リスト 2020-10-11 07:12:55 |
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( 気づけば円が描かれている。その動作は相手の残像すら残さないほどの速力だった。
加えて、あのバカでかい生き物のような気色の悪い剣を、慣れた手つきで扱う様は、言わずもがなバケモノそのものだ。)
「 気持ちわるい表情しやがって。お前は案外、理性的だと思っていたが、所詮悪魔は悪魔なんだなあ。
……なぁ、鏖殺。お前と俺の考え方の根本的な違いというのは、お前は殺しに興味があるらしいが、俺には一切ないという点だよ。むしろ、場合によっては、生かした方が得だとさえ思っている。ほら、レアキャラは保存しておかないともったいないだろ 」
( 鏖殺の悪魔を、円状に取り囲んでいた腕の数々。それらの五本指が、何かを掴む予定なのか、最大限に開かれる。
また、腕を構成する筋肉の筋の一本一本に力が入り、ぎゅるぎゅると音を放ちながら、肥大化する )
「 そういう意味では、ギャクサツの悪魔なんてクソ喰らえだ。俺の邪魔をしやがってっ!!…あ?クソクソクソ(頭を抱え)
やなことを思い出しちまった。……もういい。力づくでおまえを従属させてやる。もとよりそのつもりだしなぁ… 」
( 次の瞬間、鏖殺の悪魔を取り囲む黒き腕の全てが凄まじい勢いで、一斉に中心地である悪魔へと襲いかかった。真上から見れば、円状のものが中心へと向かっていくような様子だろう。
一方で、黒瀬たちより少し遠く離れた地点では、ある現象が起きていた。建物と建物の間の影や、使われていない電柱の影、壊れた信号の影、空き缶の影、果ては、コンクリートの地面のヒビの間のわずかな影から、草の芽のように生え始めた不気味な手。それらは腕を伸ばし、束となっておびただしい数に及ぶ。そして建物の壁面、コンクリの道路を這いずりながら、黒瀬と鏖殺のある地点に向かって進んでいく )
「 な、なんだぁあ…アレっ、悪魔かぁ!」
( 異常な光景を目撃した歩行者。すると一瞬にして、その者の手足を、黒き腕ががっちりと掴み込み、建物の影にズブズブと引きずり込まれていく )
「 なんだよ、おい、やめろってなぁ!!!…や、やめてぇ、やめ…」
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