死生契闊も程々に 〆

死生契闊も程々に 〆

   2022-10-18 18:04:06 
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「 勝手に死んだら殺すぞ。 」



※お相手様決定済み
※第三者の介入厳禁







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  • No.61 by 篠藤 成津  2022-10-30 22:00:04 




はいはい、今直ぐ。…───これでいいか。もう食っていいぞ。この小さい皿の液体に漬けて食うと美味い、…と思う。
( さらり躱された返答に安堵を覚えど生肉は許し難い。落ち着きの無い隣人の催促を流し適当な相槌を打てば、同時に他の生肉並ぶ皿に手を付けぬよう目を配り。暫くして通常より多く網上に並べた肉を全て相棒の取り皿に移し。芳ばしい香りに今にも腹奥が鳴き声を上げそうだが一旦堪え、新たな皿から自身の分を含めた生肉を丁寧に置き始めては今に食すだろう相棒を横目で見遣れば一言付け足し )



  • No.62 by 現月  2022-10-31 00:01:58 




何なんだよコレ。
( 皿に盛られる肉から漂う香りは確かに生肉のそれとは違い、桁違いに食欲が刺激される。単純な思考と連動するように腹の虫が鳴き、焼き上がった肉すら素手で掴むと疑問を零しながらも言われるまま小皿のタレへ肉を突っ込み。あっと言う間にテーブルを汚すタレの飛沫と、口に運ぶまでに滴った肉汁やらがシャツを汚すのには当然意識を向ける事なく、口の中一杯に肉を頬張ればこれまで味わった事の無い美味に瞠目し。興奮を露わに声高に叫ぶと次から次へと小皿を経由して肉を口に放り込み、みるみるうちに自らの周辺が惨事となっていく様は正に食い散らかすという言葉そのものであり )
!!──うまッ!!何だコレ!!肉!?すげェ!!



  • No.63 by 篠藤 成津  2022-10-31 01:00:18 




生きてる内に沢山食っとけ。…それと少し落ち着いて食え。
( 相棒が続々と口内に肉を放る為か、並の速度とは程遠いペースで網上の肉が減っていく。過ぎたブラックジョークを零す間も生肉を乗せた皿は空。新たに皿を引き寄せ多めに焼きながら、自身の取り分も適当に食すが隣人の食事風景はどうも戴けない。相棒付近のテーブルはお世辞にも綺麗と言えず。コーラを数口含み口の中を刺激する炭酸を楽しみつつ嚥下しては、密かに若干の距離を取ろうと腰を浮かせ。今しがたの相手の発言に引っ掛かるものを見出し、何気ない素振りで尋ねて )
どう見ても肉だろ。監獄の中って相当杜撰な扱い受けたんだな。



  • No.64 by 篠藤 成津  2022-10-31 11:30:07 




ん、生きてる内に沢山食っとけ。
( 相棒が続々と口内に肉を放る為か、並の速度とは程遠いペースで網上の肉が減っていく。過ぎたブラックジョークを零す間も生肉を乗せた皿は空。新たに皿を引き寄せ多めに焼きながら、自身の取り分も適当に食すが隣人の食事風景はどうも戴けない。相棒付近のテーブルはお世辞にも綺麗と言えず、コーラを数口含み口の中を刺激する炭酸を楽しみつつ嚥下しては、密かに若干の距離を取ろうと腰を浮かせ。鮮明に思い出せる程の衝撃的な光景を払拭するように何処か得意気に語り )
すごいだろ。生肉より旨いと思うぞ。



( /現月くんの出生や過去に触れそうな失態を犯しておりましたが故、少々手直しさせて頂きました…!大変申し訳ありません。また後一往復辺りで悪魔を登場させたいと思うのですが、如何でしょうか? )



  • No.65 by 現月  2022-10-31 11:56:58 




ソレ言うならオマエが生きてる内に、だろ。俺の面倒見るヤツ居なくなったらどうせまたあっちに戻されンだろうし。…手ェキモい。あとこの美味ェヤツ無くなった。
( 口端から垂れる肉汁を親指で拭い、口内の肉を咀嚼しながら横目に相手を一瞥して訂正を入れ。人間の身体構造の脆さを理解しているというよりは、自分自身のタフさと未だ尽きる様子を見せない寿命についてを熟知している。何処か投げ遣りな口調で言葉を返す傍ら、ある程度噛み砕いた肉を強引に呑み込むと意識が会話に逸れた事で手がべたつく感触への不快感に気が付き、握ったり開いたりを繰り返しながら眉間に皺を寄せて訴え。得意げな言葉に対して素直に頷くと、今しがた視界に入りやっと認識した何やら黒い液体をしげしげと眺め。しかし物は試し、疑問に対し返答がある前にグラスを鷲掴みにすると勢いよく呷り )
肉じゃねェみてェだな。……ん、何だコレ。


