検索 2022-07-09 20:46:55 |
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あ、……いや……昨日、撤退していった奴らとまたカチあっちまって。昨日の俺達見て武装を強化してきやがったんだ。鉄パイプとか釘バットとか……サバイバルナイフとか…まぁ、シャツは派手に汚れちまったが体は眷属になってたおかげでこの通り問題ねぇよ。依頼も無事終わったし
(引越しの為少しずつ荷物を事務所に移動させていたがまさか仕事着一式を移動させたのがアダになるとは思わなかった。なんとか相手に見つかる前にデスク脇に置かれたストック分から隠蔽用のシャツを取り出そうとする、それを手に取った瞬間に気配を感じて振り返れば相手が傍に立っていて思わず顔が引き攣った。約束のためになんとしても隠し通さなければならなかったのに、よりにも寄ってあの時と同じ傷を相手に見せたくなかったのに。相手がこちらの名前を呼ぶがその声は震えていて様々な感情が入り交じっているのが良く分かる、その中には怒りも当然あるだろう。低い声で問いかけられればその色はより濃くなって息を詰まらせた。慌てて立ち上がって無意識に取り出したシャツを後ろ手に持つ。自分が相手の信頼を裏切っていることはよく分かっている、しかしおやっさんの縁から繋いだこの依頼を断りたくない。その願いと、もっと打算的な、相手の血が欲しいという欲望が相まって口から出たのはとぼけながらの言い訳だった。大量に血を失ってしまって昨日よりも吸血欲が上がっている、相手を視界に納めいつもより敏感になった嗅覚が相手の匂いを捕らえて血が欲しいと体が掻き立てられる。その衝動はなんとか相手を説得して血を貰わなければという焦りに変換されて、返事の隙を作らぬよう立て続けに喋り続けた。昨日よりも体はなんともないのだと必死にアピールして、最後には「血を飲めば全部治っちまうしな」と本音を滲ませる言葉を付け加えて)
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