頂点4　　　

いやお前ら言ってることとやってることが伴ってねえんだわ。いい歳した大人がたかりとかみっともねえからやめとけって。…合致さん、俺は叙々苑でいいからね。（　　足を肩幅に開いてバランス取りつつ、態とらしい小さな溜息と共に悪ノリする二者を窘めたかと思えば一呼吸の後、表情は動かさないまま至って当然のことでも言うようにさらりと集る側へ　　）

平和か。いやほんと最近どうした？ってくらい重いよなァ。年始までに落ち着くことを祈ってるわ。

…お前らさァ、別に物買う金に困ってねェくせに何で人に集るんだよ。（　　扉脇の手摺に片手捕まり呆れる様な乾いた笑い零せば視線逸らし、意識半ばに頭部見下げて　　）

ほんとだよ、反省しろよお前ら。物強請んのは流石にねえわ。…まァ、最年長って意味では1902年生まれとか公言してるろうが…ご長寿の人がいるらしいね、この中に。誰とは言わないけど。（　　自分のことは棚に上げ掌返すよう他見回し一言。悪ふざけが過ぎたためか話題に関心が薄れてきたと見える手摺横の男の心中を組んでか矛先変えて　　）

俺に回ってくんの２回目なんだけど？無限ループ入る前にほら、着いたんで降りてください。（　戯言に飽きが来た保護者擬きの様子察して閑話休題を暗に示せば横目で車内ディスプレイの停車駅確認し、開いた扉に視線送って降車促して　）

へーい。ほんとに今日クリスマスなんだなァ。（　　促されるまま降りるやごった返す人々に半ば感心するようにぼやき、人の波に乗るようにして改札抜ければ携帯画面に指走らせ経路確認して　　）とりあえずー、ケーキ屋は駅近だから帰りに寄るとして、ご飯取りに行くかァ。

ちょっと遠回りすると綺麗なとこありそうだね。折角だからそれ楽しみながら行こうか。（　　同じく端末で素早く先程覗いた店名よりご飯回収店を確認すれば付近のイルミネーション調べ、先行するように一歩前進んで歩き出し　　）

合致さん有能～。…ねえ、皆さ、サンタさんって何歳まで信じてた？（　　光る電飾で彩られた付近や赤い帽子姿のビラ配りを横目に白い息を吐き出し、先導者に並ぶよう歩き出せばふと思いついた疑問を投げて　　）

俺早かったよ、誕生日近いからなのかさぁ、小学校上がって誕プレなくなると同時にサンタも居なくなったもんね。（　　人混みから隠れるように先導者二名の背後に位置して歩けば考える間もなく、達観したような真顔で自身の経験談を話して　　）

あーそういや言ってたね蟹さん。誕生日とイベント事近い奴は損だよなァ。…ちなみに俺はまだ信じてるけどね。早くサンタさん来ねェかな～。（　　携帯を後ろポケットへと仕舞い一同に続いて歩き出しつつ白々しい嘘吐けば空見上げて　　）

サンタは悪い子のところには来ないよ？…いつからだっけかなぁ、現金支給になったのは。（　　背後から聞こえる明らかな嘘に悪ノリして指摘すれば、スマホちらちらと見て道程確認しながら正確に思い出せぬ過去に眉寄せ　　）

現金支給一番嬉しいやつじゃん。俺も低学年ときまではもらってたけど、そっからどうだったかなァ。…んー、でもサンタのことはあんま信じてなかったかもしんない。だってさ、怪しすぎない？不法侵入して物置いてく知らねえおっさんとかさァ、（　　記憶を呼び戻そうと数瞬目線斜め上へやった後何となく頭に残っていた感想をそのまま口にし、同意求めるようちらりと目線隣へ向けて　　）

うッ氏ー相変わらず夢なっ。サンタさんはこそ泥ハゲとは違うんだからもっと敬意持ちなよ。（　　はぐれぬ様距離近めに後着いて行く先で一際明るい街路樹の並びが見えたような気がして目を細めながら苦言呈して　　）

そうだよ、どこぞの自称慈善家とは違って夢を運んでくれんだよサンタさんは。………お～、いいねえ……（　　やがて進行方向に見えてきた燦然と輝く光の集合体が、近付くにつれ並ぶ街路樹に掛けられた電飾と解れば仰ぎ見つつ素直に感嘆の声を漏らし　　）

圧巻だね、出てきて正解。…余所見してて迷子になるなよー、（　　瞳孔刺激する眩い光に少し目を細め全体見回せば感心するように呟き、歩くペース落としながら他3人の注意が案内者から散らばるのを引き止め　　）

猫転ぶなよー。…うん、これ見てると流石にクリスマスの実感湧くね。今のイルミネーションすげえなァ。（　　非日常の煌めきに目を取られている彼の様子にくすり笑って自身も注意促せば、隣に倣って景色を楽しむために歩み緩めて　　）

色んな人が浮かれるのわかるもん、…４人でこうやって見てんのなんか嬉しい、（　　点滅と共に彩やかに色を変える光に魅入られながらも前方と隣の確認怠らぬよう注意し、視界に入る人物達と背景の景色に頬緩め呟いて　　）

わかる、俺今すげーふわついてるもん。…ね、今日皆で来れて良かったね。（　　周囲を確認しながらゆっくりとその歩を進めつつ、時折足を止めれば光る街路樹へ子どものような無邪気な瞳向けていて。緩んだ口元から落とされた呟きに肯定の言葉を返すと共に頷き、隣の彼の嬉しそうな表情をちらりと仰げば次いで前を歩く二者を視界に収め、満足そうに双眸細めて　　）

楽しそうで何よりだけどあんまはしゃがず顔隠してね、猫は特に。（　　背後と隣を気に掛けその楽しげな様子に感化されて表情綻ばせるも時折端末に視線下ろして経路を確認しながら歩を進め、万一にも声を掛けられることを避ける目的で、咎める様な言い方を避けた優しい声色で注意促して　　）

人多いしね。お、こっから店までわりと近いね。（　　優しい指摘をしてみせた主へずいと距離詰め手元を覗いて共に経路確認すればお待ち兼ねの晩餐がそう遠くないことに気付きやや声色を明るくして。目当ての店の外観を探すべく前方に視線漂わせながら、後ろの彼らとはぐれよう自身でも時折振り返りつつ歩を進めれば電飾の道の終わりはすぐそこで　　）

1人見付かったら道連れの可能性あるからね。（　　電飾に飾られた街路樹の終わりが見えて来れば自然と歩幅はゆっくりになり、最後まで楽しむように周囲に視線向けて。知名度に加え背の高さやスタイルが目立つ彼の言動に意識向けつつ、自身は隠れるかのように背後から離れず着いて行き　　）