世界の偽神 2021-07-11 18:36:21 |
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>>宮野さん
これで一件落着、ですね。小春先輩、お怪我はありませんか?
(最後の一撃で狼はカッと目を見開くと、完全に停止し徐々にその体が消えていき。狼の姿が見えなくなり、不気味な気配も感じなくなったと察して、納刀しながら相手の傍へ近寄り、微かに笑みを浮かべつつ声をかけて。体育館の隅で様子を見ていた男子生徒も、こちらに駆け寄ってきては「二人ともありがとう! あんな怪物をやっつけるなんてすげぇよ!」と興奮気味にはしゃいで。その後、男子生徒は少し考え込むように腕を組むと複雑そうな表情で、「なんか、あの狼を見てたら昔飼ってた犬のことを思い出しちまった。全然似てねぇのにな……すごく懐かしいんだ。ポチが俺のことを恨んで怪物になっちまったのかも、なんてな」と続けて)
>>不二くん
この人が……不二誠一郎さん。不謹慎だろうけど、お父さんに会える不二くんが羨ましいな……
(病室の中を静かに歩き、ベッドに横たわる患者の元へ近づいて。意識がなく、眠り続けている男性の顔を覗き込むと、悲しそうにそっと呟き。親子だからか、なんとなく彼の面影が思い浮かんで。不意に病室のドアが開かれ、そちらを振り返れば、「えっ、どうしてここに…?」とわずかに瞳を大きくさせて。高校の図書室に残っていたはずなのに、と不思議そうに見つめ)
>>青葉くん
俺だって、普通の男子高校生だよ? 後悔なんて数えきれないほどある。テストの結果が悪かった時は、もっと勉強しておけばよかった。朝起きるのがつらかった時は、前日に夜更かししなければよかった。突然家族が居なくなったときは、そうなる前に俺が何とかしてあげればよかった……そんな後悔を積み重ねて、今の俺があるんだよ。誰だって、そう…皆後悔を抱えて生きてる。
(あっさりと白状する彼の話を黙って聞いていたが 後悔しているのか、と意外そうに尋ねられたのが何だか可笑しくて、思わず口元に手を当てて笑い。ありふれた日常の中での小さな後悔、人生のターニングポイントでの大きな後悔など、程度の差はあれど、誰もが皆後悔しているだろう、と自分からすれば何ら不思議なことではなくて。「変貌」を解いて元の姿に戻り、一度深呼吸して相手に視線を向けながら、「…逃げるのは悪いことだなんて言わないよ。でもね、逃げ続けるのも大変だし、余計に辛くなる可能性もあるからさ。本当にそれでいいのか、よく考えたほうがいいと思う」と真剣な顔で言葉を紡ぎ)
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