天使と悪魔はワルツを踊る(〆)

天使と悪魔はワルツを踊る(〆)

グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-02 08:48:30 
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待ってるぜ、クソ天使サマ。

(お相手様決定済)

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  • No.41 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-07 14:32:15 

チッ、やめだやめ。
(自分の瞳のことを考えるとらしくなく、どうにも感傷に浸ってしまう。彼女は苛立った声でそうぼやきながら今しがた点けたばかりの煙草の火を消し、ソファに横たわる。そのまま暫くは寝ていたが、やがて寝付けないらしく起き上がると自室を出て仕事部屋へと戻った。先程の心身共に壊れた中年男は同僚の悪魔がどこぞへ持っていったらしく、椅子にはまた新しい人間ー中年男の取り巻きのうちの一人がー手足を固定されて座らされている。その人間はひどく暴れていたが、彼女の顔を見るなり怯えたように黙り込んでしまう。無理もない、その時の彼女の顔は恐ろしいほど不機嫌に見えたーが、彼女は拷問道具を手にすると途端にいつもの軽薄な表情に戻り、「今日は天気がいいよなァ」などと内容だけ聞いていればごく一般的な世間話を拷問相手に向けながら拷問を再開する。話しかけてはいるが返事は求めていないようで、返事が返ってこなくとも気にすることはなく話し続けており)

  • No.42 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-08 17:35:57 


「 アリシア様─── ッ 」

( お気に入りの茶葉で紅茶を淹れ、優しい陽の光が差し込む窓辺にて仕事の資料をぱらぱら捲ってしばらく。またもや自分の部屋に騒々しく飛び込んできたのは最近天使として自分の下で働き始めたばかりの新人。話を聞けば、何やら地獄に落ちるべき人間が天国に上がってきてしまったとか何とか。あまりの外面の良さに稀に、ごく稀に間違って此方へ登ってきてしまいよくよく確認をしてみたら地獄へ落ちるべき人間だったということは偶に、ある。本当に偶に。なので別に慌てることではなく丁重に落とせばよいだけなのだが、この新人はどうやら初めての自体だったそうで透けるように白い肌を真っ青にしてどうしようどうしようと此方に助けを求めてくる。アリシアは1度困ったように眉を下げて笑ったあと「 私が地獄まで連れていくわ。 」 と対応を代わる旨を申し出て。そのやり方は天使によって様々だが、アリシアはごくごく単純。いつものように甘ったるい蜂蜜のような声で〝 特別な場所にお連れしますわ。貴方様だけの場所、……恥ずかしいから、目隠しをさせてくださいましね 〟なんて柔らかな部分を押し付けながら甘やかせば男なんてイチコロだ。鼻の下を伸ばして白い目隠しをつけた男を、まるで花畑をデートする恋人たちのように優しく手を引くのは見るも恐ろしいおどろおどろしい地獄。そういえば久しぶりに来たわ、なんて物珍しくきょろきょろと美しいエメラルドで周囲を見渡しては地獄にには似合わない透明な声で「 すみませぇん 」と声をかけ )


  • No.43 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-08 20:17:59 

……ア"?クソ天使サマが門の前でクソ野郎を連れて立ってるだァ?
(ジャスティスが『仕事』中の仕事部屋に、また他の、彼女と同じ赤い瞳をした同僚が飛び込んでくる。その同僚は拷問対象からそれとなく目を背けつつ、『…門の前で天使がうちに来てなかった罪人をひっ捕まえて立ってるんだよ。天使なんて面倒くさいの誰も関わりたがらなくてさ…だから悪い、ジャスティス。お前行ってきてくれないか』というような趣旨の話を、よっぽど慌ててやって来たのか、時々荒い呼吸を挟んで言葉を詰まらせながらも彼女に向けた。彼女は拷問を邪魔されたことに苛立ったような声を上げながらも、ガシガシとオールバックに整えられた金の頭髪を掻きむしると立ち上がり、拷問道具をその同僚に託して「んじゃ代わりにオハナシしといてくれや。クソ野郎受け取って部屋に放り込むだけだろ?」と言いつつ、硬く閉ざされた地獄の門を片手で押し開けてしまう。「…ワザワザどーも、クソ天使サ…って、アリシアかよ」彼女は門の向こうにいた天使を軽く見やり、知った顔であることに些か驚いたような声を上げるとそちらへ歩み寄り、目隠しをされたクソ野郎ー罪人を捕まえると、門の内側からこちらを伺う同僚に向けて乱雑に投げ渡す直前に罪人の耳元で、わざと最初天使へ向けていた、甘ったるく掠れた声を作り、「…ハハ、地獄へヨウコソ。『罪人』クン」と嘲笑った後、仕事部屋へ放り込んでおけという趣旨の命令を言い渡す。それを見送ると天使の方へ向き直り、「よォ」と軽く笑って)

