吸血鬼 2021-03-16 10:45:12 |
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・・・確かにこんなの見たら信用出来なくなるのも分かるな。下手したら飯食ってるとき、隣のヤツが吸血鬼かもしれないんだろ?・・・ゾッとするね。
(受け取った書類に軽く目を通しながら同意する。なるほど、オークション会場で見た彼等はこの部類に入るのだろう。日常の生活の中で吸血鬼が姿を現すことなど滅多にない。でももし、買い物をしているとき後ろに立ったのが吸血鬼だとしたら、雑踏の中すれ違ったら、と考えると何処にも逃げ場がないように感じてしまう。下手をすれば自分の知らないうちに吸血鬼と関わっていることにもなってしまうのだ。・・・確かに、吸血鬼が最も忌むべき存在のハンターしか信用出来なくなるのも頷けた。相手からの忠告を素直に受け止めつつ、気をつけることを伝えると帰宅することを告げて)
まぁ俺も怪しいヤツに関わる気はないしな・・・気をつける。じゃあ俺はそろそろ帰るよ・・・。明日、よろしくな。
(/クラウスだけでなくテオもふとした時クラウスに甘えることがあってもいいですね。あとはお酒飲んで酔っぱってしまった時とかの様子とかも・・・。
ですね。最初は苦虫を噛み潰したような顔になりながら従うけれど、次第に俺の血以外飲めないのにか?等言い返すことが出来たりするかもですね。あとは、クラウスを助けるにはどうすればいいのか戸惑いながら治療をしたりしそうですね!
最初は戸惑うも、次第に過去は過去、今は今で昇華していきそうですね!)
そうだよな、そういう吸血鬼を炙り出す為にも俺たちが頑張らないと…お互い気を付けよう。ああ、それじゃあまた明日。
(相手の言葉に同意しつつ、そうした身近に潜む脅威を取り除くべく自分たちハンターがデータを集めたり討伐をしたりと精力的に活動しなければならないと思いながら頷いては、お互い気をつけつつ任務に励もうと告げて。上級の吸血鬼の討伐に関わるほどに自分の身の危険も付き纏って来る。一層気を引き締めて任務に当たらなければ、と思いつつ明日写真を持ってくると言う相手に、データ照合を行うことを約束すると、その日は別れて。)
(/ テオが甘えてくれるのも最高ですね…!酔っ払ってクラウスに甘えたり絡んだりなテオも見てみたいです。
吸血鬼とバレた後も色々な設定で楽しめそうなので安心しました!また随時相談しながら、二人暮らしも楽しく進めて行きたいですね!)
(相手と別れて拠点を出ると、人目を避けるように路地裏へ移動しフードを被って歩き出す。潜入捜査からも分かっていたことだったが、ああも吸血鬼が人の生活に紛れ込んでいる事実を突きつけられるとキツイものがあった。自分も同種のハンター以外信じられなくなりそうで、その思いから目をそらすかのように姿を隠しながら家へと帰り。
夜になり、何もする気になれず外を眺めて1日を過ごした。最近は食事をする気にもなれず冷蔵庫の中にはあまり物がない。それでも適当に口に入れて咀嚼しながら部屋に置いた棚に近づくと引き出しを一つ空けて中から写真を取り出した。ごちゃごちゃに置かれた手紙や書類の上に置かれた彼の写真には眼鏡をかけていたが相手の求める瞳と顔の前面が映し出されている。隠し撮りなので視線はあってはいないが・・・。それをしばらく眺めるとコートの内ポケットにしまい込んでから部屋の電気を消し、布団に入りこんで。
次の日の午後、コートを着て窓口に足を進める。淡々と仕事を進めている事務の女性に声をかけ、相手を呼び出してもらい。)
セオドアだ、アンドレ・ターナーを呼んで欲しい。
(/今からやりたいことがいっぱいで楽しみすぎます・・・!この後の展開もワクワクしますが、その後もワクワクしそうです!
そうですね!よろしくお願いします!)
