藜 レイ 2022-05-14 23:31:01 |
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>>186
…そう。そうね。
記録や文字には刻まれない、掛け替えのない思い出、想い人の匂い、声、温もり。
あなたは、ちゃんと心に刻んでるのね。
そして今、私へと紡いでくれた。
嬉しい。
あなたは立派よ。
…私は、彼が遺してくれた温もりを誰かに託し、残す事さえ放棄し、ここへ逃げて来た。
あなたは、胸に刻みつけたその痛みを、絶対に忘れちゃ駄目よ?
(ひと息つくと、いつしか炭となっていた煙草を地面へ掻き出し、パイプを懐へしまう)
…さて、私は小休止がてら何処かへ散歩してこようかしらね。
…ああ、葉巻の吸い殻は適当に処分しておいてね。引き止めて悪かったわね。
また、酒場ででも会いましょう。
…ありがとうね。
(傍らに敷いていたローブを取り上げ、羽織りながら立つと、背を向けて林を後にした)
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