  • No.44 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-08 22:07:31 



うふふ、お届け物に来ましたあ。

( まるで何人足りとも〝逃がさない〟とでも言うような重たい重たい地獄の門は、いとも簡単に開かれた。しかも片腕で。アリシアはにっこり、とまるで音が聞こえるかのような綺麗な笑顔を浮かべれば扉を開いた主─── もとい、よくよく見知った悪魔へ挨拶を。そのままスムーズに罪人の受け渡しが行われれば、こそりと彼女が甘い悪魔の囁きを罪人へ送る。それは罪人の彼にとっては死刑宣告にも似た、またはそれ以上の何かかもしれないがアリシアはぞわぞわと爪先から頭のてっぺんまで痺れるような不思議な感覚を覚えては〝 いいなあ! 〟と純粋に罪人へ羨望の視線を送り。私だってそんなに甘くてセクシーに囁いてもらったことまだないのに!そんなこんなでぷっくりとした唇を尖らせながら恐らく目の前の彼女よりも下級の悪魔─── 何故かこちらとは1ミリも目が合わないけれど ─── たちに連れていく罪人の背中を見送っていると、彼女が此方へと向き直ったのを見てアリシアも彼女を見あげて「 ハァイ、ジャスティス。この間とは逆ね。 」と以前彼女が天界へと天使を言葉通り〝持ってきた〟ときのことを思いだせば、つい先程罪人の男を突き落とした張本人とは思えないような可愛らしいうふうふとした微笑みを浮かべて。 )


  • No.45 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-08 22:46:05 

…あ?アー、そうだなァ。
(彼女にとっては日常茶飯事である、クソ天使サマたちのオナカマを天界へわざわざ地獄から"お返し"する業務。故に先日のことなど忘れていたのか、"この間"とは逆だと言われてから数秒、彼女は彼女にしては随分珍しく、どこか呆けたような表情で全ての機能を停止していたが、少しして適当な相槌を返す。相変わらず反吐が出そうなーまァ、少しは見慣れてきたがーお美しい笑顔を浮かべたクソ天使サマは、彼女の目には上機嫌そうに見えたらしい。面倒そうに左腕の時計をちらりと一瞥し、業務再開までまだ少し時間があることを確認してから煙草に火を点け、会話をする前動作のように、虚空に紫の煙を一息吐き出した。吸い始めの一際濃い紫の煙は地獄の淀んだ空気の中にふわりと溶け、一瞬で他のガスやら何やらと混ざる。煙が消えてゆくのを見送った彼女は天使の方へ向き直り、こちらも相変わらず軽い調子で笑いながら「アー、そうだな。ワザワザ来たんだ。アリシア、今時間あるなら地獄でも案内してやるよ」と何もかも真っ白な天界とは正反対、柔らかな日差しの差す白い大地や清く澄み切った空気の代わりに赤黒い大地や灰色の淀んだ空気、鳥の歌声や花の香りの代わりに、罪人の阿鼻叫喚や新鮮で赤く冴えたものから古くどす黒いものまで血の匂いが色濃く煙る、彼女の生まれた場所ー地獄の風景を指し示し)

  • No.46 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-08 23:12:55 



!いいの!?
見たいわ、ジャスティスがふだん生きてる世界!