──セオドア。お待たせ、…例の奴の瞳と顔がしっかり映っている写真は持って来たか?
(受付の女性から声をかけられ、昨日約束をした彼がやって来た事を知らされる。礼を言って立ち上がると、カードキーを手に立ち上がり、窓口の向こうに立つ相手の元へ向かい。どこか覚悟を決めたような、それでいて不安が入り混じったような表情を浮かべる相手に軽く手を挙げつつ近付くと、必要な写真をきちんと持ってきたか尋ねて。相手と共に資料室へと向かって歩き出しながら、ふと思い出して先程得た情報を相手にも伝えておく。あまり共有すべきではないかとも思ったものの、同僚の一人で相手も顔と名前が一致しているハンターのはず。ハンターの中ではよくある報告でもあった。)
…昨晩、ダンが死んだ。返り討ちにされたらしい、…吸血鬼の死体は近くには無かったんだと。
(/ ですね!ぜひぜひ今後とも宜しくお願い致します!またご相談事項があった際にはお声がけさせていただきますね。)
あぁ、勿論。
(声をかけてから壁にもたれて少し待っていると、昨日会った時のように笑みを浮かべて気楽に近づいてくる相手が見え、体を起こし。写真について尋ねられれば一つ頷いて、条件にも満たしていることを伝える。相手の後に続いて資料室への道を歩いていると同僚の一人が死亡したという報告が告げられた。初めは告げられた名前と記憶の中の顔が一致しなかったが直ぐに一致し、告げられた名前の眩しいくらいの笑顔を思い出す。そこら辺の吸血鬼に殺されるような弱い男ではない。きっと上級ランクの吸血鬼だったのだろう。吸血鬼の死体が無いという事にも納得がいった。最後にあったのは数ヶ月も前だったが"今度飯くいに行こう"と約束したっきり果たされることはなくなってしまった。そうか、と呟くと残念だと同僚が亡くなったことを寂しがり)
ダン・・・あぁ、ダンか。それは悲しいな・・・また一人、知り合いが居なくなった・・・。
(/はい、よろしくお願いします!こちらからも相談したいこと等があったらお声がけさせていただきますね!)
…遺された俺たちに出来るのは、ただ吸血鬼を狩る事だけだよな。ダンの無念は俺たちが晴らそう。
(相手の言葉に頷きつつ、自分たちにできる事は結局ハンターとして吸血鬼を狩る事だけだと。これまでに幾人もの同僚が命を落としている、その度に無力さ、悔しさを感じながらも目の前の任務に集中して討伐を行なって来た。また1人同僚が命を落とした事で再度その決意を新たにしつつ、相手に語りかけて。やがて資料室に到着すると中に入り、棚を通り抜けて奥まで向かうと据え置かれた端末を起動させる。職員コードやパスワードなどを打ち込むと画面が切り替わり、そこまで来てから相手を振り返ると写真をスキャンするように告げて。)
…よし、起動した。持ってきた写真を此処にスキャンしてくれ。
・・・だな。
あぁ、分かった。ここだな・・・。
(相手の吸血鬼に対する殺意と決意に、なにか眩しいものを見るように目を細めてしまう。こんなにも自分の仕事に誇りを持って働いている相手が自分とは違う輝かしい存在に見えてしまい凄いな、と心の底から思った。そんな思いを抱えながらも、同僚の無念を晴らしたいのは自分もあり同意して。資料室の端末を手馴れた動作で動かしていく相手の手腕と切り替わっていく画面を眺めていると声をかけられた。指示された所にコートの内ポケットから取り出した写真を乗せると、写真が取り込まれていく。どうか、と願いながら早くなる鼓動を抑えながら口の中に溜まった唾液を飲み込んだ。一致すれば人間だと、ハンターであることを隠し吸血鬼の中に紛れて任務でもしていたのだろうと納得がいく。だが、不一致だったら、彼はハンターでは無い。ドッ、ドッ、ドッと素早く拍動する胸の上に手を置きギュッと拳を握り締めながら端末を動かす相手に声をかけて)
・・・どうだ?
