刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 相手は確かに要望通りその場で静止した。彼女を車に、との言葉には首を縦に振る事も横に振る事も無くただ真っ直ぐに相手を見据えたままで居たものの。牽制の言葉と共に相手の手が腰の銃に伸びた時、一瞬だけ僅かに何かの感覚を感じたのだがそれが何かはわからなかった。『警部補!』と、周りの警察官達が銃を手放したその行為に危機感を覚え相手の名を叫んだが、重厚感のあるそれは既に相手の手を離れ地面に置かれた後で、張り裂けそうな緊張感は更に広がる事となり。___その一部始終を警察車両に乗る事も、何か言葉を発する事も無く口元に僅かな笑みを携えたまま見詰めるリディアの瞳には、今のこの状況が楽しくて仕方が無いと言った純粋で嬉々とした色が滲んでいて。___視線を逸らす事無く真っ直ぐに向けられる碧眼は静けさを湛えていて、言い聞かせる様に紡がれる言葉はこの状況であっても恐怖一つ滲まない冷静なもの。“心配する事はない”という音が鼓膜を揺らし、胸の奥に沈み、虹彩にじんわりと広がる光が戻った時。「…っ、」思わず身体が硬直した。視線がずれ、瞳に映る拳銃を認識し、次は両手が小刻みに震える。「…私……何を…、」状況を認識出来ぬまま、張り付く喉からかろうじてそれだけを発すると困惑と怯えと様々な感情が混じり合う瞳を向けて )
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