ドクターのアフターストーリー《〆》

…エグゼイド達にはなんて説明して来た？ だから言っただろ、不満なら自分で何とかしろ。 ああ、そのベットか診察台で寝ているが
(諦めるとは思わなかったもののここまで直ぐに行動力に移した相手が病院に戻ってエグゼイド達に説明したであろうここへ来る理由が気になれば問いかけ。ゲーム病治療を専門に扱う様になった現在、入院患者など殆ど居らず当初のままの病室に零される感想にニコが押し掛けて来た時もそんな事を言っていたとぼんやり思い出し。 身体を休める為の場所にそこまでの機能性を求めないのか簡素に質問に答えながらもわざわざその質問をしてきた意図とありえないものをみる視線に僅かに首傾げ)

特別なことは何も言っていない。無免許医の所の手伝いに住み込みで行くと言っただけだ。驚いてはいたが……止められはしなかった。むしろお前のことをみんな心配していたから丁度いいと言われた。さすがに診察台の上で寝ているような状況だとは思わなかったが……
(相手の質問の意図が分からず不思議そうな顔を浮かべてCRに伝えた内容をそのまま言う。一時騒然とはなったものの、外科医としては病院に残るなら問題ない、という結論となった。とはいえ生活環境は思った以上に芳しくなく、とりあえずベッド一式を取り寄せようかと脳内で考えており)

まあ驚かれるだろうな…、…そうか。 診療台は流石に仮眠だけだ。 あと、さっきのケーキは俺の部屋の冷蔵庫に入れてある
(和解したとはいえ、積極的に関わろうとしなかった彼が自分の元に手伝いに来ると聞けばCRのメンバーの反応は容易に想像つき、後々レーザー辺りが茶化しに来そうだと感想零すも皆が心配していたと聞けば擽ったい様なよく分からない感情に簡素に相槌打ち。 誤解招きそうな呟きに何処かズレた訂正行いつつも先程のお持ち帰りしたケーキの所在伝えれば説明は済んだと自分の部屋である主治医室に戻っていき)

西馬ニコがいなくなってお前の面倒を見る奴がいなくなったから丁度いい、と九条貴利矢が言っていた。……じゃあ仮眠では無い時にはどこで寝るつもりだ？
(相手の予想通り先の報告で1番騒いでいたのは九条貴利矢であり、次いで親父だった。親父は主に泣き声だったが。とりあえず今は数日泊まる分の衣服しか持ってきていない。他に揃えるものはケーキと共に飲むコーヒーくらいか。あとはどうとでもなるだろう。隣の部屋へと引っ込んでいく相手を追うようにしてついて行くと、冷蔵庫をみつけ中を確認。今日の分はこれで十分だろう。ここまでケーキを持ってきてくれた相手には「感謝する」と短く伝え)

俺が、アイツの面倒を見ていたの間違いだ。 どいつもこいつも人の事なんだと思ってやがる…。 …他のベットか待合室のソファで寝ればいいだろ
(ニコが面倒を見ていたという意味合いの言葉聞けば自分が面倒を見ていた方だと強調して抗議の声あげて。褒められる生活こそしていないものの問題なく生活をしており、また院長を除けば1番年長である自らが心配されているのは癪に障るのか眉を顰めながら愚痴零し。 パソコンの前の椅子に腰がけ追いかけてきた相手がケーキを確認するのを横目に眺めながらも一番新しくここ最近就寝に使っていたベットのある部屋を相手に貸し出した為か僅かに言葉に詰まるも他の病室などで寝ると答えて。)