……可笑しいな、
(写真がスキャンされ、端末画面には照合中のマークが出る。少し時間が掛かるだろうと思いつつ画面を眺めながら結果が表示されるのを待っていると、それから少ししてエラー音が鳴った。画面に表示されたのは「照合結果:一致なし」の文字で、首を傾げつつスキャンされた写真を手に取る。整った顔立ちの眼鏡の男性が映っていたが、瞳もはっきり映っているし眼鏡を掛けてはいるものの顔も隠れている訳ではない。この写真であればエラーになる事なくすぐに照合が済むはずなのに、と思いつつ念のためもう一度スキャンを行ったが結果は変わらなかった。照合結果が出てこないと言う事は、特務機関のデータベースに彼の持つ写真の男に一致するデータは登録されていない事になる。昨日の時点では名前はあったハンターのはず、どういう事なのかと怪訝そうな表情を浮かべて。)
──ダメだ、この男に一致する情報は登録されていない。…どういう事だ?名前は登録されていたハンターだよな?
(照合の結果が一致なし、と表示され息を詰めた。恐れていた事態が起こってしまったのだ。想いを寄せていた彼はハンターでは無かった、吸血鬼だったのだと端末の画面が訴えている。警告を示すかのようなエラー音が自分を責めたてているようで、よろりと後退りする。背中にファイルが仕舞われた棚が当たるとズルズルと座り込み片方の右手で顔を覆って。バサバサ、とファイルが自分の周辺に落ち、それすらも自分を嘲笑っているようで気分が悪くなる。相手が何か言っているようだが頭の中には何も入っては来なかった。)
・・・・・・くっそ。
(彼が吸血鬼だと分かったのなら自分は彼を殺さなければならない。だが自分に殺せるだろうか。そう考え悪態を呟くと目頭が熱くなってきたような気がしてより強く手のひらを顔に押し付けて)
…っ、おい、セオドア!大丈夫か?
(端末に表示された結果を見て、彼は酷く絶望したようだった。よろよろと後退り、危ない、と声を掛けるよりも前に棚に背中をぶつけてそのまま座り込んでしまう。音を立ててファイルが落ちたが彼は顔を覆うようにして俯いたままで、慌てて近寄ると目線を合わせるようにしてしゃがみ込み、相手の肩を掴む。名前の登録は確認できるものの顔が一致する人物が居ないとなると、考えられる理由は2つ。何らかのシステムトラブルか人為的なミスで顔写真の紐付けがされていないか、単純に登録されている人物と顔が違うか。この段階ではシステムトラブルやミスの可能性も否定はしきれない、しかし顔が違うとなればその男の正体は限りなく黒に近くなる。あの名前のハンターの登録情報を参照すればわかる事だと、相手に個人のデータの閲覧申請をしてみようと伝えて。それが入手できれば、登録されている顔写真や生まれ、家族の情報、簡易的な討伐履歴に至るまで全ての情報を得ることができる。本人から提出されているもののため、そこに載っている顔写真が誤っている事もあり得ない。相手を見つめて、語りかけ。)
…お前の探している男の登録データの閲覧申請を上に上げる。第三者の個人的な情報が全て記載されているものになるから、悪いが承認が降りて閲覧できるようになるまでに3、4日は掛かると思う。待てるか?
(/ 閲覧申請待ちの間に閉じ込め事件がありクラウスはシラを切り通したものの、その翌日ハンター姿の男が吸血しているという目撃情報が上がってテオが現場に向かっている時くらいにデータが閲覧できるようになって、クラウスが全くの別人であることにアンドレが気づいたものの、それを伝えるべく連絡しようとした時には既に2人が対峙してしまっていて…という流れはいかがでしょうか?)