( / わざわざありがとうございます!あれくらいサラッとしたものでしたら、サラッと返せるくらいの過去は練ってありますので全然大丈夫ですよ!そうですね、丁度良いタイミングかと思います。ご提案頂いた流れで進めてまいりましょう! )



  • No.66 by 現月  2022-10-31 13:37:46 




( / 一部会話に不明瞭な部分があったため再投稿失礼致します…! )


ソレ言うならオマエが生きてる内に、だろ。俺の面倒見るヤツ居なくなったらどうせまたあっちに戻されンだろうし。…手ェキモい。あとこの美味ェヤツ無くなった。
( 口端から垂れる肉汁を親指で拭い、口内の肉を咀嚼しながら横目に相手を一瞥して訂正を入れ。人間の身体構造の脆さを理解しているというよりは、自分自身のタフさと未だ尽きる様子を見せない寿命についてを熟知している。何処か投げ遣りな口調で言葉を返す傍ら、ある程度噛み砕いた肉を強引に呑み込むと意識が会話に逸れた事で手がべたつく感触への不快感に気が付き、握ったり開いたりを繰り返しながら眉間に皺を寄せて訴え。ついでに散々食い散らかした挙句、大半を零したせいで皿の中に注がれていた液体が無くなってしまった事を不満そうに言い添え。得意げな言葉に対して素直に頷くと、今しがた視界に入りやっと認識した何やら黒い液体をしげしげと眺め。しかし物は試し、疑問に対し返答がある前にグラスを鷲掴みにすると勢いよく呷り )
肉じゃねェみてェだな。……ん、何だコレ。


( / わざわざありがとうございます!あれくらいサラッとしたものでしたら、サラッと返せるくらいの過去は練ってありますので全然大丈夫ですよ!そうですね、丁度良いタイミングかと思います。ご提案頂いた流れで進めてまいりましょう! )



  • No.67 by 篠藤 成津  2022-10-31 14:05:41 




…否定できないな。ああでも、半分だから其処らの悪魔と違ってお前は知能が高いだろ。利口にしていれば新しい人間と組まされると思うが。これで一旦手を拭いて肉は待て。
( 的を射た返答に刹那目を瞠り、仕事上早々に浮かび上がった近い将来に苦い表情を浮かべ。別段深い意味は非ずとも、躊躇いなくさらりと口から零れた本心を拭う事は無く。要望に関しては背凭れと別れを告げ数少なくなりつつある新たな皿上から肉を焼すがら、薄いビニールに包まれたおしぼりを渡し。使い方を理解しているのか微少な懸念点がある為か、肉を焼きながらも時折伺い見て。途端隣人が無謀にも呷った炭酸飲料の刺激は強い筈、半悪魔の舌に馴染むか以前に耐え切れるのか気に懸かり )
コーラ。つい一緒に頼んだんだが、飲みづらいか?



( /なんと!それではまた、隙を見て現月くんに聞かせて頂きたい所存です。ご快諾してくださり感謝の限りで御座います!ではこの流れに沿ったまま戦闘まで進行致しましょう。なにかご不明点が御座いましたら、遠慮なくお声かけくださいませ! )



  • No.68 by 現月  2022-10-31 16:10:10 




!?──ッオイ、ンだよコレ!!何てモン飲ませンだ…!?
( 一体何を渡されてどう拭けと言うのか、淡々と紡がれる言葉を聞き流しながら数秒程はビニールに包まれたものを弄っていたが飽きてしまうと相手の方へ投げ出し。興味が移り変わり後先考えず口に含んだ液体は口内から喉の奥までを針が突いていくような刺激を残し、ビクッと肩を震わせるとまるで貶められたかのような悲壮を含んだ眼差しで相手を見据え。しかし口の中に残る甘みと妙な感覚は癖になる物があり、恐る恐る再びグラスに口を付け )



