着ぐるみパンダさん 2020-08-02 17:23:34 |
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【どこまでも合理的に、兵として、傭兵として命を懸ける決断を下すゼクシアの姿を見て】
【ステラは何度目かの深い溜息の後、己の眉間を指で突く】
……嫌なんだよ。
一人の兵にリスクを全て背負わせ死地に向かわせて、自分は後方でぬくぬくとしている。
こんなのは策として下も下……でもボクは、上司に逆らえない無能な一人の軍人で……ただの売れない小説家だ。
【長い前髪で視線を隠し、背中を丸めて椅子に座る、それはある種の諦念と、消えない深い自責の念に苛まれている姿であり】
【戦いの最前線から遠い地にあって、兵を人ではなく、数字と効率で捉えなくてはならないことへの無力感と】
【――「あぁ、それでも、命を落とすのは自分では無いのだろう」と】
【どうにも後ろ暗い安堵が心の奥底に浮かんできてしまう、自分の腐った性根への苛立ちを抱えた姿でもあった】
ゼクシア……武運を祈る……なんて、薄っぺらい言葉しかかけられないけど、武運を祈る。
いざとなったら諦めて逃げてくるんだ……こんなことで命を落とすなんて、馬鹿馬鹿しいにも程があるから。
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