(相手に肩を掴まれたのが感覚で分かり少し体が揺れる。だが、自分の周りに膜が貼られたように耳に入る声は遠く聞こえた。どうやら相手はハンターの"クラウス・バートン"の情報をより細かく調べてくれるらしい。それに少し時間がかかると言われ声も出せずに頷いて。また、胸の中に酷く絶望感が満ち溢れた。何故、あの潜入捜査を引き受けてしまったのだろう。引き受けなければ今頃はいつものBarでたわいもない話をしていただろうに。過去のことを後悔してもやり直すことは出来ず唇を噛んだ。彼に本当に吸血鬼なのかを会って聞きたい。だが、会いたくない。聞きたくない。そんな相対的な気持ちを抱えながら顔を覆っていた手を離し、相手を視線を合わせて)
(/その流れいいですね。クラウスにシラを切られて安心したのもつかの間、今度は吸血鬼として対峙し困惑したところにアンドレから伝えられた情報で絶望してしまう・・・。シリアスな場面をより盛り上げてくれそうです!)
データを閲覧出来るようになったらすぐに連絡する。しっかりな、確証が持てない今はその男には関わらない方が良い。
(声もなく頷いた相手の肩を軽く叩いて、承認が降り次第すぐに連絡すると伝えて。憔悴している様子の相手が心配で少し眉下げて相手を見つめつつ、相手はその男と関わりがあるのだろうと思い、確実な情報が得られるまで彼とは関わりを持つべきではないと忠告して。その男が、先程話したような人間の生活に紛れ込んでいる上級の吸血鬼である可能性もあるのだ。もしそうだったとしたら、更に特務機関にも化けの皮を被った吸血鬼が関わりを持っている可能性も出てくる。恐ろしい問題だと思いつつ、相手の目をまっすぐに見つめながら気をしっかり持てと諭して。)
(/ 怒涛の転落劇になりますよね…!そこから更に婚約者の話も持ち出されて、テオの精神状態が心配でもありますが、ドラマチックシリアスに進めてしまいましょう!)
・・・あぁ、そうだな・・・。気をつけるよ。
(相手からの忠告と励ましの言葉に力なく同意しては、気をつけるよ、と呟くように伝える。真っ直ぐに見てくる目には顔色の悪い自分が映っており、自虐的な笑みも浮かべていた。そりゃあそうだろう。吸血鬼がハンターに化けていたのに気付かず恋心を抱いていたのなんて、笑い話にもなりはしない。棚に手を付きながら立ち上がると散らかしたファイルと自分を心配する相手に背を向けてゆっくりと歩き出し。)
・・・・・・じゃあ、連絡、よろしくな。
(/了解しました!怒りと憎悪と驚愕と、様々な感情でぐっちゃぐちゃになって暴走するとは思いますがそれも一興。よろしくお願いします!)
(アンドレが資料室を後にする相手の背中を心配げに見送った少し後の事。日の暮れた街を一人で歩いていると、少し先にコートを着た見慣れた後ろ姿を見つけて。背格好も髪型も彼に間違いない筈だが、確か彼は長期任務でこの街を暫く離れると言っていた。予定が早まってもう戻って来る事ができたのだろうか、だとすると彼もバーに向かう所だったかもしれない。暫く会えないと思っていただけに彼に会えた事が嬉しくて思わず表情を和らげると、その後ろ姿に声を掛けて。)
──テオ、!
(/ そんなテオが見られるのが楽しみです!よろしくお願い致します!)
(拠点を出て背中を丸め何も考えず街を歩いていると今聞きたくない声が自分の名前を呼んだ。思わず足が止まってしまうが振り返ることが出来ない。振り返ってしまえば、相手の姿を視界に捉えてしまうと口から何が飛び出すか分からないため、その場から後ろを見ようとは思わなかった。・・・撒こう。そう考えるとまた足を動かし始め、少し早歩きで道を歩き人混みに紛れると相手から離れたところで路地裏に入りフードを被ってから走り出し)
(いつものように振り返り此方を見つめて名前を呼んでくれると思ったものの、彼は足を止めただけだった。足を止めたという事は、恐らく自分の声は届いていた筈で、敢えて無視される理由が分からず困惑してしまう。人混みに紛れて足早にその場を去った相手を追いかけると、フード被ったまま路地裏に身を滑り込ませる様子を見つけて後を追う。生憎路地裏には慣れているため相手に追いつくことができて、その肩に手を伸ばして相手に声を掛けた。何か気に障る事をしただろうかと、心配そうに尋ねて。)
──テオ!どうして、…僕が何か気に障る事した?