  • No.69 by 篠藤 成津  2022-10-31 17:51:21 




俺の好きな飲み物。お前の好みに合うか知らんが、物は試しだろ。
( 半ば予想通りに放られたおしぼりに気付き薄皮のようなビニールを剥がして再度相手の前に置いて。次いでに店員に呼びかけ新たな小皿を用意して貰えば届くまでの待ちすがら、高反発な反応を繰り広げる相棒を興味深げに観察し。元老院の者さえ恐れる人間も居るであろう半悪魔が、隣で炭酸飲料にビクついている。それだけで十二分に面白可笑しく感じ見守る眼差しには楽しげな色が浮かび。自身もグラスを傾けた直後地震のような揺れが断続的に店全体襲い、予感と経験による推測で未だ揺れる個室の中淡々と告げて )
腹拵えはお終いみたいだ。



  • No.70 by 現月  2022-10-31 18:43:57 




…趣味悪くねェか。
( 炭酸という物に触れるのが初めてであるため、これがどれほど多くの人類に受け入れられ嗜好されているのかを知らず、扱いは宛らゲテモノ。禍々しい見た目も相俟って苦い表情で呟きつつも先程からちまちまと飲み進めるペースが衰える事は無く、気付けば空になってしまったグラスを複雑な感情と共にテーブルに置き。ところで肉はまだかと網の上に目を遣ったのとほぼ同時に揺れる床、頭上に吊るされた照明も同様に激しく揺れ、個室の外から人間たちの狼狽える声が聞こえる。周囲に漂うただならぬ気配は対岸の火事とばかりに網の上へ直接手を伸ばし肉を摘まみ上げると、次から次へと口に放り込んでいき。溜め込んだ力を少なからず発散できる場であるから悪魔を狩る事に全く抵抗は無いが、今はとにかく目の前にある肉を口に入れたくて堪らない。横から平坦な声が聞こえて来ようとも網の上に肉が無くなれば、皿にのった生肉を掴み黙々と口に入れ )



  • No.71 by 篠藤 成津  2022-10-31 20:29:18 




…一旦退いてくれないか?
( 凡そ悪魔と距離が近いのは生憎自分達、職業柄見過ごす訳にもいかず、構わず食事を続ける相棒に焦れる心情隠す事無く言い放ち。答えを聞く前におしぼりで相手の両手口元を雑に拭い、廊下に面した席に座す猫背を力込め押し出そうと試みて。されど個室外から聞こえる狼狽え怯える客達と相反して安穏と食す相棒に深い溜め息を吐き、行儀は悪いが軽々と隣人を乗り越え廊下を駆けて。いつか散々と言い聞かされた“人死が出る前に一刻も早く悪魔を倒せ”の言葉が木霊するようで、急くままに店長を呼び掛けては無言で頷かれ安堵すれば奥の個室、未だ相棒が居るであろう場所を一瞥し、操縦の効かないのが半悪魔だと思い込ませ小さく唇を噛んではジャケットを翻し店を後にして )
店長、シェルターがあればお客さんと共に其方に避難を。無ければ女性と子供優先でなるべく遠くへ逃げてください。会計は───



  • No.72 by 現月  2022-10-31 21:27:32 




ム゛!!
( 目に付く肉は粗方口に詰め込みご満悦といったところ、何だか知らないが焦燥混じりの声に満腹一歩手前で動く気の起きない巨躯を気怠そうに背凭れに預け。しかし口を開く前に乱暴に口元を拭われ籠った声を上げると、悪魔の出現を知らせる揺れから一人忙しなくしている相棒を呆れたような顔で眺めて。傍で他人が自分のペースから外れ動き回っている現場に居合わせた時、その流れに呑み込まれる事なく寧ろやる気を無くすのが性分。店を出て駆けていく後ろ姿を見て溜息を零せば、ようやっと立ち上がった背から狭い屋内であるにも構わず巨大な両翼を生やし。一度はためかせれば突風が起き、風に煽られ飛び散った皿やグラスが割れる音と半狂乱の人間たちの喧しい叫び声が響く。向けられる怯えた視線すら鬱陶しく舌打ちを漏らすと、翼を振って勢いよく店を飛び出し直ぐに悪魔の元へ向かう相手の背を見つけ。風を切って滑空しながら背後から相手の脇の下に両手を遣ると、その体を持ち上げ上空に飛び上がり。見下ろせば被害の出ている地域は一目瞭然。仄かに鼻腔を突く血の匂いに体の内側で疼くものを感じ思わず楽し気な声で呟くと、相手の体をぶら下げ目的地へ向かって加速していき )
アレだなァ?デケェのが暴れてンじゃねェの。



