二月限定 ( 緩募集 )

ここは居心地良いからね(柔らかなソファに沈んでいく感覚に身を委ねつつ、ほんの少し相手の方へ体を傾けるように向き直れば「先生も居るし」と付け加えれば下がり気味の目を細め)

…(愛おしい言葉につい目元を緩めると、片手をソファの背凭れにかけ、引き寄せられるように身を屈め。そのまま柔らかく触れ合う程度に唇を重ねて)

(唇同士が離れると名残惜しさを感じて相手の首筋へと片手を回し、ゆっくりと引き寄せて二度目の口付けを。離れれば満たされたような表情でソファにもたれかかれば)…学校じゃこんな事できないですね、せんせ。

…学校じゃできねぇことしてる時に、その呼び方はどうなのかと思うんだよな(2度目の口付けに瞼を伏せて穏やかな触れ合いを楽しみながら、首筋へ片手をかけ指先で項をするりと撫で。しかし離れれば口にされる普段学校で接する口調と呼び方に、消えかけていた淡い罪悪感やら背徳感が蘇り、再びソファの背凭れに頬杖をつき、片手で相手の頬を撫でながら零し)

つまり、名前で呼んでほしいってこと？(頬に伝わる相手の体温を心地良さそうに感じながら、意図する所とは少しずれた解釈をして。にま、と楽しそうな笑みを浮かべると、自分に触れている手に擦り寄り)…廉介さん。

(飛躍しつつも強ち間違いでは無い解釈を否定せずに無言のまま視線を絡めていたが、名前を呼ぶ声と仕草にくらりと思考が揺れ。軋む理性を無表情の下で押し殺しながら「…お前はほんとに男子高校生なのかよ」とぼやき)

それ、褒め言葉？(表情が変わらないとしても言葉や声色から嫌がっている様子は無く、それをポジティブに捉えるとソファに置かれた腕に手を重ね「じゃあ俺の名前も呼んでよ」と期待の籠った瞳で見つめ)

もちろん(問いかけに短く明瞭な声で返しながら、その愛らしい要求に思わず仄かに目元を緩め。視線を絡めたままに一呼吸置いてから「…透」と静かな声で名前を呼び)

(耳に響く声で名前を呼ばれれば何をされる訳でも無いのに顔に熱が集まるのを感じ、視線をさ迷わせながらゆっくりと視線を下に下ろし。腕に触れる手に僅かに力を込め、何時もよりも小さな声で「…ずるい」とだけ呟いて)

…こっちの台詞だからな(相手の表情と仕草が堪らない程扇情的で、平静を取り繕おうと密かに深い息を吐き。互いに想いが通じ合った上での関係とは言え、相手が卒業するまではキス以上の事はすまいと、これまで貫いてきた意思が崩れそうになったのをぐっと堪え。小さく答えれば片手を相手の首裏へ添え、引き寄せては再び唇を重ね)

…俺は変な事してませんし(相手もただ名前を呼んだだけだとは分かっていながら、言い訳をするように熱い頬を冷ますため手で扇ぎつつ呟いて。再び触れた唇に先程の触れ合いよりもどこか気恥しさを感じ、それを感じ取られまいと相手の首に両手を回して受け入れ)

俺もしてませんし(言い訳がましい言葉に小さく笑うと、唇は触れ合わせたまま相手の口調を真似て言い返し。そのまま唇の端へ口付けを落とすと、頬、耳朶へと順に口付けて)

そうなんだけど……っ、ふ(正論にごもごもと反論もできず、頬から耳元に移動する擽ったい感覚に身をよじり吐息を漏らせば、相手の癖のある髪の毛を梳くように指を通して撫でるように甘え)

何だよ、まだ言いてぇ事あんのか？(一回りも歳下の相手に撫でられ心地良さを覚えるのは我ながら何とも複雑な思いもありながら、つい僅かに体の力を抜いて凭れ。そのまま相手を抱き締めると、途切れた言葉の先を意地悪く問い質し)

…なんか、呼ばれるとソワソワするよ(意地悪く問う相手に渋りながらもぽつりと答えて。負担の無い程度に僅かに掛かる相手の重みに、相手の後頭部から手を離せばその背中に手を回して抱き締め返し)

俺だってしてるよ。透に名前で呼ばれるとゾクッてする(返答に思わず小さく忍び笑い、言い回しを変えながら同様な言葉を述べ。何気なく相手の髪に指先で触れると、手の中で弄ぶように指を通し)

そっか、廉介さんもかぁ(自分の言葉で相手の感情を揺らしている事等知らず、どこか嬉しそうな表情で回した手に力を込めて。指で髪を撫でる彼の手を一瞥すると視線を相手に向けてじい、と見つめ)…もう一回名前呼んでほしいんだけど、駄目かな。

…俺そこまで堪え性ある方じゃねぇんだよ(手を止め視線を絡ませるも、要求に答える事はせずに遠回しに濁した言葉を返し)

…うん、了解(自分の願いが聞き入れて貰えないと分かれば口を尖らせるも、相手もそうしたくて断った訳では無い様子を見ればその胸に顔を押し付けてこくりと頷き)…それ、俺が呼ぶのはいいの？

別に構わねぇし、呼んでやらねぇわけじゃねぇよ。オネダリされた上で呼んだらお前絶対可愛い反応すんだろ。それが問題ある、ってだけだ(相手の髪へ優しく指を通すようにして撫でながら、何やら誤解を招いてしまったらしい事に対し訂正を述べ)