスは、膝を曲げ倒れるように前傾姿勢を取った。
 この後に起きた、僅か5秒足らずに起こった幾つか出来事をレウスのもう一人の仲間、紅は加速されていく知能の中、鮮明に覚えていた。
 レウスの躱した舌と、レウスが頭に装備している防具が擦れ防具を若干焦がし黒い煙が立ち上る。
 羽が目一杯広げられている姿を
 いつしかラングロトラの前に立ち、日の光を浴びて煌めいてる飛竜刀を翳しているレウスの姿。
 比較的小さな目から、血がほとばしっていたことを。
 目を疑うような光景を理解するのに、紅は数秒要した。
 貫いていたのだ。
 レウスに向かって襲いかかってきた舌を屈んだだけで躱したレウスは、羽を極限まで開き瞬時に零距離まで持ち込みモンスターの中で、最もやわらかいと思われる目に致死量ギリギリの斬撃を浴びせていた。
「こ・・・・これが・・・・・・レウスさんの・・・・・・力・・・・・?」

 澄み渡る空と眩しくも温かな太陽の光が目に写り、レウスは目を瞑った。
「いや~、それにしても、いい天気だな~」
呑気にもう一度空を見上げながらレウスはつぶやいた。
「そうですか?ただ熱いだけだと、感じますが・・・・・」
申し訳なさそうに仁が喋ってくる。
「そうか?俺は、こうして寝ていられるだけで十分幸せなんだよな」
「幸せなんですか?まだ、狩場の中だというのに・・・・」
「とはいっても、此処はベースキャンプだから、モンスターが来るはずはないからな・・・・・」
「そうとは限らないんじゃない?」
ポツリと呟いた言葉に対しさっきまで居なかったハズの紅が否定してきた。
「ありえないだろ、俺達の匂いもあることだし」
「に、匂い、ですか?」
レウスと紅が、モンスターの遺伝子により生きている事を知らない仁が呟いてきた
「え?そ、それはだな・・・・」
「私たちが強いっていう気配のことよ」
俺が困っている姿を見かねたのか、紅が俺の代わりに説明してくれた。
「そういうもんなんですか?」
「あ、ああ。そういうこと」
作り笑顔で何とか誤魔化すと、レウスは立ち上がり、
「っしゃ、そろそろ帰るすっか」


 山の連なりが紅く染まり始めた景色を目に、3人はアルンに戻ってきたことを感じ、レウスの家に歩みを進めた。
「やっぱり、此処ってきれいな場所ですよね。空気を美味しいし」
「だろ?ここに引っ越してきた俺はてんs・・・・・」
「あはは~、レウス君が天才なわけないよね~、だって昨日の昨夜なんか、あんなことしちゃってたし」
天才と、あと少しのところで言いかけたところで、思い出したくもないことを紅は思い出せた。
「え?どんなことしあTんですか?」
「ふふ、それはね?昨日私が寝ていたら、レウス君ったら、寝ぼけて間違って――――――」
「そ、その先は言っちゃダメだって!」
「あれ?そんなに恥ずかしい?)
笑いそうになるのをこらえながら紅は尋ねてきた。
「そ、そんなわけないよ?」
「じゃあ、言ってもいいよね?」
「駄目です」
即答だった。自分でも驚くほどの早さで断わっていたレウスは、ふと、後ろから聞こえた話し声に耳を疑った。

『知ってます?――――――が明日辺りにも来るって・・・・・』
『もちろん、私も聞きましたよ・・・・・まさか、あのモンスターが来るなんて・・・・・』
『討伐はともかく、4年前は、撃退でやっとだったらしいですから・・・・・・』

「・・・・君、レウス君ったら」
「え?あ、ゴメンゴメン、で?なに?」
「何じゃないわよ、あれ見て」
指さされた方には、一つの古ぼけた紙が貼られていた。
「なんですか?このモンスター・・・・・」
「ま、まさか、明日来んのかよ!?」

『・・・・・・・・・・・・・フッ・・・・・・・・・・アイツが、俺の・・・・・・・・・・・・・・・・・』

  • No.2 by Sek_Seed  2013-03-14 20:04:39 

【竜の遺伝子】
【第8話】(らしいです・・・・
 
  ①

 空、ただ青く、どこまで広がっているだけの物。
 だが、今日の空は違う。黒くどんよりとした雲が空を覆っている星の一つも見えない。。空も感づいているのだろうか?これから始まろうとしている狩りが、どれだけつらく厳しいものになるかを。
 
