Sek_Seed 2013-03-14 18:22:22 |
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竜の遺伝子
第15話?
前レス>18868
空の王者と・・・・
「――スさん!レウスさん!!」
不意に、自分の体が揺らされていることに気付く。記憶が正しければ、先程まではラオシャンロンと戦って・・・
「!! 悪い、今行く!」
そう言い。力の入らない体に鞭を無って無理やり起き上がる。
しかし、いくらたっても地響きの一つも聞こえてこない。何があったのか、不安になり先程まで自分の体を揺すっていたと思われる仁に問いただす。
「仁、ラオシャンロンは、どこだ?」
その問いに仁は不思議そうな顔をし、告げた。
「ラ、ラオシャンロンですか?アイツなら、5日前に、倒したじゃないですか?何言ってるんですか?」
俺は、その言葉を受け入れることが出来なかった。いや、むしろ、受け入れたくなかった。
なぜなら、あの戦いは、途中からは意識が無くなり体が勝手に動いたようなものだったから。加えて言えば、あの謎の炎が俺を動かしていたのだろう。つまり、自分が望んで動いていたとキッパリ言い切ることができない。だから、受け入れたくなかった。
その代わりに、俺の中にこみ上げてくるのは、先もたどり着いた一つの謎が生み出すもやもやだけだった。あの時の炎は、一体なんだったのか。まったくもって・・・って、なんか、翼がかゆいし・・
「じ、仁。ちょっと、頼みがあるんだけど・・・」
「なんですか?レウスさん」
不安そうな顔でこちらを見つめる。まさか、俺が5日間も寝るなんて思っていなかったから、不安でいっぱいなんだろう。そう思うと、嬉しくて涙が出そうになってくる。・・・つか、俺5日間も寝てたんだ。結構すごいな・・・
そんなのことも考えつつ、俺からの、今の思いを率直に仁に伝える。
「それがさ?なんかさっきから翼がかゆくて・・・優しく、かいてくれない?」
その発言に、仁は若干の戸惑いを見せながらも、承諾してくれた。
「じゃ、じゃあ、かきますね」
何故か、ふるえた声で言うと、言葉通り優しく、俺の翼をかいてくれた。
「あぁ・・・気持ちィ・・・」
ちなみにいま、仁は、ジンオウガの遺伝子が覚醒したこともあり、頭には一対の角。尾骶骨付近からは細長い尻尾。加えて言うと、手には通常より若干長めの爪もある。
もちろん、使おうと思えば簡単に雷を操ることができる。まぁ、操るといっても電圧を替えれるぐらいのようだ、狙ったところに放つことはできないようだ。
「そ、そうですか?そう言って貰えると嬉しいです」
俺が一人で考えていたら、仁がそう言ってきた。もちろん、この至福のひと時と言っても過言ではない今を大切に味わわせるために優しくかきながらだが。
「ああ、最高だよ・・・あ、そこ気持ちいィ・・・」
ちょうど翼の先の部分をかかれて気持ちよくなる。ついで、さっきとは逆に付け根部分をと。
バランスよく書いてくるから気持ちよくて今にも寝てしましそうだった。というより、寝てしまいたい。
「よぉ~し、仁。そろそろいいぞ~」
気持ちよくなりすぎると、このまま、また5日間寝てしまいそうだから歯止めをかける。
「分かりました。レウスさんに満足して貰えて嬉しいです」
そう言いながら仁は優しく微笑んでくる。その微笑みに、俺も感謝の意も込めて笑顔を返す。
「ああ、めっちゃ気持ちよかったから、また頼むな?」
「ハイ。その時は任せてください」
何故か、胸を張って答える仁。まさか、さっきので、自信でもついたのか?
まぁ、いい。とりあえず、さっきまで考えていたことを再び思いだし、考え出・・・・そうと、したものの、俺は何を考えていたのかを忘れてしまい。しょうがないから、たった今、思いついた疑問について、考える。
それは、今までは―――生まれてから、この今を迎えるまでの18年近く―――一度も翼がかゆくなるということは決してなかった。
なぜ、今になって、かゆくなったんだ?
その疑問は、直ぐに解決した。しかし、解決したといっても、ただ、無理やりそう決めつけたようなものだった。
それは、たった一言。たかだが、25文字以内の考え。
どうせ、今までの積み重なってきたんだろうなぁ・・・俺も歳か・・・
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