白涼 2023-06-06 17:44:37 |
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やっと嫁入りできたね。
ながくて、ながくて、いつくらい、どれくらいのときか僕は忘れてしまったのかな。
ねぇ、君の器は僕が大切に生かしてあげる。
ねぇ、きみはいまはどの世にいるのかな。
ねぇ、きみはいまなにをおもってるね。
ねぇ、きみは僕と一緒にひとつなんだよね。
きれいだね。鶴。白神。鬼神、獅子神に嫁いだ。きみ、きれいな百鬼夜行。嫁入り道中だね。
ねぇ、なんで僕は空っぽなんだろ。
やっぱり鶴がきみの魂だからかな。
さびしいよ。きみが一等ちかいに、一番遠い。
次はいつの世であえるのかな。
僕は君がきれいだといったこの世界を生きるよ。ひたすらに這いつくばっても、この君から貰った器が死ぬときまで、僕はこの眼に全てを見透かすよ。
ねぇ、きみ。愛おしいんだ、可愛いんだ、
ねぇ、きみ。きみは僕の傍にずっと居るんだよ。
消えたらゆるさないからね。
はあ。これくらいで、この物語。まあ、みるひとによったら御伽噺のようだね。
だけど、小説より事実は奇しくなり。
これにて、しまい、しまい、しまい、
めでたし、めでたし。
ねぇ。もし、まだこの命のもう消えた灯火がその焔が、煙が、残火が、この世にあるうちは僕はきみの軌跡をたどるよ。
ああ、こうやって、思いが溢れそうなときだけ
この道導の処で待ち合わせしよう。
ここは渡し船、三千里、九千人、九十九、白神と成す。
在るがままを、在るがままに。
君の言の葉をただ追いかけて。
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