――――――午前2時――――――
 この時間帯は、いつも人が少なくどこの席も空いている。狩りを終えたハンターが1組いるかどうかだった。しか、今日は、そんな時間帯ということにもかかわらず、50人近くのハンターがここ、大集会食堂に集まっていた。
「えーっと、それじゃあこの中から、8チームだけを選出したいと思う」
 この声の主は、トップチーム、リーダー兼四天王の一人である者の声だった。名前は、キング。チーム建設のためにつけた名前らしいが、今ではその名前が全ハンターの中でも王たる―――キングと呼ぶに相応しい――――存在になっていた。
 しかし、この一言で、大分周りが煩くなり始めた
「あれが・・・・『キング』・・・・・か・・・・・」
「え?レウスさんは出会ったこととか、無いんですか?」
 その声は、金と碧色の装備を纏っているハンター、仁からだった。
「え?…まあな、俺とて、アイツに簡単に近づけれるような存在じゃないからな・・・・・」
 とは言ったものの、実のところレウスは一度、キングと共に狩りに出たことがあった。しかし、思い出しただけでも、嫌になってくるので、思い出の中に納めなおした。
「レウスさんなら、それぐらいできそうですけど・・・・・・」
「ま、いろいろあんだよ・・・・これが」
 そんな、話をしていると、いつしか周りも静まり返っていた。
 そう思えた刹那。キングが、超ド直球の爆弾を投下した。
「まず、4人じゃないパーティは、下がってくれ。さっき、ギルドと話を付けて、合計32人で挑むつもりだ」
 その言葉の威力は半端ではなく、レウスは歯を食いしばることしかできなかった。
 それもその筈だった。レウスは、仁ともう一人、ナルガクルガの遺伝子が受け継がれている女性ハンター、紅。この三人パーティだからだった。
「れ、レウスさん、そうするんですか!?」
 仁が慌てはじめる。それもその筈だ。この日のためにさまざまな用意をしてきたのだから。そればかりは周りも同じだったようだ。一気に20人近くが後ろに下がり始める。
「しょうがない、此処はいったん下がるぞ・・・・・」
 歯を食いしばったまま、小さくそう言った。仁は抵抗することなく、渋々後ろに下がり始めた。
 前には、運よく4人パーティだった7チームが有った。中には、見覚えのあるハンターも少なからずいた。
「・・・・・7チームか・・・・しょうがない・・・・・・――――――」
キングが小さな声でつぶやいていた。何を言っているのか聞き取ろうと、必死に耳を傾けていた。後ろにとある人物がいるということに気付かすに――――――
「おい、お前がレウスか?」
 その言葉が発せられるのと同時、レウスは後ろを振り返る。そこには、蒼を基調とした、いかにも武士のようなハンターがいた。
「あんた・・・・・・誰だ?」
呟くように聞き返す。謎の人物は、先程よりも低い声で名乗り始めた。
「俺は、エース。―――――もと、キングとパーティを組んでいた者だ」
「!?」
この者の名前自体に聞き覚えはないが、もう一つの言葉に驚きを隠せなかった。
「お前、今なんて・・・・・」
「キングの元パーティだった、と、言ったが?」
やはり、聞き間違いではなかったようだ。その言葉の真意を確かめるために、レウスは一つの疑問をぶつけた。
「お前が、俺達に何の用だ?それに、元とは、どういうことだ?」
 その言葉に対し、エースと名乗る者は、ゆっくりと答え始めた。
「まず、なぜ『元』なのかの、理由を教えよう・・・・・と言ったって、ただ、怪我をしてやめただけなんだがな・・・・。もう一つ、なぜ、声をかけたか?それについてはな・・・・」
ゆっくりと話を続ける。さっさと言えよ。心の中でそういっても届くはずがない。
「・・・・ただ、お前のことについて、調べたいからなんだがな」
「調べる?何をだ」
 エースは、ゆっくりと近づくと耳元で俺にしか聞こえないように呟いた。
「お前が、あのころからどれだけ成長したか、知りたいからさ・・・・・・」
「お前!いったい何者だ!」
「俺か?俺はただ、お前らとパーティを組もうとしているだけさ・・・・・」
 その時だった、仁が、初めてあんなに声を出したのは。
「ほ、本当ですか!?こ、これで、狩りに参加できる・・・・・レウスさん、さ行きましょう?」
「そいつの言うとおりだ、まずは、前に出よう」
 その言葉に、渋々従うしかなかった。

  • No.3 by Sek_Seed  2013-03-14 20:05:09 

竜の遺伝子
第9話

  32人

 見知らぬ者、一度ならず、何度もあったことの有る者。中には、共に狩りをした者もいる。
 ここにいる、俺を含めた32人。全員がひとつの目的に向けて、歩幅をそろえ歩みだすところだった。
 今回、戦うことになったのは『ラオシャンロン』。別名を老山竜と呼ばれているモンスター。この中にも、少なからず戦ったことがある者がいるため、少しばかり心が落ち着いたのは、気のせいではなかろう。
「よし、それでは、前半隊と後半隊に分ける」
 トップチームのリーダーをやっているハンター、キングはそういった。しかし、なぜ前半後半に分けるか、それを疑問に思い、ちょっと、と射落とした時だった。
「なぜ、前半と後半に分ける?」
 それを言ったのは、さっき入ったばかりのエースと呼ばれる人物だった。慌てて口を押せると、キングは落ち着いた様子でその質問に答えた。
「・・・・それは、ただ全員が同時に斬り込んでも無駄だ。大体にして、ハンター同士が邪魔になる可能性がある。それを考えての判断だ」
「そうか・・・・なら、後半隊に指定された奴らは出番まで、ずっと待ってるのか?」
「いや、それはない。前半隊が戦っている間は、バリスタを使用して戦ってもらう。・・・逆を言えば、後半隊が戦っている間はバリスタをを撃ってもらうがな」
「そうか・・・・なら、いい」
そういうと、エースはこちらの顔を見て、
「だとよ・・・・、このままいけば俺達は前半だろうな・・・・」
静かに、エースはそう告げた。その言葉は、先程言われた『4人パーティ』という言葉並みの、破壊力を兼ね備えていた。
「な、何で、俺達が!?」
「しょうがないだろ・・・・・だって、ほら。あれを見てみろ・・・・・・」
あれ、と言いながらエースは一組のチームを指差す。反射的に指がどこを刺しているのかを察した。
「あ・・・・・あのチームって・・・・まさか・・・・・」
「ああ、そのまさかだ。・・・・・『D・L』・・・・・デスティニー・ライフだろうな・・・・・」
デスティニー・ライフ。このチームのは、広く知れ渡っていた。なぜかというと(以下略
「あいつらは、確実に後半組だろうな・・・・他にも、K.TSとS・エンペラーズも後半だろうな」
「だったら、SRや無双。クリムゾン、俺達は前半になっちゃうのか・・・・・」