一人になってからきちんと食事を取ってないやつが言えるセリフじゃないな。それに生活スペースも成ってない。医者の不養生どころではなかったな。……これで良し。俺はこの後隣の部屋の支度をして今日は寝る。明日にはこの部屋ももう少しマシになってるはずだ。
(相手の生活を思えば世話をやかれていたほうだろう、それだけ西馬ニコは相手にとっての支えだった。その人物がいない間にこうやってここに転がりこんだ罪悪感に少し胸が痛むが、それでも自分がここにきたいと、花家大我をもっと知りたいと思ったのは事実だ。今は自分の言ったことを実現しようと心に決めるとお持ち帰りされてきたケーキを全て冷蔵庫から取り出す。今からこれらを全て食べる気でいるのだ。ケーキの箱を持つ手と反対側でスマートフォンをしばし触ったあとひとつ頷きそれをしまう。そろそろ休む旨を伝えると、何か他に用はないか問いかけ)

っ……。 つーか、今からそれ全部食うつもりなのか
(自覚はそこそこあるのか言葉詰まらせてしまえばこれまで通りの生活が出来ない予感に面倒と思う一方で何処か人と一緒に過ごす事に嬉しく思う感情もあり。 スマホを操作し零される呟きに不審な目向けるもそれよりもケーキ屋の箱を当たり前とばかりに全て持つ行動に視線奪われ、本日何回目かの信じられない物を見る表情向け。 あっさりと帰っていく相手にここで食べていくか、と声に出しそうになるもらしくもない発言と相手にも一人の時間が必要だと考えれば｢……おやすみ。｣とだけ声掛けて事務作業に戻る為に背中向けて)

あぁ当然だ。……なんだ、食べたいのか？
(不摂生に関しての反論はない、やはり自覚があるじゃないか。自身の栄養バランスには気を使っている方、こいつにも同じ食事を取らせて健康体にした方がいいだろう。そんなことを勝手に自分の中で決めつつ、ぶっきらぼうに発せられた「おやすみ」に少々違和感を覚えた。何か言いかけたような、そんな背中をこちらに向けている。真意を確かめるためケーキの箱を持ったまま相手の背後へと近づいていき)

ケーキならさっき十分な程食べた。 ……、どうせならここで食べていったらどうだ。
(また明日話せばいいなどと考えながら会話を打ち切るように発した言葉にも関わらず会話を続けるように疑問投げかけてくる相手に適当に答えるものの立ち去るどころか近づいてくる相手に気付かないフリを続け。少しの間放置するも答えを聞くまで動かない様な態度にこちらが折れてしまえば渋々といった様子で振り向いてからケーキの箱、そして相手の顔に視線向ければ断られるかもしれないと思いつつも相手の反応伺うような様子で誘いをかけて。)

……あぁ、ここで食べる。1人で食べるより誰かと会話しながらの方が体にも良い。
(想像だにしなかった誘いがこちらに飛んできて数秒固まってしまう。ようやく一度瞬きをしてから事態を飲み込めてきた。まさか向こうから一緒にいる時間を設けてくれるとは思いも寄らなかった。胸が熱くなるのと同時に口元が緩んでしまう。当然だ答えはイエスだ。傍らに放置されていた椅子を側へと持ってくると並ぶようにして座る。箱の中に残されたケーキは5つ、その個数分だけはこの席に座っていられそうだ。さっそく1つ目を取り出し澱みない手つきで切り分け)

ん。 …いつでも持ってるんだな、それ
(数秒の沈黙に居心地悪く発言取り消そうとした矢先、口元緩ませながらも提案に乗ってくれれば自分に関わることでも笑みを見せてくれるのかと内心驚きを見せ。 机の上のものを簡単に片付けてスペース作りながらも隣に並ぶように座る相手の横顔ちらと視線向け、何処か嬉しげな表情に心チラつくもの感じて。インスタントのコーヒーでも常備しておくべきだったと後悔しながらも綺麗なナイフさばきが目に入れば自前と思われるケーキナイフに話題触れ)

