キングダム

…(手の甲に感じる感触に頬を緩め、こちらは首筋に軽く口づけを返して)俺とお前は正反対だ。この先もすれ違いがあるやも知れぬが、俺から離れることは許さん。

(首筋に口付けられるともっと触れてほしくなり、王賁の方に体勢を向けると胸元に顔を埋めて)…離れない。

…(今までも何度かこんな風に顔を埋められたが、甘えられているような気がして嬉しくて。鼓動が加速するのを気付かれてしまっているはずだが、今はこうしていたいと思い、抱きしめたまま大事そうに髪を撫でて)

(王賁の速い鼓動の音に可愛いと思うと、服を少しはだけさせて胸元を強く吸い付いて)…俺だけの王賁。

…っ(小さな刺激に指先を震わせ。蒙恬の言動によってまた感情が昂り、衝動的に蒙恬に覆い被さるような体勢になり)お前も俺だけのものだ。誰にも触れさせん。(直視し言葉を紡ぐと唇を塞いで。角度を変えながら深めていき、唇の隙間から舌を割り込ませようと)

…王賁、(王賁の言葉や体勢により頬が染まり、王賁の後頭部に手を添えると合わせるように深く口付けすると舌を絡ませて)

(合わせるように絡めていたが、強い想いや独占欲に支配され、更に欲が溢れ出て)……蒙恬、(唇を離し熱を帯びた声色で名を口にすると、再び塞いでとらえた舌を求めるように吸って)

(息を忘れるほど王賁との口付けに夢中になり、苦しくなると一度唇を離し赤く染った頬を隠すように俯き)

…面白いほど真っ赤だな、蒙恬。(こんな蒙恬は新鮮で、その色気や可愛さはゾクゾクする程で。額や瞼など次々と唇を落とし、最後は唇を啄むように口付けると嬉しそうに蒙恬を見下ろしており)

(王賁の余裕を含んだ言葉や顔つきに対抗するように、軽く睨むと王賁の胸元に頭を預けて)…愛してる。

(その表情も仕草も贈られた言葉も全てが愛おしく、心が満たされていくのを感じて。蒙恬を抱き締め直すと軽く擦り寄り)…俺もお前を愛している。

(擦り寄る王賁の頭を撫でながら)…結構積極的だよね。

自分でも戸惑うが、お前が相手だと勝手にこうなる。…嫌だったか？(他人にこれ程好意を持った事もなく全てが初めての事で、色々間違ってしまったかと不安になり少し腕を緩め)

嫌なわけない。(自分の言葉で王賁を不安にさせてしまったと思い、抱きしめる腕に力を込めて)

(抱きしめられると安堵して抱き返し、心境を吐露し)…お前が傍にいると触れたくて堪らなくなる。お前への感情をどう消化すれば良いのかわからぬ。

消化する必要ある？…俺だって王賁に触れたくて触れたくて仕方ないよ。(再び抱き締められると嬉しくなり微笑み)

(想いが溢れ暴走気味な己を恥じ、綺麗に微笑む蒙恬から逃げるように目を伏せ)…お前も本当は呆れているのではないか？普段の俺とはまるで違う事に。

(先程から不安なのか自信のない事ばかり言う王賁の顎を指先で掬い上げると口付けして)…呆れるどころか普段とは違う王賁を俺だけが知っていると思うと、愛おしくておかしくなりそうだよ。

蒙恬…(蒙恬の言葉に安堵と歓喜に包まれ、口付けを返して強く抱きしめ)馬鹿を言え。お前といると俺の方かおかしくなりそうだ。

(強く抱きしめられると嬉しそうに目を細め)…そろそろ帰らないと、皆心配しちゃうんじゃない？