  • No.4 by Sek_Seed  2013-03-14 20:05:59 

竜の遺伝子
第10話

       四天王

 四天王、それは仏教において4人の守護神のこと。いま、その4人はここにいる。さらにもう一人
『全テヲ壊シ者』と呼ばれる、四天王のさらに上を行くものもいると思われる。
 しかし、それが誰なのかはわからないため、レウスは顔を歪ませていた。
「誰なんだ・・・・・」
「誰・・・・って、だれです?」
「いや、それが分からないんだ・・・・」
 うっかり呟いてしまったことを、反省しながらも、こんなこと言ったって、分からないだろうな。そう思いながらも仁を無理やりにでもなっとくさせる。そして、レウスは再び頭を回転させ始めた。
 まず、四天王と呼ばれる人物は『キング』をはじめとした4人。四天王の中でも最も優れている
キングを抜ける奴なんて・・・・・
「居るはずないよな・・・・・」
「・・・・レウスさん?」
 ・・・・・?
 一瞬、自分の思考回路が完全に停止した。いや、5秒ぐらい止まってたんじゃないか?
「な、なんだ?仁」
 ぎこちなく笑顔を浮かべると、仁はゆっくりと呟く。
「さっきから、レウスさん。・・・・おかしいですよ?」
「・・・・・そ、そういやさ、紅はどこ行った?」
「私なら、此処にいるよ?」
 声の発生源と思しき所に咄嗟に向く。するとそこには、一人の女性ハンターが立っていた。
「こ、紅、何時からいたの!?」
「さっきからいたけど?」
 先程までの会話のことなどすっかり忘れ、レウスは紅の方へと思考を切り替えた。
「だったら、声ぐらいかけてよ・・・・」
「それでも良かったんだけど、実は、ある人と話しててね・・・・・」
「ある人・・・・・誰?」
 首をかしげつつ疑問をぶつける。以外にもその答えの人物はよく知っているヤツだった。
「えーっと、キング、って言ったかな?」

  • No.5 by Sek_Seed  2013-03-14 20:06:33 

竜の遺伝子
第11話(?)

    50分

「キング・・・・・な、なんでだよ?」
 理由が分からない。なぜ、紅がアイツと話すのか。話す内容なんて尚更わからない。そんなことを考えてると、紅は一言だけ口にした。
「えーっとね?お願いしてきたよ」
やはり、意味が分からなかった。主語がない。まぁ、樹海育ちだったからしょうがないっちゃ、しょうがない気もするが、とりあえず聞き返す。
「お願いって・・・・なんの?」
「何って・・・・・・割り当てのこと以外、何かある?」
 軽く首を傾げて聞いてくる。まぁ、この状況で、それ以外考えられないんだけどね。
「それもそうだよな。・・・・・・・・・・・んで?」
「で・・・って、どゆこと?」
再び首を傾げて聞いてくる。
「ん?ああ、変わってくれるって?」
「うん、言ってたよ?」
意外な答えに、俺の意識と体は完全に切り離されていた。だって、アイツのことだから、自分だけ格好いいとこ見せようとか、俺達は無様に散れとかいいそうだし・・・・・まぁ、ひょっとしたら、紅が言ったから、許してくれたのかもなぁ。・・・・・変態か?アイツは。
「そっか・・・・じゃあ、俺達も最終決戦に混ざれるんだな・・・・・」
「そうみたいだね・・・・・・」
「あ、あのぅ・・・・・・」
二人で、決戦の事を考えてると、何処かへ行っていた仁が帰ってきたようで、話しかけてきた。
「ん?どうした、仁」
「そ、それがですね。ラオシャンロンがもうそろそろ来るそうなんです」
 俺と紅は二人同時に顔を見合わせた。お互いの顔に、冷や汗が垂れる。
 それもそのはずだ、予定では、あと1,2時間は来ないはずだったからだ。それが、今今来るとなると、この場の空気が重くなっていたのも頷ける。
「そ、それともう一つ問題がありまして・・・・・」
ただでさえ暗かった仁の顔がさらに暗くなる。
「も、問題?何があったんだ?」
「そ、それが・・・・・」
そのとき、ふいに後ろの方からアイツの声が聞こえた気がした。実際、気のせいではなかったのだが。
「みんな、よく聞いてくれ。予定ではあと、1,2時間後に来るはずだったラオシャンロンが今来る。ということは、知ってると思う。だが、問題はここからだ。何かが起きてない限りは、バリスタ弾の到着は早くともあと40分はあるんだ」
その言葉を聞くや否や、周りからは慌てたような声が響き渡る。
 人間とモンスター。その大きな壁を打破するためにハンター達は様々な道具を駆使し戦っている。
 その一つとして、バリスタと呼ばれる大型銃がある。しかし、通常の弾は装填ができない。だから専用の弾を作っている。それが、今問題となっている、バリスタ弾だ。
 これがなければ、後方援護の俺達は何もできなくなってしまう。
「さて、お手並み拝見だな」
その言葉に、紅と仁は首を傾げた。

  • No.6 by Sek_Seed  2013-03-14 20:07:13 

竜の遺伝子
第12話?