感謝する。あぁ、出先ではその店のものを使うが家ではこれを使う。銀製で毎日欠かさず磨いている。
(机の上にスペースを開けてくれたことに感謝を述べつつ切り分けたケーキをひとつ食べる。この状況とケーキの甘さが相まってまた口元が緩んでしまった。ケーキ屋のように向かい合うのもいいが、こうやって隣に座るのも悪くない。それどころか先程より距離が近くて、その場所に居るのを許されていることが嬉しかった。手に持つナイフのことをきかれれば、キラリとそれを輝かせつつ相手へ見せる。使用する食器にまでこだわるのはケーキをより完璧に切るためだ。またナイフを動かせばケーキは完璧に綺麗な断面を見せて切り分けられ)

磨くとこまでやってんのか。 ここまで来ると職業病も末期だな
(会議中に見かけた無愛想な面は何処へやら、表情穏やかにケーキを口に含む相手にそこまで甘い物が好きなのだろうかと単純な感想持ちつつも机に肘をついては事務作業の建前も忘れぼんやりと食べるの眺め。わざわざナイフを使う拘りは理解出来ないものの器用に崩すこと無くケーキが切られていく様子に感心すれば軽くからかうような声と笑み向けて)

俺は世界一のドクターになる男だ、これだって日々の鍛錬のひとつにすぎない。……、なんだ、食べたいのか？
(早々に最初のケーキを食べ終わると次に取り出したのはショートケーキ、赤いイチゴがひとつ乗ったシンプルなケーキをナイフでまた一太刀した。不意に横に目をやると隣にいる男の目線はこちらに向いていて、その顔には笑顔さえ浮かんでいる。嫌味でもない自嘲でもない、その素直な笑顔にまた感情が乱された。こんな至近距離で見るこの男の笑顔がこんなにも破壊力があるものだとは思わなかった。心の内の動揺を悟られないよう誤魔化すため、今しがた切ったばかりのショートケーキをフォークで持ち上げるとそれを指さし)

勉強熱心なお坊ちゃんだな。別に、そういう訳じゃねぇが…くれんのか？
(手術の練習にケーキを使う医者など聞いたことが無い。そんな馬鹿みたいな事を夢の為に真剣に行う相手の何処までも真っ直ぐな姿勢が眩しく感じれば口元は緩んだまま以前から想っていた好意的な言葉が溢れ。 次々と食べられていくケーキを眺めながらもショートケーキ持ち上げながら問われると特別甘い物が食べたい気分ではなく、言葉濁しつつもこちらを気遣う様な態度と共に差し出されたケーキに興味惹かれてしまえば再度確認取るように問いかけ返し)

全ては目標のためだ、口だけの人間にはなりたくないからな。……あぁ、
(これまでならば皮肉の意を込められていたであろう言葉が微笑みと共に真っ直ぐに届くと胸に暖かな気持ちが広がる。近くにいるだけで傷つけあっていた頃が嘘のようだ。釣られて口角を上げつつ、質問は逆に質問で帰ってきてショートケーキを見やる。1人で十分食べられる量だが、減ったところで問題ない。それに並んでいて自分だけケーキを食べるのも問題があるだろう。そんな言い訳を自分に対して並べたあと、ショートケーキを刺していたフォークを相手の口元に近づけていく。断りなしの行動をして相手は怒るだろうか、そんな不安は見せもせずにショートケーキを口元へ差し出して)

…なら、1口だけ貰うぞ。 ん、…これも美味いな
(現在でも天才外科医として有名な相手が経験を積み、今の自分と同じ歳になる頃にはもっと腕の立つ医者になるだろう。 そんな事を考えながらもフォークを口元に差し出されると思ってもみない行動に目を丸くして、思わず硬直してしまい。だが似たような事ならニコとした事がある。 親しくなった故の行動だろうと無理やり結論付ければ、一言声を掛けてから羞恥が襲ってこない内にフォークの先ごと口に運び。口内に広がる甘味に満足気に口角あがり、味わうように咀嚼しながらも感想告げて)