( 彼女の形の良い薄い唇から吐き出される毒にも見える不思議な印象の紫煙が、地獄のむわりとした空気に霧散する。天界で全く同じことをしたらきっとその煙はどこの空気にも馴染むことなくふわふわと漂い続けることだろう。そんなことをぼう、と考えていたものの思わぬ彼女からの誘いにぱっ、とアリシアのエメラルドは一際輝く。天使が1人で歩くにはあまりに危ない─── アリシアにもそれが適用されるからさておき ─── 地獄をゆっくりと見学ができることなんて、滅多にあることではない。しかも今日は上級悪魔の案内付きだ。こくこく、と何度も頷きながら嬉しい!と言わずとも伝わる笑顔を浮かべれば「 ずっと見てみたかったの!罪人たちは普段どんなことをされて、どんな素敵な声で泣くのかしらって! 」と一切不純物の混ざらない幼く純粋な子供が将来の夢を語るが如く、黒い障壁の向こうにあるであろう彼女の真っ赤な光に向けて言葉を紡いでは天界とは全く違う…どころか180度どこを取ってもおぞましく惨たらしい地獄の風景にきらきらと輝く目をやって。 )

  • No.47 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-09 09:09:34 

物好きだねェ、別にいいけどよ。
(楽しそうに笑いながら、さらりと恐ろしいことを口にする天使に苦笑いを浮かべつつ、再び頭をガシガシと掻きむしるといつの間にか丸まっていた背筋をぐっと伸ばす。彼女には見慣れた地獄の風景を見据え、ズンズンと速い足取りで歩き出した。「ンじゃ行くかァ。ワザワザ天使様に『お越し頂いた』ンだ、最下層案内してやるよ。おーい、上司!カギ寄越せよ!」と笑いながら誰かに呼びかけ、左手を虚空に向けて差し出すとその形のまま何度か揺すった。すると、「…分かったよ…持っていきな」若い男性の面倒そうな声とともに赤黒く汚れたカギの束がぽとりと彼女の手の平へ落ちてくる。その中から彼女は一本の禍々しい雰囲気を纏ったカギを選び出すと、辿り着いていた、彼女の身長の3倍はあろうかと思われるほど巨大な重々しい門のカギ穴に差し込んだ。ガチリ、と噛み合う音がしてカギが開き、彼女はその扉を相変わらず片手で軽々と押し開け、淀んだ空気がむわりと漂うと共に中の風景が露わになる。その奥には筆舌に尽くしがたい─まさに地獄、といった風景が広がっていた。罪人の絶叫が絶えず響き、悪魔たちの嘲笑う声がそれを掻き消すように更に大きく響く。罪人たちは皮膚も肉も剥がれ、生きていることが不思議なほどに痛めつけられているものが殆どであったが、中には更に酷く、骨が見えている人間もいた。彼女は久々に見る最下層─コキュートスの風景にサングラスの下の目をきゅうと細める。あァ、懐かしいー確か、昔はここで勤務していたんだっけかーと思考しつつ、「ハハ、どうだよ?」と隣の天使に問いかけ)

  • No.48 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-09 10:28:56 



ンー……。
お洋服が汚れちゃいそうね!

( 自分たちの背丈よりも随分と大きい、仰々しい扉を片手で開かれた先にあったのは、地獄と言うにふさわしい阿鼻叫喚。最早ヒトとは呼べないようなただ息をするために体を上下させている肉の塊のようなものや、恐らく息をするだけでも激痛が走るであろう骨の飛び出た人間や皮膚のない人間のようなナニカが蔓延る血と焼けた肉の匂いがこびりついたソコは、おそらく普通の天使が見たら失神してしまうことだろう。アリシアはふうん、とまるで会社見学に来た小さな子供のような目で。視界に入るものも、絶えず聞こえてくる悲鳴と笑い声も、血の匂いも。言葉にするのもおぞましい光景を、そこには酷く似合わない宝石のようなエメラルドグリーンの瞳で眺めたあとに隣に居る悪魔の彼女に笑顔と単純な感想を返して。洋服が汚れる事についてしか言及していないあたり、アリシアの瞳には怯えや畏怖が数ミリたりとも混じってないどころか〝これだけ?〟と言いたげな不満さすら滲んでいる。鼓膜を震わす罪人たちのおぞましい悲鳴や痛み苦しみに耐え抜く呻き声や、それらを嘲笑うように響く悪魔たちの恐ろしい笑い声は確かに大きな音ではあるがアリシアの心をざわめかせるほどではない。アリシアが好きなのは天国から一気に地獄へと突き落とされた時の絶望した瞳と言葉すらも発せない喉から出た空気のような声なので、言ってみれば派手なホラーショウを見ているようだった。「 だからジャスティスも黒いお洋服なの? 」と彼女の持つ疑問点はそこだけなのか、周囲の惨状をものともせずこてりと首を傾げて。 )