  18,000

 それは、唐突だった。山のように巨大な体。一歩踏み出す度に震える大地。
 それが今、俺達、32人が撃退を目標に戦うモンスター。
 そのモンスターの名前を俺達は知っている。

 老山竜ラオシャンロン。

 最初に上から援護するため待機していたらそこに現れたのが、このモンスターだった。
 はじめは何かの冗談だと思っていた。が、しかし、これが夢ではなく現実だとわかった時、此処にいるハンター全員が恐怖や不安を抱いていただろう。
 本当に撃退できるのだろうか。それ以前に生きて帰れるのか。
 只々、不安と時間が積もり一方だった。
 俺達も、援護はし続けた。ラオシャンロンの到達から10分遅れてやってきたバリスタ弾を使い、背中への攻撃を続けた。
 しかし、一方にダメージを負ったような素振りを見せないラオシャンロンを見ると、誰しもがこの状況を投げ出したくなっていた。
   |
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   |
 あれから何分立ったのだろう。分からない。ただ唯一分かるのは、ラオシャンロンが最後の砦までやってきたこと。つまりはここで防ぎきれなかったら町は崩壊を迎えてしまう。そういうことだった。
 だが、それが重荷になっている今、腕が鉛のように重かった。
 キングは諦めずに何でも何でも腕を動かしていた。
 俺のこの剣は羽のように軽いのに、繰り出される斬撃は火山から湧き出るマグマのように相手を焼き焦がすほどの火力を蓄えさせた武器だ。
 それなのに、今では腕を上げるのに邪魔になるほど重く感じられた。
 しかし、横にいるハンター、仁はその刀を振り続けていた。紅も、俺と同じように疲労が蓄積し本来、斬撃が見えなくなるほどにまで速いはずの刀捌きは、今では一撃一撃が見て取れるほどだった。
 なのに、仁はキングと共に全力で刀を振り続けていた。
「ウオオオオオォォォ!!」
更に、この18,000秒―――5時間たった今、普段上げない咆哮を上げていた。
 その咆哮を聞いたからどうかは分からない。だが、体に眠るリオレウスを再び起こし力を爆発させていた。
 腕が軽く、刀は羽のように軽くなっていた。
 12時間開けずに力を使うのは初めてだ。だから、正直に言えば不安だった。仮にここで暴走して、周りのハンターを襲っていたらこの作戦は無駄になってしまう。だから、使いたくなかった。だが、横にいる仁に負けてはいられない。その思いが体を動かしていた。
 
 
 力を保って至られるのは、約30分前後。今、ちょうど力が切れるときだった。先の力で撃退まで持って行けるかと思っていたが、結局それは夢の中で終わった。
 そして、身体から力が抜ける。これでリオレウスの力はもう使えない。
 この、覚醒の事を知っていたキングは、俺のことを見たときに焦りの色が見えた。
 アイツも流石に悟ったのだろう。もう無理なのだと。
 そう、アイツが諦めかけた時だった。

 いきなり、仁が輝きだしたのは。

  • No.7 by Sek_Seed  2013-03-14 20:07:42 

竜の遺伝子
第13話?
注意事項 能力⇒ちから(今回は殆どこれ。
     ※印のとこは別

  覚醒

 隣で輝いている仁を、俺とキングは二人で唖然と見守っていた。
「お、おま、それ、どうしたんだ!?」
唐突にキングがそういう。俺自身も意味が分からずそれに合わせて頷く。
 が、しかし。仁も自分にも分からない。という表情している。挙句の果てには。
「れ、レウスさんが僕に何かしたんじゃ?」
だ、そうだ。俺には、能力(※)を受け渡せるほどの力を持っていない。
それに、仮に渡せたとしても、俺が放つ輝きは、炎を象徴する赤。
 しかし、今、仁が発しているのは金色。これは、俺の能力ではない証だ。だから、俺は何もしていない。
「い、いや。俺はリオレウスの能力で赤色を発する。でも、お前のは金・・・・」
「じゃあ、一体何の力なんだ?」
キングがそう尋ねてくる。俺に考えられるのは二つ。
 1つは、雷属性を纏うモンスターの力を手に入れたか。
 もう一つが、どこかの誰かが、一瞬で能力を吹き込んだ。
 まず、後者は有りえない。と、今では重く感じる刀を振りかざしながら考える。後者であれば、最低でも5秒間の能力(※)移動を要する。
 つまりは前者ということになる。だが、そういう事になると、仁が生まれつき持っていたのか。はたまた、俺と同じように改造されたのか。
 金に輝く。雷属性のモンスターの誰か。じゃあ、一体だれか。それが分からない。
 大型モンスターで言えば、ジンオウガやラギアクルス。フルフル辺りが妥当だろう。
「れ、レウスさん。どうすれば?」
「とりあえず、手を動かせ」
今俺が言えるのは其れだけだった。仮に雷属性の能力が放ててると言うのであれば、ラオシャンロンに有効だ。だから取り敢えず、攻撃させる。
 ふと、左でキングが何か言ってるような気がした。試しに左を見てみると、確かにキングが口を動かしているから、何かを言ってるのは分かる。でも今は、仁の放っている音が仇となり全く聞こえない。
 まあ・・・無視するか。というわけで無視。とりあえず、考えなければ。
 今、仁の髪は身体全体で放つ金と同じ色をしている。もし仮にあれが、覚醒したことによりモンスターの毛の成分が現れたのか。
「・・・・おいおい、そりゃないだろ」
不意に、こんなことを口にしていた。なぜって?そりゃ、誰だってそう思うだろ・・・・

 仁の頭に1対の角。しかも、尾骶骨ら辺から生える細長い尾。


・・・・ジンオウガじゃん。

  • No.8 by Sek_Seed  2013-03-14 20:08:34 

竜の遺伝子
第14話?