  • No.73 by 篠藤 成津  2022-10-31 22:26:05 




アイツの背後に逃げ遅れた人達が居る!俺が避難誘導するから、その間──少しの間だけ悪魔の気を引いて欲しい。…出来るか?
( 悪魔から逃げ去る民間人と逆方向へ進もうと人並みを掻き分け前進するが、人波が阻み思ったように距離は縮まらず。暫くしてごった返した箇所を抜ければ不意に風を切る音の後、地面からふわりと浮く脚に瞠目するも僅かに首を捻り振り変えれば、嬉々とした調子の相棒。先刻の単独行動に最悪出奔の可能性すら頭の片隅にあったが故に酷く安堵感を抱き、されど状況的には予め存じていれど未だ不慣れな感覚が蝕む。祓魔の文化が浸透して幾十年経てど、異形の半悪魔が人間の傍らに居るのがさぞや物珍しいのか見上げる民間人の視線は気に留めず。支えられ滑空する相棒に状況説明すべく口を開き、相棒の力量を知った上での頼み事をして )



  • No.74 by 現月  2022-10-31 23:24:21 




はッ、くだらねェ事聞くな。気ィ引くも何も、あんなデケェだけの雑魚殺るくらいどうって事ねェ。
( 出来るか否か、そんな事を聞かれるとは寧ろ心外だとばかりに一笑に付すと、昂揚を隠そうともしない瞳を真っ直ぐに悪魔に向けたまま笑みを浮かべる口元から鋭い牙が覗く。ものの数分で爆心地の如き有様となった悪魔の居場所に到着すると、一先ず高度を落とし相手を地面に下ろし。そのまま地に足を付ける間も無く翼を振って再び上昇すると、未だ此方には気が付いていない様子で人間の姿を探す悪魔の眼前へ舞い降り )



  • No.75 by 篠藤 成津  2022-11-01 00:20:32 




愚問だったな、任せた。
( 頼もしく言い切る相手に初めてバディを組んだ頃合いが脳裏を過ぎる。統率が取れず中型悪魔一匹討伐するのに時間を経て、自分より幾分も血の気が多いであろう相棒を宥めるにも手を尽くした記憶が掠め。地に足が着けば、好戦的な色の灯ったグレーの瞳に多くは言うまいと、自分で課した仕事を達するべく逃げ遅れた人々の方へ駆け出し。漸く遭遇したのは未だ幼さの残る顔つきの学生達数人。恐らく中学生だろうか、肩を震わせコンクリート下で怯え屯っており。怪我人がいない事に安堵の溜め息を吐き、スマホを掲げ地図アプリで退路を確保した旨を伝え着いてくるように手招いて )
祓魔師だ、君達を救助に来た。この中に怪我人は居るか?…よし、此方の方面から逃げよう。途中まで行動を共にするから安心してくれ。



  • No.76 by 現月  2022-11-01 01:37:55 




キモイ見た目してンなァ。どっから手ェ付けろってンだよ。
( 対峙するのは視神経の様な幾本もの触手を纏った眼球その物と言った風体の悪魔。互いに上空に浮遊したまま向かい合い、真正面から受ける物理的に強烈な眼差しに自然と眉間に皺が寄り。核が目視できなければ弱点もよく分からず、大儀そうに呟いた瞬間此方に向かって勢いよく伸びてきた触手は先端の形状を槍のように変える。躊躇いなくそれを正面から受け入れ胴体を貫く数本の触手に口元を歪めて笑むと、一纏めに掴んだ粘性のあるそれを豪快に引きちぎり。痛みを感じるのか否か、微かに悪魔が動きを止めた隙を見逃さず思い切り振り被ると、掴んだ触手を起点として振り回し手頃な高層ビルへ向けて放り投げ。地面に大量のガラスの破片が降り注ぐのを傍観しながら腹を貫通したままの触手を抜き取ると、早くも再生を始める皮膚の感触がある。未だにそこから血が滴っているのも構わず地上へ下降すると、乗り捨てられた2トントラックが目に付きいとも簡単に持ち上げたそれを高層ビルの壁面にめり込んだまま動かない悪魔へ向けて投げ付け )