……、…………あぁ、あそこの店のケーキはどれも美味い。毎日食べても飽きないくらいにな。
(ケーキを差し出され一瞬驚いたようだったが、しばらくも経たずしてこちらが差し出したケーキが消えていく。何故かその様子から目が離せなかった。口が開かれフォークの先ごと含み、それを咀嚼してから微笑む様に魅入ってしまっていた。ひとつのものを共有した、という事実がこんなにも思考を乱すのだろうか。呼吸が荒くなりそうなのを深呼吸をひとつして抑える。思考を冷静にしようとしたところで、相手の口の端に僅かにショートケーキのクリームがついているのを見つけた。どこかぼんやりした思考のまま引き寄せられるように体を近づけるとフォークを持たない手で相手の頬に触れようとしていて)

…みたいだな。俺でもそれなりに食べられ…、…ブレイブ？
(上質な甘味に意識奪われていたものの遅れて自らがして貰った行為を思い出せば、途端羞恥襲ってきて何事も無かった事装うように視線一瞬反らして何とか相手の言葉に続く様に素直に頷き。 それにしても接触をあまり好まない印象のある相手がこの様な行動に出たのは珍しいと様子窺うように視線戻せば先程よりも近い距離で何処を見ているのか掴みにくいぼんやりとした様子で手を伸ばされると先程以上の驚きと困惑に身が固まり、戦闘中以上に空回りを続ける思考の中では相手を見つめたまま何とか呼び慣れた名前を紡ぐことしか出来ず)

……っ、…口の端にクリームがついていた。
(伸ばした手が頬に触れる、見かけ以上に目の前の男の肌は柔らかで触り心地がいい。もっと近づいて触れたい欲望に支配される。手がゆっくりと後方に滑り、指先がうなじを捕らえようとしていた。しかしその瞬間にいつもの呼び名で、医者として戦う時の名で呼ばれると、一気に意識が呼び戻される。目の焦点を取り戻し困惑している表情と目が合う。一体何をしているんだ、と自分を叱りつけながら親指で素早く相手の口の端についていたクリームを拭ってやり、気まずい表情を浮かべながら目線を反らして)

…そう、か。 ………もう、食べないのか？ (触れているのは指先だけのはずなのに相手の体温が伝わってくるような気がする。 フル回転する頭にも関わらず硬直した身を相手の好きにさせていながらもふと意識取り戻した様に目が合えば少しほっとしたような色見せながらも口元拭われリームがついていたと説明されればぎごちなく相槌打ちながらも離れていく熱に寂しさの様な感情抱き。状況飲み込めるようになればいつの間にかどくどくと自らの脈が早いことに気付き、視線伏せ落ち着かせる様に黙り込めば暫し二人の間に気まずい沈黙流れ。 少しずつ落ち着いてくれば目を合わせることは出来ないものの何とか会話再開しようと声掛けて )

……いや、今日はこれで止めておく。今日はもう、十分だ。
(視線は交わされないが相手が怒っている様子はなさそうだ。感情のまま欲望のまま流されそうになった自分には驚いたが、それだけこの男を前にすると自制心を失ってしま。この空気のまま一緒にいるのはまずい。本当はもっと、今やったようにケーキを食べさせてその様を眺めていた。自分が差し出したケーキを、口に含むその瞬間を何度でも見たいと思っていた。感情は理性にとって1番の敵、何をしでかすか分からない自分など1番恐ろしい。残っていたショートケーキを大口開けて一気に食べてしまうと、ケーキの箱をたたみ始めて)

珍しい事もあるんだな。 ……疲れてんなら早く寝ろよ
(元通りに徹しようとするも甘党でこの量が少ない方と言っていた相手が中断を告げれば瞬き一つ繰り返してから素直な感想零し。 相手がケーキを食べないのであればこの部屋に引き止めておく理由もなくなる。 片付けし始めた相手を眺めながらも長い会議の後、一旦家やCRに戻り準備したとなれば移動で相当疲れただろうと考え巡らせれば医者としての性か、顔色覗き込む様に顔近付け。 大きな顔色の変化は見られない物のいつもと違うように感じれば患者相手のような言葉告げながら離れて)