   血のような真紅に染まる炎、全てを薙ぎ払う雷閃、血さえも黒く染める漆黒の斬撃

 この状況で、仁がジンオウガの遺伝子を持っているのは、分かった。だが、なぜ今。今までその予兆すらなかった。本来、能力が覚醒する際にはその予兆が見られるはず。ごく普通に生活して狩りを行って。この4か月近くの間にそんなもの一切見られなかった。
 その、当の本人は覚醒した力を放ちながら、ラオシャンロンに傷を付けつづけた。気のせいか、ラオシャンロンの動きが鈍くなっている。その証拠に先程から、今までに比べると小さくなっている歩幅が俺達に教えてくれる。
 賭けるなら今だった。本来であれば、1日に1回をフルで使用し続けるの正直辛かった。でも、町が破壊され、人々が死んでいくより辛い思いはない。ましてや、大切な仲間―――紅や仁、キングの為―――にも、負けては居られなかった。その思いのおかげで俺は2回、能力を使うことができた。
 だったら今も。今は右足付近を攻撃している俺達のちょうど向こう側にいる紅も、能力を使い目にもとまらぬ早出斬りかかっている。隣に仁も先程覚醒した力で戦っている。
 じゃあ、俺は?2度も使ったからと言い分けをして、ゆっくりとした斬撃を放ってるだけ?
 ふざけるなよ!なんで、俺の周りはこんなにも能力を使って戦っているというのに、俺だけこんなんでいいのかよ!
 だから、だから。もう一度だけ、俺に力を貸してくれよ!リオレウス!!!

 それから先のことはよく覚えていなかった。
 唯一覚えていたのは、仁の放つ金色の雨。紅の神速の斬撃。そして俺のかすらわからぬ、強大な炎。
あの『血のような真紅に染まる炎』『全てを薙ぎ払う雷閃』『血さえも黒く染める漆黒の斬撃』この三つの光景は永遠に忘れられない。それは、覚えていた。何故なら、この三つの光景は良い意味でも悪い意味でも伝えられるからだった。仮に、俺が炎の悪魔とでも呼ばれてしまえば終わりだろう。
 だから、このことだけは、深く脳に刻まれていた。
 しかし、一つだけ解せないことがあった。うる覚えの記憶が指し示す一つの事柄。
 そう、それは。

『あの時放った、炎はリオレウスの炎ではない』ということだ。

  • No.9 by Sek_Seed  2013-03-14 20:08:58 

竜の遺伝子
第15話?
前レス>18868

    空の王者と・・・・

「――スさん!レウスさん!!」
 不意に、自分の体が揺らされていることに気付く。記憶が正しければ、先程まではラオシャンロンと戦って・・・
「!! 悪い、今行く!」
そう言い。力の入らない体に鞭を無って無理やり起き上がる。
 しかし、いくらたっても地響きの一つも聞こえてこない。何があったのか、不安になり先程まで自分の体を揺すっていたと思われる仁に問いただす。
「仁、ラオシャンロンは、どこだ?」
その問いに仁は不思議そうな顔をし、告げた。
「ラ、ラオシャンロンですか?アイツなら、5日前に、倒したじゃないですか?何言ってるんですか?」
 俺は、その言葉を受け入れることが出来なかった。いや、むしろ、受け入れたくなかった。
 なぜなら、あの戦いは、途中からは意識が無くなり体が勝手に動いたようなものだったから。加えて言えば、あの謎の炎が俺を動かしていたのだろう。つまり、自分が望んで動いていたとキッパリ言い切ることができない。だから、受け入れたくなかった。
 その代わりに、俺の中にこみ上げてくるのは、先もたどり着いた一つの謎が生み出すもやもやだけだった。あの時の炎は、一体なんだったのか。まったくもって・・・って、なんか、翼がかゆいし・・
「じ、仁。ちょっと、頼みがあるんだけど・・・」
「なんですか?レウスさん」
不安そうな顔でこちらを見つめる。まさか、俺が5日間も寝るなんて思っていなかったから、不安でいっぱいなんだろう。そう思うと、嬉しくて涙が出そうになってくる。・・・つか、俺5日間も寝てたんだ。結構すごいな・・・
 そんなのことも考えつつ、俺からの、今の思いを率直に仁に伝える。
「それがさ?なんかさっきから翼がかゆくて・・・優しく、かいてくれない?」
その発言に、仁は若干の戸惑いを見せながらも、承諾してくれた。
「じゃ、じゃあ、かきますね」
 何故か、ふるえた声で言うと、言葉通り優しく、俺の翼をかいてくれた。
「あぁ・・・気持ちィ・・・」
ちなみにいま、仁は、ジンオウガの遺伝子が覚醒したこともあり、頭には一対の角。尾骶骨付近からは細長い尻尾。加えて言うと、手には通常より若干長めの爪もある。
 もちろん、使おうと思えば簡単に雷を操ることができる。まぁ、操るといっても電圧を替えれるぐらいのようだ、狙ったところに放つことはできないようだ。
「そ、そうですか?そう言って貰えると嬉しいです」
俺が一人で考えていたら、仁がそう言ってきた。もちろん、この至福のひと時と言っても過言ではない今を大切に味わわせるために優しくかきながらだが。
「ああ、最高だよ・・・あ、そこ気持ちいィ・・・」
ちょうど翼の先の部分をかかれて気持ちよくなる。ついで、さっきとは逆に付け根部分をと。
 バランスよく書いてくるから気持ちよくて今にも寝てしましそうだった。というより、寝てしまいたい。
「よぉ~し、仁。そろそろいいぞ~」
気持ちよくなりすぎると、このまま、また5日間寝てしまいそうだから歯止めをかける。
「分かりました。レウスさんに満足して貰えて嬉しいです」
そう言いながら仁は優しく微笑んでくる。その微笑みに、俺も感謝の意も込めて笑顔を返す。
「ああ、めっちゃ気持ちよかったから、また頼むな?」
「ハイ。その時は任せてください」
何故か、胸を張って答える仁。まさか、さっきので、自信でもついたのか?
 まぁ、いい。とりあえず、さっきまで考えていたことを再び思いだし、考え出・・・・そうと、したものの、俺は何を考えていたのかを忘れてしまい。しょうがないから、たった今、思いついた疑問について、考える。
 それは、今までは―――生まれてから、この今を迎えるまでの18年近く―――一度も翼がかゆくなるということは決してなかった。