(路地裏を走っていたものの肩を掴まれて足が止まる。呼吸は荒くならなかったものの、相手は困惑した声で何か気に障ることをしたのだろうかと問いかけてきた。その言葉に怒りが湧く。どの口でそれを言っているのだろうか。ハンターの名前と身分を偽り、自分を裏切って。人の血を吸うその口でまだ嘘をつくのかと。グツグツと胸の内からマグマのような感情で湧き上がってきて、相手の方に振り向くと同時に肩に置かれた手を振り落とすと冷たく言い放ち)
何かした、だと?自分の胸に手を当てて聞いてみろ。俺はお前と話すことなんて無い。
──っ、そんな言い方…!何か気に障る事があったなら言ってくれれば良いだろう。
(相手の冷たい視線と怒りの滲む口調。その反応から直ぐに、何処からか自分の正体がバレたのだと悟った。ずっと恐れていた事だったが、相手がどこまで情報を得ているか分からない今、簡単にこの場で事実を認めるわけには行かなかった。手を振り解かれたものの、今相手を見送ってしまえばもう会えないような気がして、相手をこの場に縫い留めておくべく再び肩を掴んで壁に追いやる。至近距離で相手を見つめながら、壁に突いた手が不意に支えを無くしたのを感じたが、不味いと思った時には相手諸共バランスを崩していて。)
(肩を強く掴まれ再度壁に追いやられた。ミシッと背後で小さく音が鳴った気がしたが気にもとめず相手の反論に分からないのか、と言い返そうと口を開いた。しかし言葉を発するより先に背後の壁が崩れて自分の重心が後ろに傾いたのが分かり、目を丸くする。自分に体重をかけていた相手も自分がバランスを崩した拍子に体が傾き背後の空間へ2人とも落ちてしまった。数秒の浮遊感の後、背中を中心に強い衝撃がありぐっ、と息を詰めた。落ちた時の重力と相手の体重で衝撃は思いのほか重く、咄嗟に上げていた頭と手を地面に横たえるとため息をつき)
・・・・・・はー、最悪。
(どうやら寄りかかっていた壁が崩れて建物の空間に放り出されたらしい。恐らくいつかの吸血鬼との戦闘でヒビでも入っていたのか、建物自体の老朽化のせいか。またここは地下らしく視線の上にある自分たちがいただろう場所にはぽっかり穴が空いており、自分たちの周りには瓦礫が散らばっていて)
…痛、…っごめん、大丈夫?
(落ちた衝撃で身体を打ち、思わず小さく呻き声を上げて。しかし相手が居たお陰で衝撃は少なく、代わりに自分の体重を受けて地面に背中を打ち付けた相手に慌てて謝ると手を差し伸べて。ごく自然に出た言葉と動作だったが、つい先程相手が自分の手を振り解き冷たい視線を向けて来ていた事を思い出し、手を取るわけが無いと思いつつ差し出していた手を引っ込めた。この空間はかなり狭く、大人の男二人が居る状態ではあまり距離を取る事はできない。何に使われていた場所なのか、重たい鉄製の扉にも鍵が掛かっていて今すぐに脱出する術が見当たらなかった。壁に背中を預けて座り込みながら、彼は何を見たのだろうと考える。どこまで確信を持って、自分を吸血鬼だと疑っているのだろうか。そもそも相手の言っていた長期任務というのが距離を取るための嘘だったのなら、一体どのタイミングで不信感を持たれたのか。小さくため息を吐きつつ相手と視線は重ねないまま、静かに尋ねて。)
………悪いけど、僕はテオに嫌がられるような事をした心当たりがない。避けられる理由も、見当たらない。
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