っ、疲れてなどいない、ただ明日の朝に取っておこうと思っただけだ。…………おやすみ。
(ケーキの賞味期限は基本的にその日中、最高の状態で食すことこそ職人への礼儀だと常日頃から思っているが、今回ばかりはこれ以上相手の隣でケーキを食べるのは耐えられない。その時不意打ちでその男の顔が近づいてきてまたドクリと心臓が脈打つ。様々な因縁を取っ払えばこんなに近くに来れるのかと内心感動ものだ。だが惚けてしまいそうな顔を正すべく幾らか突っぱねるような言い方をして離れるとケーキを冷蔵庫にしまう。このまま部屋に行っても良かったが、やられっぱなしは癪だった。そもそもこの男は自身に鏡飛彩という男を同様させる力を持っていることを理解していないのが癪だ。これは何かお返しをしておくべきだろう。離れていた距離を縮め傍までくると右手を腰に回してこちらに引き寄せる。顔を寄せ耳元に口を持っていくと、夜の別れの挨拶を囁いた。最後には頬にキスをひとつ。「欧米式だ」と一言言い訳を置くとくるりと背を向けその部屋から出ていこうとして)

まぁそういう事にしといてやる。…な、にし、!?
(例え疲れがあったとしても何事も無かったように振る舞い、弱みを見せないタイプなのは今までの付き合いでわかりきっている。 僅かに動揺で表情固くなったの見透かせば目細めて余裕そうな口ぶりで返し。 ケーキを仕舞うのを見ればそのまま勝手に帰るだろうと一瞬余所見しているうちに近づかれ腰に回された腕で引き寄せられると困惑の声あげて抵抗試みようとするも突然の耳元への囁きに肩ぴくりと跳ねると声すら出ずに面食らった表情浮かべ。それだけでも十分過ぎるほど混乱極める中で頬に柔らかい物押し付けられると数刻置いて自らがされた事に気付けば顔に熱上り赤く染まった頬晒しながらも相手の言い訳など全く頭に入らずに日本であるこの地でわざわざ欧米式の挨拶をした相手を見るばかりで)

……言っただろ、欧米式だ。
(チラリと背の方を振り返ると今しがたおやすみの挨拶をした男は見たこともないくらい頬を赤で染めていて、未だ見たことの無い表情に胸がザワつく。あの仏頂面でスカした態度ばかりの男をここまで動揺させられるなんて思いもしなかった。すぐさま胸にもっと乱してやりたいと欲望が渦巻く、それを飲み込むように生唾を飲んで気持ちを鎮め、一言いいのこすと隣の部屋へと移動してしまい)

っ…、ここは日本だろ。
(漸く意識戻ってくればからかわれた事に眉を顰めてあくまでいつも通りを装うとするも上がってしまった熱はなかなか冷めることなく、その顔を隠すように余所向けばぶっきらぼうに言葉返し。そのまま足音が遠ざかり隣の部屋のドアが閉まる音を聞けば緊張の糸解けたように診察台に座り込み。 相手の触れた頬と腰が熱いような気がしてその感覚誤魔化すように自らの頬を手でなぞりながらも行動の意図も分からず何がしたかったんだなどと混乱したように独り言吐きながら自ら落ち着かせようとし)

(最近胸に渦巻いていた相手への妙な感覚、その体に触れれば解消されるかと思っていたが、逆にもっともっとと求めるばかりで余計に自分の気持ちに確信を持ってしまう。花家大我のことをもっと知りたい、もっと触れていたいと思いは募るばかりだ。長く長く深呼吸をしたあと、まずは気持ちを落ち着けなければと言い聞かせてこの日は就寝することにし)

……
(翌日の朝、決まった時間に目を覚ますとまずは身支度を整え部屋から出る。あの男は朝は早い方なのだろうか、真相を知るべくこっそりと部屋に近づいていって)