  • No.49 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-09 10:56:22 

なァんだ、コキュートス程度じゃつまんねェか?
(天使からの単純極まりない質問に「単純に黒が好きなンだよ、オレは。夜の空気は落ち着くんでな」と答えつつも、天使の反応が思った以上に軽く、ジャスティスは拍子抜けしたようにサングラスの下で赤い瞳を伏せた。「そんじゃ、飯でも食おうぜ。この先によ、昔の行きつけだったコキュートスホールってレストランがあンだよ」と話題を変えるように薄く笑い、罪人の山を容赦なく踏み越え、そのレストランへと歩を進める。やがて眩しいシャンデリアの目立つ豪奢な内装の、大きなレストランへと辿り着くと入口に背筋を伸ばしてしゃんと立っている、ウェイター服姿の若い男悪魔に「オレだ。…邪魔するぜ」と片手を挙げて声を掛けた。するとウェイターは急に縮み上がり、「まさか…ジャ、ジャスティス様ですか!?ようこそいらっしゃいませ…!」一瞬天使に訝しげな瞳を向けたが、すぐに賓客でも扱うかのような態度で丁重に彼女と天使を案内し、窓際の白いテーブルクロスが引かれた席に座らせる。彼女はウェイターの挙動に一瞬、本当に一瞬だけ苦しげな表情を浮かべるがすぐに普段の表情に戻り、運ばれてきたメニュー表に目線を落としつつテーブルに肘をつく。「ま、クソ天使サマのお眼鏡に叶うメニューがあるかは知らねェけどな」と一言口に出して)

  • No.50 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-09 12:33:13 



つまらない訳じゃないわ、地獄らしくて好きよ。

( 何だか拍子抜けしたかのような彼女の反応にくすくすと笑ってしまえば、甘ったるい語尾を残しながら正に地獄と言った光景を眺めながらにこにこふわふわ微笑んで。彼らに正気が残って居るのならば、天使らしい天使の見た目をした自分見るなり何かしらのアクションを起こすだろう。それが無いということは、もう何かを考える余裕すらもない息をするだけのモノに成り下がっているという事。それがひとつどころか至る所にゴロゴロ転がってるのは壮観だと。彼女に案内されたレストランは地獄だというのに荘厳で美しいシャンデリアの飾られた豪華な場所。地獄にもこんなところがあるのね、と思わず感心しながら彼女について行けば、一瞬だけ此方に訝しげな視線を向けたが直ぐに丁寧な案内にシフトチェンジした仕事人なウェイターが隣にいる彼女を見て慌てて姿勢を正す。そういえば上級の悪魔だと言っていたものね、とちらりと目の前の彼女を見やれば「 慕われてるのね。 」と運ばれてきたメニューに目線を落としながら言葉を紡ぐ。地獄の食事というものは初めてなので、アリシアのメニューを負う視線はわくわくと楽しそうだ。……さっき一瞬だけ彼女の表情が曇ったように見えたのは、気の所為だろうか。なんて踏み込んだ気持ちはフタをして。 )


  • No.51 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-09 13:01:39 

…あァ。そうだな。
(慕われている、天使からのそんな言葉に気の無い生返事を返し、彼女はメニュー表を見つめる。─この地獄でも屈指のエリートコース、コキュートス勤務を辞めて、拷問の方へ異動したのは何時のことだったか。…きっと、彼女が今戻ってきてもかつての同僚たちは喜んでくれるだろう。何せ、コキュートス内ではかなりの実力者として通っていたのだから。…ただ、拷問の方が性に合っていた、それだけだ─注文を取りに来た店員に「…いつもので頼むわ」と取り敢えず来ていたときに良く食べていたメニューを注文した。改めて店内を見回すと、とコキュートスホールの内装はコキュートス勤務時代と何一つ変わっていない。地獄にそぐわない眩いシャンデリアの煌めく、豪奢な内装のレストランだ。ウェイターが二人分の注文を取り終わり、恭しく一礼をして下がる。「ハッ、反吐が出るほどおキレイだろ?堕天した悪魔が創業者なンだとよ」暇を持て余したのか、煙草に手を伸ばしかけるが流石に店内で喫煙するのは不味いとでも思ったのか、身を乗り出して天使に軽い調子で話しかけた。店内は客がちらほらいるものの彼女の言葉通りに全員静かで、この風景だけ切り取ればまるで天界のようで)

