刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 飲むなと叫びたかったのに、相手が其の赤紫のカクテルを呷る姿をただ見ている事しか出来なかった。自分の事は良いから彼女を助けてくれと赦しを乞えば良かったのか、けれど謂れの無い罪を背負って一生其のレッテルと共に生きて行く事はそう簡単に選べなかったのだ。自分の保身の為と言われればその通りだ。直ぐ近くに居るのに何も出来ないという無力感は、“あの事件”を思い起こさせた。また、何も出来ずに自分だけが傷付かない道を選ぶのか、と。『…警部補、其処から動かないで下さいね。“貴方が”ミラーに此の決断をさせたんです。貴方を救おうとしなければ、俺と取り引きなんてしなかったでしょうね。…今回も、其処で見ていてください。』ミラーがカクテルを飲み干したのを見届けると、ややしてクラークはそう言って笑みを浮かべた。彼女が苦しむのは全てお前の所為だと刷り込むように紡がれる言葉。少し離れた場所で立ち尽くしたままでいると、彼は相手へとゆっくり近付いた。そうして、まるで見せ付けるかのように相手の座る椅子の傍らに膝を突き、相手を見上げながらそっと手を握る。『_____ミラー、大丈夫だよ。俺は此処に居る。…こんなに震えて、可哀想に。本当はこんな苦しみとは無縁の筈だったのにね、』呼吸を上擦らせている相手に優しく声を掛けながら、寄り添うように背中を摩って。 )
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