 なぜ、今になって、かゆくなったんだ?

 その疑問は、直ぐに解決した。しかし、解決したといっても、ただ、無理やりそう決めつけたようなものだった。
 それは、たった一言。たかだが、25文字以内の考え。

 どうせ、今までの積み重なってきたんだろうなぁ・・・俺も歳か・・・

  • No.10 by Sek_Seed  2013-03-14 20:09:29 

竜の遺伝子
第16話?

炎・速

 そう。それは突然だった。
 俺も紅も、まったく予想していなかった事態が発生する。
 その原因は机の上に置いてある紙切れが起こした。
 そう。その紙切れに書かれていたのは――――

『ちょっと長めの修行に行ってきます。探さないでください。何時かは必ず帰って見せます。それまでの暫しの分かれです。今までお世話になりました。
 次に会うのは、僕が完全に覚醒するときです。レウスさんも紅さんもその時にはさらに強くなっていて、僕なんかがお二方の足元に及ばないほどになってると思います。
 それでは、また、会いましょう。
                                仁       』

―――と、正直言って、意味の分からなかった。
「ど、どうしよレウスくん。ほ、放っておいて、い、いいのかな?」
「お、落ち着いて、紅」
お陰様で、紅はいつもの明るさとは一変して顔面蒼白になっていた。
 まあ、そのおかげか何でかは分からないがどちらかと言えば、俺は落ち着いては―――いると思う。
「だ、だってだって。仁くんが、出て行っちゃんだよ?完全に覚醒してないんだよ?」
「だ~か~ら、落ち着いてって」
 何度言っても落ち着く気配がないので諦める。俺が諦めたのに感づいたのか、否か。まったくもって分からないが、さらに慌てだす。
「どうしよどうしよ。お腹すいてないかな・・・風邪ひいてないかな・・・友達で来てるかな・・・」
「お前は、仁の母親か!?」
と、つい突っ込んでしまう。―――やっぱり、俺も慌ててるのか。
「え?何言ってんの、レウスくん?」
・・・。なぜに、真顔なんだ?コイツ。つか、この真顔を見てると、なんていうか―――
「腹が立って堪らないんだけど?」
「・・・・。・・・・。どうしよ、レウスくん」
「なぜだろう・・・とっても泣きたい気分だよ」
「泣けば?」
「。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。」
うえぇぇん、虐められたよぉ・・・
「・・・・・・・・。・・・・・・・・。・・・・・・でも、探さないでっていうなら、そうした方がいいか、な?」
「。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。」
うえぇぇん、無視されたよぉ・・・・
「(/д;)」
ハッ、俺は一体何してたんだ?
「あ、泣きやんだ」
お、落ち着け、俺。今は仁の事が優先だ。落ち着け、落ち着け・・・・・
「で、どうする。紅?」
「切り替え早・・・とりあえず、仁くんが探さないでっていうなら、そうしてあげよ?」
そうすべきなのか、俺は一瞬迷った。確かに、仁が探さないでっていうなら、探さない方がいいのkも知れないが・・・。
 でも、遺伝子が覚醒したことにより、誰かに命を狙われることもある。元に、俺も何度か狙われたことがあったが・・・、あの時は―――忘れよ。
 とりあえず、どうしたものか・・・。まぁ、どちらにせよ、何れは独り身にさせるつもりだったから・・・。
「だな。今はそうしよう。仮に、何か月もたっても帰ってこない時は・・・、その時は、一緒に探しに行こう、それでいい、紅?」
「うん。レウスくんならそういうと思ってたよ」
紅は、いつも通りの笑顔でそう言った。あの笑顔を見せるということは、ある程度の覚悟はできているようだった。だから俺も。ここは、一旦忘れ、再び会いに行く。それが賢明な判断であるというなら、そうするしかない。
「ありがとう。そう、言って貰えると嬉しいよ」
 つい昨日までは、炎、雷、速の―――いわば、三銃士のようなパーティだった。しかし、今からは炎・速だけだ。
 今も、翼がかゆいがそれを我慢―――できません。ハイ。
「紅。今言うのも、あれなんだけど・・・」
「うん?どうかしたの?」
優しく俺に反応してくれる。だから、俺もその優しさに甘えて、翼を広げながら伝える。
「翼がかゆいか、優しく掻いてくれない?」
と。その言葉に、笑顔でうなずく紅。
 この顔・・・たしか、前に音爆弾で起こされたときと同じ笑顔・・・まさか!
「こ、紅ストッ――――」
と、気付いて制止しようとしたのも時すでに遅し。
 ていうか、よくよく考えたら、音速並みで移動するんだから、刹那の速さで移動すんジャン・・・
「じゃあ、はっじめるよ~」
 その、合図とともに優しく書いてくれると思った。ああ、思ってたさ。あの笑顔を忘れることができた一瞬はな!!
 そう考えるのもつかの間。紅が、俺に、俺の翼に取ってきた行動は―――
「かぷっ」
――――優しかったさ、ああ。確かに、確かに優しかったさ。優しく、優しく―――咬まれたさ・・・