  • No.52 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-09 17:52:57 



堕天した悪魔が、……。

( 先程からやけに気になっていたこのレストランの地獄にはそぐわない雰囲気は堕天した悪魔が理由らしい。アリシアは思わずぱち、と見開いた瞳で店内を見回せば確かに雰囲気は天国にあるレストラン等とよく似ている。外の阿鼻叫喚とは懸け離れた、そよそよとした話し声しか聞こえない落ち着いた店内が妙に身肌にしっくり来たのはこれが理由だったのか、と思わずひとり納得してしまう。だが─── とアリシアがふと彼女の方を見つめれば、相変わらず黒い障壁に映る自分と目が合う。優しい緑色の瞳。これは堕天し悪魔になった物であろうと、瞳の色だけは天使の頃と同じなのだ。現に先日彼女が連れていた彼がそう。堕天したもの達がそのあと悪魔になるのはよくある事だが、まさかレストランを作るだなんて今までに聞いたことがない。「 堕天してまでレストラン経営、だなんて不思議ね。天界だって出来るのに。 」ふと自身の頭に浮かんだ疑問をそのまま零しては、〝天使が悪魔になる〟ことはあっても〝悪魔、または悪魔になったものが天使にはなれない〟という実に門の厳しい天界を捨ててまでコチラでレストランを始めた理由がわからずに首を傾げて。 )

  • No.53 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-10 06:31:35 

…さァな。オレには良く分からねェや。
(元クソ天使サマの思考なんて解らない、解りたくもない。そんな感情を込めて、彼女は天使への返答代わりにそう呟いた。続けて何かを言いかけたところで、ウェイターが二人の注文した商品をトレイに載せ、姿勢良く運んでくる。彼女は俯き加減に、天使を待つこともなく、さっさと料理に手を付けた。…内装と同じように、料理の味も品質も何一つ変わっていないらしい。相変わらずの味が彼女の口内に広がる。微かに頷いて顔を上げるとかつての同僚─コキュートス勤務時代の同僚と目が合った。その同僚は「…ジャスティス?…ジャスティスじゃない!久しぶり!」と彼女の顔を見るなり子供のように大はしゃぎで彼女の元へ歩み寄ってくる。彼女の目の前にいる天使など見えていないのか、かつて彼女がここで勤務していた時の話や噂話、と取り留めもない話を延々と彼女に聞かせていた。「…あァ、久しぶり…ズドラータ」対する彼女の声にはいつもの覇気がなく、いつも天使にも誰にでも、コートのように纏っている威圧的な雰囲気ではなく、どこか角が取れて丸い、至極穏やかな雰囲気が漂っていた。八割方同僚が話しているが、彼女はそれとなく相槌を打ちつつ、ポツリポツリと彼女からも話している。暫く話し込んだ所でようやく気が済んだのか、同僚は元のテーブルへ戻っていった。彼女はため息を漏らしながら天使に向き直り、いつものどこか威圧的な雰囲気、いつもの覇気がある声で、軽い調子で、「ハッ、悪ィな。お喋りな元同僚に捕まっちまった」と軽く謝罪をしてみせ)

  • No.54 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-10 12:20:08 




うふふ、随分と仲が良さそうで妬いちゃったわ。
次は私が独り占めしてもいい?

( 運ばれてきた料理に舌鼓を打ちながら、こういう時にすべき女の行動はただ1つ─── …こちらに意識が向けられない限りは限界まで存在感を消すことだ。余程虫を払わなければいけない場合を覗いて。そうしてひたすら地獄だと言うのに優しい味わいの料理を口に運びつつ目の前の彼女に目をやれば、普段見る彼女とは少し違う、柔らかな雰囲気はいつか路地裏にて見た彼女の笑顔と少し似ていた。そりゃあマァ対極的な種族であり恐らく(というか確実に)彼女が嫌っている〝クソ天使様〟よりは同族と話している方が気楽であろう。アリシアは言葉の割にそんなことを微塵も思っていないような軽さで─── だがやはり重たく甘ったるい声で ───冗談交じりに上記を告げてはニコ!と音が着くように笑って。いつもこれで単純な男たちは鼻の下を伸ばしてこちらの機嫌をとるように猫なで声を出してくるけれど、如何せん同姓のトモダチの少ないアリシアはこういう時の対男性以外の最適解を知らない。 マァ確かに、何かしらとモヤッとした気持ちがなかった訳ではないけれど、此処は人目が多いので天使様が笑顔以外を見せるわけにはいかないのだ。こてり、と髪が肩からこぼれ落ちるところまで計算しているのではないかと思われるような完璧さで首を傾げては彼女の返答を伺うように自分たちの間の黒い障壁を見つめて。 )