……、
(あの後も部屋に戻った相手に倣って早く寝てしまおうとするも睡魔など何処へやらでなかなか寝付けずにいて。 諦めて事務作業や部屋の整頓などして時間潰せば漸く戻ってきた眠気に身を任せ、広めの診察台の上で横になって就寝し。 翌朝、眠ったのが遅いせいもあって物音にも気付かないでいては規則正しい寝息立てながらも無防備な寝顔晒して)

……
(音も立てず部屋に入ってみるが起きた気配はなく、診察台からは定期的な寝息が聞こえてくる。まだ寝ていることを確信するとゆっくり近づき寝顔を覗いてみる。無防備に眠りこけるその表情は想像を遥かに超えて愛おしく思わず声が出そうになった。吸い寄せられるように寝顔へと顔を近づけていくと、相手の特徴的な髪、白髪になっている部分を指先でそっと掬い上げハラハラと落とし)

……ん…。
(髪に何かが触れる感覚を覚えれば意識浮上させ、小さく声あげるも無言で髪に触れている相手が直感的に彼であると気付き。探る様な慎重な手つきを続ける相手にこのまま起きてしまうのは少し勿体無い様な気がして、まだ眠いからと自分に理由づければ狸寝入り決め込んで不自然にならない様な呼吸続けながらも目を瞑って行動委ねて)

……
(髪に触れ僅かに反応があったが起きている様子はなさそうだ。そんな勘違いをすればもう少し、とまた胸がザワつき始める。普段見ることの無い無防備な姿、同じ場所で寝起きするからこそ見ることが出来る表情に心が奪われる。不意に目が薄く開けられた相手の唇へ奪われた。決して健康駅とは言えない色、ここにも不養生が現れているようだ。何でも背負い込むのがこの男の悪い癖だろう。それを少しでも軽減できれば、この唇の色を鮮やかにできれば……そんなことを考えて居るうちに顔がそこへと引き寄せられていく。息を潜め顔を近づけると、口同士を重ねようとしてしまう。しかし寝ている相手にそんなこと、許される事じゃない。既のところで思い直すと口の端に極短いキスを落とし、その後は寝入る顔を見つめていて)

…っ、…ブレイブ？ なにしてんだよ
(瞼閉じて寝たフリ続けながらも自らの寝顔が大して面白い訳でも無いに関わらず先程から傍を離れる気配のない様子に疑問抱きながらも不快感がさほど無いことに気付き。そろそろ起きる頃かと思い始めたとこで不意に何かが近付く気配と口端に何かが触れるのを感じれば昨日の行為も同時に思い出され動揺しつつも何とかバレないようにポーカーフェイス保つのに必死で。 どう見ても仲間や友達相手では済まされない行動に1つの理由浮かぶも相手に限って自分にその感情を持つのは有り得ないと早々に考え切り替え。少ししてから今起きたといった様子で瞼開ければこちら見つめる相手を見上げ、上擦りそうになる声を抑えながらも名前呼べば上体起こしながらも状況尋ねて)

……あぁ、起きたか。お前がいつまでも寝ているからそろそろ起こそうかと思ったところだ。そんな所で寝ていると体を痛めるぞ。
(眠っている間はなんの苦悩にも悩まされていないようにも見える。ついでに見たことの無い寝顔に言い様のない高揚を覚えながらじっと見つめていると、どうやら目を覚ましてしまったようだ。少々残念そうな色が顔に浮かぶも、すぐにそれを引っ込め今しがた起こそうとしたところだ、とでも言うすました顔で返事をする。相手の寝転がる診察台から一歩下がって起き上がるのを待ち)

ん、…そんな遅い時間でもねぇだろ。お前が何も無いのに早く起き過ぎなんだよ
(先程の行為など無かったと嘘をつき、いつも通りの表情見せる相手に怪訝そうな視線送るも指摘すれば狸寝入りしていた事がバレると判断すれば話題見送り。 別れ際の行動で散々頭悩ませ眠れなかった自分と違い、何とも思わずに熟睡していつも通りに早起きをした様に見える相手が妙に癪に障れば八つ当たりの様な言葉吐きながらも起き上がれば伸びなどして凝り解して)