 その後の、出来事は――――忘れたくても、忘れられない夜になりました。

  • No.11 by Sek_Seed  2013-03-15 22:46:59 

流石に、毎日うpして行ったら死ぬな・・・

  • No.12 by Sek_Seed  2013-03-17 13:09:32 

竜の遺伝子
第17話

    ジョーカー

 コンコン。
 家のドアがノックされている。しかし、昨晩の――――いや、忘れよ・・・。とにかく、あれのせいで眠れていなかった。正直、ギルドマスターだろうとなんだろうと寝ていたいのが事実だった。
 が、そんなことを考えずに一人の女性が、俺の体を揺さぶる。
「レウスくん、お客さんだよ~」
 ―――俺がこうして、寝てるのもコイツのせいなのに・・・、まったく。
 まあ、何れにせよ、紅に接客をさせるぐらいなら俺がした方がよっぽどましだと思い、立ち上がろうとする。つか、立ち上がる。よっこらしょと、たちあ・・・
「がれねぇよ!!!なんで、俺がハダカにされてんだよ!?」
「あ、レウスくん、起きた~?」
 呑気に聞いてくる。勿論、ハダカになってる俺を見ながら。
「な、なんでお前、此処にいんだよ!?」
「? だってぇ、昨日の夜ぅ、レウスくんが寝かせてくれなくてぇ」
「なんで、そういう事ばっか覚えてくんだよ!お前は!」
 俺が怒っていることに、疑問も何も持たず俺を見つめる。
「? 何怒ってるの?カルシウム足りてる?」
「少なくとも、毎日ケルビの肉ばっか食べてるお前よりはな!?」
「そっかぁ、じゃあ、怒ってはないんだね?」
「あったりめぇだろ!・・・・・・・・・・・・?」
 上手すぎたね・・・完全に口車に乗せられたよ・・・
「と、とりあえず、客が来たんだったら、行かないとな」
そう言いながら、服を着―――
「れねぇよ!何で、ずっとこっち見てんだよ!?」
 先程から、ずぅっと紅は俺のハダカを見てくる。
「ん?どうしたの?早く着替えたら?」
 どうしてだろう。羞恥と怒りの二つしか頭にないのだが?
「あ、ひょっとして、私に着替えさせてほしい?」
 紅は頬を軽く赤く染めながら近寄ってくる。ここは、俺は動揺―――というより、ある種の興奮―――しているのを、絶対にばれてはならない。
 しかし、そんなことを気にする気配もなく紅は近寄ってきた。まあ、近寄るまではよかったさ。近寄るまではな!
「!!なんで、お前はそこで服を縫おうとするんだ!?」
目の前にいる紅は、今装備しているナルガ装備の首元にあるボタンに手をかける。ついで、外すとそのまま、脱ぎだそうとする。
「だって、レウスくん。自分だけ着替えるのが恥ずかしいんでしょ?だったら、私も一緒に着替えてあげる」
 ニッコリと笑顔を浮かべる紅。どんよりと周囲の熱を奪いながら落ち込む俺。はたから見たら妙な画になっているだろう。
 まあ、はたから見ただけなら羨ましいと思われる状況なのだろうが、いざこの状況に立つと、誰でも困惑するのは目に見えている。
・・・・・あ、そうだ。いい方法あるじゃん。
「紅、しばらくの間、呼吸止めててね?」
「え?何するの?もしかしてレウスくん・・・夜の続―――」
「―――きじゃないからな?とりあえず、止めて」
 そういうと、紅も納得してくれた様子で口と鼻を塞いだ。・・・よし。
「・・・ほい」
 と、軽く手をたたく。そうすると、大気が瞬時に焦げ、煙が上がる。だが、これだけでは精々、自分の顔を隠すのでやっとだろう。そこで、取り出すのは、これ。
「・・・ほいっと」
たまたま―――というより、こういった時のために置いておいた煙り玉を放る。すると、たちまち煙が上がり部屋に充満する。
 すぐさま、服を2,3枚羽織って部屋を飛び出す。飛び出した瞬間、後ろから紅のナルガ装備の上着が飛んできたのは見ないことにする。
 この家の構造は俺がよく知っている。今は2階にいる。だから、今は知っているこの通路を抜ければ階段がある。それを降りれば玄関は目の前だ。
「っとっりゃあ!!」
 そして、階段から降り終わる直前、玄関までの距離を跳躍で一気に詰める。そして、颯爽とドアを開く。
「はい、どなたですか?」
と、いいながらドアを引く。すると、そこに立っているのは、先日のラオシャンロン戦で俺達を後半戦に入れてくれ、さらには共に戦い、踏みつぶされかけたキングを救いけがを負ったはずの男だった。
「じ、ジョーカーさん!?」
「ああ、そうさ」
確かにあの時、ジョーカーはラオシャンロンに完全ではないが踏まれている。医者からも今後も歩けるまでに回復するかどうかは分からないと、言われていた。
 なのに、そこに彼は立っている。周りにはだれもいない。
「ど、どうしてここに!?」
驚きと感動が入り混じった声で問う。
「なぜって・・・そっか、お前ははまだ知らないのか・・・」
ジョーカーはそういうと、右手を掲げると、勢いよくその手を振りかざした。
 すると、不思議なことに彼の後ろには、ナルガクルガらしきモンスターが佇んでいた。

―――――へ?

