箱庭 2022-01-18 15:55:01 |
通報 |
>39 クイル・ノア
これは失敬。__ふふ、まさか。少し訓練棟に用事があっただけだよ。
( 相手の抗議ににこやかに謝罪しつつ、体術が不安なわけではないということは穏やかに、けれどはっきりと主張して。1年生の頃、1科目だけうっかり赤点スレスレの点数を取ってしまった時の父からの怒りの手紙は、今でも思い出したくないほど。それがトラウマということでもないが、エーデルシュタインの次期当主たる者、常に優秀な成績を保たねばならないのだ。ミロードの寮長が体術の試験に焦っているなどという噂が出回られては、たまったものではない。喋っているうちに僅かに頑なになった彼の口調に思い出したのは、自分たちが入学したばかりの頃、体術の授業で彼を派手に投げ飛ばしたこと。自分は今の今まで忘れていたことだが、もしかすると彼はそれを根に持っているのかもしれない。くすりと笑えば、親切心と煽りの入り混じった声色で )
けれど、君がどうしても不安だと言うのなら、練習に付き合ってあげても構わないよ。入学した頃よりは強くなっているんだろう?
( / ありがとうございます!せっかくですので、入学当初にクイル様を投げ飛ばしたのはフランツィスカということにしてみました。こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします )
>40 ギルシャ=カルライン
ご機嫌よう、ギルシャ。たまにはこういうところで読み物をするのも悪くないよ。__それと、先輩には敬語を使うこと。君も寮長なら、寮生の模範となるべきだろう?
( 急に隣に座り込んできた後輩に動じることなく、優雅に挨拶を返すついでにちくりと注意を。上から目線のアドバイスは彼女の信じる帝王学によるもので、それが自身とは全く異なる環境で育った生徒の集まるシープ寮にも通用するのかは怪しいところだが、そんなことはお構いなしで。それにしても、Academyの生徒は生活に困らない額の給料を貰っているはず。金が足りずに新聞が買えないと言うが、さほど高価なわけではない新聞1部も買えないほどギリギリになるものだろうか?と、いささか疑問に感じ。商魂逞しいカンパニーの生徒なら、新聞を見せるにも対価を求めるところだろうか。けれど、自身はα市民のミロード寮長である。「恵まれない人間」には「施し」の手を差し伸べるのが、「高貴なる者の義務」というもの。崇高なノブレス・オブリージュの理念は自身にとってあまりにも当たり前すぎて、それが彼を見下してもいることには気づかず。開いていた新聞を閉じると、躊躇いもなく手渡して )
ああ、構わない。見聞を広めるのは良いことだ。ゆっくり読むといいよ。
>42 グレイシー・ブレア
ご機嫌よう。__いや、なに。ままならない世の中だと思っただけだよ。
( 声をかけられて視線を向ければ、黄色の入った詰襟を羽織った、カンパニー寮の同級生。聞いた話では、ノアズコーポレーション関連会社の社長令嬢だったか。今まで5年間同じ学校に通っていながら、直接会話する機会はあまり無かったものの、授業中の受け答えは的確で現実的かつ柔軟で、密かに目をつけている__が、それ以上に抜け目のない人物だと警戒もしており。つまり、厄介な生徒に見られたものだ、と思いつつ優雅な笑みを浮かべ。取ってつけた印象が拭えないのはお互い様だ。けれど、彼女が印象通りに優秀な生徒であるならば、ぜひとも手懐けたいところ。味方に引き入れさえすれば、むしろ自身の使命__楽園の守護と拡大のため、大いに役立ってくれることだろう。ふと見れば、彼女も片手に今自分が読んでいるものと同じ新聞を持っており。試すような視線を投げかけて )
もちろん。私も君のような切れ者とは、一度話してみたいと思っていたんだ。例えば、そう……気になる記事の話とか、ね。何かあったかい?
>45 巫・レイジ・朱未
助かるよ。それじゃあ、お言葉に甘えて。__相変わらず、美しい建物だね。
( 素直に呼び止めに応じた彼は表情こそ柔らかいものの、しばらく斜め上に視線をやって考え込んでいるところを見ると、ミロード寮生との揉め事の話は伝わっていないか、あるいは伝わっていても頭から抜けているのか。研究熱心な彼のこと、後者のような気もするが。ともかく、時間帯が時間帯なので肌寒く、既に手先はだいぶ冷えており、聖堂の中で待たせてもらえるのはありがたい。彼の後に続いて聖堂に入り。立ち入り禁止ということではないものの、チャーチ寮の縄張りとも言えるこの場所にわざわざ来る機会など滅多になく、今まで足を踏み入れたのは片手で数えられる程度の回数で。けれどもこの楽園には珍しい、古めかしく美しい内装は印象的で、素直な感想を口にして。聖堂の後ろの方の椅子に腰掛けると、相手が膝をついて祈りを捧げる様子を、邪魔にならないよう大人しく眺めて )
トピック検索 |