  • No.55 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-10 22:23:11 

…あァ、いいぜ。
(クソ天使サマの言葉に彼女は普段通りの軽薄な笑みと共に軽い返答を一つ、含み笑いで障壁に手を掛ける。障壁がゆるやかに彼女の顔から外れていき、かつて有料だ、と嘯いた瞳が、外気に晒されて、白を基調としたコキュートスホールに良く映える、赤く冴えた光を放った。今しがた席へ戻り、─恐らく、コキュートスに勤務していた時代に見たことのあるであろう─ズドラータ以外の、コキュートスホール内にいた他の席の客が嫌悪か、もしくはそれ以外に息を呑む気配を感じ取り、彼女は自虐的に薄く微笑む。「ま、さっきのお詫びだ。特別に無料でオレの目、見せてやンよ」と笑ったまま、ずい、と更に顔を天使の方へ近付けていった。血のように赤く冴えつつも、鮮血よりも赤く冴え渡った光を放つピジョン・ブラッド。昔から、期待を込めた瞳や嫌悪の瞳で見られるのはコイツの所為だ─オレは、オマエらが期待するほど優秀でもなければ、嘘も見抜けないし、ましてやこの瞳で見ただけで命を奪うことなんて、到底できないのに。なのに、どうして─彼女は頼んだ石窯バケットのパンを片手で千切って口に押し込みつつ、瞳と同じように赤いスープを啜りながら天使の反応を伺っていて)

  • No.56 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-11 08:18:23 



─── うふふ。やっぱり綺麗。

( 目が冴えるような、紅。其れが自分の手の届く範囲に在る。思わず伸ばしてしまいそうになる手を自身の頬に添えることで固定をしては、自分の欲望に忠実に崩してしまいそうになる笑顔を気合いで保ちながらアリシアはうっとりとした声でぽつりと言葉をこぼす。周りの悪魔…もとい客たちの反応からするに、地獄で働く悪魔たちの中でも彼女の瞳は特段珍しい色輝きなのだろう。アリシアは1度自分のエメラルドと絡むピジョン・ブラッドから目線を外して思わず店内の客たちを見廻す。天使が此方を向いたことで慌てて視線を逸らす悪魔たちにふ、と思わず鼻で笑ってしまえばスッキリしたのかまたニコニコと〝いつもの笑顔〟に戻って彼女と向き直る。宝石のような、はたまた鮮血ような。月の光にも似た輝きを持つ彼女の不思議な瞳は相変わらず美しくて、その瞳の中に自分だけが映ればいいのにと独占欲にも似たアリシアの我儘がぞわぞわと体の底から沸きあがる。美しいものは傍に置きたい、それと同じようなごく単純な理由だ。欲しい、と動きそうになる唇と心に蓋をしながら優雅な動作でスープに口をつけては「 私、好きよ。あなたの瞳。あなたがどう思っているかは分からないけど。 」と素直な気持ちを吐露しては彼女の強い紅とは正反対の柔らかな緑の瞳で微笑んで。 )


  • No.57 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-12 07:29:40 

…ハハッ。そりゃァ、どうも。
(彼女は何とも言えないような表情のまま、赤く冴えた瞳をきゅう、と細め、眼の前の天使の美しいエメラルドグリーンをじっと見つめる。あの同僚と同じ、柔らかで優しい光を放つ、緑の瞳。─自分を虐げたヤツらと、同じ光だ。ヤツらも血のように赤い目をした悪魔のクセに、その目が放つ光は妙に優しくて柔らかだった。ひどく忌々しくて、無性に壊してやりたくなる─そんなどす黒い気持ちを見ないように心の底に押し込めて、フタをして、誤魔化すように手に持っていた石窯バケットに豪快に齧りつく。彼女は乗り出していた身を元の席に戻し、黙々と食事に手を付けた。食事が殆ど無くなったところで、「ハハ、飯も済ンだし…コキュートスの次は何処へ案内すりゃいい?クソ天使サマ。罪人が苦しんでるのを見たいなら…拷問課か?それとも処分課か?」と冗談めかすように軽く笑い)