残念ながら俺には朝から用事がある。そろそろつく頃だが……
(一瞬怪訝そうな顔を浮かべる様子にもしや起きていたのか、あるいは自分の行動をきっかけに起きたのかと勘ぐるが、そこに話題が及ぶ様子はなく、内心胸を撫で下ろし。睡眠の話で言うと病院の、しかもあまり質の良くない類のベッドのおかげであまり眠れてはいない。昨夜の別れ際のことは、あんな感情的な自分は自分でないと封印することにした。そして今朝に限っては用事がある。昨晩に注文していた品がこの医院に届くはずだ。時計をチラリとみやると、狙ったように玄関のチャイムが鳴り)

用事？ …、何か注文でもしてんのか
(スマホ触り新規の連絡や緊急の検診等がないかの確認終えれば相手が居るのも構わずに簡単な身支度整えながらも朝からの用事と聞けば思わず反応して。手術や会議等がまず思い浮かぶもここにいる時点で違うだろうと考え、まさかケーキ屋のオープン時間に並ぶのだろうかと明後日の方向に考え巡らせた所でチャイム鳴り、昨日の行動や呟きから何かしら注文したのだと察して。この医院を当たり前の様に届け先にしている事に口挟みたい気持ちはあるものの自分に必要な物を買ったのだろうと解釈すれば雑談程度に尋ねつつも関係ないと朝食代わりのシリアルバーに手伸ばし)

あぁ。今から搬入させる。……それをこちらへ。
(ちゃいむが鳴るのを聞けば玄関にむかうも、朝食をシリアルバーで済ませようとしている姿を見れば、それは断じて許せないと言うが如く眉間にシワをよせ。とりあえずは搬入を済ませようと玄関に向かい、自室前へと戻ってくれば、業者が搬入しようとしているのはキングサイズのベッド、狭苦しい花家ゲーム病クリニック内を何とかくぐり抜けると、自室に宛てがわれた場所にあった病人用ベッドを別部屋に移動させ、ふかふかの高級ベッドを当然相手の許可なく設置して)

(/ごめんなさい、間違えて下げてしまいました;)

…搬入？ おい、自分のもの持ってこいとは言ったが、ここまでは許可してねぇぞ
(相手の指摘する様な視線無視してパッケージ開けるも一個人の荷物を運ぶには似つかわしくない搬入という言葉に疑問浮かべて。 続いて複数人が玄関の方で指示飛ばしているような声聞こえれば立ち上がり廊下出て、古臭い医院に似合わないサイズのベットが搬入されて行くのを見れば信じられない物を見たと瞬きして。手際よく元々のベットが退かされ、さも当然のように設置されると注文した主である相手に眉顰めながらも詰め寄り)

（／いえいえ、お気になさらずに！ ）

ここは俺の部屋た、俺が過ごしやすいようカスタマイズして何が悪い。第一、患者を治療するのに医者は常に最高のコンディション出なくてはならい、睡眠の質を高めるの当然だ。
(あっという間に高級キングサイズベッドの設置が終われば搬入業者には軽く挨拶をして彼らを見送り。古い病院には明らかに不釣り合いであるが、最高の治療を行なうためには当然の処置だ、何が悪いか分からないといった顔を向けつつ、極上の柔らかさのベッドを触り、満足気に笑みを浮かべ)

部屋を貸すとは言ったが、お前の家にしろとは言ってない。 …いつもこのサイズのベットに寝てんのか
(物を持ち込むと言ってもちょっとした家電や小さい棚程度を想定していたのか、さも当然の様にベットを持ち込まれると育ちや考え方の違いを痛感し。相手の理論も一理あるが、考え付かないような解決策に文句口にしながらも視線をベットに移せばホテルなどでしか見たことの無い大きさに病室との強い違和感覚え。 注文した物がこれという事は彼の家でもこの1人用とは思えないこのサイズの物に寝ているのだろうかと考えれば満足気な様子眺めながらもふと口にして)