  • No.77 by 篠藤 成津  2022-11-01 19:09:29 




現月!…ここら担当の祓魔師があのビルにも避難指示を出していたらしい。人死が出なくて良かった。
( 歪な翼を広げた後姿に呼びかけながら駆け寄り漸く合流すれば、相棒の視線の先を追って悪魔の状態を仰ぎ見る。依然と崩落していく硝子張りのビルに双眸を凝らし、薄ら目を瞠り呆気に取られるも数秒、普段の調子で語る口調は終盤にかけて何処か重苦しく。途端固定されていた悪魔がぴくりと動いたと思えば、先端の形状を槍と化した触手がこちらへ向かい勢い良く伸ばされ。左腰に提げた日本刀を鞘から素早く抜き取り、相棒と自身へ届く間際切り捨てれば、じゅわりと溶けた触手が力無くその場に蕩け落ち。相棒の腹部の血痕を一瞥すれば、ジャケットを脱ぎ捨てカッターシャツを腕捲り尋ね )
しぶといな。…血、分けてやるから悪魔の頭上まで運んでくれないか。



  • No.78 by 現月  2022-11-02 11:01:06 




避難?…あァ、へェ。
( 悪魔にトラックがめり込むのを見届け追い打ちを掛けようと特攻の如く自らも突っ込んでいく直前、下方から名を呼ぶ声が聞こえると振り返って地面に降り立ち。語られる言葉に片眉を上げいまいちピンと来ていないような反応を示すも、理解に至ると興味の無さが匂い立つような気の無い相槌を打つ。そもそも悪魔が出現した時点で死者ゼロは不可能に近い。その上此方の目的は悪魔の討伐なのだから、一般人をいちいち気にかけていられない。そんな冷淡な思考は常にあり、わざわざ口に出すことが無くとも相棒に知れてはいるのだろう。面倒だ等と考え束の間悪魔から視線を逸らした時、いつの間にか反撃されていたのか目の前に閃く刀と落ちる触手の残骸に忌々し気に舌打ちをして足元で液状になりかけているそれを踏み潰し。そこへ横から声が聞こえれば晒される腕に目を遣りながら肩を竦めて返答するも、貰えるものは貰う主義。手首を掴み無遠慮に滑らかな皮膚へ牙を立てると、溢れ出す血を呑み込み )
ンなの血ィ貰わなくたって余裕だっての。



  • No.79 by 篠藤 成津  2022-11-02 17:02:59 




おい、それならもういいだろう。やるぞ。
( ベタついた粘液が纏う愛刀を一振りし、銀に煌めく刀身を眺めては不意に思うは地面に転がる触手の残骸。斬り捨てたばかりの触手はいつの間に泡になり、次第に液状化が始まっている。呪いが施された武具で応戦しなければ死なない程の力を有する悪魔がこの状態に陥っているのは、半悪魔の弱体化させる攻撃よるものなのだろうと結論に至り。自ずと曝け出した腕に、ぷつ、と皮膚を貫く常人より幾らか鋭さのある犬歯に一瞬眉を顰める。吸血によって心做しか身体が冷えゆく感覚に襲われど、良くも悪くも慣れ始めた行為を冷静に見守り。躊躇いなく溢れる血を呑む姿はまさに悪魔宛らだが、監獄に引き戻されんと強いて人間に従うさまは怪物と一括りにするのは何故か腑に落ちず。そろそろかと徐に視線を腕へ落とし、掴まれた手首をふらふらと揺らし )



  • No.80 by 現月  2022-11-03 19:16:44 




──ハイハイ、言われなくて……もッ!!
( 少量ずつ喉の奥を伝う血液特有の匂いが鼻から抜けていき、喉を鳴らす度に体中が熱を持つような感覚がある。じわじわと少しずつ修復が進んでいた腹の穴も気づけば塞がり、カッターシャツの前後が破れた痕だけが残っている。声が掛かると漸く牙を抜き、腕から離した口元に垂れる血を舌で舐め取りながら徐に相手の首根っこを掴み。運べと言われたような気がするが、こっちの方が早いだろう。そんな単純な考えから相手の首根っこを掴んだその手を大きく振り被り、自らの体を抑えつけるトラックを吹き飛ばした悪魔の頭上を目掛けて思い切り放り投げ )



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