  • No.58 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-12 22:55:14 



そうね─── …じゃあ、あなたがいちばん恐ろしい思うところに。

( クソ天使様、と呼ばれることに対してはもう慣れたのか─── それともハナから呼び方なんて気にしていないのか ─── おそらく後者であろうが、アリシアは相も変わらず語尾にハートが付くような甘い口調でそんなことをさらりと言ってのけては、連れてって?と言わんばかりに笑顔で首を傾げて。拷問や処分等と聞けば大抵の人が想像するのは口にするのも恐ろしいスプラッターな光景と先程から耳にこびりついて離れない悲鳴たちだろう。だが、そんなものに恐怖を覚えるほどアリシアの心は柔らかくもなくまた純粋でもないのだった。アリシアは今度が逆に自分が彼女の方に乗り出せば「 ね、〝上級悪魔様〟。連れてってくださる? 」と、まるで子猫がみゃあみゃあと甘えるような口調で問い掛けつつ、するりと彼女の頬に触れるか触れないかギリギリのラインに真白の手を滑らせて。 )


  • No.59 by グラサンオールバックの悪魔(♀)  2023-07-13 18:56:33 

…オレが、ねェ。
(天使の指先が頬を掠めると、彼女は背中にいきなり氷を詰め込まれたような、ぞわりとした奇妙な感触を覚えた。いつも通りの軽薄な声で答えつつ、表情には出さないものの、瞳の赤く冴えた光が一瞬だけ、何の感情かゆらりと不安定に揺らめく。「…そうだなァ。そンじゃ、拷問体験させてやるか。拷問課のヤツにもオレが言っとけば、まァ文句ねェだろ」彼女はそう言って立ち上がり、コキュートスホールのレジへとズカズカと進んでいく。天使よりも先に自身の財布をポケットから抜き出し、どことなく不機嫌そうな態度で、札を何枚かレジ係の悪魔に叩きつけた。彼女は、天使と共にウェイターに見送られながらコキュートスホールを出て歩きつつ、スーツの胸ポケットから服装と同じく黒い携帯電話を取り出して拷問課へ連絡を取っている。どうやら相手は元天使の青い瞳をした同僚らしく、急に告げられた、元知り合いを連れて行くという旨の連絡に、当然ながら慌てたような声がスピーカーから漏れ出していた。「…オレだ。あのよ、今からクソ天使サマそっちに連れてくから。テキトーな罪人見繕っとけ。…ア?まだ後回しにしてるクソ野郎とか何かといンだろ。ま、取り敢えず行くからよ」彼女は一方的に捲し立てると電話を切り、天使の方へ向き直って「…ま、行くか」と笑って)

  • No.60 by 見た目が良くて性格が終わっている天使(♀)  2023-07-13 21:30:43 



ぁ、─── … あ、ありがとう。ええと。……ご馳走様…?

( お会計。彼女が男性であれば当たり前のように ─ 最も表面上は申し訳なさそうな顔をして財布を出すことなくお会計が終わるのに、友達も少なければ女の子同士でご飯なんて行ったこともないミシェルは今まだに出したことの無い動揺をおろ、と見せればいつもの笑顔もそこそこに少しぎこちなくくい、と彼女の服の裾を引っ張ればぽそりと零して。その瞳は割り勘じゃなくていいの?やら案内してもらっているのだから私が出すのに、と言いたげな不安に揺れており。だがしかしすぐに拷問課に連絡をとってくれている彼女にパッ!と分かりやすく周囲に花が散るように表情を明るくしては 「 えぇ! 」と此方を振り向いた彼女の笑顔に答えるようにきらきらと眩しい笑顔を浮かべて。拷問かあ、生で見るのは初めてだわ。拷問体験って何をするのかしら!とその旨は期待を順調に膨らませていて。 )


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