  • No.13 by Sek_Seed  2013-03-18 17:10:03 

・・・スタンド?

  • No.14 by Sek_Seed  2013-03-22 13:37:45 

・・・完全にジョーカーの存在忘れてた・・・希ガス

  • No.15 by 大空の撃墜王  2013-03-22 15:29:18 

俺も作ろうかなこういうスレ。

  • No.16 by Accelerator  2013-03-22 15:38:28 

造ればw

  • No.17 by 大空の撃墜王  2013-03-22 15:47:18 

作る事にしたw

  • No.18 by Accelerator  2013-03-22 15:57:55 

良かったじゃんw

  • No.19 by Accelerator  2013-03-22 18:02:08 

竜の遺伝子
第18話
前レス>19191
 
    真実

「これが、俺の遺伝子だ」
 そう突然に言われた。遺伝子・・・つまり、彼、ジョーカーは生まれた時よりモンスターの血を引いている。もしくは成長過程でなにかしらの影響によりその血を埋めこまれたことになる。
 さらに、今彼がこの世界に映しだしているモンスター―――ナルガクルガは、どこか消えかかっている。それが表している理由は二つ考えられた。
 一つはジョーカーの能力〔ちから〕が弱いから。二つ目は、ナルガクルガが透明になれる。その二択だった。
 少なくとも前者ではないと考える。なぜなら、先の戦いでラオシャンロンに踏まれたのにもかかわらず今こうして健康的に赴いているということから、相当な力をもっているからとしか、思えないからだ。しかし、そうなると、透明になれるナルガクルガ。つまりはその希少種の血を引いていることになる。
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
 普通に考えたら有りえないことに対し、答が何も見つからず、時間を要求する。ジョーカーは、まるで俺の心を悟ったかのように、喋りだす。
「・・・そうか、俺のこの遺伝子について考えるんだな?」
 そういわれ、俺はあまりにも鋭い切り返しをされ、若干だが後ずさりをしてしまった。
 流石、というべきか。ジョーカーは俺の後ずさりを見落としたりはせず、続ける。
「フッ・・・俺の遺伝子はナルガクルガ希少種の物だ。だから、今もこいつは透けて見える」
ジョーカーはそう言いながら自分の後ろにいる、透けているナルガクルガを指差す。
「加えて言えば、ナルガクルガの遺伝子を持っているから、俺自身が透明になったりも可能だ」
 その言葉を聞いた途端、背中をつめたくなっている汗が伝った。
「どうした、そんなに、驚きか?」
 そう言いながら、ジョーカーは右手を天高くかざす。その行動がなんのためか知っている。
 遺伝子を持っている人ならだれでもこの行動を知っている。手を天高くかざすということは、いまから、なにかしらの技を行うためだ。((戦闘中に手を挙げない理由はまた後日
「な、何する気だよ・・・ッ」
 不意に語気が強まる。知らずの内の右手を固く握り占めていた。拳の中は汗でぬれているのが、良くわかる。そう、考えている中、俺はあることに気付く。

 つい先ほどまで目の前にいたはずのジョーカーが消えていたからだ。

「どうした・・・俺は、ここにいるぞ」
 ジョーカーの声だ。後ろから響いてくるその声に反応し反射的に振り向く。しかし、後ろにはだれもいない。すると、今度は―――
「フッ・・・こっちだぞ」
―――先程まで、前を向いていた方から聞こえる。
慌てて、そちらを向く。するとそこには先程まで、かぶっていた帽子を取っているジョーカーの姿があった。
「どうだ?これが俺の能力〔のうりょく〕だ」
確かに、それも凄い。だが今は、それ以上に気になることがあった。

 誰かに似ている顔の輪郭。髪は丈夫そうで艶のある黒髪。目は透き通る白。

この顔を自分の知っている人物と照らし合わせる。
すると、頭に浮かんでくるのは、一人。
そう、その人物は―――紅。俺と同じ家に暮らし、先程も謎の行動をとってきた彼女。
だが、彼女とも、一か所だけ、違う部分がある。
 紅の目の色は黒だったはず。
「どうした?顔色が悪いぞ?」
 ジョーカーが話しかけてくる。―――俺、どんだけ顔白くなってんだろ・・・
 不意にそんなことを言われ、戸惑っていると家の中から誰かが走ってくる音がした。
 その足音の人物が誰かはすぐに分かった。だが、そいつにひたすら一つの事を願う。

 頼むから、服を着て出てきてくれ!!!

と。
 そう考えるのもつかの間。ドアが開かれる。
 そこに現れたのは、今の今まで見ていた、黒く艶のある髪が風を浴びて靡かせていた紅。

まぁね、俺の予想通りになんなくてよかったよ。フラグ回収されなくて、ホント良かった・・・
でも、でもさ。なんで、タオル一枚だけ羽織って出てくるかなぁ!!!
 それが、俺の人生を狂わせる真実だった。

「――――いちゃん?」
 そんな俺に届いた声は紅の物だったが、ハッキリとは、聞こえなかった。

  • No.20 by 大空の撃墜王  2013-03-23 12:24:47 

なんか…SSとして負けてるわ…
俺も頑張らないとなァ!

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