俺が住む場所なら環境を整えるのは当然だ。そして当然このベッドで寝ている。俺の家にあるものと同じものだ。低反発マットレスと高級羽毛布団使用で睡眠の質を最大限上げてくれる。あんな古いベッドとは比べ物にならないほどな。
(仮眠として寝るならまだしもあのベッドで毎日寝るなど考えられない。この部屋を見た時点で1番最初に改善すべき点だった。薄暗い医院には不釣り合いの品物だが、他の家具も揃えてやればそれなりの部屋になるだろう。相手の質問には当然と肯定して頷く。みるからに高級なベッド一式を簡単に買ってしまうくらいのお坊ちゃんな金銭感覚なのだが、本人は微塵も悪いことだとは思っておらず)

…お坊ちゃんの金銭感覚にはついていけねぇな。 なら、あのベットは俺が使うか
(さも当然とばかり語られる言葉にニコが押しかけてきた時以上に頭が痛くなってくれば今更相手に何言っても仕方ないと話し合い放棄して投げやりに呟き零して。本来自分がいつも使っていたベットを相手が使用する必要が無いと分かれば今日よりはまともな睡眠を摂ることが出来るだろうと考えて。 一人で居た時には起こり得ない事の数々に煩わしさに似た物覚えつつもCR公認の相手を無下にしたらレーザー辺りがまたうるさくなると考えれば｢今日の予定は何かあるのか｣と問いかけて)

俺は金をかけるべき場所が分かっているだけだ。……なんなら2人で寝るか？
(昨日寝ていた診察台よりかは病室用のベッドの方が寝心地はマシだろうがそれでも必要十分といったところだろう。最高の睡眠を得るには現状この病室ではこのベッドが1番だ。だがらこそそんな理屈と、少しの下心を込めて、冗談めかしてきいてみる。ダメ元だが、昨日の別れ際のことといい、相手がどういうリアクションをとるか興味があった。問われた質問には「今日は午後からだ」と答えておく。朝早く起きたのはいつもの起床時間であるのとこのベッドを受け取るためだ。花家医院は開院に向けての準備でもするのだろうか)

…野郎二人で寝るとか罰ゲームだろ。 そうか。…うちのとこの患者のカルテだ
(相手の言葉に顔が一瞬固まり。確かにこのサイズなら成人男性が2人寝た所で窮屈に感じないだろうが、好んで行うものでもないだろう。昨日の事といいそういう冗談を飛ばすタイプだっただろうかと思考巡らせつつもからかわれないようにポーカーフェイス気取りながらツッコミ入れ。午前中はうちにいる事が分かれば簡素に相槌打ち、少し悩むように視線伏せ。本来ならば一人でやっていた仕事だがここで仕事をすると自ら言い出した相手になら少し頼っても良いのだろうか。そう思えば棚にしまってあるゲーム病患者のカルテの入ったファイルを取り出し、目を通しておけといったように差し出して)

（／上げさせて貰います）

（／未練がましいかもしれませんがラスト上げさせてください）

(/長らく顔を出せず申し訳ありませんでした。
飛彩と大我ではお互いツンツン同士でなかなか接点を作り出すのが難しくて……次の展開が思い浮かばずに筆が進みませんでした……本当にごめんなさい。)

（／ ご連絡ありがとうございます。 更新がなく不安でしたのでこうして返信来ただけでも有難いです。
承知致しました。 難しいようであればここで打ち止めでも構いません。
短い間でしたが御相手出来てとても楽しかったです、ありがとうございました！
単車の御相手は色々やりたいと思っているのでまた何処かでご縁がありましたら宜しくお願いします。）

(/こちらこそお相手いただき本当にありがとうございました。こちらの力不足で申し訳ありません……自分も単車でのやり取り好きですので、どこかでまたお会いできたら時には違う姿同士でも仲良くしていただければ幸いです。
短い時間でしたが、ありがとうございました。)